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医者孤島診療所2006 ハラ×コト

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                     | 医者孤島診療所2006
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、ハラ×コト、
 | |                | |             \ 最終話補完編です・・・・・・
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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「はぁ……ぁあンっ……ンぁああっ!っく…こ…壊れ……ぁああっ!」
 わざと狙いを掠らせ、焦らせた直後の強い突き上げに、孤島は常には白い肢体を、
全身紅潮させて揺れている。
「――痛いのか?センセ?」
 声に苦痛の色が混じるのを感じ、強すぎたかと動きを止めて訊くと、孤島は固く目
を閉ざしたまま、激しく首を横に振る。痛いのには違いない。初めてではないし、
十分慣らしたとはいえ、体格が違いすぎる孤島のそこは俺を受け入れるにはそもそも狭い。
 孤島が薄目を開けた。
「……けどっ、気持ちイイ、です。……だから、やめないで」
 囁いた孤島は恥ずかしげに自身の性器に視線をやる。
 ソレは勃ちあがり、先走りに濡れていた。普段、性欲などとは無縁な、
天使か菩薩のようにさえ見える孤島が、俺の前では欲望に素直になる。
 特に今日の孤島は積極的だった。
『ハラさん、あの……3年前と同じホテルで、待ってますから……いいですか?』
 着く時間を連絡しろとは言ったし、無論、半日船を運転しっぱなしになる俺を気遣って
という意味もあるのだろうが、孤島の側から誘ってくるとは思わなかった。

 綾香のオペが無事成功して、1年近い心の重荷から開放されたからか、
久し振りにしばらく離れていたからか。とにかく、2時間前、港に程近い安ホテルで
落ち合った俺達は、夕飯も食わずに、まだ師走の夕日も沈みきらぬ時間にこうして
快楽をむさぼっている。
「ココがか?」
 半ばまで抜き、一気に突き上げると、孤島は嬌声をあげた。
「んっ…ぁあ!――そ…こっっ、……ぁあっ…!」
 大きく揺さぶられながらこくこくと頷く。ローションで適度に潤った孤島のそこが、
俺を包み込み、絡み付くように愛撫する。
 俺にしがみ付いていた腕の力が抜けた。人形のようにがくがくと揺れる孤島の身体を、
俺が代わりに抱いて支えてやる。
 より深く繋がる姿勢に、再び孤島の腕が伸びてきた。熱に潤んだ目で見上げてくる。
「――ハラさん…は――気持ち、いーですか・・・?」
「ああ・・・・・・イきたいのか?」
 孤島がこう訊いてくるのは限界の意思表示だ。
 頷く孤島に、「やっぱり、まだ俺は気持ちよくねぇ」あるいは「はっきり言え」と
意地悪をしようかとも思ったが、きつく俺を包み、言葉以上に素直に俺を求めてくる孤島の
身体に促されて、俺は絶頂をめざした。

 後始末を終えて戻ってきた孤島が、もぞもぞと俺の横に潜り込む。
 抱き締めると子供のように抱きついてきた。細くて猫のように柔らかい孤島の身体は
抱き心地が良い。
 いつの間にか部屋はすっかり暗くなっていた。孤島は眠いのか疲れているのか、
抱きついたまま動かない。
「もう寝るか?夕飯は?」
 時計は19時を指していた。
「一応ヤシガニラーメンは買ってありますけど・・・・・・僕はいいです」
 デスクの上に視線をやると、それらしきビニール袋の影が見えた。
 好物なのはいいが、こういう時こそ変わったもんを食えばいいのにと思いつつ、
一応忠告する。
「食うなら今のうちに食っとかないと、勿体無いことになるぞ?」
「・・・・・・ハラさん」  
 低い声にドキリとした。眠気を含まない、思いつめたような声だった。
 どうした?と訊くと、孤島が顔を上げた。
「健康診断していいですか?」
「は?…………ああ」
 唐突な申し出に俺は面食らったが、真剣な様子に頷く。
 無言でベッドを起きだし、浴衣を羽織りはじめた孤島を見守りながら、
様子が変だ、と思った。
 東京で何かあったのだろうか。

「じゃあ、診ますね」
 声とともに降りてきた聴診器の感触は、体温に馴染む優しいものだった。聴診器は冷たい
ものと思い込んでいた俺には、孤島の優しさが無機物にまで染み込んでいるように感じた。
 ――息を吸って、吐いて。ここに違和感はありませんか?
 俺は仰向けになり、時折囁かれる孤島の指示に従いながら、されるがままになっている。
 孤島の指がよどみなく動いて俺の皮膚と筋肉の下を探り、耳が聴診器越しに俺の鼓動を
拾う。孤島の目は休み無く動いてはいるが手元を見てはおらず、それらの行為で何が
孤島には見えているのか、俺には皆目見当もつかない。
 ともすれば薄明りの中で俺の肌を這い回る孤島の指や、無造作に羽織った浴衣の隙間から
見える俺が先刻付けたばかりの刻印に、うっかり冷ましたばかりの熱が再燃するのを感じたが、
目を閉じて自重した。
 3年前の土砂崩れの夜、ツトムを診察室から引きずり出しながら垣間見た孤島の顔が、
脳裏をよぎる。あの時と同じ顔をしている、と思った。
 今この瞬間の孤島は、俺の恋人の孤島ではない。スーパードクターの顔になった時の
孤島は、俺が邪魔していい存在ではない。
 程なくして、孤島の手が離れた。
「終わりました」
「何もなかったか?」
 声にいつもの柔らかさが戻ったの確認して、俺は訊いた。
「はい。……あ、でも、正確なことは分かりませんから、春の健康診断には
ちゃんと来てくださいね」
「ああ」
「……ハラさんは……病気にならないでくださいね」
 孤島がポツリ、と言った。

「綾香みたいに、俺も病気になるのが怖いのか?」
 孤島は頷いた。綾香の一件がそんなに堪えたのだろうか。俺は努めて明るく返した。
「そん時は、センセが手術してくれればいいじゃねぇか。俺はセンセが診てくれれば、
 どんな結果でも後悔しねぇぞ?センセ以外の医者に手術されるのは真っ平ごめんだがな」
「僕以外の治療は……受けたくない……?」
「ああ、センセ以外の医者は信用ならねぇからな」
 喜ぶかと思ったが、孤島は逆に沈んでしまった。
「……僕も、ハラさんがもし…もし、病気になったら、僕の手で、治したいです。ハラさんが
 そう思ってくれてるなら、なおさら…僕が治したいです。でも……」 
 孤島は震えだす。
「――綾香さんのオペで、怖くなりました。――いつか、目の前で誰か僕の大事な人が…
 ハラさんが……苦しんでるのに、メスを握れなくなる日が来るんじゃないか、って」
「綾香の手術は出来たんだろう?」
「僕1人だったら、きっとできませんでした。……もしあれが緊急オペで、医者が僕1人
だったら、基本的な処置さえ・・・・・・できなかったかもしれません」
 沈黙が落ちた。こういう時、俺はいつも言葉につまる。
 孤島が何に苦しんでいるのか、それさえ俺には十分に理解してやれない。
 3年前、東京から連れ戻さなければ、こいつは、今より幸せな人生を送れていたのでは
ないか?こいつにとって、この島にいることが本当に幸せなのか?
 不甲斐ない自分に、そんな疑問さえ湧いてくるが、今更孤島が島を離れて、
俺の手の届かない場所に行ってしまう事もまた、耐えられることに思えなかった。 
 俺は迷いながら、それでも今ここに孤島がいるという事実に、口を開く。

「・・・・・・俺には難しいことは分からねぇが、いいじゃねぇか。出来なかったら、そん時は
 そん時だ。帰ってきたってことは、俺がもし倒れた時も手術するって決めたんだろ?」
 孤島はこくりと頷く。
「でも……寝てるハラさんを見てたら、やっぱりなんだか怖くなってしまって。
 それで――はは……駄目ですね。後悔しないって約束したのに」
 苦笑する孤島を抱き寄せて、俺は軽口をたたいてみた。
「あんまり先のことまで考えすぎるんじゃねぇ。白髪が増えるぞ」
 髪をくしゃくしゃにかき回すと、孤島は笑い出す。
「……気になってました、これ?」
 くすくす笑いながら訊いてくる。
「ああ。気になるから染めろ。みっともない」
「んーちょっとだし、誰も何も言わないからいいかなと思ってたんですけど……
 そうですよね、そうします」
 笑いを収めた孤島がぺこりと頭を下げた。 
「……ハラさん、変な事言ってすみませんでした」
 返事を待たずに孤島は立ち上がる。また俺に弱音を漏らしてしまったと恥じている
のか、笑ったらお腹空いちゃったと呟きつつ明るい声をあげた。
「やっぱり、僕ラーメン食べます。ハラさんも食べますよね?」
 デスクに歩み寄った孤島が、ビニール袋の中身を嬉しそうに見せてみせる。
「空港で見つけたんですよ、これ。冬季限定販売の黒ラベル!」 
「……今度は何味なんだ?」
「えーと、黒ゴマ醤油味、みたいです。どんな味なのかな」
 折角の気兼ねない夜だから、もう重い話はやめます、ということか。
 安堵か失望か自分でも分からない吐息をひとつ零して、俺は脱ぎ散らしていた服を
着はじめた。湯を貰ってこなければラーメンは食べられない。
 今この瞬間、こいつに俺に出来ることはこれくらいか。情けねぇな、と思った。

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