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斉藤×れん

柴/田/よ/し/きの『フ/ォ/ー・ユ/ア・プ/レ/ジャー』
の後日談らしきものです
斉/藤×れん

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

部屋に入るなり、若は俺をソファに座らせた。
俺はジーンズに包まれた細い腰を鑑賞した。
細いジーンズは若の長くてしなやかな足や、抱きしめたくなる腰を
あますところなく明らかにしていて、俺は唾を飲み込んだ。
お呼びが掛かるのは久しぶりだった。
しかたがない。若には手に届くところに若い男がいくらでもいるし、
色々試してみたくなるのは男の性だ。
そして、俺は実のところ、若の舎弟の一人でしかなかった。
久しぶりに与えられる快楽の予感に、すぐにでも、腰をつかんで、
後ろから突き上げたい衝動に駆られるが、主導権を持っているのは俺ではない。
俺は忠犬よろしく、おとなしく若に従った。
若は俺の前に立つと、目を細めて、俺を検分した。視線が肌の上を這う。
それだけで俺の背筋はぞくぞくした。
若の目線は己の持ち物の様子を調べているような、冷静なものだった。
ある意味、それは正しい。現在、俺の人生は若の掌中にある。
細くて綺麗な指が、ゆっくりと俺の顔をなぞった。
「案外早く元に戻ったな」
俺は黙って、ただ、目の前にある男にしてはありえないくらい整った顔を眺めていた。
何度見ても、いつまで見ていても見飽きなかった。
ほのかな白檀の香りが俺の鼻をくすぐった。香水やコロンの人工的な香りではない。
若の肌の香りだった。まれに、こんな風に生まれつき肌の香る人間がいるという。
そして、人を狂わせると。

「体のほうは、どうなんだ」
気遣う調子ではなかった。それどころか、面白がっているような口調だった。
この人に、そんな優しさは期待していない。
そもそも、俺の体が傷だらけだったのも、
顔が火ぶくれになったのも全部、この人のしたことだった。
「おかげさまで」
短く答えると、若は軽くうなずいて、
俺のシャツのボタンを一個一個、いやみなくらい丁寧に外していった。
外しながら俺の上にのしかかってくる。香りが強くなった。頭がくらくらした。
気が付けば、若の深い闇色の瞳のなかに俺が映っている。
瞳の中の俺は、蕩けるように甘く濃厚な闇の中に完全に溺れていた。
この香り、それから強い人を飲み込むようかのような視線が、男を狂わす。
全てがどうでもよくなるのだ。
かつては若がやくざで、俺が警察官であることが些細なことに思えた。
今は、この人がつい先日、俺を半殺にし、いや本気で殺そうとしたことが、
取るに足らないことにしか思えなかった。
「治ってるな。少し、跡が残っているが」
若は、いきなりわき腹に残った傷跡を抓った。俺はうめき声を上げた。
ケラケラと若は笑った。どうやら、今夜は機嫌が良いようだった。
そういえば、酒の匂いもしない。
ひどいときは、この人は浴びるように酒を飲む。あるいは睡眠薬をしこたま口の放り込む。
まるで、自分の命などどうでも良いかのように。俺はこの人のために少しだけ安心した。
これがいつまで続くかは、わからないが。
「これくらいで、さわぐなよ。
取調室でいつもあんたがやっていたことに比べれば、可愛いもんだろ」
もちろん、俺は文句を言わない。これくらいで文句を言っていたら若の相手は務まらない。

若は俺の前に跪いて、スラックスの前をゆっくりと撫でた。
「でかくなってるな」
確かに、俺の性器は、下着の中で窮屈だと主張し始めていた。
だが、この人を前に、普通にしていられるわけがない。
まして、じらすように、シャツを脱がされては、平静でいるのは拷問に近い。
だが、若は珍しいことに、それ以上俺をじらさなかった。
性器が暖かい口腔に包まれたとき、俺は深いため息をついた。
羽のように軽く柔らかく、あるいは蛇のように執念深く強靭に、舌は俺を攻め立てた。
若の柔らかい髪に指を突っ込んでかき回すと、若が俺を見上げてきた。
目の縁がほんのりと赤くなっている。口の端が唾液と、俺の先走りで光っていた。
若も興奮している。
「若!」
若は、優しいといっても良い口調で、ささやきかけてきた。
「達けよ。達かせてやるから。好きなだけ」
そうではない。口ではなくて、ねっとりと淫靡に絡み付いてくる尻の中で達したい。
その尻は俺の前で、ジーンズに包まれて、いやらしく揺れていた。
中に突っ込んで、この人の口からこぼれる女のように高くかすれた声を存分に聞きたい。
突きまくって、前もこすってやると、この人の目には涙が浮かぶ。
その涙を舐め取ってやりたい。
欲しいものが目の前にあって、届かないもどかしさに、俺の喉は乾いてひりついた。
アル中が酒を目の前にしたときは、こんな感じなのだろうか。
だが、全て若が決めることだ。

俺が沈黙していると、若は立ち上がった。
「わかったよ。今夜はあんたのしたいようにするがいい」
にやりと口の端で笑う。今夜の若はいつになく親切だった。
まさか、これは俺を半殺しにしたことへの、若なりの謝罪なのだろうか。
若は自分でシャツを脱ぎ捨てた。引き締まった男の体があらわになる。
滑らかな肌。胸に浮かぶ蝶のタトゥー。白檀の香り。
若がどいうつもりかなど、この際関係ない。俺の理性は崩壊した。
ジーンズを脱ごうとしている若を性急に床に押し倒した。
この綺麗な男を思う存分犯したかった。
「がっつくなよ。準備ってものが…ある……んっ」
「したいようにしろといったのは若です」
ジーンズは膝までしか脱げていないが、俺はかまわず指を唾液でぬらして、
若の尻に差し入れた。
夜毎男を受け入れているそこは、俺の指三本をあっさり受け入れた。
わかっていることとはいえ、癪に障った。
頭ではわかっていても、抑えようのないこともあるのだ。
俺は若の肩を押さえつけて、指をあわせたり、離したりしながら、乱暴にかき回した。
相変わらず、いいしまり具合だった。指をくわえ込んで、離そうとしない。
指がある一点を掠めると、かすれた声が上がった。
「んっあっ…あぁ」
若の性器も立ち上がっていた。
先端を弄ってやると、若は腰をよじって、女のように、
いや女よりなまめかしい声で喘いだ。その声で、俺にも限界が来た。
はちきれそうになっている俺の性器を取り出すと、白く淫靡な尻の狭間に押し込んだ。
熱と圧迫に、頭がしびれる。これだ、これが欲しかった。
俺は何度も角度を変えて、若を貫き、そのたびに若は高くかすれた声を上げて達した。

いつの間にか、若は気を失っていた。
部屋の中には、俺と若の二人。
尻の狭間から俺の放った精液が漏れ出していた。
若の性器も腹も、濡れていた。
脱ぎ散らかした服が残骸となって、床に捨てられていた。
それ以外は、先ほどの激しさが嘘のような静けさだった。
俺は側にあったティッシュで、若にこびりついた体液を丹念にふき取った。
長い睫に、透明な涙が光っていた。
そっと、指でぬぐい、髪を撫でてやった。
若の口元が動いた。俺は耳を寄せた。
「りゅ、う……」
静かな部屋に声が響いた。
俺は唇をかみ締めた。
俺と同じように元刑事の男。若の愛人であった男。
そして、俺と違って若に愛されている男。それなのに若の側にいようとしない男。
若がこうなってしまった、全ての元凶でもある男……。
わかっている。俺も、俺以外の全ての男も若にとっては肉の渇きを癒し
眠れない夜を眠るための睡眠薬であることは、わかっている。
俺が若に今のところ気に入られているのも、その男と同じように元刑事だからなのだろう。
わかっている。だが。
俺はため息をついた。
若を濡れタオルできちんとぬぐってやって、ベッドに運んで、それから。
若は今夜は寝付けたが、俺は眠れない夜をすごすことになるだろう。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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