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豆腐グラタン

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )アニメ死月。デュクス×艦長?固有名詞多くてスマソ

「艦長、またこんなところで…!」
頭上からその声が降ってきたのを聞いて、思わずくわえていた煙草の煙にむせた。
振り返ってみると眉根を寄せたデュクスが、腰に手をあてて立っている。
「ここなら見つからないと思ったんだが」
「あなたの行きそうなところなら大体見当はつきますよ」
私はため息をついて、制服の内ポケットから灰皿を取り出し煙草を押し付ける。

アルクス・プリーマの左舷甲板。シムーンの待機ブリッジの横は見晴らしが良い割
にあまり人が訪れることのない場所だった。私は艦内で一人になりたいときに過ご
すいくつかの隠れ場所を持っているが、必要があればいつでもグラギエフはその場
所を見つけ出した。それは私たちがシビュラであった時代からのグラギエフの特
技、のようなものだった。
「煙草はやめた方がいいと何度も言ったはずですが」
「君もこちらにこないか。風が気持ちいい」
私がそう言って手招きすると、グラギエフの表情が緩んで、いつもの優しい顔に
なった。
近づいてきた彼の制帽の下の藍色の髪が、吹き上げる風に揺れている。
「巫女樣方はどうしていらっしゃる?」
「今は休憩されていますよ。さすがに緊張されていましたからね」

数時間前、すでに制空権を奪われた宮国に対する示威行為として送り込まれた礁国
の飛行機械に対して、私のシミレとシムーンの混成部隊で奇襲攻撃を行った。
これは敵国の技術力向上により戦闘が激化して行く中、何度も司兵院上層部に対し
て提案しては却下されてきた戦術を応用したものだった。
アルクス・プリーマでのテロ攻撃の後、多くのシムーンは修復不能になり、また多
くのシビュラを失った。また、古代シムーンを嶺国に奪われた以上、軍事的判断を
するなら、非力なシミレであっても、それを量産して部隊を編制する必要がある。
軍事上何より失ってはならないものは制空権であるからだ。
こんな初歩的な話ですら、権力闘争と自己保身に走る上層部では相手にされない。
いや、はじめはただの宗教的権威付けであったこの言葉「シムーンは神の乗機」
に、長引く戦争への絶望感から盲目的に縋ってしまったのかもしれない。
そういった意味では、どんな絶望的な状況でも「自分たちに出来る事をする」と踏
みとどまって言った巫女様達のほうが、よほど大人だ。

「あなたもお疲れでしょう」
「シミレといえど、久しぶりの実戦だからな。さすがに10代の少女のようにはいか
ないさ」
「そうですか?私にはまったくひけをとらない操縦に見えましたが」
「内心は冷や汗ものだよ。君に艦をまかせていなかったら、とてもあんな無茶はで
きなかった」
「無茶だという自覚はありましたか」
「君はどうなんだ?その割には素直に従ってくれたが」
苦笑したグラギエフの手が私に伸びて、頬を撫でる。
「あなたがそういう性分である事は嫌というほどわかっていますから」

あの時、彼は礼拝堂で『君の事がわからなくなった』と言った。
たしかに私は彼に対して沢山の嘘をついてきた。元々デュクスの職は軍属ではな
い。戦争にまつわる様々な暗部を、彼に見せたくなかったーーーというと聞こえが
いいが、むしろ暗部にまみれた自分のそんな姿を見せたくなかったのかもしれな
い。
玲瓏の巫女ーーーその高貴な少女の面影を、男になった今も残す彼に。

「あなたを信じられなくてごめんなさい」
頬を撫でていた彼の手が、ゆっくりと唇を撫でて、フワリと口づけられた。
それは誓いの口づけ。パルであった頃に何度も重ねた、祈りに似た優しい口づけ。
唇が離れると、突然の彼からの行為に、私の頬が少し火照る。そんな私を見て、グ
ラギエフは目を細めた。あの頃より背が高くなり、肩幅の広くなった彼に、抱きか
かえられるような形になっていることに気づいて、さらに顔が熱くなる。
「足りない」
悔しくなって乱暴に彼の頭を強く引き寄せ、唇を深く重ねる。
驚いて体を引こうとするのを押さえ付けて、薄く開いた唇から舌を割り入れる。
私がしがみつくように彼の首に手を回して、口づけの角度を変える頃には、最初は
躊躇っていた彼の舌も素直に応えてくれるようになった。

「煙草の味がする」
お互いに少し息を弾ませて離れた後、苦虫を噛み潰したような顔でグラギエフがそ
う言った。
「わかった。もうやめるから」
私はポケットの中の煙草をくしゃりと握りしめた。
戦闘の後の一服は美味いものだが、玲瓏の巫女との口づけは、他の何にも代え難い
のだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )ぬるくてスマソ。軍事知識は捏造。


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