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某舞台役者でパラレル設定江戸風味陰間ネタ

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                     |某舞台役者でパラレル設定江戸風味陰間ネタ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  2ヶ月前に投下したものの続きです
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中秋の名月も近い秋の最中。
料亭や茶屋の軒の連なるこの花街界隈にも、どこからともなく鈴虫の音が聞こえてくる。
が、その音に耳を傾けることもなく、峯輝は茶屋の廊下の片隅でただじっと線香のほのかな灯火を見つめていた。
時刻を計るための線香は、客が座敷に入った時に点される。
その灯火が消えるまでが、陰間と共に過ごせる時間なのだ。
夜も更け、客足の大方は途絶えた。
最後の線香が燃え尽きたのを確認した峯輝は、一番奥の座敷へと向かった。
用心棒という名目で雇われている峯輝だが、客を選ぶこの茶屋では酔った客が陰間に乱暴をはたらく……などということは滅多になく、もっぱらの仕事は陰間の身の回りの世話である。
そして、客の案内や時間を告げることも峯輝の仕事であった。
「あぁん!」
障子を通して、藍音の甘い嬌声と荒い息遣いが聞こえてくる。
しかし峯輝はまったく表情を変えることもなく
「お時間でございます」と障子越しに告げた。
まもなくして、身なりを整えた客が座敷からでてきた。
名残り惜し気に座敷のほうを振り返ると「また寄らせてもらうよ」と声を掛ける。
そして出口まで案内する峯輝に
「あいつは上玉だな。咲き始めかと思ったが客を悦ばす手段をよう知っておる。あの締め付けはたまらんな」
下卑た笑いを浮かべながら話しかけてきた。
峯輝は再び顔色ひとつ変えずに
「またのお越しを」とだけ返答した。

客を表まで見送ったのち、熱い湯をはった桶と木綿の布を手に再び奥の座敷に向かった。
それらを受け取った藍音は、峯輝が目の前にいるのも気にする様子もなく後始末をはじめる。
湯を絞った布で躯を清めると、肌蹴た着物はそのままに畳の上に腰を下ろした。
「ああ疲れた。ねちっこい客でさ。一見さんだと好みがわからないからさぁ、余計に気を遣うんだよね」
と、銚子に残っていた酒をあおりながら愚痴る。
「……お前ほど常連客がいれば、一見の客の相手なんかする必要はないんだろう?」
この茶屋一の器量と床術を持つ藍音を再び一晩の相手に、と望む客は後を断たない。
しかし藍音は、自らの意志で常連客を相手するのと同じ割合で一見客も取っていた。
「なにか理由でもあるのか?」
「……別に。」
「……まるで誰かを待っているみたいだな」
峯輝の言葉に、藍音の目に一瞬の動揺が走る。
「……あんたには関係ない」
動揺を悟られまいと視線をそらすと突き放すような物言いで答える。
「そうだな」
藍音の心中を察した峯輝は、話を打ち切り立ち上がった。
「なに?僕に興味あるの?」
すっかりぬるくなった湯の桶を手に部屋を後にしようとした峯輝に藍音が言葉を投げた。
無口の峯輝が仕事以外のことを口にするのは珍しいことだった。
今から半年ほど前。どこからともなくこの街にやってきた峯輝は、茶屋の目の前の通りで刃物を持って暴れる大の男を素手で取り押さえるという大物捕りをしたのだった。
その腕っぷしを見込まれ、この茶屋の用心棒として雇われたのだったが、
この街に流れ着く前にどこにいたのか、なぜ流れ者となたのかなどということは一切わからない。
どこぞの大名に仕えていただの、将軍家の庭番だっただの、実は鷹匠だっただの、
様々な噂や憶測が陰間の間で囁かれていたが、本人が過去のことをまったく口にしない為に真実を知りようがなかった。
――そんな男の目を自分に向けさせる。
……面白そうな遊びだ。

先ほどの態度から一転し、口元に艶っぽい微笑を浮かる。
「興味あるなら……特別に、相手してあげてもいいよ?格安にしてあける。あんたのこと、嫌いじゃないし」
上目使いで誘い文句を口にする。
気位を高く。けれど甘えるように。
この目線に堕ちない男など、一人もなかった。
だが。
「生憎、そういう趣味はない」
「……っ!誰のおかげで仕事ができると思ってるのさっ!」
自分が客を相手にして稼いでるからなのに。
自尊心を傷つけられた藍音は頬を真っ赤に染め抗議する。
「ここでの仕事がなくなれば他に行くだけだ」
淡々とした口調でそう告げると、峯輝は今度こそ部屋をでた。

『まるで誰かを待っているみたいだな』
……なぜ、あんなことを口にしたのだろう自分は。
他人に関心をよせることなどなかったのに。
ただ、何度となくみた、あの「表情」 がそうさせたのか……
藍音が座敷にあがる時、廊下の隅で控える自分が見る、一瞬の光景。
障子を開け、客と目線を交わし、極上の笑顔を作る前にみせる落胆の表情を。
待っていた人物と違う、とでもいうような。
客に気付かせることもないほんの一瞬のことだ。おそらく本人すら気付いていないのだろう……

一体こんな場所で誰を待つというのだろう。

――否、自分には関係のないことだ。

自分の中に芽生えた感情に、峯輝はまだ気付いていなかった。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 復讐相手の登場までいかなかった…Orz
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 時間ができたら完結編までかんかります。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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