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OVAジャイアントロボ・地球が静止する日 アル→載

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
色々間違って居るだろうGR。アルと載。上下不明。でもアル→載。

本部の自室へ戻ると、部屋の明かりもつけぬ侭扉を閉めた。
後ろ手に扉を閉めた格好で、疲労感から目を閉じる。
右目の機械化されたモノクルは、レンズを閉じた。
微かなその機械音すら、疲労を覚えた身には煩わしい。
疲れた。こんなにも疲労を覚えるのは、久し振りかも知れない。
こんな姿を他者へ見せる事は、自分の主義に反する事でもあるし、
また、十傑集の一人としても問題だとも思う。
ならば己の任務が終わり次第、執務室へ篭る事しか出来ないだろう。
ここが己の城であるならば、とも思う。
自分にはあの城の価値だとか、その他の調度品の良さだとか、
そう言った一般的な意味における価値観は判らない。
だが執務室よりかは休息に適して居ると言う価値は判るし、
それだけで自分にとっては良い住処だとも思う。
(更に言えば、イワンの紅茶が飲める)
だがあの九大天王の一人、あの男が死んだ今、事態は如何動くか判らないのだ。
本部へ詰めて居なければならない。
ならばこうして、執務室で待機するしか無い。
そして少しでも体を回復させなければ。
それにしても、何故こんなにも疲労を感じるのだろうか。

そうだ。あの男は死んだのだ。

僅かに髪が一筋、額へ零れ落ちる感触がする。
閉じて居た片目を開け、その一筋を頭へ撫で付けた。

完璧で居なければならない。いや完璧なのだ。
この衝撃のアルベルトは完全なる力を、
今も、以前も、そしてこれからも、持つ。完全なる姿である筈だ。
十傑集の一人として、ビッグファイア団の幹部として、
偉大なるビッグファイアの御意志を具現化出来る、選ばれた者として。
だからこそ、髪が乱れた姿など、人前には晒さない。
己の体へ沿う、完全なる仕立ての服を纏う。
そして何よりも、疲労などに薄汚れた己の姿を認めない。
だからこの疲労を拭わなければならない。
その疲労と消耗の正体を知らなければならない。
この極度の体力消耗は、あの男が死んだ事が原因なのだろうか。
そうなのだろう。消耗して居るのは体力では無い。
気力を消耗して居るのだ。あの男の為に。

「戴宗」

忌々しいその名を吐き捨てても、気力が回復する訳では無い。
それが更に不快で、忌々しくて、混乱する。
己で制御出来ない己に対し、苛つく。
常に冷静で、粛然と任務を遂行して来た自分が、何故こうも不快な思いをしなければならないのか。
不愉快でもあるし、普段動かぬ自分の感情が、こうも激しく揺り動かされて居る現状に混乱する。
その混乱する頭を静めるべく、寒々しく広い部屋の中央へ据えてある、黒檀の机へ向かう。

その机は自分の体に合うようにしつらえた。黒革張りの椅子も勿論そうだ。
どさりと椅子へ身を投げ出すと、鍛え抜いた厚い肩も、
黒革の椅子に包み込まれる。少しひんやりとした温度が心地良い。
その心地良さへ少しの満足を得た。
これで漸くと、落ち着いて思索へ耽る事が出来る。
生粋の軍人として、選ばれたエージェントとして、常に感情も思考も言動も完全に制御して来た自分が、何故あの男が死んだ今、感情を制御出来て居ないのだろうか。

おとうさま。

己の娘の、幼い声が頭に響く。
そうだ。あれの母親、それとあれ自身に、昔は混乱と不快感も得たものだった。
それは自分自身の中で判別出来ぬ種の感情の発露であったり、
そしてその自身で整理出来ぬ感情から発する、娘に対する言動であったり、だ。
一般(どの程度の人間を一般と言うのか、それが既に自分にとって判断に迷うが、恐らく世間にごまんと溢れる愚かな人々の事だ)で言う、情と言う奴なのかも知れない、と昔己は判断を下したのだ。
闘いイコール己として生きて来た中で、闘い以外において己の感情を揺さ振るものがあるのかと、驚いたものだった。
美しく賢い、そして自分とは似ても似つかぬ、優しい女。その娘。
己と似ても似つかぬものだからこそ、何が何でも欲しいと切望し、焦燥し、憎み、焦がれて、奪ったのかも知れない。
そしてあれは優しい女であるから、自分のものとなる事を甘受した。
生涯で只一度、本来ならば、己の手の内に入る筈もないものを得た。
そして授かった。

思考に纏う言葉が感傷的だ。今はそのような感傷的な言葉は必要無い。
自分に似つかわしく無い、非効率的な言葉と思考だとも思う。
過去の反芻を、そこで止めた。
さて、その妻と娘(改めて口にすると、我ながら複雑な思いにかられる)についての感情と、あの敵対する憎むべき男と、何故重なるのだろうか。
それは単純に考えると、妻と娘に対して沸き上がった感情と、イコールの感情であるからなのだろうか、と言う答えが出てきてしまう。
そこまで思い至り、激情に視界が赤く染まった。

あの男。
簡単につまらぬ死に方をした男に、私が情を抱いたと言うのか。
妻や娘に対する親子の情は、辛うじて理解も出来る。
だがあの男に対して、不快と怒りを覚えたとしても、情を抱く事などあるものか。

――儂との勝負を捨て、つまらぬものの為に死んだあの男などに。

そうだ。自分との決着をつけなければならぬものを、あの男は簡単に死んだのだ。
この衝撃のアルベルトが、好敵手と選んだ男。
しかし充実した闘いへの期待を裏切り、勝手に死んでいった男。
自分よりも、他の大切な何かを選んだ男。
それが不愉快だ。それがこの不快さの正体だ。

思い至った際には、数式の解を見つけたような、落ち着きと満足感を得た。
判れば何て事は無い。要するに、

要するに、あの男に選ばれなかった事が、許せなかったのだ。

止めを刺したとは言えど、結局はあの男との勝負も叶わず、あの男へ自分が死をもたらす事も出来なかったのだ。
そうだ、自分はあの男を殺したかったのだ。
あの男の命を手にし、生死を支配したかった。
あの男を支配したかったのだ。あの男の全てを手にしたかった。
だがあの男の全ては、既に無い。
手に入らぬものを欲してどうなると言うのだ。

これは何と呼ぶ情なのだろう。
死んだ後まで忌々しい男だ。
疲労感は暫く拭えそうに無い。
そう、暫くはこのままで良い。

かつて妻に抱いた焦燥に似て居る、と感じたのは、再び闇の中で隻眼を閉じた後だった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
ごめんなさい。萌えの勢いの侭書いた。ごめんなさい。ごめんなさい。


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