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オリジナルポエム『サウダージ』

書いたもののドコにも持っていけないので投下。
ポエムです。

夜中、ふと指がもう一つの熱源を探していた。
いるはずのそれが見つからなくて、指は彷徨うばかり。カリカリと畳を掻いて、そこでやっと思い出すのだ。あの男の不在を。
眠れない。
ずっとそうだ。布団の中で目を閉じていても訪れるはずの眠りはやってこず、ぐずぐずと寝返りをうっている間に夜が開けてしまう。やっと手に入れた短い眠りも酷い夢を見るばかりで目覚めはいつも最悪だった。
布団から這い出すと既に夜は明けきっており、忌ま忌ましい程眩しい光が目を灼いた。ホントは無理して起きなくてもよいのだが、そんなことしたらますます夜眠れなくなる。
大きく伸びをしてもすっきりしない頭。今日は先週仕込んだ薬の出来上がりを調べて、よければそれを小分けにして袋に包んで、里に卸す、それからそれから。
ああ、今日も滞りなく一日が過ぎる。
火をおこし、食事をし、また布団をのべた。
横たわりながら、それでも指が彷徨っている。けれど何も見つけられずにその指はぱたりと落ちた。

タイトルはサウダージで。


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