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無題

――いつから、こんな関係になったんだろうか。

体の奥底の熱を持て余しながら、孔雀は傍らで眠っている男…王仁丸に視線を向ける。

初めは敵同士。
呪殺を生業とする呪禁道師と、裏高野に属し魔を亡ぼす退魔師。
過去の歴史の中で、互いに幾度となく対立していた事もあったらしい。
無論、自分たちも例外ではなく。

それが、いつの間にか共闘することになり……いまや『腐れ縁』と言っても過言では無い
ようになっていた。

初めて抱かれたのも、出会ってから間もない頃だった。
丁度、孔雀が依頼を抱えていた時だ。
依頼に関する情報を提供するから自分のマンションに来いと呼び出されて。

本来ならば同性同士の行為など嫌悪感しか覚えないのだろうが、嫌だとか、そういった
感情は不思議とわいて来なかった。
そして……今に至る。

「俺もあの時、なんで拒まなかったんだろうな……っ!」
溜息をつきつつ、もう一眠りしようかと思った瞬間、腰を抱き寄せられる。
「何だ、まだ起きていたのか…丁度良いがな」
そう言いつつ、腰に回していた手を離さない王仁丸を孔雀はジト目で睨んだ。
「…って、さっきさんざんヤっといて、まだするつもりか!?」
「悪いか?」
悪びれもせずそう言い放つ態度に、怒りよりも脱力感が襲ってくる。
それと同時に、『しょうがないか』という気持ちも。
「……明日、裏高野に用事があるんだからな!手加減しろよ!!」
真っ赤になりながら孔雀がそう言うと、王仁丸は口の端だけを上げて笑いながら。
「足腰が立たなかったら、本堂まで抱き上げて連れてやるから安心しろ」
「こ、このアホ!そんな姿、嵐達に見せられる訳ねーだろ!つーか離せ!!
この変態!性欲魔人……っ、やめ…」

……まだ夜は長い。


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