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FQ:クレトラ続編

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                    |  >>48 の続き……
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  需要に嬉しくなって続編投下
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ モウシナイッテイイマシタガ…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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  *自分で自分の続きが気になってしまった。反省は後でさせてくれ。

「うめっ。クレイ、この空揚げすっげーいける!」
「だな」

 モガモガと揚げたての鶏肉を頬張り、かつビールをぐいぐいと飲み干すトラップ。
 これで何皿目だろう。細い体の癖して、よく食う奴だ。
 クレイはそんなトラップを眺めながら、半分呆れたようなでもどこか楽しそうな色を浮かべ、舐めるようにビールを飲んでいた。

「トラップ、野菜も食えよ」

 嫌そうに傍らに避けられていたサラダボウルを、相棒の前にずいっと押しやるクレイ。
 それを横目で見たトラップは、鶏の足の骨をくわえたまま、気がなさそうに言った。

「あぁ? 気が向けばな」
「おいっ」
「おねーちゃん、ビールおかわりっ」
「こら、もうやめとけってば」

 クレイのたしなめる声にも耳を貸さず、トラップはビールをまた呷り、調子のいい声でウエイトレスに追加を注文する。
 そのほっそりとした頬はいつになく、ほんのりと赤く染まっていた。

 ま、仕方ないか。
 こいつ……随分今日は頑張ってくれたもんな。
 クレイは苦笑いを漏らしつつ、汗をかいたビールジョッキに手を伸ばした。

――しかし、その数分後。彼はその判断を、早くも後悔する羽目になる。

「す、すみません」
「いいってことよ。困った時はお互い様だ」

 にこにこと笑う、腕っ節の強そうな髭面の男。
 クレイは、油断するとズルズル背中から落ちようとする酔っ払いを支えながら、ぺこりと頭を下げた。
 耳元で聞こえるのは、酒臭い寝息。

 鍛えられた彼の体力ならば、細身のトラップを背負うくらいわけはない。
 だが、意識のない人間を背中に担ぎ上げるというのは、かなり難易度の高い作業だ。
 背中に乗りかけては、ぐでっと壊れた人形のようにズリ落ちるトラップ。
 四苦八苦していたクレイを見かね、周囲のテーブルの酔っ払いたちが背中に担がせてくれたのが真相だ。

「その兄ちゃん、えらいピッチで飲んでたもんなぁ。早いとこ寝かせてやんな」
「ありがとうございます」

 宿の主人の、笑いを含んだ胴間声が食堂に響く。

「おい兄ちゃん、お代は部屋につけとくからよ。明日出るときでいいからな」
「お気を使わせてすみません」

 主人にも、周囲で飲んでいた連中にも礼儀正しく詫びたクレイは、慎重に階段を上り始めた。
 足元に意識を集中し、一段一段歩を進める。
 ここで踏み外しでもしては、洒落にもならない。

「こけんなよー!」

 心配してくれてるのかからかわれているのか、背後から飛んでくる陽気な声。
 クレイはずり落ちるトラップを担ぎなおし、深々とため息をついた。

 ようやく彼は、あてがわれた部屋にたどり着いた。
 その息は珍しく、少々荒くなっている。
 要因は、周囲の冷やかしの声と、ぐっすり眠って重くなったトラップ。
 たかが10数段の階段を、こんなに長く感じたことはないぞ、俺は。
 内心、誰にともなく愚痴りながら、トラップの重みで前屈みになった姿勢のまま、古びた木製のドアを開けるクレイ。
 そして、粗末ではあるが清潔なシーツの上に、ゆっくりと背中の幼馴染をおろす。
 横たえられたトラップは、一瞬薄く目を開いた。
 華奢な体を猫のように気持ちよさそうに伸ばし、またすぐに寝息をたて始める。

 はあ、とクレイは力ない吐息をこぼしつつ、ベッドの端に腰をおろした。
 明かりをつけるのが面倒で、窓際に手を伸ばす。
 ジャッ、と音を立ててカーテンを開けると、窓の外から明るい月光が斜めに差し込んできた。
 冴え冴えとした光が、無心に眠るトラップを照らし出し、乱れた柔らかい赤毛を浮かび上がらせる。

 クレイはその寝顔を見ながら、ぼけっと考え込んでいた。
 いつもいつもこいつには面倒ばかりかけられてるが、今日みたいなことは珍しい。
 毎度馬鹿みたいに飲むトラップだが、一度もつぶれたのは見たことないはずなんだが、と。

 そこまで考えて、否応なしにクレイの思考は遮られる。彼の視線はある場所に釘付けになっていた。
 トラップの襟元から、なにか白いものが覗いている。……包帯?
 クレイは眉をひそめ、トラップのシャツに手をかけた。

 襟元のボタンを摘むように外して襟元を開くと、華奢で尖った鎖骨があらわになる。
 そして肩口から厚く巻かれた、痛々しい包帯。

――こいつもしかして、俺が気絶してる間に怪我してたのか?

 おそらくその想像は当っているだろう。
 昨日の野宿で一緒に水浴びをした時は、こんな怪我はしていなかったはずだ。
 しかもよく見れば、今朝着ていたシャツと、今着ているシャツが違う。
 鈍いクレイはまったく気づいてなかったが、彼が気絶している時に血のついたシャツを着替えたのは、想像に難くない。
 さっきからのクレイの疑問は、これで氷解した。
 怪我をしているのにあれだけ酒を飲めば、つぶれるのも道理である。
 彼の思考は、さらにその先に一歩進んだ。

――まさか、痛む傷を隠すために、元気に見せる為にあんなことを?

「馬鹿野郎…………無茶しやがって」

 クレイは小さくつぶやいた。
 今まで感じたことのない感情が、胸の奥をじわじわと支配する。

 彼の手が、我知らずトラップに伸びた。
 長身を折り曲げるようにして、幼馴染の上に屈みこみ、吸い寄せられるように顔を近づける。
 クレイの端整な顔の数センチ前にあるのは、月明かりに照らされた、まだほの赤い頬。意外に長い睫毛。
 旅の間に随分伸びた黒髪がふわりと揺れ、トラップの頬をかすめた。
 いつもは毒舌ばかりの、でも今はあどけなく半開きにしていた口元が、ぴくっと動く。
 そんなトラップの反応にはっと我に返り、飛び退るように身を起こすクレイ。

 俺は、いま……何をしようとした?
 なあ、俺。どうかしてるんじゃないのか?
 こいつは男だぞ?幼馴染だぞ?何年一緒にいると?

 脳裏を飛び交う疑問符。
 クレイは頭を左右に振って黒髪をさばくと、唇をきつく噛み締めた。

 と、その時。
 眠っていたトラップが、”眠ったままで”クレイの手を掴んだ。
 びく!と反射的に手を引っ込めようとするクレイ。
 しかし、トラップはその手を離さなかった。
 男にしてはほっそりとして、盗賊という職業柄か、繊細で神経質そうな指先。

「……トラップ?」

 クレイは焦り、抑えた声で聞いた。
 しかし、相棒は相変わらず目を閉じたままだ。
 起きているのか眠っているのかはわからないが、その細い手はクレイの大きな手を握り締めたまま、決して離そうとはしない。

 鳶色の瞳が、動揺を隠せないように落ち着かなく動き、そして閉じられた。
 暫しの沈黙。
 天井を仰ぎ、はーっと大きく深い息をついたクレイ。
 片手をトラップに預けたままでずるずると床に下りると、ベッドに背中をもたせ掛けた。

 夜は更ける。しかし彼は眠れない。

 明確な形にならない、もどかしいような気持ち。いったいこれはなんなんだろう。
 やり場のない気持ちを持て余し、窓の外を見上げる。
 卵色に輝く月は何も語ることなく、クレイを照らし続けていた。

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 | |                | |           ∧_∧ 同士の皆さんありが㌧
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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エロなしでどこまで萌えられるものでしょうか。疑問。
でも、需要があったことに心から感謝。(つД`)

  • 最高でした(;_;) -- 2013-07-04 (木) 03:51:53
  • 実は目が覚めてたら・・・・めちゃくちゃ萌えます♥ありがとうございましたー! -- 2013-07-07 (日) 00:17:03
  • 実は目が覚めてたら・・・・めちゃくちゃ萌えます♥ありがとうございましたー! -- 2013-07-07 (日) 00:17:24
  • ほんとクレトラ最高っ。。。同士欲しい -- 2013-08-13 (火) 15:40:09
  • 続編希望!! -- 2013-09-06 (金) 22:17:19
  • 誰かまた書かないかな -- 2013-09-23 (月) 04:19:03

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