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ふぁーすと

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

売れっ子脚本家×個性派俳優
ネコが劇団入りたてな頃で。

ジョウキョウガ ワカリニクイカモ…

「…やめちゃおうかな、って」
煙と一緒に吐き出した。
演劇の基礎なんかないから、ダメなのは分かってる。
でも、それを毎日口に出して言わなくたっていいのに。
鬱なのか何なのかよく分からないけど、可織田さんが毎日のように『お前はだめだ、俺はダメだ』と繰り返してる。
やっぱりよく分からないまま僕は落ち込んで、この劇団を続けること自体が少し嫌になっていた。
「そう…」
句洞さんも浅く息を吐き出した。煙が天井で僕のと混じる。
役者もタバコ吸うんだな、なんて。僕もだけど。

舞台上の句洞さんを格好良いと思った。それがここに入った理由のひとつだった。
別にそれをわざわざ、本人に言うことはしないつもりだけども。

自販の前でタバコを吸っている句洞さんを見つけて、隣で一服したくなったのは偶然。
でも、辞めたいって気持ちは言おうと思ってた。
いきなり辞めるのは…この人に失礼なんじゃないかって、漠然と思ったから。
…どうしてだろう。まだ辞めるのを迷ってるのかな。
バイトだったら無断で休んだり勢いで辞めたりも出来たのに。

…色々考えてるうちに、タバコはかなり短くなってた。
沈黙。
話題は無いけど、何故か気まずさもない。
句洞さんは、先にここに居るから先輩。でも同じ年で。だけど僕の周りの誰とも似てなくて。
知らない人は恐いけど、この人の事はもっと知りたい。大人になってからこんな気持ちになるのは、きっと初めてだ。
もう少し、この人に近づいてみたい…でも、どうやって?

ふと、句洞さんの視線がこっちを向いた。どきっと、一瞬息が詰まる。
「…亞辺くんさぁ。ヒマならこれからウチおいでよ」
「え?」
句洞さんはゆっくり煙を吐き出しながら、細長い指でタバコをもみ消した。
「劇とか、映画とか、ビデオあるから」
目が合って、僕も慌ててタバコを灰皿に押しつけた。心臓と一緒に喉の奥がどきどきして、うまく返事が出てこない。
「来なよ」
まごついてる間に句洞さんがそう促した。唇が弧を描けば、かなりやんちゃな歯並びが覗く。
…YesかNoか、答えを用意されていると安心してしまう。今は答えが一つしかないから、尚更ほっとしてる。
なんだか嬉しくなって、勝手に口元が緩んじゃって。
頷いて、小さく「はい」とだけ返事をした。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )お目汚しスマソ

アマリヤオッテナイネ ユルシテクダセエ


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