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仮面ライダー龍騎 連×慎二パラレル

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

イ反面ライ夕”ー隆起の連×慎二パラレル。深く突っ込むな。

あるところに百姓の青年がいた。名前を慎二と言った。
ある時慎二は怪我をしている紺色の蝙蝠を見つけて手当てをしてやった。
2,3日の後、蝙蝠は元気になって飛んでいった。
そんな事があった事をすっかり忘れた数日後の夜更け、慎二の戸を叩く者があった。
開けてみると全身黒尽くめの背の高い男が立っていた。
慎二は「あんた誰!?」と聞いた。
男は答えず、「何か困っている事は無いか」と慎二に聞いた。
慎二は「無い」と言った。
男は「お前に困っている事が無いと俺が困る」と言った。
慎二は別段困った事も無かったが自分に困りごとがないせいで目の前の男が困ると言うなら何かしてやらなければならないな、と思った。
慎二は考えた挙句「畑を耕すのが大変な事が困っている事かな」と言った。
それを聞くと男は慎二の畑のほうへ歩いていった。
慎二はその日は寝た。翌朝畑へ行ってみると確かに耕されていた。
慎二は「なんで真っ暗な夜に畑を耕せるんだろう」と思ったが、あまり追求せず、素直に喜んだ。
男は毎晩やってきてその度何かをして帰っていった。
畑仕事が無いときは食べられる草なり木の実なりを大量に持ってきてそれを慎二に渡して帰っていった。
最初は男が来るときだけ起きてそれ以外のときは寝ていた慎二だったが、段々一晩中起きているようになった。
そして男を家に上がらせてやるようになった。

男は無愛想で慎二が話しかけても会話が続かないので慎二は一方的に話した。
男は黙ってそれを聞いていた。
「お前なんて言うの?」と聞くと男は「連だ」と言った。
連に「どっから来たの?」と聞くと連は「森の方だ」と答えた。
森の中に住んでいるのか、と思った。
慎二は連に食事を出してやるようになった。
最初は連は拒んでいたが、慎二が熱心に勧めるうち食べるようになった。
慎二は連の意図が全く分からなかったが、楽天的な性格なのであまり気にしなかった。慎二は連が来るのが楽しみになるようになっていた。
秋になり、米の収穫が終わったある月夜の晩、慎二は連に「礼をしたい」と言った。
連は「そんなものはいらない」と言った。
しかし慎二が熱心に「礼がしたい」と言うので連は思案顔になった。
暫くして連から返って来た返事は「好きだ」というものであった。
慎二が「ええ?」と聞き返すと連は渋い顔になって「俺が、お前を、好きだ」と慎二と目を合わそうとはせず言った。
今思案顔になったのは慎二の方である。
俺がお前を好きだ・・・慎二はその言葉を反芻した。慎二は連を今一度見やった。
連は考えてみればどこの誰ともわからぬ人間である。
しかし悪い男ではない・・・しばらく考えて慎二は言った。
「それで、お前は俺にどうして欲しい?」連は何か言ったが小さくて聞き取れなかった。
要するに、口で言うのが憚られる事である。
そこで慎二は「俺がお前を?お前が俺を?どっち?」と聞いた。
連は「俺が、お前を、だ」と言った。述語は全く省いた事だが二人の会話はそれで通じた。
慎二は更に考えた。
コイツは俺に・・・したいという事だが俺はコイツに・・・してもらいたいとは積極的には思えない。
むしろそういったことは無い方がいいくらいだ。痛そうだし。

しかしコイツがそこまで俺に・・・したいという事は・・・させてやってもいいのではないだろうか。
連はそれ程酷い事をしそうな人間に見えなかったしなんだかんだいって連の事が好きだったからだ。
慎二は連を受け入れてやる事にした。

やはり痛いには痛かったが、痛いことより慎二がちょっとでも痛そうなそぶりをするとすぐに止めようとする連の腰の引け具合がなんというか、そこまで気を使わなくてもいいのに、と思った。
連は普段カッコつけていて自分から「したい」と言って来た割には臆病で、余裕が無かった。
まぁ慎二はそんな連を優しく包み込むように接してやった。

事後疲れたせいで寝入っていたらしい。
目を覚ますと連が隣で寝ていた。
もう空も白んできて、連の顔を明るいときに見るのは初めてだったので、ああ、こんな顔をしてるんだ、と思った。そして日が昇った。
連が飛び起きて「しまっ・・・」言い終わらないうちに連は慎二の目の前で蝙蝠に変わった。
連は本性はあの紺色の蝙蝠であった。
蝙蝠は戸の方へ飛んでいったが戸にぶつかってしまった。
蝙蝠では戸を開けられない。
慎二が戸を開けてやると蝙蝠は飛んで行った。

その晩連は来なかった。次の晩も連は来なかった。
慎二は連を探しに行こうと思った。次の日慎二は森へ行った。
森の中は広くて歩き回っているうちすぐに夜になった。
森の中は連一人が住んでいる訳ではない。
まだ冬ごもりしていない獣などもいるかもしれない。
しかし慎二は疲れたので近くの木に背を凭れて座り込んだ。
羽音がした。見上げるまでも無くそれが連だと分かった。
蝙蝠は着地すると男の姿になった。

「何をしに来た」
「お前を探しに来たんだよ」
「帰れ」
「嫌だ」
「帰れ」
全く暖簾に腕押しである。
しばらく問答を続けていたがいきなり慎二は立ち上がって「この・・・ヘタレ!」と連を罵った。
連が「なんだそれは」と言ったので慎二は
「ヘタレって言うのは、卑怯で、意気地なしで、甲斐性無しで、口先だけで、へっぴり腰で、カッコつけるだけの、人間のすごく悪い状態だ!」
と連をなじった。
「何で俺がそのヘタレだ!」
「お前は中途半端だ!本性が俺にばれるのを恐れるのなら最初から枕を交わさないか、もしくは最後までばれない様に気をつかうかだ!
自分から求めておいてうかり本性がばれたら逃げるなんて卑怯だ!ヤリ逃げと言うんだ!」
連はヤリ逃げという言葉は知らなかったがその語感の悪さから意味は推測できた。
連は反論できなかったがそれでもなお慎二に抵抗しようと試みた。
「動物と人間は結ばれないものだ!」
「それって掟とかなのか」
「いや、蝙蝠の間では別に掟ではない。ただそういう慣例だ」
「なら破っちまえよ。大体動物と恋仲になる話は本性がばれた後向こうが飛んでっちまうからそれっきりになるんだろ。
お前はこの森に住んでいるわけだし、こうやって本性を知った後顔を会わせているのでもう慣例などどうでもいいじゃないか」

そこで連は反証を持ち出してきた。
「浦島太郎と実は亀である所の乙姫は、浦島には乙姫が亀である事が知れていたのに結ばれなかった。だから駄目だ」
「お前は御伽草子を最後まで読んでないのか。
あれは玉手箱を開けた浦島は鶴になって竜宮城へ飛んで帰って残りの寿命700年亀と幸せに暮らしたんだ。
だから人間と動物の恋だって成就するんだよ!
俺だって人間が駄目ならお前と同じ蝙蝠になったっていい」
「蝙蝠には玉手箱はないぞ」「じゃあ仕方ないから俺が人間のままでいい」
「俺は飛んでいる虫とか好きだぞ」「う~ん、人間の姿で食べなきゃいい」・・・・・・・・・・・・

ついに連が折れた。
連は「お前がそこまで言うならしょうがない」とでもいいたげな態度だったが、内心は連の方が慎二よりよっぽど嬉しいのだ。
ただ連は捻くれているだけなのだ。

連は慎二の家に住み着いた。
慎二は昼は蝙蝠で夜は人の姿をする連に特に文句は言わなかったが「夜行性を直して欲しい」と連に要望した。
連は努力したようだが結局最後まで夜行性は直らなかったという話だ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )お目汚しスマソ


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