Top/17-411

KIBA カーン視点カンロベ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
モトネタハ 鬱アヌメKIBA カーン視点カンロベ(サカージャナイヨ!) 
―――――――――
怪盗ノーフェイスに顔に落書きされた。怒りを通り越して呆れてしまう。
わざわざ危険を冒して人の家に忍び込み、金目のものも取らずにくだらない嫌がらせをして去る。
そんな無意味なことをしそうな人間はおのずと限られてくるではないか。
私は洗面台の前で頭を抱えた。落書きが落ちないせいもあるが、いやでも容疑者が絞られてしまったからだ。
「ロべス・・・・なぜお前はそんなに馬鹿なんだ・・・・」
家人や使用人達に気付かれぬよう、湯を沸かしながら独りごちた。

実は、私は彼と過ちを犯したことがある。
一度きりだ。魔がさしたというか、ひっかけられたというか、そんな所だ。

ある日、会合が散会し、宴会が盛り上がり始めたのを期に先に帰ろうと席をたった。
無礼講じみた騒ぎは苦手だった。
人気のない中庭を通りかかると、噴水の影に人がいる。気分でも悪いのか、蹲っているようだ。
小さく舌打ちして傍による、面倒だが立場上放って行くわけにもいかない。
そんな殊勝な決意は直ぐに後悔に変わった。長い金髪が噴水に浸っているのも構わず排水溝に吐いていたのは、
自業自得と思われる人気者だったからだ。
さっと踵を返し立ち去ろうとした私の裾がすごい力で引っ張られた。
ぎょっとして振り返ると蒼白な顔に満面の笑み、だが目が笑っていない。
「部屋まで送って・・・・」それだけ言うと死んだように目を閉じた。それでも裾を掴んだ手は緩まない。
己の間の悪さに内心毒づきながら、ごてごて着込んだ大荷物を引きずり最寄の客室に向かうしかなかった。
今思うと、彼のあの様子は単なる酒の飲みすぎではなかったのかもしれない。
だがその時そこまで頭が回るはずもなく、ただ己の不運を呪うばかりだった。

苦しい苦しいとごねられて靴を脱がせ服を緩め、口を漱がせて寝かせてやる。
それから何故そんなことになったのか。
嗽のときに濡れた唇が誘っているとしか思えなかったことは確かだ。
口付けてしまってから、はっとし突き放そうとしたのを無言で抱きしめられ、あとは勢いだった。
当然、男と性行為の経験はないが、どうせ相手は慣れているのだろうからと気遣うこともしなかった。
体調が悪かったせいかあまり反応もなくつまらないものだったが、美女で名高かった母親に良く似た容姿は
十分興奮させてくれた。若くに亡くなったが、テンプラーの男で彼女に憧れなかったものはいなかっただろう。
幼い私もそのひとりだったものだ。

さて、国家を指導する名門の家に生まれ多くのことを学び、若くして相応の地位についた私と、
目立ちたいとか女性の人気を得たいとかの理由で少々腕を磨いただけの遊び人とでは話の合うはずが無い。
止むを得ない会合で眼にするくらいだったが、婦人に大げさな賛美をささげて媚び、
男連中にはくだらない冗談をいってふざけ、眉をひそめずにはいられない振る舞いばかりが目に付く。
そんな相手と成り行きとはいえ、関係をもってしまったとは人生の汚点だ。
数日後、介抱の礼だと尋ねてきた彼に言った。
「お前にとってはよくあることでも、私にとっては恥だ。誰も真に受けはしないだろうが、他言は無用にしてくれ。」
私の出したかなりの金額の金をそのままに無表情に立ち去り、それきりだった。
彼は相変わらず馬鹿馬鹿しい宴会にうつつを抜かし、私は妙な噂にならずに済んで安堵した。

それからもしばしば彼とは顔を合わせたが、あからさまに出すわけではなくとも私への態度は刺々しく生意気だ。
まあ、不敬なのは私に対してだけではなく、賢人会の誰もが思っていることだろうが。
しかし、顔に落書きなど痴話げんかの腹いせ地味たことをされて、犯人の心当たりがあるとはどうしたものか。
万が一にも私とロベスに個人的な問題があったと思われては非常に困る。
湯でも取れない染料に苛立ちながら私は、うっかりやってしまったことを心底後悔していた。  

―――――――――
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP