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医龍 内科医×麻酔医

ドラマ遺留の内科医×麻酔医。ERO有り。でも言うほどEROくない。
該当スレの「麻酔医に同期(内科医似)が居て裏切られてプッツン化」のネタを拝借。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 壁に押しつけて、前髪を掻き上げて、口唇に舌を這わせて、それから新瀬は呟くように言った。
「似てるよ、アンタ」
 それが何を意味するところか、藤好には分からない。新瀬が器用に右手のみで藤好のベルトを外し、下着の中に手を突っ込む。緩急をつけて扱いてやると、それはじわじわと形を変えていった。
 空いている手でシャツを開き、藤好の鎖骨を甘噛みする。舌は這い上がって藤好の耳まで届いた。
「声聞かせろよ、感じてんだろ?」
 歯を食いしばって耐える口元に指を添えると、おずおずと舌が伸びてそれを舐め始めた。しかし新瀬はそれを引き抜く。
「は、あっ…?」
「残念、そっちじゃねぇんだ」
 おもむろに藤好の右手を持ち上げると、その指を口に含む。舌を絡め、丹念にねぶる。その舌の動きと、右手の動きが同調して、藤好は目を閉じた。

(こんな、こんなことがしたかったんじゃない)

 藤好は、少しは新瀬が懐いてきたことが嬉しくて、あれやこれやと世話をしていた。今日も新瀬がソファで寝ていたから、毛布をかけてやろうとしたのだ。
 それなのに新瀬はいきなり起き出して、藤好に憎いと言わんばかりの目を向けて、冷たい声で言った。
「二度と近寄るな」
 理由が分からなくて多少押し問答をしていたら、キスをされて、…あとはもう、ただその通りのことが続いている。

(何を)

 少しふやけた指を口から抜くと、新瀬はそれを自分の後ろ側に回した。下は何も身につけていない。誘われるままにそこに指を這わせる。本当にいいのか分からなくて、困った目を向けると、新瀬はにやりと笑って自ら腰を下ろしてきた。
「…っ!おいっ、…」
「ははっ…な、早く、かき混ぜろよ…」
 薄い毛色の中に黒が見え隠れする髪の毛が近くにある。藤好は左手を新瀬の腰に回し、抱き留めるように指を動かした。新瀬の望むようにかき混ぜはせず、ただ中を解すように。
「じれってぇ…もっと、乱暴にしろっ…!」
「できるか」
「麻田にゃ、乱暴にされてるくせによ…」
 藤好は動きを止めた。新瀬は短い息を吐きながら藤好を見上げる。
「麻田が、どうしたって?」
「アンタと麻田、ヤってんだろ」
 はっきりと、藤好は動揺の色を露わにした。どうして新瀬がそれを知っているのだ。心臓が嫌な風に高鳴る。くくっと喉を震わせて、新瀬が首をすり寄せてきた。
「別に誰にも言わねぇよ。それより、なぁ」
 少し萎えかけた藤好自身を手の中に握り込み、やわやわと揉みだすと、くすぶっていた熱が一気に上昇する感覚になる。
「ブチ込みたいだろ、ここによ」
 示すように腰を揺らめかす。藤好は一つ舌打ちをすると、一度指を引き抜いてから、その本数を増やして突き立てた。

(何を求めているんだ)

初めて見た時から、似ていると思った。
おれがまだ理想を語ることができた頃、共に理想を語り合っていた、親友と呼んでいいほどのあいつに。
金を手に入れ、酒と麻酔に溺れていたおれを、「これじゃ駄目だ」と叱ってくれたあいつに。
先輩達にいいように犯されていたおれを、同じように犯して、罵声を浴びせてきたあいつに。

どうせこいつだって、善人面して、一皮剥いたらあいつと同じようになるんだ。
それなのに勝手に踏み込んで、勝手に優しくして、ずるいにも程がある。

 ソファに丸くなっている新瀬を、藤好はじっと見た。こうして見ると、ひどく弱々しい。敵から身を守るために威嚇する猫となんら変わらない。
「麻田に嫉妬したか?」
「…自惚れてんな」
「飽きたか嫌ってるなら、触らせもしないだろう」
 髪をさらさらと梳く手を払いのける。新瀬は喉からするりと言葉を出した。
「アンタが思うより遥かに酷い奴だ、おれは」
「でも、お前が思うより遥かに良い奴だぞ」
 更にぐっと身を丸めて、顔をほとんどソファにうつぶせにさせる。泣くのだろうかと藤好は思ったが、さすがにそれはなかった。
「嫌われるより、嫌う方が怖いんだろう」
「……アンタ、どうしてぇんだよ」
「お前に言われたくない」
 実際、それはお互い分かっていないことだった。成り行きと衝動に委せて身を繋いだことを、これほど後悔すると思わなかったからだ。
 藤好は抱いたこと自体を、新瀬は演技をして欲を煽るのを忘れたことを、後悔していた。

「ただ、泣くような顔をして、誰かに抱かれないでくれ」
 藤好は覚えていた。新瀬がぜぃぜぃと息を荒くしながら、誰のものともつかぬ名前を呼んでいたことを。
 そして藤好には分かっていた。新瀬が、自分とそいつを重ねていることを。
「アンタにとって、麻田って、何?」
「…さぁ。でもな、なんか逆らえないんだよ。あいつと居ると、従うことの面白さが分かってくる」
 新瀬は言葉を脳内で探した。しかし、どれも今の気持ちを上手く表現できる気がしない。
 伸びてきた手をまた振り払うと、今度は毛布をはねのけて起き上がった。そのまま藤好にキスをする。舌のラインをなぞり、思うままに口内を蹂躙すると、そっと体を離した。
「ずるいとことか、ほんとアンタ、似てるわ」
 泣き笑いの新瀬に、藤好は言葉を失った。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
とうとう木曜日でもないのに書いてしまった…
あんな素敵なネタが現れるなんて思ってもみなかった…


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