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野球 投手

>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!ツイデニビンジョウ!

気にならない、って言ったらウソになる。

なんせ、同じ苗字、同じ年齢、加えてドラフトの順位まで同じときている。
4巡目。
悪くは無い。けれど、良くも無い順位。

ブルペンで投げていたって、呼ばれれば俺も彼も振り向く。
そして左、だの、右、だのと呼ばれて、どちらかが準備を始める。
名前、あるのにね。

彼は、今やこのチームには欠かせないリリーフエースだ。
ミットの位置へ寸分違わず吸い込まれていくボール。羨ましい制球。
それは、速球を投げられない自分が目指すべきものだ。
体格は、規格外とも言うようなほど小柄だ。
その体格で、この世界を生き抜くにはかなりの努力が必要だろう。
でも、彼はきっとやりぬくに違いない。

・・・気になる。
でもこれは、きっと、共通項が多すぎて、でも自分とはやっぱり違うから、気になってるだけでしょう?

***

気にならない、って言ったらウソになる。

なんせ、同じ苗字、同じ年齢、加えてドラフトの順位まで同じときている。
4巡目。
悪くは無い。けれど、良くも無い順位。

今年入って来た彼は、大学から社会人へ進み、やっぱり高卒ルーキーとして
ピカピカしながら入って来た後輩とは違った。(この経緯まで同じときている)
落ち着きがあるのは、普段もマウンドでも変わらない。
いくら年齢が俺と同じだとはいっても、今年入って来た「ルーキー」なのに。
涼しげな目元は、帽子の影に隠れては見え、その表情はあまり変わらなかった。

俺、1年目からあんなふうに、できてたかな?
それを思うと、この世界では俺のほうが先輩のはずなのに、
どうしても見上げてしまうような気になる。(まぁ身長的に常に見上げてるんだけど)

要するに、気になるのだ。細部まで見て、自分と違うトコ、同じトコ、探すくらいには。
でもこれは、きっと、共通項が多すぎて、でも自分とはやっぱり違うから、気になってるだけだろ?

***

でも、同じモノがたくさんあるから、彼とは自然と接点が多くて。
よかった、なんて思ってるのは、彼には秘密だ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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