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セナカ

自分も投下させてくださーい

「ヨメさんと喧嘩してもうた、今晩泊めて」

自宅でもないのに、真夜中に突然の来訪者。ドアを開けると、よく見た顔。
以前コイツは《人生の半分以上はオレと一緒や》って言ってたっけな。
…独り身のオレのこと、からかいにきたんちゃう?
でも、かわいそうだからそれは言わんでおいた。

「水しか出せへんけど」
「あ、ありがと」
オレはじっと水を飲む姿を見つめる。喉仏が動くのが月の光でわかった。
いっつも思ってるが、なんでコイツの水飲む姿ってエロいんや…。
「何?」
見惚れていると、さすがに視線に気づいたらしい。あぶないあぶない。
コイツは変なところで勘が鋭いからな、気ィつけなあかん。

「なぁ、ここはオレん家ちゃうから…番組の収録やから。わかってん?」
「うん。カメラに映らないところでこっそり寝かせてもらうから」
そういう意味じゃないって。い、いや…そういう意味も含まれてるか。
「…絶対やぞ」
「一日中監視されてんやからね。いろいろ男は大変やからなぁ」
そういいつつも口元が緩んでいる。
きっと、“右手とよろしく”ができない、って言ってるんや、コイツは。
「ホンマに大変なんやからな!オマエと違って」
「な、何っ。僕は僕で大変ですよー」
って、ホントなんだか。

でも何だかんだ言って、来てくれたことは凄くうれしい(それも夜中に!)。
他愛もない話は、オレの心を安らげてくれる。
所帯持ちのコイツに、今はもう叶うことのない想い。
オレが気持ちを打ち明ければ全てが壊れてしまう。

そう思ってふと一人、悲しくなる。

「どしたん!」
気づくと、涙を浮かべていたらしい。オレの顔をじっと覗き込んでいるのがわかった。
「ちゃう!…これ涙ちゃうよ」
ぐっと拭っても、次から次と涙は止まらない。
「もう大丈夫や…オレが、助けたる」
途端ぐっと抱きかかえられる。
あったかい手が、オレの頬に触れ、そして下半身に…

か、下半身!?

「何しとんのや!」
向かい合って抱き合いながら、コイツの右手だけオレの下半身に。
「いやぁ、この位置ってカメラの死角やんか、今いいチャンスやぞ。手伝ったるから」
今、ここで、コイツの前でコイツの手で抜く、と…
「アホか、抱きおうてる時点でおかしいやんか!これはカメラに録画されてるんやし!」
「なんとかなるんちゃうか~。それにな、これは恋愛じゃないから」
一瞬、ショックを覚えた。けど…責められる手には勝てない。

明るい口調で、オレの短パンの中に手を入れてきおった(寝るときはパジャマじゃなくTシャツ短パンやからね)。
「んぅ…っ」
「えぇ顔するやん、もっと見せてぇな」
「や、だ・・・」
恥ずかしくて、気持ちよくて。初めてなのにオレの弱いトコを知ってるみたいや…
あ、そういえば玄関の鍵、閉めたっけ。
…なんて考えてる余裕、なくなってきましたよー
声を漏らさないようにすることで精一杯。
「や、あ、あ…」
「かわええな」
ぼそっと呟いたその声でさえゾクリとする。反射的にオレはコイツの背中に手を回す。
「や…やだっ、ねぇ、やめっ…」
どうしよう。変になったらどうしよう。めっちゃくちゃ気持ちいいんやけど・・・

なんてこと考えてるうち、先端を爪で軽く擦られるとオレはあっけなくイってしまった。
「ひぁ………っ!」
数日間の、禁欲の証が放たれる。
その白濁は相方のお腹のあたりについてしまった。
「はぁ、はぁっ…」
息が荒いまま、オレは相方に抱きつく。
するとぎゅって抱きしめてくれた。
そして、聞こえないよう、

「…オレは恋愛やと思うとるからな」

そっと呟いた。

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以上、大変失礼しましたorz

某スレの皆さん、お礼&お詫びします。


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