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夜王 新旧№1+旧№4

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ホストドラマ新旧No.1+旧No.4
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  前回の裏事情? 色気なし軽め。
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  マダヤルノカ・・・
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )    
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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起き抜けの頭をインターフォンが襲う。こんな時間に、っていうかこんな処に誰だと光はのろのろと戸を開けた。
確認もせずに。
「お久しぶりです。」
すごい勢いで閉められるドアの隙間に、遼介は訪問販売のセールスマンよろしく足を滑らせる。
鈍い音がして戸が止まった。
「…痛い。」
呟いた遼介を光は怪訝そうに見る。
「古傷が疼く。」
「……。」
脇腹を抑えて続けた遼介に、光はものすごく嫌そうな顔をして、しかたなしにノブから手を離した。
「お邪魔します。」
「本当邪魔なんだけど。」
「今日はちゃんとアポとってるけど?」
光は動きを止める。
「…聞いてない。」
ただでさえ光の寝起きはあまりよろしくない。
どんどん下がってゆくその場の気圧も遼介は気にとめずに上がり込む。
「聖也さんは?」
「多分まだ寝てる。昨日アフターはいってたし。」
「だよな。」
「起こさないほうがいいと思うよ?あの人低け、」
言っているそばから遼介は聖也の寝室の(だと予測した)ドアを開いた。
光はそちらに首を向けてはぁ!?と目を見張る。遼介は戸が開いてからノックをした。

「聖也さん。」
遼介の背を光は怪訝6割、驚き3割、怒り1割で見つめている。
遮光カーテンの部屋は真っ暗で、しかし開けた戸からは光が入っており、遼介の影は長く伸びた。
白い布の塊が少しだけ動いた。
「・・・・・・りょうすけ、か?」
「おはようございます。」
起きるのが心底嫌そうな面持ちの聖也はいまだに目を瞑ったままだ。遼介は息をつきながら首を傾げた。
「入っても?」
「・・・ああ。」
「カーテン、開けますよ。」
「ちょっ、」
返事は聞かずに、慌てる光の制止も無視して、遼介は歩いて行ってカーテンを開けた。
聖也が顔をしかめる。一度寝返りをうった後に、観念したように上半身を起こした。
「おはようございます。聖也さん。」
改めて遼介はそう言って笑む。聖也はちらりとそちらを見た後長く息を吐きながら頭をかいた。
「・・・もうそんな時間か。」
「トマトジュース、塩一つまみでいいんですよね。」
「・・・ああ。」
え。
聖也が返事を返す頃には遼介はまるで自分の家であるかのように、勝手に冷蔵庫を開け、
紙パックのトマトジュースをグラスに注いでいた。それから辺りを軽く見回し、塩を見つけて少し散らす。
軽くステアして、また部屋に戻っていく。突っ立ったままの光は何も言えずにその一部始終を眺めていた。

先程からの疑問と憤慨はつもりにつもって行き場をなくしている。意味がわからない。
「え、…はぁ?」
実にらしくない感嘆詞を出すのが精一杯で。
さらにありえないことに、不機嫌になるかと思っていた聖也は当たり前のように遼介からグラスを受け取ると
悪いな、といって微笑みさえした。光は呆然と遼介を見る。遼介はそれに気づいて光に向かって笑んでみせた。
とたん、かちんと怒りが戻ってくる。
「ちょっ・・・聖也さん!」
「悪いな光。言いそびれてた。」
なんでなんでなんでなんで。さっきからそればかりが頭を回る。
聖也のあんな顔見たの久しぶりだし、それを作ったのが遼介だと言うのも気に入らないし、
っていうか遼介が聖也の習慣知ってるのもムカつくし、大体なんで知ってるんだよ。
前から今日がオフだと知ってはいたけど、どうしてよりにもよって、
なにより俺はそんなにウェイト軽いんですか。
「・・・というわけで、一日借りるから。」
「店を頼む。」
「――。」
返せないでいるうちに気づけばもう着替え終わっていた聖也と遼介は出ていってしまった。
・・・マジかよ。
光は片頬を引きつらせて閉じた扉を見る。どうにもむしゃくしゃしてソファの上のクッションを殴った。

その日の光はやたらめったら笑顔だった。これが仮にロミオだったら多分大河あたりがドン引きだろう。
いやむしろねちねち嫌味でも言われているかもしれない。
なんだかアフターとかやってる気分でもなく早々に切り上げちょうど帰りついた頃、インターフォンが鳴った。
戸を開けると遼介が肩で聖也を支えている。
「――え。」
「ちょっと悪酔いしただけだ。」
悪酔いって。毎日あれだけ飲んでるのに、今更悪酔いって。
それでも確かに聖也の具合は思わしくないらしく、光は慌ててグラスに水を汲んだ。
靴を脱ぐと聖也は遼介の腕から離れ、ふらりと自室に戻っていった。
「光、それはリビングのテーブルに追いとけ。――遼介、」
「予定通りこのまま駅まで行かせて頂きます。」
「そうか。オーナーによろしく。」
「ええ。」
光はふと遼介を見る。帰るのか。それは安堵のような、でもやっぱりよくわからない感情で、
ただただ、その顔を見つめる。聖也が扉を閉めた音がした。出ていく遼介を追って自分も廊下へ出た。
「・・・なにしたわけ?」
「別になにも?」
「わざわざお客ほっぽり出してまで大阪まできてなにも?」
遼介は曖昧に笑んで首を傾げてみせた。
「想像に任せる。・・・まぁ、端的に言えば逢いたかっただけだから。」
「・・・・・・。」
光は蹴倒したいのをどうにかこらえた。
「不満?」
いつの間にこいつはこんなに余裕持って読めない男になったんだろう、と思う。
「隣に居るのが俺だとさ。」
No.1ってそういうものなんだろうか。あの位置に立てば、なにが見える。自分には縁のないことだが。
光は明後日の方向を見て返す。
「別に。」

「いやなら、引き止めてみせろよ。」
「…まさか。」
あの人の目はあの街に向いている。そうならば、自分はその意に従うまで。
きっと、こいつはそれをわかって言っている。光は小さく唇を尖らせて言った。
「俺たちが戻ったら、少なくとも三位に転落だよ。いいの?」
遼介は笑む。
「望むところだ。」
やれるものなら?と言って遼介は光の肩を叩いた。
「…聖也さんを頼む。」
肩に載せられた手を見ていた光は顔をしかめて遼介に向けた。
「君にそんなこと頼まれる筋合いないんだけど。」
笑んだ口元が目に入る。それが意外でふと目を開いた光の顎を、肩に載っていた手が捕まえた。
額にキス。
「傷の貸し、返して貰わないと。」
大損だ。遼介はさっきと同じ笑みでそう言い、光の頭をくしゃりとやって歩き出した。
額に手をやった光は、返す言葉もなくその背を見つめる。
「……くそ」

部屋に戻ると、聖也がグラスを片手にソファに沈んでいた。
寝たんじゃなかったんですか、という光に顔を向ける。
「なにを長々と話してたんだ?」
光は曖昧に笑んでみせた。
「別に。大したことじゃ。」
自分の部屋に向かいながら、光はふと口を開いた。
「聖也さんには、やっぱり東京のほうが似合いますよ。」
聖也は唇だけで笑って目を伏せる。
「そうか。」
そう、多分そこに戻る日ももう近い。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 結局何が書きたかったんだか。
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うっかりサイトにコンテンツ作っちゃったんで投下はこれでほんとの最後にします。
長々何度も場所かしてもらってありがとうございました。


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