あいのり アウト郎とスーザン
更新日: 2011-04-30 (土) 10:03:06
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )バスに乗って世界旅行するバラエティのアウト郎とスーザソ
ひょっとしたらやらせなんじゃないか、と思ってたんだよな。
あいのし│はバラエティーで、偏見かもしれないけども、
そういうTVって、多かれ少なかれあるだろう? 大人の都合ってやつが、さ。
でも、真実の恋愛ってやつには台本なんて必要ないんだってこと、身を持って思い知ったよ。
ラブワゴンの一番後ろの席窓際に座って、隣には女の子がいて(さらにその隣には了レック)、
それでもオレの目は前の坊主頭ばかりを見てしまうわけだ。
華やかとは程遠いのに、不思議と惹きつけられてしまう。
人間性とかいうものの輝き。内面から滲み出る魅力ってこういうのをいうんだろうと思う。
「なんか、アウ卜ローって最近ほんと変わったよね」
隣の泉がそんなことを言う。オレは内心を隠して、なんでもないことみたいに笑う。
「だから、ひさ.よんにも言ったけどさ、スーザソに毒されたんだってば」
彼にはオレの声が、オレが言った彼の名前が聞こえただろうか。
前の席から反応はない。少しがっかりしながら、オレは話を続ける。
「スーザソといると、どんどん影響受ける気がするんだよな。あー、やっぱ毒されてる」
「あはは、毒されてるの?」
「そう、まったくねぇ、あーあ」
おおげさにぼやいてみせると、泉はふと微笑した。
「でも、今のアウ卜ロー、最初のころよりずっといい顔してるよ。
毒されてるっていうより、もっとプラスの影響なんじゃない?」
オレは咄嗟に言葉が返せなかった。
オレが黙っていると、了レックがオレと泉の会話に入ってきた。
「スーザソは凄いからね、影響受けるのも無理ないよね」
「……だよね」
動揺を悟られないように、なんとかそれだけを返す。
了レックは何を思ったのか、得意げに泉と話し始める。
その様子が、どこか必死なようにも思えるのは何故だろう。
ひょっとして彼は泉狙いなのだろうか。まあ、オレには関係ないけど。
しかし、聞き捨てならない台詞が飛び込んできた。
「俺、正直スーザソにキスされたとき、よろめいた」
ぴくり、とこめかみがひきつったのが自分でもわかった。
キスか、キスねぇ。むかむかと苛立ちが胸の中で渦を巻く。
それは乗り物酔いよりよほどたちが悪く、オレを不快にする。
スーザソからはやっぱり反応がない。ひょっとして寝ているのだろうか。
もし隣に座っていたら、オレは今この瞬間、彼の胸倉を引っつかんで唇を重ねていたかもしれなかった。
カメラが回っている前でそんなことをしたら、おそらく色々と大変なことになるだろうが。
了レックとの話を適当に切り上げたらしい泉がオレを見て、「なんだか怖い顔になってるよ」と言ったが、
オレはもう楽しくおしゃべりなんて出来る気分ではなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )来週、ありえないと思いつつもどこかで期待している。
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