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電波共白髪・四

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) これ最後っぽい

微かに空調の音がした。窓は閉じている。
窓からは光が差し込んでいた。弱かった陽射しは強く暖かになり、春が来ているのを感じさせた。

(攻…起きている?)
(…起きているよ。……そっちはどう?)
(変わらないよ。もうすぐ眠る時間だね)
(まだ日が高いのに? もう眠る時間?)
(うん、もう眠る時間。力が抜けてふわふわして気持ちがいい…)
(……俺も一緒に眠っていいかい?)
(一緒に?)
(そう、一緒に)
(……いいよ。一緒に)

それから僕達は一緒に眠った。重い体が軽くなる。足元にふわふわしたものが触った。
リチャードが一緒に眠ろうと来たみたいだ。

(…おやすみ、攻)
(ああ…おやすみ、受)

「じゃあ新しいのに取り換えてね。はいこれ」
新任の高坂は先輩からそれを渡される。
「お二人とも同い年で仲が良かったですよね。亡くなる時まで一緒なんて」
「二人ともかなりの年齢だったから。眠るみたいな最期だったよ」
もう少ししたら桜が見られたのにと、窓の外を眺めながら言う。
高坂もそれに釣られて窓の方を見た。
そこには、ようやく膨らみだした蕾をつけた桜の木があった。
半月後には爛漫と咲き誇り、春の色を湛えるだろう。
花が咲いたら、入居しているお年寄り達の間では花見がはじまる。
本当に……もう少しだったのに。

先輩が出て行ったあと、高坂は窓を開けようとして止める。
「あ、もう花粉が飛んでいるんだった」

そうして今は誰もいなくなった部屋のベッドのシーツを取り換えた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ ) オワタ
電波っぽく見せようと、かなり変な書式で書いたため、レスがつくとは思っていませんでした。
読んでくださってありがとうございます。


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