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電波共白髪

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) 電波スレに触発されて即興
                 だけど電波度低いのでこちらに投下

その日はテレビをつけながら、僕と攻は夕飯をとっていた。
ニュースの特集はBSEについてだった。

「こわいね」
「うん、こわいな」
「牛肉は食べるのやめようか」
「そうだな、やめとくか」
「僕達がいま食べている物もそうなのかな」
「そうかもな」
「テレビで言っていたよ。マグロは水銀の含有率が高いんだって」
「じゃあこれから、マグロも食べるのはよそう」
「野菜や果物には農薬が残っているかも」
「じゃあ、それもだ」
「お菓子も、油が酸化していたりするよね」
「それもよそう」
「ミネラルウォーターと錠剤を飲んでいれば安全かな」
「それもいずれは体力が無くなって、衰弱して死ぬ事になりそうだぞ」
「どうやっても避けられないんだね」
「そうだな」
「じゃあ、苦しんで死ぬ前に自殺しようか」
「どうやって?」

次の日、テーブルの上にはいつものように食事が並ぶ。
僕達は緩慢な自殺方法を選んだ。
体に悪い「食べ物」を食べて死ぬ方法だ。

「僕は攻より少しだけ後に死ぬから」
「なんで?」
「攻の葬式を出してからじゃないと安心して死ねないよ」
「それは俺だって同じだぞ。お前を残してのんびり死んでられない」
「それじゃ困るよ」
「俺だって困る」
「……」
「……」
困った。これは自殺なのに。安心するために死ぬのに、安心できないなんて。

暫く黙ったあと、今日は映画を一緒に見に行こうと攻に言った。
僕達は死ぬ前に、たくさん思い出を作っておかないといけないから忙しいんだ。

「僕、攻の葬式が出せるように、がんばって攻より長生きするね」

「俺も受の葬式が出せるように、がんばって受より長生きするよ」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;) …………。


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