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世にも奇妙な物語 イマキヨさん

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                    | 昨日やっていたドラマ(?)より 
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  設定だけ借りて、オリキャラでやってるよ
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 完全ギャグ。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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「たららららん、たららららん♪」
いつ聞いても薄気味悪さを感じるメロディーを、テレビに合わせて口ずさみながら
アキラは身体を起こして伸びをした。
三時間以上もある番組を見るとさすがにちょっと疲れる。
でも今回はおもしろかったなーと一人で満足していると、携帯がなった。
『ユウヤ』
気の弱い、でも優しい親友からの着信だ。
もしかしてこれ見て怖くなったとか?
そうだったら何てからかってやろう。添い寝してやろうか、とか良いかもしれない。
「はいはーい」
「アッ…アキラ!!助けて!」
尋常ではない親友の声にアキラは眉を顰める。
「どうした?」
「いま家に帰ったんだけど、知らない奴が部屋にいるんだって…!!
 見たことないオッサンで、一言も喋んないし、全身真っ黒の服だし、こえーよぉぉ」
自然とテレビに目が行く。
「その、オッサンてさ、黒いフード付きのケープみたいなの着てる、ちょっと丸っこい感じだったり?」
「うん、マジでそんな感じ?なんでわかんの?」
血の気が引いていく、というのをアキラは初めて身体で理解した。
「いっイ.マ.キ.ヨさんだぁぁぁ!!!」

とりあえず何もするな!話しかけるな!触るな!
とだけ言い残して電話を切ってから数十分後。
アキラはユウヤの家の前に到着していた。
「アキラぁ…」
余程怖かったのか、ユウヤは自分の家の前に所在なさげに立っていて
アキラを見つけると全速力で駆け寄ってきた。
あっ、実家のポチにそっくりだ…。
アキラはこっそりそんなことを考えながら、ユウヤを宥めつつ部屋に入った。
「で、どこにいるんだよそのオッサン」
「そこ。…ポテチ食ってる」
ユウヤが指差す先には、やはりアキラには何も見えない。
少し残念に思いながらアキラは部屋の真ん中にあるローテーブルの前に座った。
ユウタはその向かい側に座る。
「あのな、多分お前…つかれてるんだよ」
言いにくそうに言葉を濁すと、ユウヤは悲しそうに目を伏せた。
「やっぱり、そうかな…俺もちょっと思ったんだよ。最近忙しかったし…」
「そうじゃなくて、こういう字の『憑かれてる』な」
テーブルにその字をなぞると、理解できたのかユウヤの顔が青ざめていく。
彼が卒倒しないうちにとアキラは慌てて言葉を繋ぐ。
「イ.マ.キ.ヨさん、あ、これがお前に憑いてるのの名前なんだけど、
 イ.マ.キ.ヨさんっていうのは幸せを呼ぶ妖怪っていうか、神なんだって」
「……うん」
ユウヤの顔が少し明るくなる。よかった。

「でも、イ.マ.キ.ヨさんと暮らすには守らなきゃいけないことが4つある」
さっき見たばかりのドラマの台詞を繰り返しながら、アキラは近くにあったチラシとペンを手に取る。
「1、イ.マ.キ.ヨさんを無理やり追い出さない」
言いながらそれをチラシの裏に書いていく。
「2、イ.マ.キ.ヨさんを傷つけない。
 3、イ.マ.キ.ヨさんの前で引越しの話をしない。
 4、イ.マ.キ.ヨさんに謝らない。
 いいか、これ絶対守れよ」
ユウヤの表情がまた悲愴なものに戻っていた。
「俺…じゃあ、このイ.マ.キ.ヨさんが出て行く気になるまでずっと同棲してなきゃいけないのか」
悲痛な視線のその先には、多分黒いフードのオッサンがいるはずだ。
「でも、守ってれば幸せになれんだし」
「無理だよ…存在感ありすぎ!」
確かに。テレビのあの狭い画面の中でも十分すぎるぐらい存在感があった。
俺は絶対勘弁だとアキラは思う。
「やっぱり…俺、追い出す!」
「やめろやめろやめろ」
慌てて膝立ちになってユウヤの肩を掴む。
「無理だよ、そのうち絶対発狂する俺!アキラは俺が発狂してもいいのか!」
「バカ!さっき言ったの破ったら、松.潤はイ.マ.キ.ヨさん増殖させちゃって
 最終的に自分もイ.マ.キ.ヨさんになっちゃったんだよ!!」
「えぇぇぇ!!!じゃあどうすれば良いんだよ…」
ユウヤの目が次第に潤んでいく。
あ、ヤバイ、これは泣くな。
そう思った瞬間、アキラは信じられないことを口走っていた。
「俺も住む!」
「え?」
「お前が好きだ!」
「え?」

音って何だっけ、と思うような沈黙。
それを破ったのはユウヤだった。
「…もう1回」
「…どっち?」
「…後者で」
「……お前が、好きだ…?」
「何で疑問系なんだよ」
「もういいよ!とにかく俺、ここ住むから!」
また暫く見つめあう。
どちらからともなく笑みが漏れた。
「ありがとう」
ユウヤが囁く。
それに吸い寄せられるように、アキラは顔を近づけた。
あともう少し…
「…」
あれ、
「うわぁぁぁぁ!!!」
「え、なに?!なに?!!」
キス寸前のところで突き飛ばされたユウヤが尻餅をつきながら目を丸くする。
その背後を指差しながらアキラはぷるぷる震えていた。
「いっイ.マ.キ.ヨさんだぁぁぁ!!!」

それから数ヵ月後。
「だめ、イ.マ.キ.ヨさんが見てる…」
「見せつけてやろうぜ」


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