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アイシールド21 某双子

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  飛翔の某双子(弟×兄)だよ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  双子に対する偏見が激しいので注意
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
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夜。
眠れないほど煩くもなく、時計の針より静かで却って気になることもない
丁度いい具合の雨が先刻から降り続いていた。
よって運水が未だに就寝できないでいる理由はそれではない。
むしろ目を閉じてその音に聴きいれば、部活の疲労で強張った筋肉が
少しずつほぐれていき、思考に靄がかかってどこかへ、
自分がばらばらになって別の何かへ
溶け込んでしまう感覚…要するに彼は安心していたのだ。
訪問者。
運水は身を起こしベッドの縁に腰かけた。背後で笛を持った体育教師が
彼にだけ見えてでもいるのか、わざとらしいまでに規則的な動きで
顎を引き両足を広げる。
そうして姿勢を整えてから、足の間で熱を持った「理由」を見る。
すぐ済むことだ。
彼は同年代のチームメイトに比べると淡白なところがあったが、
高校生の男子なら当たり前の行為だ。
ただ動作がマシーンのように事務的で行為の意味からすると
不自然に感じられたが、
他人の行為を見たことがなく、もちろん他人に指摘されることもなかった
彼が自分の慇懃な滑稽さに気付くはずもなかった。

ドン、ドン。
ノックの音にはっと息を止める。相手の都合など知ったことかと言いたげ
な無遠慮で慎みのない音だった。
そんな音と結びつく人間を、運水は一人しか知らない。
まだ行為に移っていなかったことにタイミングの良さを感じて
運水は顔の半分の幅ほどにドアを開けた。
「何だ?」言い終わる前に男は肩でドアを押し強引に滑り込む。
タイミングは果たして良かったのかこれ以上なく最悪だったのか、きっと
誰にも分からない。

運水が一度飲み込んだ「何だ?」を反芻する暇もなく、
男は左手で彼の股間を掴んだ。
突然の来訪ごときで驚いている場合ではない。
「やっぱりな」
何でもないという表情で男、運水の弟、亜言は言う。
いつも凶悪な笑顔とワンセットの亜言の顔は、そうしていると、
周囲から正反対だと評されてきたコンゴウ兄弟が
紛れもない双子であるという事実を浮かび上げる。
運水がやや掠れた声ではなせ、と言うと亜言は素直に手を放した。
説明を求めて無言で亜言を注視すると、それに応えて彼の弟は話し出す。

つまりこういうことだ。ふとムラムラして寝る前にイッパツ抜いとくか、
と思った弟は、もしかすると双子の対である兄も
このコーフンをキョーユー?しているのか知りたい、と考えた。
弟が考えたということは、即ち実行するということだ。

「そんなことをしに来たのか…」
呆れた。弟の発想にも呆れたが、その通りの結果を出してイチランセー
でもないのにスゲエ、と言わしめた自分にも。
ただの偶然だと思ったが、反論はしない。
なぜなら運水は亜言を怒ってはいなかったからだ。
一つ。
自慰行為を目撃されそうになった時の気まずさや罪悪感を
亜言の言う通り共有して、馬鹿だと呆れることで気分が楽になったし
(罪悪感は彼が一連の反応と行為を後ろめたく思う証拠であり、それが少し気に入らなかったが)
もう一つ。
何より弟の全く意図が読めない不穏な行動にも一応の答えが出た。
弟の突拍子もない行動そのものより、弟の目的が分からないことに強く
動揺する運水もまた、亜言ほどあけすけなやり方ではないにしろ
双子の絆を無意識で感じているのかも知れない。
そして運水は元通り冷静な運水になり、安心した。

冷静な兄は凶暴な弟が彼の顎に手をかけてきても、殴られるとは
思わなかった。スキンシップならよくあることだ。
やはり双子の勘は正しい。
亜言はゆっくりと運水に口付けた。かさついた唇の不快な皮膚感覚のため
よけいに時間が長く感じられるようだと運水は思う。
一見、弟の緩慢な動作は優しさや手加減を連想させるが
亜言の冷たい瞳を見る限り、支配者の絶対的自信とでも言った方が
よさそうだ。
もちろん運水の側に服従しているなどという実感はない。
今夜はもう、驚くのに疲れていただけだ。

無反応の運水に亜言が挑発するように笑う。長年見慣れたあの笑みだ。
「なにボケてんだよ。キスくらいしたことあんだろ?お前でも」
なかった。そこに特別な拘りはなく、
ただ自分の優先順位からは圏外だったというだけだ。
今は今すべきことを最大限やるだけ。それが運水の行動原理だった。
「…何なんだ?」
三度目でやっと出てきた言葉。何のつもりなんだ何故したんだ何考えてる
んだ、いくらでも口をついて出てきそうな抗議の言葉だったが、
兄として余裕のポーズをとったつもりだった。
「だから、俺らは一つなんだよ」
そう言ってまた笑う。奇妙な笑いだった。
あの弟の口からテレビドラマのような台詞が出てきたことを、
運水は心の中で苦笑した。似合わない。その笑いだって変だ。何か変だ。
何が「だから」なのか。…まだ弟の真意は分からない。
笑えない夜の始まりだった。

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 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 規制で笑えなかった
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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