昼の男夜の男
更新日: 2011-04-30 (土) 13:51:15
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
小ネタ。アカキ"とナンコ"ウさん。>>493-494続き。
アカキ"は横に置いたビニル袋を引き寄せてがさがさと缶ビールを取り出し栓を開けた。音を忍ばせ
ようとはしないが、わざと大きな音を立てることもなかった。
眠りが浅くなったときに電灯の眩しさを感じてナンコ"ウが目を覚ますかと期待していたのだが。
ナンコ"ウはあいかわらず気持ちよさそうに寝ている。一日の仕事の疲れを洗い落とした石鹸の香りがす
る。
…入り込めねぇなぁ、とアカキ"はひとりごちる。
沼田玩具で工員として働いていて、ナンコ"ウが訪ねてきたあのとき。
道の先に待っていた黒服に、ああ、やっぱりねと思った。だが、落胆はしなかった。
愛想良く近づいてくる人間は、必ず腹に一物を抱えているものばかりだった。
自分の博才を目当てに利用しようとするやつらばかりで、いまさらそんなことはなんとも思わなか
った。
安岡の連れてきた偽者の才能に本気で感心したり、4シャンテンとなる牌を引く勝負で真剣に心配
したり、とそんなところは昔と変わらない、あいかわらず人が好いなナンコ"ウさんは、とアカキ"は感じ
た。
後から、ナンコ"ウが金儲け、自分を利用した企みに一枚かんでるわけじゃないと知った。湧いてきた嬉
しさは意外なほど大きくて、アカキ"は自分の感情に驚いた。些細なことだった。大きな喜びではな
い。だが、6年間の過酷な生は、確実に自分の中のある感情を殺していたらしい。
いい気分で月を眺めた。料亭の廊下の端に腰掛け、冴えた月が美しかった。
美味いものを喰った後のように何度も反芻した。
それから、ふと思った。
(俺はナンコ"ウさん以外の人が来たら会おうとしたかな。)
つらつらと考えてみたが、やはりナンコ"ウしか思い当たらなかった。ヤクザだったらつっぱねる。それ
以外の人間とは、わざわざ仕事場に訪ねてくるほどのつきあいなど持たなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
チュウトハ(ry
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