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ラルアル

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  悪魔土成ドラキュラ ラルフ×アルカード8回目だよ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ラルフ自覚編・前編ですyo
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ >>56->>65ノツヅキデスゴルァ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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 ──誰かを抱く夢を、見ていた。

 闇に浮かぶ肢体は光を放つまでにあくまで白く、触れる肌は絹よりもまだなめらかだった。いつもは冷たい
その肌が自分の手の下で熱をおび、しっとりと濡れてとろけていくのをじっくりと味わった。
 両手に余るほどのたっぷりとした銀髪をわしづかみにして床に這わせると、涙まじりの甘い喘ぎが、もう
許してほしいと哀願する。だがそれも、燃えあがった欲望をなだめる役にはたたず、むしろ、いっそう嗜虐心
と独占欲をあおる。
 反らせた背中とうなじに口づけの雨をふらせて、そのたびにひくりと震える背筋と、あとに残した赤い刻印
に、満足する。
 あげさせた細い腰をつかんで一息に貫きとおすと、かすれた悲鳴が響く。撃たれた鹿のように身をよじる彼を
ねじ伏せながら、その声が徐々に快楽の喘ぎに変わっていくのを勝利感と共に聞く。そしてまた口づけ、しなや
かな体を口づけと愛撫とで覆っていく。
 充たされた征服欲と独占欲、尽きることのない、欲望。白い腕は救いを求めるようにいつのまにか自分の胸に
すがり、甘い息をもらしている。香り高い銀髪に頬を埋め、幾度も指を通し、閉じた瞼にたまった涙を唇で吸っ
てやる。
 そうだ、これは俺のものだ、ほかの誰にも、何にも、けっして触れさせはしない──

 異様な気配に、ラルフ・C・ベルモンドははっと目を見開いた。
 深夜、自分の寝室。暗闇に沈んだ室内に、爛々と燃える赤い目がひとつ、あった。

「妖魔!」
 ラルフが枕もとに置いた鞭に手を伸ばすより早く、赤いひとつ目を持つ小魔は笑い声のような鳴き声を残して、
闇に溶けた。
 鞭に手を伸ばしかけたまま、ラルフは凍りついていた。たった今見ていた夢の内容が、まだ生々しく脳裏に
残っていた。
 夢の中の相手は、──アルカードの顔を、していた。

               ◆

 翌朝の目覚めは気が重かった。
 身体もなんとなくだるく、二日酔いの朝のような吐き気と倦怠感がいつまでもつきまとった。朝食もあまり
進まず、あの御当主がと厨房の者を不思議がらせたほどだった。
 いつものようにエルンストに見張られつつ書類仕事や見回りをすませたあと、ラルフは最近日課となっている、東翼
の読書室に足をむけた。
 最初はさんざん文句を言った読み書きの時間だったが、よく考えてみれば、これはこれでアルカードと毎日、午後
の数時間を堂々と過ごせる口実になるのだ。エルンストが、理由は常ながら口にはしないが、どことなくアルカードを
遠ざけたがるような態度を取るとなれば、なおさらこの時間は貴重だった。
 なのに、今日はその日課すらもラルフを楽しませなかった。読書室へ向かう足取りも、どことなく重い。

 昨夜の夢は魔物のしわざだ、あの森で邪魔をされたやつらの一匹が意趣返しに来ただけだ、気にすることは
ない。そういくら自分に言い聞かせても、闇の中で光るようだった白い肌、しなやかにからみついてきた腕の
感触はいまだにひどく現実的だった。これから実際その相手に会うとなると、どんな顔をしていいのか正直
わからない。いくら相手が、ラルフの夢まで知っているわけはなかろうとも。
 東翼へ続く廊下にはいると、かすかに弦をつま弾くような音が聞こえてきた。ぽつりぽつりと音程を追いなが
ら、間をおいてまた何度か同じ弦をはじいている。
「アルカード?」
「ああ。ラルフ」
 読書室に入ると、アルカードはいつもの定位置である書見台の前ではなく、大きな窓のそばに長椅子と小卓を
運んでそこに座っていた。膝に首の長い古風なリュートをのせ、前に聖歌集らしい埃だらけのネウマ譜の束
を置いている。
「今日は本じゃないのか。そんなもの、どこで見つけてきたんだ」
「書庫の隅で弦が切れたまま埃をかぶっていたので、修理してみた」
 こともなげに答えて、つぃん、とまた一音鳴らして耳をすましている。
「すまないが、もう少しそこで待っていてくれ。調弦を済ましてしまいたい。同じ時に全部の音を合わせて
しまわないと、また音程が狂ったりするからな」
「あ、ああ」
 窓辺のアルカードの姿から目を離せないまま、ラルフはそろそろと椅子に腰をおろした。
 すでにアルカード用の服はひとそろいできあがってきていて、西の塔のアルカードの部屋の衣装櫃いっぱいに詰められ
ているのだが、アルカードはいまだにラルフの古いシャツを脱ごうとしない。

 埃だらけの蔵書室で新しい服を汚すのは忍びない、というのがアルカードの言い分だったが、ラルフは、自分の以前
身につけていたものがアルカードの身を包んでいるということに、内心満足感をおぼえていた。アルカードがそれを
脱ぎたがらないことも、ひそかな喜びと満足の種だった。
 だが、今朝はそれが逆に働いていた。午後の明るい光に縁取られながらリュートの長いネックに指を走らせる
アルカードは、どうしても昨夜の夢の姿を思い出させた。
 大きすぎる袖から出た細い手首や、襟もとの白い首筋に細い鎖骨の影が落ちるのを見ていると、わけもわから
ず叫びだしたい気分になってくる。
 白い指先が弦をはじき、繊細な音の違いを聞きとろうと目を伏せている顔に、涙をためて目を閉じていた、
あの夢のなかの横顔がかさなった。
 はっと気がつくと、痛いほど固く両拳を握りしめていた。ラルフは意識して全身の力を抜こうとして、大きく息
をついた。
 だが、しばらくすると、また同じように全身をこわばらせていた。
 腹の底に溶岩がたぎっているようだった。目を離そう、離さなければ、と思うのだが、視線はまるでのり付け
されたようにアルカードから離れなかった。
 アルカードは調弦の作業に没頭してほとんどこちらを見ていない。朱い小さな唇がなにごとかを呟き、指先がいつ
くしむように細いネックをたどる。
 つぃん、つぃん、と弦が澄んだ音をたてるたびに、かぼそいあの喘ぎ声が耳によみがえってきた。楽器にから
む腕と指先が、いやおうなしに、夢ですがりついてきたあの腕のなやましい動きを思い起こさせる。
 たまらなくなって、ラルフは立ちあがった。
「ラルフ?」驚いたようにアルカードが顔をあげる。
「どうしたんだ? あと少しで終わるから、もうしばらく待っていてくれれば」

「ちょっと用事を思い出した」
 絞り出すようにラルフは言った。喉を絞められているような声だ、と自分でも思った。
「すまんが、授業はまた明日、ということにしておいてくれ。悪いな」
「ラルフ、どうしたんだ」
 様子がおかしいことは気がついたらしい。楽器をわきに置いて、あわてたようにアルカードは席を立ってきた。
「何かあったのか? 本当に、もうすぐ終わるから、あと少しだけ待っていてくれ。いや、途中でやめても、
別にまた、明日やりなおせばいいことだし──」
「さわるな!」
 引き止めようと伸びてきた手を、ラルフは思わず振り払っていた。
 一瞬後には後悔していたが、もう遅かった。振り払われた手を胸にかかえて、アルカードはまるで殴られたような
顔をしていた。唇をかすかに開き、血の気の引いた顔に、蒼氷色の瞳だけが大きく見開かれていた。
 いたたまれなくなって、ラルフはそのまま逃げるように踵を返した。
 理性は今すぐもどって、アルカードに謝るよう、きちんと理由を説明するようにわめきたてていたが、今、こんな
気持ちで、あの夢をかかえたままあの瞳に見つめられたら、自分がいったいどうなるのか、ラルフにはわからなか
った。

「若」
 しばらく外に出て頭を冷やすつもりで厩へ行き、馬に鞍を置いていると、エルンストが姿を見せた。また気分が
重くなった。

「なんだ」
 苦々しい口調でラルフは言った。
「小言なら、聞かんぞ。今日の分の書類なら、全部朝から片づけたはずだ」
「荘園のことではございません。少々、お訊きしたいことがございます」
 いいかとも聞かずにエルンストは厩に入ってきて、ラルフのそばに立った。
「訊きたいこと? いったい何だ」
「あの、西の塔においでの若君のことでございます」
 一気に背筋が冷たくなった。
 エルンストは鷲のような瞳でこちらを見つめている。ラルフはなんとか平静を装った。
「アルカードがどうかしたのか。あいつは別に迷惑はかけていないはずだが」
「迷惑ということはございません。むしろ、お美しい上にたいへん丁寧でおやさしい方だと、使用人どもにも
評判でございます。しかし」
 エルンストはぎらりと目を光らせた。
「あのお方の、ご家名をお聞かせ願えますか、若」
「それを聞いて、どうする」
「あるいは、遠国とおっしゃいましたが、どこの国のご出身でいらっしゃいますか」
 ラルフの返事は無視して、エルンストはつづけた。
「たといどのような遠国といえども、ご子弟にあれだけの気品と教養を授けられるだけの名家となると数が限
られてまいりましょう。スペインのハプスブルク、ヴェニスのグリマーニ、あるいはコンタリーニ、フィレンツェのボルジア、ピエモンテのサヴォイ
ア、その他思いあたるようなどんな大貴族の中にすら、あのように目覚ましい若君がおられるとは聞いたことも
ございません。

 しかも、そのような大貴族のお血筋の方ならば、なぜたった一人で、連れの者もなく旅をなさっておいでだ
ったのです。旅先で出会われたと若はおっしゃいましたが、それはどこで、どういういきさつで出会われたの
か、お話しください」
「エルンスト」
 しだいに怒りがこみあげてくるのを押さえて、語気荒くラルフは言った。
「言いたいことがあるならさっさと言え。アルカードがどこの出身かとか、家名はなにかとか、そんなことに何か
意味でもあるのか。あいつは俺の友人で、ドラキュラを討伐した仲間だ、それだけでは納得できないか」
「“Alucard”という名前は、“Dracula”の逆綴りでございますな」
 ラルフがもっとも怖れていた言葉を、エルンストはとうとう口にした。
「風のうわさに、ドラキュラには人間の妻がいて、その妻との間に息子を一人もうけていたと聞き及びます。アルカード
様は、見たところあれほどお若いにもかかわらず、剣の腕といい、魔道や魔物に関する深い知識といい、魂を奪
われるばかりの美しさといい、どれをとっても人間の域をかけはなれておられる。もしや、あの方こそ、魔王
ドラキュラの」
「エルンスト!」
 押し殺した声でラルフはさえぎった。
 怒鳴らなかったのは最後の瞬間に理性が働いて、この会話がほかの人間の耳に入ったらという危惧が頭を
かすめたためだった。鈎型にまがった指は、今にもエルンストの襟首を締めあげんばかりにこわばっていた。
「おまえ、その事をほかの者に喋ったか。あいつの、素性を」
「では、お認めになるのですな。あの方が魔王ドラキュラの子、闇の血を継いだ、実の息子だということを」
「ああ、認めるとも」
 吐き捨てて、ラルフは乱暴に背を向けた。

「だが、それが何だというんだ。あいつは俺といっしょに、血のつながった自分の父親と戦って斃した、それは
あいつが魔王と同じような闇の眷属ではない証だ。アルカードは絶対に、ドラキュラのようにはならない。それは、この
一か月ほどでおまえも見ていれば納得できるだろう」
「わたくしがどう思うかではございません。世間と、教会がどう思うかと申しあげているのです」
 エルンストは馬の轡をつかんで鋭く言った。
「今、ベルモンド家がどのような立場に置かれているかは若もご存じでございましょう。
 狼に変身する魔の一族とさえ呼ばれたベルモンドが、ドラキュラ討伐の名のために、ようやく栄光を取りもどしかけ
ているところなのです。今、ドラキュラの血を継ぐ者を邸内に置いていると知れたら、世人の評判はともかく、教会
はあっという間にベルモンドを、異端者として排斥いたしますぞ」
「そんなことはわかっている。その手を放せ、エルンスト」
「あなた様のみならず、荘園で平穏に暮らしている家小作の者どもはどうなさいます」
 身をもぎはなして馬に乗ろうとするラルフに、執拗にエルンストはすがりついた。
「あなた様はベルモンドの御当主なのですぞ、若。ご自分の意志のみで行動できる時期はもはや過ぎ去りました。
あなた様にはベルモンド家全体と、それによって生活しているすべての生命がかかっていることを、どうぞお忘れ
くださいますな。ベルモンド家が異端とされれば、村の者どもは土地も家もすべて教会に取りあげられ、飢え死に
するか、異端者の烙印を押されて火刑に処せられるしかないのです」
「うるさい、どけ!」
 衝動的にラルフは乗馬鞭をふるった。
 手の甲をかすめられて、エルンストはあっと小さな声をあげて手を引いた。
 ラルフは馬に飛び乗り、厩の柵をひと飛びで乗りこえさせて門に向かった。口の中がひどく苦かったが、振り返
らなかった。後ろでエルンストが、打たれた手を押さえながら、黙って見送っているのはわかっていたからだった。

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 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ キョウハココマデ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) コウハンハ マタアシタ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


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