芸人 オリエンタルラジオ 中田&藤森
更新日: 2011-04-30 (土) 14:16:43
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| ムゲンダイに溺れて萌えっぱなしだモナー
| A彦&S吾で受け攻め不明
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 書いてある内容はほとんど
| | | | \ 実際にあったことばかり。
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 妄想少な目だゴルァ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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S吾SIDE
良し元芸人同士ばかりなんやかんやでコンビやピン芸人10組以上も集まって
ワイワイ飲み会をしている時だった
オレはあまり酔うこともなく
どんどん悪酔いをしていろんな人に絡んでくる先輩芸人の様子を
内心ビクビクしながらうかがっていた。
上下関係の厳しいこの世界は、売れていようといまいと先に入った方が先輩
「兄さん」「師匠」とまで行かなくとも、先輩の言うことは絶対だ。
高笑いと罵声がどんどん広がってこっちに押し寄せてくる
ふざけ合っている声に愚痴や非難が混じってくる
旗色が悪くなったのは明らかだが、オレたちに逃げることは許されなかった。
「おい!お前ら脱げ!素っ裸で『ブユー伝』やれ」
先輩芸人の一人が言った。
オレらの数年先輩で、NエスC出身の一時期はけっこう売れてたコンビの片割れだ
でも今はオレたちの露出をはるか下回っている・・・
相方の目を見たら、あいつも全然酔っていない風だった。
「いくか?」
「お・・・おう!」
上着を脱ぎ、シャツをまくり上げて首から抜く
そしてズボンに手をかけた時
思い出したくない光景がオレの脳裏にフラッシュバックした。
それは初夏のこと、高校時代の放課後
もうすぐプール開きということで、プールを洗って水を張ることになった。
まだ少し肌寒い信州の6月
オレは背中にイヤな予感を感じながらプールサイドに立った
「おいツンゴ、プールに大きな緋鯉が泳いでいるぜ!誰かが放したんじゃねえのか?
お前捕まえて来いよ。いい値で売れるぜ」
「そんなの居ないよ」
オレは次に来る状況を脳裏に描きながら級友たちを見た
「居るって!いいから覗いて見ろよ!真っ赤な鯉だぜ!」
「居ないって」
そのままプールサイドを離れることも出来た
先生を呼びに行く事だって出来た
だけどオレに残された選択肢は一つ
騙されたフリをしてプールを覗くこと
だってそれがオレのここでの「役割」だから。
オレは別に孤独じゃなかった
クラスで孤立することも無く、登校拒否もせず
成績もまあ、トップクラスだった
女の子の友達もけっこう居た
だけどオレは人気者なんかじゃあない
オレは一部・・・いや大部分の級友たちのオモチャだった
オレよりもドン臭い、いじめられそうな級友は他に何人も居た
だけどターゲットはオレ。いつもオレ。
なぜならオレは打たれ強いから。
いじめで死ぬことも、教師に言いつけてPTAで問題になることもない
オレをいじめても何も起こらない
科学の実験中に火のそばにいるオレに発火性の薬物を投げつけても
アルコールランプをそのまま投げつけても
オレは「ひゃああ」と大げさにリアクションして転がって逃げるだけ
そして曖昧な笑顔で「カンベンしてくださいよ~」と言うだけ
それでみんなは笑ってくれる
いや、優越感に浸って満足するだけだ
成績のいい、顔のいい、けっこうモテるオレ
それを妬むヤツやに抗う腕力の無いオレは
そうやってヤツらの娯楽になって切り抜けるしかなかった。
みんなと離れ、そういういじめから逃げまくることは出来なくはない。
だけどオレにはそんな強い心は無い。
人並みに高校の行事に参加し、思い出を作り
みんなと並んで卒業アルバムに写真を残したかった。
大学に行ったらこの町をきっと出る。
だけどこの町を捨てることなんか出来ない。大切な思い出のある町
これから一生どこに行っても帰ってくることの出来る町で居て欲しい
だからオレはみんなに合わせて、ワルフザケの餌食にもなる
度を越すそれらは、傍目には耐えられないいじめに見えるかも知れないけど
オレは平気だ。みんなが笑ってくれるんだ
それが嘲笑で有っても侮蔑であっても
オレはそれでここに居場所が出来るんだから・・
プールを覗き込んだオレの後頭部を誰かがつかんだ
同時に足払いをかけられ体が宙に浮いた
ザッパーン!
冷たい汚い水の中に沈みながら、オレは一瞬息を止めた
ここはもう別世界。静かで冷たいオレしか居ない世界
空気を求めて水面に浮かんだら、そこはまた元の世界
みんなの笑い声と怒号がオレを待ってる
このままもう、浮かび上がるのはよそうかとふと思った
沈んでいく体・・・プールの底は水草がいっぱいで
この世とは思えない、静まり返った死の世界だ
それがオレを呼んでいる・・・
A彦SIDE
「早く脱げよ!良し元イチの売れっ子芸人さんよ!」
そんな声がオレたちを取り巻く
相方は動きが止まったまま顔面が蒼白だ。
オレも心臓がバクバクしている。
酒に酔った勢いとはいえ、野蛮で野卑で淫猥な空気に満ちた状況
オレたちに逃げ道なんか無い。
オレは耳を塞ぎたい気分だった
あの時のように、心を閉ざしてしまいたい
誰の言葉も聞かず、何も見ず
そして自分を中を誰かに見せることもなく
クールにふるまう・・・というより空気のように気配さえ消して
全く関わり合いを持たずに過ごしたあの教室
そして春が過ぎ夏が来て秋になっても
オレはどんな思い出も胸に刻みはしなかった
級友たちの顔は誰一人覚えていない。オレの顔もまた
誰からも覚えられずに終わっていった3年・・・そしてまた3年
なぜオレはあんなに頑なだったんだろう
なぜオレはあの時誰も見つけられなかったんだろう
この相方みたいな存在を・・・級友たちの中に。
修学旅行を途中でバックレた。
そう言ったらカッコイイが本当はいたたまれなかった。
グループごとに行動し、仲良く観光地を散策する
笑顔でつむぐ思い出作り
オレは少し人数が少なかった大人しめのグループの中に入れられた
それでもオレ以外は互いに言葉を交わし、いろいろと楽しげな計画を立てていた
オレは「テキトーに決めていいよ」と言ったきり難しい本に目を落とした
その中に心を沈めると教室の喧騒も、観光地の風と光も感じない
たった一人で違う世界に閉じこもる。ここが京都だろうと世界の果てだろうと。
ふと、ものすごい寂寥感に襲われて、奈良公園のベンチを立ち上がった。
「オレちょっと行くとこあるから。宿には夜帰るから」
そう一人に伝えてオレは公園を後にした。
奈良を離れて電車で高●へ
あっという間に電車はその町に着いた。
「小せえなあ」
オレはため息をついた。
駅からすごく離れていたはずの小学校
広々とした商店街も、遊びまくった公園も
何もかもミニチュアみたいに狭かった。小さかった。
そしてオレが小学校4年くらいの時必死で登っていた神社の大木は
今なら足をヒョイとかけて1分以内に登れそうだった。
オレの体重を支えられるかわかんないくらいその木は細かった。
「こんな町・・・ずっと住んでいたら何も変わらなかっただろうな」
当たり前のように少しずつ成長して行ったら、
町もいきなり小さくはならなかったろう。
そしてこの町の言葉はオレの体にしみついて
一生何の違和感もなくしゃべって来れただろう
大学に入ってこの町を離れても
その言葉はオレの誇りになっていただろう
今のオレにはそれは無い
小さい頃からずっと一緒だった友達も居ない
この町に有ったはずのキラキラした思い出も消えてしまった
今のオレには何も無い
完全な孤独に何年も耐えてきたはずのオレの心は
その時急に折れそうに歪んだ
ぐっとこらえて町を見下ろすと
いつか嗅いだ懐かしい風の香りが鼻孔に入って来た
山口にもあった。千葉にもあった
こんなありふれた神社はどこにでもあった。
だけどオレの思い出はここにしか見つからなかった。
生まれた町の・・・小さなノスタルジーの香り。
ここに居続けられたら・・・みんなと居られたら・・・
ここの言葉を忘れたりしなかったら・・・
相方がはじめてオレに声をかけてきた時
人なつこい笑顔が言葉より先にオレの心に届いた
大学では誰もオレの事を知らない
だから今までの自分を捨てて、明るく楽しく青春しようと思ってたのに
長年硬く凝り固まった心はなかなか開くことは出来なかった
サークルに合コン
派手な服を着てもヒゲを伸ばしても
やっぱりオレはオレでしか無かった
お笑い芸人のラジオ番組をウォークマンで繰り返し聞く
クククと一人で笑ってみても
ネタを書いてみたノートを繰り返し読んでも
誰ともこの楽しさを共有出来なかった
だけど・・・オレはバイト先ではじめてお笑い好きなコイツに出会った
コイツは誰にでも調子よく合わせることが出来るヤツみたいだから
本当はオレの好きなものにそんなに興味は無かったのかも知れない
だけどアイツは笑ってくれた。オレのネタに「これいいよ!」と目を輝かせてくれた
信じられないことだったけど、信じたいと思った
あの人なつこい笑顔と甲高い笑い声
ただのチャラ男に見えるけど、オレの事気遣ってくれていた
もういいや、甘えちまえ!
オレはこいつをオレに徹底的につき合わせることに決めた。
たとえ迷惑でも知るもんか!オレはコイツが気に入ったんだから。
二人で入ったお笑いの道。
いくらつきあいのいいヤツでも、せっかく良い学校を出たアイツに
オレのドロップアウトにつきあえとは言いにくかった。
だけど楽しすぎたから
二人で作った思い出が輝きすぎたから
オレは永遠にこの時間を手放したくないと感じた
「一生一緒に居てくれや」
そんなクサいセリフは無かったけど
相方は笑顔でNSCの入学願書をもらって来てくれた。
二人で一緒に居たいから
二人で笑っていたいから
どこまで行けるかわからないけど
あいつの手を取って逃げるように走って来た
あいつと居ると今まで誰に対しても無関心だったオレの心が
スポンジのように喜びを吸い取って膨らんで来る
幸せすぎて 稽古の辛さなんか感じなかった
幸せすぎて ネタは次から次へと沸いてきた
「面白いよそれ!天才だよアッチャソ!」
無邪気に笑いコケるあいつがオレに勇気を与えてくれた
たった一人のオレの親友
そして一生手放したくないオレの相方
この感動を心から味わうためだけに
オレは今までずっと目をつぶってきたんだ
偽りの友情とか
ウソッパチな青春とか
クラスメイトや学校行事なんて今この瞬間の充実感に比べたら
みんなみんな糞食らえ!薄っぺらな思い出なんて願い下げだ!!
さあどうする!?相方はパンツに手をかけ固まっている。
おれだってすごく震えてきた。でもイヤじゃない
ここは中学高校時代にすごく嫌で避けてきた「人間付き合い」のルツボだ
だけどここに居るみんなは全員「おワラい」が好きで
そのためにいろんなものを捨ててものすごい努力をして
のし上がったり、食らいついたりしてきた尊敬すべき猛者ばかりだ
「行っか!」
オレは相方に叫んだ
「よおーし!」
相方が顔を上げた
オレは恥とプライドをシャツやパンツと一緒に脱ぎ捨てる
相方も堂々と一糸まとわぬ姿で仁王立ちになる
周りのヤツらの視線は相方の真っ白い肌に集中しているが
オレは一歩前に飛び出て言った
「オレのデンセツベストテン!」
相方の体からみんなの視線を逸らすように
いつもより滑稽な動きで腰を振ってポーズをとる
ヤンヤと喝采が上がる手拍子と歌声が響く
「イミはないけれど ムシャクシャしたから」
踊っている時に相方と目が合った
お互い、出会うべくして出会った運命の絆を感じてる
そうだろ?相方
こんなオタンチンな出来事でも、笑って話せるネタになる
お前と一緒ならなんだって出来る
もっといい眺めを見に行こうぜ
あの神社の木に登るよりずっとずっと高いところに
世界を見下ろせるところまでつっ走っていこうぜ!
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| | □ STOP. | |
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| | | | ピッ (・∀・ ) >176姐さんの足元にも及ばないお目汚しダ
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