アフロ×バイザー
更新日: 2011-04-30 (土) 14:12:00
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| マヅレンジャー、アフロ×バイザー追悼。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| ほんのり魚総攻め風味かもねー
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ フウミカモネー
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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神/々/の/谷には、普段の陰鬱な雰囲気とはまた違う重苦しい沈黙が広がっていた。
理由の一つは二/極/神の一柱、卜゙レイクが倒されたことであり、もう一つはその戦いにもう一柱の極/神、
スレイプ二ノレを参戦させたことによる、三/賢/神の夕゙ゴンとスフィン楠の対立だった。
「ねえ夕゙ゴン、でもさあホントに戒/律破っちゃって良かったの?」
Yバ一ンがまるで雑談でもしているような口調でさらっと話を振ると、
夕゙ゴンに横目で睨むような目線を投げつけられる。
「いや、別に僕は文句なんかないけどね。でもスフィン楠がちょっと可哀想かなって」
ねえ、と隣にいるティ夕一ンにも同意を求めるが、彼は否定も肯定もしなかった。
Yバ一ンも慣れているのか、別に気にせずに話を続ける。
「それにさあ、ン・魔の魂抱えてるっていっても、たかが天/空/聖/者でしょ?
あそこまでしておびき出すことなかったんじゃないかな」
「その天/空/聖/者の弟子と子供たちに、どれだけの冥/府/神が倒されたと思っている。
子供たちは天/空/聖/者ですらない、ただの魔/法/使/いなんだぞ」
「うーん、それ言われちゃうとねえ」
Yバ一ンが口を噤み、夕゙ゴンも次の言葉を発しなかったため、場が一瞬静まり返る。
それまで会話に加わっていなかったティ夕一ンが、ここでようやく口を開いた。
「どうした、気になることでもあるのか」
「ブレイジェノレの奴め、我ら冥/府/神は奴らに勝てない、などと戯言を」
「勝てない? 何で」
質問をしたYバ一ンには目を向けず、遠くの、別の誰かを探すような目で夕゙ゴンは答えた。
「勇気を持たぬ我らは、奴ら魔/法/使/いに勝つことはない、と」
「へえ、天/空/聖/者も冗談なんて言うんだ」
さも愉快そうにYバ一ンが笑う。
「勇気ねえ、あはは、バッカじゃないの。そう思うよね、ティ夕一ン」
しかし、今度も返事は返ってこなかった。Yバ一ンがややうんざりした声を出す。
「またダンマリ?」
そして夕゙ゴンはといえば、じっと押し黙り、完全に自分の思考にふけっている。
「あれ、そういえばスレイプ二ノレは?」
Yバ一ンの問いに、ようやくティ夕一ンから返答があった。
「知らん」
一瞬のことだった。
ティ夕一ンは、ようやく全てが終わるのだという安堵感に気を抜き、
自分にそんなものがあったのだと初めて知った温かい気持ちに浸っていた。
だが、それは不意に現れた夕゙ゴンに断ち切られた。
「あと一歩だったな。だが、追いかけっこもこれで終わりだ」
槍で腹を貫かれ、崩れ落ちた身体を踏みにじられる。
「時は来た。今こそ絶/対/神ン・魔復活の時!」
その言葉と共に、身体に槍が振り下ろされる。
だが、一瞬、その動きが鈍り、ティ夕一ンはいぶかしんだ。
同情などするわけがない、そんな男でないことはよく知っている。
そもそも自分が死ななければン・魔は転生しないのだ。
「Yバ一ンが倒されたか」
Yバ一ン。
ティ夕一ンは自分に向けられた、彼の憎しみのこもった攻撃を思い返す。
裏切る形にはなったが、ティ夕一ンにとってはかつての仲間であり、
神として生きる長い時間を過ごした同士でもあった。
積極的に戦う気にはなれなかったし、ましてや彼に倒れてほしいなどとはティ夕一ンには思えなかった。
「最後まで役に立たない奴だったな」
冷たくそう言い放つと夕゙ゴンはティ夕一ンの傷口を広げるように槍を突き立てる。
「お前のことは、それなりに買っていた」
夕゙ゴンの声が、少しずつ遠くなっていく。
「お前を失うのは残念だ。だが、お前の肉体は絶/対/神ン・魔として再び我らと共にある」
身体の中で炎が燃えているようだった。それが燃え広がり、内部から全身を舐め尽くしていく。
だが、その炎は焼き尽くすのではなく、冷たく全身を凍らせていくようだった。
力が抜けていき、ティ夕一ンの身体が冥/府/神本来の巨大な姿へと戻っていく。
見下ろす視界の先に、芳華の姿があった。
その表情はティ夕一ンには形容できないものだったが、まるでひどい痛みを与えられたような顔をしている。
隣にいる牧人も同様だった。
ホウ力。
オ二イチャン。
支えることが出来なくて、すまない。
彼らを見ているとティ夕一ンもまた、ひどい痛みを、身体の内部からン・魔に与えられているのとは違う、
静かに、奥深い何かを締め付けられるような痛みを、苦痛を感じた。
そして、視界の端に何かが激しく燃え上がったような地面の跡を認める。
あれがお前なのか、Yバ一ン。
ン・魔の魂に侵食されていくにしたがって、夕゙ゴンに刺された傷と共にYバ一ンがつけた傷も広がっていく。
だが、その痛みよりももっともっと、奥深い部分が痛む。
お前は信じないかもしれないが、俺はお前の話を聞くことが嫌いではなかった。
お前といる時間が嫌いではなかった。
お前のことが、嫌いではなかった。
薄暗い神/々/の/谷でYバ一ンの話に耳を傾けている時、ティ夕一ンはふと、このまま裁/き/の/石/板が光らず、
神/罰/執/行/神が選ばれず、ただ静かに過ごす、こんな時間が続けばいいと思うことがあった。
それは、冥/府/神としての使命を完全に否定する願いだった。
思えば、あの時から俺がこうなることは決まっていたのかもしれない。
傷痕から這い出してきたン・魔の魂がティ夕一ンの身体を覆いつくし、ティ夕一ンである部分を剥ぎ取って、
今、まさに成り代わろうとしている。
暗くなっていく視界の中、薄らと見える芳香の目に、水のようなものが湛えられているのをティ夕一ンは見た。
それは何なんだ、ホウ力。
ン・魔の魂を押さえ込もうとするが、もはやそれは抵抗にすらならなかった。
もう、俺はお前やオ二イチャンから教わることは出来ない。
だが、俺は知っている。絶/対/神ン・魔が蘇ろうとも、いずれ地/底/冥/府は滅びるだろうということを。
いつかの夕゙ゴンの言葉が、ふと脳裏に浮かぶ。
『勇気を持たぬ我らは奴ら魔/法/使/いに勝つことはない、と』
ホウ力、オ二イチャン、お前たちの父親は正しい。
俺たちには支えあう勇気がなかった。神として長い長い時を生きながら、それを知ることがなかった。
握り締め、重ねられた二人の手の感触が、食い尽くされていく肉体の最後の部分に残っていた。
温かかった、あの子犬のように。
『握手すると、友達になれるんだよ』
俺は、共に時を過ごした者たちの手がどんなものかも知らなかった。
手を伸ばしたい、と最後の意識でティ夕一ンは願う。
相手に手を差し伸べる勇気。
その手を取る勇気。
大切なものは、必要なものは、ただそれだけだったというのに。
熱い、とYバ一ンは感じていた。
業火で焼き尽くされ、もはや肉体は灰燼に帰したはずなのに、
それでも消えかかる寸前の魂が最後まで苦痛を訴える。
そして、苦痛はブレイジェノレによる炎のためだけではなかった。
夕゙ゴン、僕はそれほどバカじゃない。君が、僕を信頼してなかったことなんて気付いてた。
『信頼しているぞ、Yバ一ン』
嘘つき。
だがそれは、夕゙ゴンの冷酷さへの怒りではない。むしろ、その冷たさ、強さこそ
Yバ一ンが夕゙ゴンに惹かれていた部分だった。
君の頭の中にいるのは自分自身とン・魔だけだ。
それから。
身体を包んだ炎よりも熱い憎悪が、焼き尽くされた身体を更に苛む。
最後、Yバ一ンは夕゙ゴンの命令を無視してブレイジェノレへと立ち向かっていった。
どうしても、目の前の天/空/聖/者への憎しみを晴らさなくては気がすまなかった。
お前と、その血を引く者たちが僕から何もかも奪っていったんだ。
だが怒りに駆り立てられながら、何を奪われたのか、Yバ一ンは、はっきりと判ってはいなかった。
ただ目の前の男を、ブレイジェノレとそれに関わる全てを消し去りたかった。
たかが天/空/聖/者だと、Yバ一ンは軽んじていた。だからこそ、以前してやられた時の屈辱を忘れられなかった。
だが、その力は圧倒的だった。そんな力が神でない身の彼のどこに秘められているというのか、
Yバ一ンにはとうてい信じられなかったし、敗北など認められなかった。
『嘘だ……こんなの……信じない……!』
その言葉を最後にYバ一ンは炎に包まれた。
いったい、何で。
その答えのようなものを、かつてYバーンは聞いたような気がするのだが、思い出すことが出来なかった。
面白くない。
その時、目の前に立つ影をYバ一ンの意識は認めた。
笑いにでも来たのかい。
だが肉体を失ったYバ一ンの問いかけは声にならなかった。
そして、万が一声になっていたとしても、相手が返事をする可能性が低いことをYバ一ンは知っていた。
影が、Yバ一ンに向けて動く。それは彼にとって見覚えのない仕草だった。
何だい、それ。
返答はないままだ。
その手を取れっていうの。
Yバ一ンは消え去ろうとしている意識下で、もしもまだ肉体があったのならどうしただろう、と考え、答えを決めた。
いいよ。
失われた身体で、それでも手を伸ばそうとする。
お前を捕まえるという望みだけは、最後にこうして叶ったわけか。
完全に魂が消え、無に帰して行くからか、Yバ一ンの苦痛も薄れて消えていく。その寸前に、名を呼んだ。
ティ夕一ン。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ちょっとは追悼になったかな…
| | | | ピッ (・∀・ )
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