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芸人 オリエンタルラジオ

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  デンデン言ってる人達ゲ仁ソさんみたいだよ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 萌えすぎて30分で書いたみたいだよ 
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
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幾ら人前で大っぴらに可愛がってみたところで、この関係性は変わりはしない。
酷く不器用で嫉妬深い俺は、今日も耐え難い憂鬱に飲まれそうになる。

「ねぇ、怒ってんの?」
「別に怒ってねぇよ。」
最近は二人になるといつもこんな会話ばかりを繰り返している気がする。
ああいやだいやだと首を振ったところで、相方は俺の頭を両手で掴んで無理やり
に自分の方を向かせた。
「言いたいことあんならハッキリ言えよ」
「……言いたいことが見つかんねんだよ」
「何それ。」
「口に出したら、きっと俺は自分を殺したくなる気が、する。」
手を振り解いたところで何が出来るわけもなく、手持ち無沙汰の流れで
吸いたくもない煙草に火をつける。ため息と一緒に吐く煙は、二人の間に薄く
膜を作った。同じく煙草に火をつけた相方が、しばしの沈黙の後に口を開いた。

「女みたいなこと言いたかないけどさ」
「うん」
「口に出して言わなきゃわかんないことって、多分あると思うんだわ」
「……かもな。」
「別に何言われても怒んないから。」
「…俺、怒ってるように見えんの?」
「さっきから言ってんじゃん。」
「あー…そうだね。うん。そうだよな。」
気の無い返事は、気が無いわけではなくて、気がありすぎるからこその気の無さで…
グルグルグルグル思考が回り、もう収集が付かない。
「どーしたー、あーいーかーた!戻ってきてー」
「あのさぁ、俺すげぇ嫉妬深いんだと思うんだわ」
自分で自分の言葉に驚いた。言葉が、制御できない。口から機械仕掛けのように言葉が
零れては相方に聞き取られていく。
「…何よいきなり。」
「オマケに心が狭くて」
「はぁ」
「不器用だし」
「うん」
「ちょっと病んでる感あるし」
「そうだね」
「否定しろよ。で、ネガティブ思考だし」
「そうだね」
「だから、俺は、お前が嫌いだ」
「はぁっ!?何言ってんの!?」

違う。言葉そのままの意味じゃない。言葉の、意味の、再構築をしなければ。

「違う、そうじゃなくて」
「あぁ、うん良かった」
「色んな人に可愛がられるお前が、嫌いだ」
「……どういうこと?」
「色んな人の誰かが、いつかお前のこと持ってっちまう気がしてて」
「うん、もうちょっと分かり易くお願い」
「色んな人がお前を可愛がる」
「それで?」
「お前も愛想良く付いていく」
「そんな気あんまないけど…それで?」
「お前はいつか俺から逃げてくと思う」
「んー…それで?」
「だから、俺は、お前が好きだ」
「……はい?」

…口が滑ったとしか言いようが無い。何でこんなことになった?口が滑るとはこのことだ。
こんなこと言うつもりは毛頭なかったのだ。死ぬまで隠し通すつもりだったのに。勢いに
任せて相方に重荷を背負わせる気なんか、無かったのに。
相方が固まったところで、俺は正気に戻った。口を手で押さえ、逃げ出そうと立ち上がった。
椅子が派手な音を立てて倒れる。その音で相方は正気に戻ったように、俺の前に立ち塞がった。

「あのさぁ、言い逃げは良くないと思うなぁ…。」
「え?」
「ビックリした、壊れたかと思った」
「…若干壊れ気味ではあった、けど。」
「要は、俺を独り占めしたいってことでしょ?」
「え。あ、うん、多分」
「俺が好き?」
「うん。」
脳味噌を通さずに、するりと言葉が零れた。もうダメだという言葉がグルグルと回る。
しかし、相方の口は思いがけない形に動いた。
「なら最初っからそう言やいいのに」
「あ?」
「回りくどいことしないで、ダイレクトにそう言いなよ。」
「うん。」
「呆けた顔してないでよ。シャキっとして、ほら。」
世話焼き女房のように右手で俺の髪を撫で付け、左手で服の皺を伸ばされる。そんななすがままな俺に、
相方は唐突に抱きついてきた。予想外の展開に、一度落ち着いた思考が再度混乱しそうになる。
「心配しないでも、俺ちゃんと好きだから」
「え?」
「俺も、好きだよ」
「嘘つけ」
「嘘じゃねぇよ」

「話が上手すぎる。絶対嘘。」
「嘘じゃねぇって」
「そんなに物事が上手くいくはずねぇ」
「上手くいく場合もあるでしょ」
「だって……」
「俺がこうしてるってことが、答えになってない?」
「……俺男だぞ?」
「どう見てもね」
「お前も男だよな?」
「戸籍上も、生物学上も」
「じゃあ、ダメだろ」
「どうしてさ」
手は俺を掴んだままながらも、身体を離し心底俺の言葉が解せないという表情で見上げられると
俺のほうがおかしなことを言っているような気がしてしまう。また混乱に陥りそうになった俺を
見てため息一つ、相方は3歳児に語るように穏やかで丁寧な口調で諭し始めた。
「どうして好きってだけじゃダメなの?」
「普通に考えたらマズいだろ……」
「誰がダメって言うのさ。」
「世間とか、常識とか…」
「下らないと思わない?そんなん気にするのカッコ悪い」
「……恐いんだよ。」

「何が」
「お前にこういうこと言って逃げられんのが」
「逃げてないじゃん」
「いつか逃げる」
「いつかっていつだよ」
「……いつかは、お前…いつかだよ。」
煮え切らない俺に業を煮やしたのか、今度は相方が切れた。平手で俺の頭を思い切り引っぱたくと、
おもむろにシャツを脱ぎ始めた。長袖のラグランスリーブがまず床に落ち、その下のTシャツが…
「って、お前何してんだよ!」
「言葉で信用できねーんなら、身体で信用させてやろうかと思って」
「バカか!出来るわけねぇだろ!」
「出来ないの?」
「え、いや、出来るけど、ここじゃ出来ねぇ、ってだから!!」
更にジーンズのジッパーにかかった相方の手を強く掴んだ。その手をそのまま万歳の形に持っていき、
俺は覚悟を決めた。慎重に、でも言葉が不必要に複雑にならないように、自分の気持ちを紡ぐ。
「わかった、ごめん言い直す。もう一回。」
「はい。」
「俺は、お前が好きだ。」
「うん、俺も好きだよ」
「信用する。」
「信用したか。」
「信用した……。」

下らないことをうだうだ考えてた自分は、バカなのか?
壊れた言葉を再構築した後に残った破片は、酷くシンプルで。
たまにはシンプルに動いてみるのも、悪くない。

「参ったかこの野郎。で、続きはどこでする?」
「…………お前ん家で。」

悪くない、と思うくらいならバチだって当たるまい。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 毎日萌え殺されるかと思うよ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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