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2005赤黄でほんのり

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
                    |  >>1乙ありがとう。
                    |  2005超英雄時間(要英訳)前半、マジカノレでブラザーな船体だって
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  赤黄でほんのり。その4話目。
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 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ アイカワラズ投下間隔ガナガイ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
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「うー…」
魔方部屋の机に座って、小さく唸った。
円卓では小姉が傷の手当をしてる。
…小兄の。

小兄は時々とんでもなく行動的になる。
それはホーカ姉ちゃんを助けるためだったり、ヒ力ノレ先生を助けるためだったり、
…俺を助けるため…だったり。
今日は小姉を助けるために、敵のど真ん中に突っ込んでった。
普段はあんなにやる気なさそうなのにさ。
「…っ」
切れた口元を消毒されて、小兄が小さく眉をしかめた。
「あ、ごめん。沁みる…?」
「いや、平気」
いつもの表情で返事した。
「シバサ、ありがとう」
「…ん」
手当て後の小姉のお礼への返事も、いつもの表情。
「うー…」
そんなやり取りを見ながら、また唸っちゃう。
なんっていうか…こう…。
イライラ? モヤモヤ? ピリピリ? クラクラ…は違うか。
ともかく、なんか変な気分。
「うーうーうー」
だから、唸る。
唸って答えがでてくるんならいくらでも唸るけど、出てこないんだろうなぁ…。

「さっきから、何ひとりで騒いでんだ」
小兄の顔が俺に向く。
やっぱりいつもの呆れ顔。
「誰のせいだと思ってんだよ!」
「? 誰のせいだよ?」
「!」
真正面から聞き返されて、言葉に詰まった。
確かになー。原因は小兄だけど、小兄のせいじゃないしなー。
ってことは、やっぱり…
「俺の、せい…?」
「…ハッ」
小兄は鼻で笑って、部屋を出て行った。
ムカつくー!!
「カイ」
ヒ力ノレ先生が寄ってきた。
俺の肩に手を乗せる。
「悩み事かい? 僕でよければ相談に乗るよ」
「ありがと先生。でもなんか…うまく言葉にできないんだ」
「文章にならなくても短い単語を並べて、誰かに聞いてもらうことで心が軽くなることもあるよ」
「そうなのかな…」
「きっとね」
見上げたら、先生はいつもの笑顔で見下ろしてた。
「ありがと先生。そのときはお願い」
「わかった」
俺の肩をポンと小さく叩いて、ヒ力ノレ先生はみんなの方へと戻っていく。
っていうか、今、俺の心は重いのかな。
そこらへんからしてよく判らない。
でも、ひとつだけ判ってることはあるんだ。
小兄の怪我、たいしたことなくてよかった。

それから三日くらいは何事もなく…というか、悩んでたことすら忘れて過ごした。
だって学校も部活もあるし、淫ヘルシアは来るし、小兄とはケンカしなくちゃいけないし。
毎日頑張ってます!
「センジン切って~突っ走る~♪」
お風呂で鼻歌出ちゃうくらい、頑張ってます。
…あれ?
「センジンって漢字でどう書くんだっけ?」
「ばーか」
「うわぁっ!?」

バシャーン

突然ドア越しにかけられた声に立ち上がる。
びっくりしたー!
なんで脱衣所に小兄がいるんだよ!
つーか、なんで胸隠してんだよ俺…。
「次に風呂を待ってるホーネーが眠そうなんだよ。早めに出てやれ」
それを言いに来たのか。
「わかったー」
遠ざかる気配に大きく答えて、もう一度顎先まで湯船に漬かった。
姉ちゃんたちには優しいんだからなー。
俺にももうちょっと優しく…
「…」
してくれてるところを想像してみた。
おかずくれたり、漢字教えてくれたり、おやつくれたりする小兄。
「…」
なんか、それって小兄じゃない…。
「…あがるか」
ホーカ姉ちゃん待ってるし。
本来なら俺の次だったのに、順番を変わってあげた小兄も待ってるしね。

翌日も、淫ヘルシアはやってきた。
まったくもー! 毎日毎日懲りない奴らだな!!
今日もキッチリ地底に送り返してやるぜ!
ところが、今日の奴らは一味違ってた。
言いたくないんだけど…。
この目移住人、ぶっちゃけ…強い。
地面のコンクリートをバリバリ剥がして、尖らせて飛ばしてよこすんだもん。
これじゃ近寄れない!
「うわぁ!!」
小兄も吹っ飛ばされた。
俺だって…地面に倒れてる。
「このままじゃ…」
このままじゃ…このままじゃ!!
ぎゅっとソードを握り締めた。
突破口を開かなきゃ! 俺が! 先陣切って!!
「うおおおおお!!」
目移住人へと突っ込んでいく。
「うわぁ!」
でも…だめだった…。はね返された…。
「カイ!!」
ゴロゴロと転がされる形で、皆のところまで戻された。
「馬鹿野郎! 考えもなしに突っ込むんじゃねぇ!!」
小兄が叫ぶ。
地面に膝を突いて、肩で大きく息をしてる。
その苦しそうな呼吸に合わせて、黄色のマントが揺れる。
「小兄…」

「大丈夫か?」
小兄がわずかに振り返って聞いてきた。
「…ごめん」
「んなこと言ってる場合じゃねぇだろ」
「…」
そういえば。
こんなとき、いつも小兄の背中見てるな。
「!」
それってばつまり、こんな…ヤバげな状況のとき、小兄はいつも俺の前にいるってことだ…。
「!!」
これだ! イライラの原因!!
小兄が俺を庇ってくれるからだ!
でも…なんでだ?
うれしいのに。なんでイライラなんだ?
まぁいいや。
原因が判ったんだから、次のことは次に考えよう。
小兄が俺の前にいるのが嫌なんだから、そうじゃなくすればいい。
一番手っ取り早いのは、目の前の目移住人を倒すことだ!
戦う相手がいなくなれば、小兄は誰かを庇って怪我しない。
おし! カンペキ!!
「小兄!」
立ち上がって叫んだ。
飛びたいんだ! 持ち上げて!!
「おう!」
小兄はすぐに立ち上がって、スティックを構えてくれた。
そこをめがけて飛び上がり、
「ぅおーりゃー!!」
小兄の力を借りてさらに高い空へジャンプ!
サンキュー小兄! 狙った以上に景気よく吹っ飛ばしてくれて。
「まぢまぢまぢか!!」
両腕を広げて呪文を唱える。

「赤火鳳凰!!」
真赤な炎が全身を包んだ。
そのまま目移住人めがけて飛び込む…というか、落っこちるというか。
炎の翼を広げて突っ込んだ。
今度は目移住人がゴロゴロと転がる。
俺はちゃんと格好良く着地したもんね!
「よっしゃトドメだ!」
気合を入れなおして剣を構え…
「ぢーぢーぢぢる!!」
…てると、呪文が聞こえた。
そんなに長い呪文じゃないのに背後から横、前へと声が移動していく。
「え?」
俺の眼に映るのは、やっぱり黄色の背中。
「譲れ!!」
黄色のボクサーは短く叫んで、素早く目移住人の懐へと飛び込む。
「ちょ…小…」
あーもう!
目標をなくした剣をスティックへと戻す。
あれじゃ、ダメだって言う暇も隙間もないじゃんか。
「…ま」
いっか。
そのまま左腰のホルダーに戻した。
腕組みをする。足は『やすめ』の体勢。
体重をかける足を換え、右手を顎にあててみた。
「おや~?シバサ選手、パンチにいつものキレがありませんねー?」
わざとらしく言ってみる。
実際は、もう完全に小兄のペースなんだけどね。
いつもよりちょっと肩に力が入ってる気はするけど。
「バカ言ってんじゃねぇ!」
黄色の魔方使い・マヅイエ口ーは、そう叫んで見事なアッパー。
それが目移住人へのトドメの一撃になった。

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 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ おそまつ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) シレッっとてんてー登場。
 | |                | |       ◇⊂    ) __ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
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