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ラルアル

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                    |  悪魔城イ云説ラルフ×アルカードだって
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  前スレ>>598->>605の続き?カモ
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「外してくれ」
 冷たい指先が額をかすめ、閉じた目にうすく光がさした。
 半面を覆った布が除かれた。ゆっくりと瞼を開く。最初の眩しさが少しずつ薄れると、目の前にかがみ込ん
で、じっとこちらをのぞき込んでいる蒼氷色の瞳に出会った。
 ラルフ・C・ベルモンドは微笑した。
 褐色の男らしい顔の左半面をたてに一文字、額から目の上をよぎって頬のなかばにかけて、薄茶色の傷あとが
刻まれている。
「……痕になってしまったな」
「なに。箔がついたと思えばいいさ。目がやられなかっただけ儲けものだ」
 細い指先で傷あとをたどる美しい道連れに、軽く言ってラルフは笑った。
 相手の肩からわずかに力が抜けるのを確認して、安堵する。この、一見まったく無感動に見える青年のわずか
な感情表現を的確に見分けるすべを、ラルフはこの半月ばかりのうちに、急速に身につけつつあった。

           ◆

「わたしは一度、コンスタンティノ─プルへ戻らなくてはならないから」
 と、そのときサイファは言った。
 戦いは終わった。ワラキアを震撼させた魔王ドラキュラ、ヴラド・ツェペシュは、ベルモンド家の末裔ラルフ・C・ベルモンド、
東方正教会の修道女サイファ・ヴェルナンデス、たまたま城にまぎれ込んだがために怪物に変えられていた流れ者グラント・
ダナスティの三人によって倒された。
 だが、その影に、魔王自身の血を分けた息子の存在があったことは、戦いに加わった三人の仲間たちしか知ら
ない事実だった。
 アルカード。

 ドラキュラ公の実子でありながら、父の狂気を止めるために魔の城に潜入していた彼は、その探索の途上でラルフと
行きあい、目的を同じくする者として力をあわせることとなった。
 ヴァンパイアとなった父と人である母との間に生まれて、父からは闇の魔力を、母からは月にも似た美貌を受
けついだ彼は、また人間離れした剣技と、細い身体には似合わぬ強靱な体力の持ち主でもあった。ラルフの鞭術、
サイファの魔法、グラントの体術にあわせて、彼の超絶的な剣がなければドラキュラ公の殲滅は果たせなかったろう。
 自らの父が滅びていく様をアルカードがどんな顔で見ていたのか、ラルフは思い出せなかった。そのとき彼は、
断末魔の魔王の爪の一撃によって左目を傷つけられ、ほとんど視力を失っていたのだ。
 血にくもる視界に、混沌におかされ、巨大な怪物に変身したドラキュラが咆哮とともに崩れおちていく姿がぼんや
りと映っていた。血色の光のあふれる魔城の中に、長身の黒い人影が立っているのが見えた。
 漆黒のマントに輝く銀髪が、風にあおられてはげしく乱れていたのはよく覚えている。そのあとラルフは意識を
失い、気がつくと、崩壊したドラキュラ城の外で、サイファの手による治療を受けていたのだった。
 ラルフの目の治療がある程度すむまで、すでに出発したグラントを除く三人は、かつてドラキュラ城がそびえていた岩山
の麓の、黒い森の縁に野営していた。ラルフの治療の目処がついたのを見きわめて、サイファはグラントに続いてひと足先
に出立すると言った。かなり気が急いているようすだった。
「総主教はわたしが戻らないのを、心配してはいないでしょうけれど、たぶん、怖れているでしょうからね。
ヴェルナンデスの者は、昔から魔法を操る家系として、教会からは敵視されているの。わたしと、数少ないわたしの
血族が存在を許されるのは、ただ教会のために働いている間だけ。そこから一歩でも踏み出せば、たちまち悪魔
として断罪されるわ、あのドラキュラと同じように」
「ドラキュラと同じってことはないだろう。あんたは人間だ、サイファ」
「誰でもあなたのように考えるわけじゃないのよ、ラルフ・C・ベルモンド」

 するどい目で彼女はラルフを射抜いた。
「特に、総主教庁の人間はね。彼らが私を見つけて送りこむことだって、かなりの冒険だったのよ。ローマ=カトリック
は東方正教会よりずっと魔法や魔術に対しては厳格だわ。わたしという〈魔女〉を抱えていることがわかれば、
ただでさえあの都市を支配下に置きたがっているカトリック勢力は、きっとそこを突いてくるはずだもの。それに」
 コンスタンティノ─プルはワラキアを含む、スラヴ地方における東方正教会の本拠地である。ローマ=カトリック教会
では教皇庁にあたる総主教庁がおかれ、その首座は総主教と呼ばれて、西方ヨーロッパ地区におけるのと同じ
く、宗教的権力を握っている。
 サイファはその総主教庁によって、女の身で最初にドラキュラ公への刺客として送りこまれた。魔法を受けつぐ家系で
あることを隠しながら修道女として各地を転々としていた彼女は、潜入には成功したものの、ドラキュラの魔力によ
って石に変えられ、ドラキュラ城の一隅でラルフが来るまで、ずっと幽閉されていたのだった。
「──それに、自分たちと少しでも違う者を人がどれだけ怖れるかは、あなただって、いいえ、あなたこそ、よ
くわかっていることでしょう」
 うなずくしかなかった。ラルフの生まれたベルモンド家自体、魔狩人としての強大な力を伝える血筋でありながら、
まさしくその力のために人からは畏れられ、排斥されて、今にも断絶しかけているところだったのだ。
 その若当主であるラルフが、ドラキュラ討伐の任を受け入れたのは、没落しつつある家名をもう一度表舞台に立たせ
るための最後の賭けだった。教会と世間から背を向けられているというなら、ヴェルナンデスもベルモンドも同じことだ。
 ベルモンドの者は月夜になると、狼に変じて赤子を喰う、などと噂されたことさえある。そうした風評をはねの
け、もう一度ベルモンドの名が栄光を取りもどすには、どうしても魔王ドラキュラ討伐という、確かな証拠が必要だっ
た。
「グラントが羨ましいな」
 ついため息が漏れた。城で出会った四人のうちで、なんのしがらみも持っていないのはもともと流れ者のグラン
ト・ダナスティ一人だけだ。

 自称『ワラキア一身の軽い男』は、ドラキュラ城脱出の際にちゃっかり詰めこんできた金貨や宝石でポケットを膨
らませ、三度とんぼを切ってから、手を振って陽気に別れていった。今ごろはどこの旅の空なのか、ラルフにも
サイファにもわからない。
「あいつはまた気楽に軽業や、こそ泥をやってぶらぶらと旅を続けるんだろうな」
「他人を羨んでも仕方がないわ」
 そっけなくサイファは言った。
「彼は彼で、生きていくべき道があるのよ。ただそれは、わたしたちのものとは違うだけ。──それで、彼
は?」
「彼?」
「アルカードよ」
 ラルフは思わず振り返った。
 ラルフの視線の先に、銀髪の公子は焚き火の灯りに背を向けてじっと佇んでいた。
 息すらしていないかのような静けさだった。糸のような月が浮かぶ空は暗い。星の光を浴びながら、樹の幹に
片手をついて空を仰ぎ、かつて、父の城がそびえ立っていた空間を、放心したように見つめている。
「彼はいったいこのあとどうするつもりでいるの? あなたはベルモンドの領地へ帰るんでしょうけど、彼は、
自分で自分の帰る場所を壊してしまったのよ」
「俺といっしょに、ベルモンド家へ来ないかと言ってある」とラルフは答えた。
 サイファは眉をひそめた。
「──なんですって?」

「なんだ、その顔は」
 ややたじろぎながらラルフは言い返した。
 サイファが反対するだろうことはある程度予想していた。だが、こうもあからさまに顔をしかめられるとは思って
いなかった。つい口調がきつくなった。
「何か間違ってるか? あいつだってドラキュラ討伐の功労者だ。連れて帰って悪いことはないだろう。あいつは俺
たちと一緒に、自分の実の父親と戦ってくれたんだ、そんな相手を、用がすんだからはい、さようならで行くと
ころもなしに放りだせるか」
「わかってるわよ。だけどね、ラルフ・C・ベルモンド」
「あんたまで俺をベルモンド呼ばわりするのか、サイファ」
「何を怒ってるのよ」
 ラルフは黙りこんだ。
 いまだにアルカードが自分のことをベルモンドと姓で呼び、徹底して名前を呼ぼうとしないことは、ラルフのひそかな苛
立ちのもととなっていた。姓で呼ぶのはサイファやグラントに対しても同じことだったので、ラルフだけが腹を立てる筋合
いはないのだが、なぜか腹が立ってたまらなかった。
 だいたい、事情はともかく、今はもうともに肩を並べて戦った仲間なのだ。人を名前で呼ぶくらい当然ではな
いか。あの感情のない声でベルモンドと呼ばれるたびに、アルカードが自分を単なるベルモンドの鞭の遣い手としてしか見
ておらず、ラルフという一個人として感じていないという気にさせられて、ひどく苛つく。おそらくアルカード自身は
それを意識していないだろうこともなんとなく推察できて、それがまた腹立ちの種だった。
「あなたの考えてることはわかるわ。言いたいこともわかる」
 むっつりと黙ってしまったラルフに、サイファは小さくため息をついた。
「わたしだって、アルカードをこのまま放っておきたくなんかないわよ。仲間だもの。できればちゃんとした身分
と、身の落ちつく先を捜してあげたい、でもね、ラルフ」
 口を結んで横を向いているラルフに、さとすようにサイファは言った。
「忘れないで、彼は魔王の息子なのよ。彼の身体には、父親から受けついだ闇の血と、闇の魔力が眠ってる。そ
のことは、否定できない事実だわ」
「あいつは父親のようになったりはしない」
「それはそうよ。興奮しないで、聞こえるわ」

 鋭く注意されて、はっと後ろを振りかえる。アルカードはさっきとまったく同じ姿勢で微動だにせず、父の城のあ
った空虚を眺めつづけていた。話どころか、そこに二人の仲間がいることすら忘れ果てているようだった。ラルフ
は低く呻って、唇を噛んだ。
「わたしたちは彼を知ってる。でも、ほかの人たちは知らない」
 サイファはふたたび声を落として続けた。
「ほかの、世間のほとんどの人たちはね。
 たとえわたしたちがなんと言っても、彼らは、アルカードの中の闇の血しか見ないでしょう。自分たちを虐殺し
た、悪魔の落とし子としてしか。正教会だけじゃない、カトリックだって、いいえ、カトリックこそは彼を憎むわ。わたし
みたいな〈魔女〉の比じゃない、正真正銘の魔王の息子、反キリストそのものだといって」
「……あいつは」
「アルカードは父親のようにはならない、そうね、わたしもそう思うし、信じてる。だけど、いくらわたしたちがそ
んなことを言ってみても、誰も賛成してはくれないわ。人は自分の信じたいことをしか信じないのだもの。こと
にそれが、自分たちよりずっと美しくて、強くて、永遠の生命を持っているような相手だったら」
 ラルフはなにも答えなかった。
 サイファはまたため息をついて、寝るわ、と口にした。
「まあ、いくら言っても無駄なんでしょうね。あなたのことだもの。どうせ、わたしどころか誰に言われたっ
て、一度決めたことを変えたりしないのなんかわかってた」

「だったらなんでいちいちわかりきったことばかり言うんだ」
「誰かが言っておいたほうがいい、と思っただけよ。たぶん、あなたがいっしょに行くのが今はいちばんいいん
でしょうね。ほかに方法もないし。わたしだって、アルカードをみすみすひとりで敵だらけの世界に投げだしたくな
んかないもの」
 ラルフは苦い顔をした。
 サイファはさっさと寝支度にかかり、出立のための荷物をまとめて頭の下におき、杖を手にとれるところにたてか
けた。
「……おかしいわね、ラルフ」
 毛布を広げてくるまりながら、思い出したように、小さく彼女は呟いた。
「わたしたちみんな、人間のために魔王と戦ったはずなのに、──いつのまにか、人間のほうを敵みたいに考え
てる」
 しばらく間をおいて、おやすみなさい、とサイファは言った。
 やがて、静かな寝息が聞こえてきた。ラルフは苦い顔のまま焚き火を睨みつけ、枯れ枝を一本放りこんだ。熾火
が崩れて、火の粉が散った。
 アルカードはまだ動かないまま、光に背を向けてじっと暗い虚空を見つめている。

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しかも喋ってるのラルフとサイファだけだしorz


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