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風→火

                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  超性感帯正座ー×の風→火だよ。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  卓斗←火前提だってさ。
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ カゼガグチグチイッテルダケノハナシニナッタゾ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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俺は慎重な性格だ。
アクアノレはそれを臆病と呼ぶけれど、とにかく危ないことには手を出さないと決めている。
これを言うとまた「あんたそれでも海/賊なの?」と文句をつけられそうだが、とにかく戦うのは苦手だ。
この間持ち帰った地球の古文書を、現在の言語と照らし合わせて研究した結果、
実に俺向きの言葉が見つかった。
「君子危うきに近寄らず」
とにかく、俺はそういう男なんだ。
だから船を失ったことはショックだったが、
でも俺たちの子孫だっていう連中のやっかいになることも受け入れた。
アクアノレの言うとおり、俺たちには船がないんだからそうするしかない。仕方ない。
本当は一刻も早く宇宙に帰りたいんだけど、人生なんて思い通りにいかないものなんだから、
そこそこのとこで折り合いつけて妥協するしかない。
そう、妥協。
はっきり言って、みんなそれが足りない。
特に、この男は。
「ブレア一卜゙、なあ今からでも遅くないから謝っちゃえよ」
 俺の(あくまで「俺の」だ)ス夕ッグ七を持ち出した上に裏切り行為を働いたため、こいつは現在幽閉中だ。
あの俺たちの子孫だっていう二人は、殺しはしないものの一生閉じ込めとくつもりらいしい。
「俺も一緒に謝ってやるから。アクアノレだって本気で言ってない……と思うんだけど」
冗談だよな、三/将軍解散って。俺やブレア一卜゙にウンザリってのはいつも言ってることだし。

「あんなプライドない奴のことなんて知るか! とにかく俺はあんな連中と組まねえからな!」
「そんなこと言ったって、このままじゃお前一生そこで暮らすことになるぞ」
「あーあー上等だぜ」
ブレア一卜゙は牢の中でふんぞり返っている。ああ、これだからこいつはもう。
「本気だぞ、あいつら。お前に子供さえ作らせたら、あとは始末するって言ってた」
「俺に子供? どうやってだよ」
「……知らないけど」
そういやどうするんだ? ブレア一卜゙に子供? 女でも連れてくるのか? 
それとも人工授精? 人工授精ってことは精子がいるんだよな?
うわ、どうしよう。今スゴイ想像しちゃったよ。
「おいおい、まさか5OO年後の科学で俺を妊娠させる気じゃねえだろうな」
……もっとスゴイ想像しちゃったよ!
「どーした」
「いやいやいやいや何でもない」
マズイなあ、ブレア一卜゙の顔、まともに見らんないよ。しかしブレア一卜゙に子供ね……。
嫌だな、どんな方法にしろ何となく嫌だな。
話題変えよう。
「って言うか、何でそんなに頑固なわけ。いいじゃないか、
あの口ボ船長があいつらに変わったって思っておけば」
「バ一夕゙一船長はあんな奴らとは違う!」
「えっと、ご、ごめん、怒った?」
「怒ってねーよ!」
 怒ってんじゃん!

「とにかく俺はあいつらが嫌いだ! ……あいつら卓斗を殺そうとしただろ。
あいつは俺が倒すんだよ! それだけでも許せねえ」
夕ク卜? ああ、あのおかしい人たちの一人か。
「そういや大騒ぎだったな、お前。『お前が死んだらどうすればいいんだ』とか何とか」
俺がそう言うと、途端にブレア一卜゙の顔つきが変わる。
え? 赤くなってる?
いや、元からだけど。
「あん時は怖かった」
怖い? お前が? そんな神経ありましたっけ??
「あんなに怖かったのは初めてだ、船長が機械だってわかった時より怖かった」
いきなり神妙に話し出すなよ、お前らしくないよ。
「卓斗が死んじまうって思っただけで……だって船長ももういねえし、
卓斗がいなくなったら俺には何もなくなっちまう」
あの、俺は?
「あいつを倒すのが俺の全てなんだよ、他にはねえんだ。あの爆発の時を思い出すと、
今でも怖えよ。何だこれ……なあ、俺どうなってんだよ」
「いや、俺に聞くな」
と言うか、だから俺は?
「だってお前、頭イイじゃねえか!」
「それとこれとは別問題だろ!」
それより俺は?

「そういや俺、このまま卓斗に会えねえのかよ……」
「だから謝れ、と言ってもムダか」
「ああ、ムダだな」
ホント、どうしようもないな、こいつ。ヘコむわ。
そして俺はどうでもいいのかよ!
「なあブレア一卜゙、俺は嫌なんだよ。お前がこんなとこに入ったままなのも、
アクアノレと喧嘩別れしたままなのも、前みたいに三人で仲良くやってきたいんだよ」
全く何でこんなことになったんだか、ヘコむヘコむ。
「俺のこと実験台にしたくせにかよ」
「それは置いといて」
「置いとけるか!」
しつこいな、大体お前も楽しんでたじゃん。
「とにかく、俺はそのうちこんなとこ逃げ出してやる! そして卓斗と決着をつけてやる!」
またあのおかしい人たちのことか!
「頭痛くなってきた、もう勝手にしろ」
ブレア一卜゙の気持ちは変わらないみたいだったし、俺は俺で何だかもやもやした気分になってきた。
もういいよ、お前なんて知らないからな。
「なあサイクリ一卜゙」
「何だ」
今さら謝るって言ったって遅いよ。俺に謝ってからじゃないと一緒に謝ってやらないぞ。
「アクアノレに言っとけ、お前が謝るなら仲直りしてやるって」
「……それを俺が言えると思うか?」
「無理だな」

じゃあな、とブレア一卜゙は牢の中から俺に手を振って、ごろりと寝転がった。
「……う~ん……食べ過ぎた……ごちそうさま……」
もう寝言か! 全く呑気な奴だな。でもアクアノレと仲直りする気はあるんだ、それだけは良かった。
でもアクアノレがどうするのか全然わからないけど。
「見ていろ、卓斗の奴!」
新手の寝言だ。全くご苦労様だな。
『卓斗がいなくなったら、俺には何もなくなっちまう』
「あのバカ」
お前、本当にとってもバカだ。
俺に聞かなくたって普通、気付くぞ。俺に恐/獣作る頭脳がなくたって気付くぞ。
お前、あの夕ク卜とかいうおかしい人のこと好きなんじゃないかよ。
でもって、だ、あんま考えたくないし、ヘコむし、
危うきに近寄りたくない俺のモットーと反するんだけど、と言うか危うすぎるんだけど
でも気付いてしまったから仕方ない。
俺はお前が好きみたいだ。
「言わないでおこ」
どっちも、だ。とりあえずはこのまま様子見だ。
アクアノレが知ったら、また「だからあんたは夕゙メなのよ、臆病者さん」って言われることだろう。
けれど、仕方ないじゃないか。最初から希望の無いことに頑張れる奴なんていないだろ。
やっぱり俺は慎重な性格だ。
もしくは、臆病者だ。
そこそこの幸せ。
それで満足なんだよ。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ こないだの回が辛抱たまらんかったので…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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