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花より男子 茶道×天パ

t豚sの御曹司ドラマ
茶道×天パ

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「柄砂、何か気に食わないことでもあるのか?」
過干渉だと三間坂に言われる程、西角は柄砂に構いたがる。それは一種癖のような
もので、もう10何年も付き合いがある今さら変えようもない。
「累がおれに黙ってどっかに行くなんてありえねぇだろ」
「お前まだ怒ってたのかよ」
柄砂の座るソファの隣に座ると西角は髪をなでた。
本人が気にする天然パーマの柔らかい毛質が西角の指をふうわりと刺す。
「宗次労、おれ今累に手紙書いたんだ」
「手紙?見せてみ」
柄砂は素直に手紙を差し出した。
鉛筆書きの下手くそな字で何度も消しゴムで消されたよれた手紙は迫力があった。
柄砂の性格をストレートに表したようなごつごつした手紙だ。西角は手紙を読むのを
躊躇い、結局〔るいげんきか、おれはとってもげんきです。〕
という英語の文章を直訳したような書き出しを見て手紙を閉じた。
何かこれ以上読むのは悲しくなりそうだったからだ。

胸に迫るものがそこには蔓延していた。
これを全て読んでしまったら抑えていたものがとめどなく溢れてしまいそうだった。
そうならないように努めて均衡を保ってきた10数年は今さら無駄に出来ない。
西角は大きく息を吸い込んだ。体の中の毒素を柄砂の匂いで中和する。
馴れたものだ。落ち着け。出来るだろう。ほら、いつもの俺だ。
「俺もフランスかどっか行くかなぁ…」
「えっ?!」
西角のぽつりと漏らした一言に目を丸くして驚いた柄砂に
「嘘。」
と言うと安心したように目を反らす。
ちょっと涙目になっているのが西角から見てとれた。
「まぁ、あれだな。俺様に心配してもらえてよかったな宗次労。嘘も方言だな」
「嘘も方便だろう」
柄砂は何も答えなかった。柄砂は西角を見なかった。まだ瞳が潤んでいるからだ。
西角には分かる。
それだけで柄砂の組んだ手に真っ黒にこびりついた鉛筆の跡も愛しく思えた。
累に見せてやりたいような気がしたが勿体ないので考えは早速取り止めた。
累のいる海の向こうは柄砂からすれば遠かったが、西角からすればまだまだ近すぎた。
もっともっと遠くに行ってくれよ、願うだけなら許されるだろうか。
許されればいいと免罪符のように柄砂の丸い肩をそっと撫でた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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