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皿戻し2

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「大変だったらしいじゃない、インテ利監禁事件だっけ?」
「ええ、実際に大変だったのはこちらではありませんが」
 
 回転寿司の皿を戻そうとする斧田をやんわりと押しとどめて、宇京は肩をすくめた。

「おまえが監禁されたんじゃないかって気が気じゃなかったよ」
「心配してくださるんですか」
「するよ。愛してるもの」
「・・・あまり質のいい冗談ではありませんね」

 打撲骨折、捻挫、創傷。
 全治一ヶ月と診断された宇京の相棒(インテリでないほう)は、病院のベッドの上だ。
 情けない格好で寝そべった姿に、苦笑したのはほんの数時間前のこと。

「本気だよ。まぁ、おまえなら暗号なんて簡単に解いて、事件は解決するんだろうけど」
「もし解けなかったら、とは考えませんか?」
「おまえが?」
「はい」
「解けないフリで助けを待つほど殊勝なタイプじゃないね」
「ごもっとも」

 3枚目の皿を、今度は宇京の方に押しやる斧田に眉宇を少し動かして。
 黙って、宇京は自分の皿を一枚、彼の方に差し出した。

「ま、おまえが拉致されたら、助けに行くけどね」
「ご自身でですか?」
「もちろん。おまえのためなら何でもする、って前に言ったのは詭弁じゃないよ」
「そうですね、でも」
「でも?」
「・・・・・・・・・いえ、」

 そんな現場に遭遇するなど、きっとないだろう、だから斧田は平気でこんな言葉を吐ける。
 もし逆の立場なら。・・・考えて、宇京は、形の良い薄い唇を開いた。

「・・・あなたがつかまっても、助けには行きませんよ?」

 斧田は、ウニの皿を取って、ゆっくりと差し出しながら、薄く笑った。

「その場合、おまえが犯人じゃないの」
「はぃ?」
「だ か ら、行けない。なるほど、おまえらしいレトリックだね」
「・・・・・」

 それには答えず、宇京は皿を受け取った。
 指が触れて、・・・ほんのすこし、視線が絡んだ。

■STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
たびたび申し訳ない。今夜ハ放送後ノ補完妄想ッテコトデヒトツ。


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