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お見舞い

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

午後、K視庁。
昨夜から早朝にかけて、捜査一課は慌しい始まりだった。慌しいのはいつものことだが、
慌しい理由が全く気に入らない伊民は朝から不機嫌さを隠そうとしない。
芹澤の目の前の背中は分かりやすく尖っていて、刑事がこれだけ分かりやすいのはどうなんだろ、
と口に出したら凄い勢いで叩かれそうなことを思いながら口を開いた。

「行かないんですか?」
「あぁ?」

ずかずかと効果音がつきそうな勢いで歩いていた伊民は、唐突にそう切り出した芹澤を振り返った。
証拠品のダンボール箱を抱えて鼻先まで埋まった芹澤は伊民をちろりと上目で見返し、もう一度繰り返す。
「だから、行かないんですか、って」
「どこにだよ」
「見舞い」
「はあ?」
「瓶山先輩の見舞い」
「行かねぇよ!」
「…即答ッスか」
伊民は、よいしょ、と箱を抱えなおす芹澤を睨むが、芹澤は全く気にした風でもなく更に言い募る。
「なら僕が行ってこようかな」
「はあ?何でお前が?」
「何でってことないでしょ。一応先輩だし」
「だからって別に見舞いに行ってやることねえだろがあんな奴」
「それにこないだの事件では世話になったし、まだその後の報告してないし」
「…てめえ匿名に日和やがったな芹澤」
「日和ってませんって」
「嘘吐け!」

「だからぁ…別に僕が行ったっていいじゃないスか。見舞金渡すからカンパして下さいって言ってる訳じゃあるまいし。
あ、ホントに渡したいなら渡しときますけど」
「何で俺が瓶に見舞金渡さなきゃなんねんだよ!どうせ労災下りんだろ!」
「まあそりゃそッスね。…先輩が行かないほうがいいなら行きませんけど?」
「いいとか悪いとかじゃねえだろ、お前、」
伊民は一度半端に開けた口を閉じ、また開けて、それから思い切り渋面を作るといきなり
芹澤のダンボールの上に自身が抱えていた書類を叩きつけ、背を向けてまた歩き出した。
「ちょっ、せんぱーい?!」

取り残された芹澤の「酷いですよぉ~」の声に帰ってきたのは、
「てめえも転んで入院しちまえ!勝手にしろ!」だった。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!


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