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ドクオクエスト 疵

同人板の輝きスレの竜王とドクオの書き込みに、インスパイアされての
初書き込みです。
ドクオクエスト、旅立ちまでのお話をさせてください。
※多少微グロありかもです。
   
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私の顔には、深く醜い傷がある。

その傷を受けたのは、私がようやく少年の域を抜け出ようとした頃の事だ。

村を、竜王の軍勢に襲われたのだ。

伝説の存在と思われていたはずの竜王は、数年前突如として復活し、世界を闇に染めようと動き出していた。
けれど王都より遠く離れたこの村に竜王の手が及ぶ事は無く、村の者達は皆、遠い世界の出来事のようにしか
感じていなかったはずだ。
貧しいながらも慎ましやかに日々を送る小さな村は、突然、異形のモンスター達によって破壊された。
何の戦略的価値も無い自分の村が襲われたのは、ただただ竜王の気まぐれだったのだろう。その証拠に村には
火が放たれ、男達は皆殺され、女は犯され、むさぼり食われた村人の残骸がいたる所に飛び散っていた。
もちろん、村人達はただ手をこまねいていた訳ではない。皆武器を取り立ち向かった。けれど軍人でもない、
ただの農民が魔物相手に勝てる訳が無く、あっけなく、あるいはさらに残酷に嬲り殺されていくだけだった。
私も震えながら、武器をとった。家には私を女手ひとつで育ててくれた母と、まだ幼い妹がいるのだ。
なんとしても彼女達を守りたかった。たとえ手にもった武器が、ただの木の棒だったとしても。
私は彼女達を連れて、森へと逃げた。
けれど女子供の足では思うように進まず、すぐにモンスターの一群に取り囲まれてしまったのだ。

一縷の儚い望みをかけて突き出した木の棒は、あっけなく噛み砕かれる。
そうしてその無謀で愚かな勇気は、最もおぞましい報復によって報われたのだ。

ぎちり、ぎちり、と私の上でモンスターが動く度に、私の身体を締め上げる触手が軋みをあげる。
その触手に限界まで押し広げられた後孔を、母と妹を犯した魔物の性器が滑った音を立てて犯していた。
「――っ」
叫びは、もう出ない。もうとうに咽喉は潰れていたから。
私を犯す魔物の回りでは、他の魔物たちがすでに肉塊と化した私の家族に喰らいついている。
その様子は何処か他人事のように目に映った。どうせすぐに、私もああなるのだ。
じゅぅ、と触手の触れた肌から煙があがる。
どうやらこの魔物の体液には酸が含まれていて、それが身体に触れる度に服を溶かし肌を焼いていた。
さらに身体の奥深く穿たれる性器からも滲み出るものが、身体の中をも爛れさせていく。
そのまま体内に放たれていたならば、私は間違いなく死んでいただろう。だが神の配剤か悪魔の計略か、
私の身体は最後の一つ突きのために抱え上げた魔物の手に酸で溶けた皮膚だけを残して、そのまま地面へと落下したのだ。

背中を地面に叩きつけられる衝撃。

けれど、幸運はそこまでだった。
ずるりと後孔から抜け出た性器の凄まじい不快感にうめく間も無く、その性器から吹き出した精液が私の顔に降り注ぎ。
…酸を含むその体液は、私から顔の半分を奪っていった。

「がぁぁぁ―っ!」
その瞬間にあげた私の悲鳴は、まるで獣のようだった。潰れた喉から叫びを絞りだし、顔を押さえ地面を転がり回る。
ぶすぶすと立ち昇る肉が焦げる臭気と溶け崩れていく頬の感覚は、いっそ死んだほうがましだったろう。
そうして気を失う事すら出来ずに震える私の足を、別の魔物に掴まれる。ずるりと地面を引き摺られ、足を開かされた。
今度こそ殺される、そう思った瞬間だった。突然、魔物の動きが止まった。
「――ぐっ」
唐突に私の身体を投げ出し、魔物達はそのまますばやい動きで森の奥へと消えていった。

…その場にひとり取り残され呻き続ける私の頬を、何かがポツリと当たる。
「――っ」
雨だ。
数滴の雫は瞬く間に豪雨と化し、焼け爛れた身体を叩く。
逃れられないその激痛にのたうちまわりながら、急速に意識が遠のいていく。暗闇に引きずりこまれるような感覚に、
私は安堵さえ覚えてそこに逃げ込んだのだった

あの撤退は、おそらく竜王の号令だったのだろう。すんでの所で私は命を拾ったのだ。
――それが必ずしも幸福に結び付くかは別として。

次に私が目覚めたのは納屋のなかだった。
魔物が引き上げた後に様子を見にきた隣村の人に、私は助けられたらしい。
助けられたとは言っても、布で顔と身体をおざなりに巻かれ、ただ藁の上に転がされているだけだ。
それでも私は、彼には感謝しなければならない。私は呪われた身なのだから。

魔物に犯された者には呪いが宿る。

それが、この世界の言い伝えだ。
本当に呪いなのか、どんな呪いなのか、詳しくは判らない。判ってはいない。なのに人々は被害者であるはずの
その人達を忌み嫌い、石もて追う。
私があの森で魔物にどのような扱いを受けたのかは、私の身体を見ればすぐに判っただろう。
普通であれば、私はそのまま捨て置かれていたに違いない。それでも救われたのは、
おそらく私がまだ年若かったからなのかもしれない。
時折、食料と薬が差し入れられる。その際に私の村が全滅したと聞かされた。そのまま国から打ち捨てられるようだ、とも。
この辺鄙な村が竜王に滅ぼされたとしても、それは国の大事にはならないのだろう。最初から見捨てられていたのだ。

だから、村の人が必死で上げた狼煙にも、軍は来なかった。身体を二つに裂かれながら、村人が命がけで上げたあの狼煙を、国は無視したのだ。

けれど、そんな事を思っても今の私にはどうすることもできはしない。ただこの隣村の人の好意に縋り、ただ身体の傷を癒す日々。
ようやく立ち上がれるようになり、喜んだのも束の間、私はもう自分が昔のようには戻れない事を、知った。

歩けるようになり、納屋から一歩外に出た瞬間から、その違和感はあった。
村を歩く人たち。
その中の数人が身に付けているものに、何故か既視感を覚える。そうしてよく見ようと近づこうとすれば、
皆汚れた者を見るような目つきで私の傍から離れていく。
何度かそれを繰り返し、ようやくそれが私の村の人達の持ち物だった事に気がついて、愕然とした。
馬を引く男性が付けているあのベルトは私の隣の家の物ではなかったか。あのちいさな女の子の着ている服は
川向こうの家の孫娘の物ではなかったか。
そうして。
向こうから歩いてくる女性が身に付けているドレスを目にして、私はその場にくずおれてしまった。
嬉しそうに女性が着ているあのドレスは、間違いない。
私の、母の物だった。
あれは私の母が、若くして亡くなった父との結婚式の時に着たドレスなのだ。母は時々それを取り出しては、
少女のように頬を染めながら父とのなれそめを語ってくれた。
(幸せな思い出の証なの)
そう言って笑う母が、私はとても好きだった。
そのドレスを、私の村の物を、どうしてこの隣村の人達が身に着けているのか。
おそらく廃墟となったあの村から、略奪してきたのだろう。私の村を襲ったのは盗賊ではなく魔物で、
彼らは金目の物には興味を示さないから。焼け残った家々から、持ち出して来たに違いない。

確かに、もう死んでしまった者たちにあれらは必要無い物だろう。けれど死んだ村人達を弔いもせずに
野ざらしにしておきながら、金目の物は取ってくるのか。
「――っ」
目の前を、母のドレスが通り過ぎる。咄嗟に掴もうとした手からドレスの裾は通り過ぎ、汚らしい物を見る目つきで
「気持ち悪いっ」と吐き捨てられた。

“ 気持ち悪い ”

咄嗟に布が巻かれた左頬を手で覆った。布越しに、醜く隆起した肉の襞を感じる。あの日、魔物に犯され酸の精液を浴びた顔。
私の穢れの証。
さらに浴びせかけられる罵声に耐えられなくて、私は這いずるようにその場を後にした。

不幸は、何処まで私を追いかけてくるのだろう。ようやく戻った納屋に、私はもう戻れなかった。
扉を塞ぐように、私にその場所を提供してくれた人と、村長が立ち塞がっていたから。
私を見るなり村長は汚らわしい者を見る目つきで言った。「出て行け」と。
よく見ればその彼の首にも見覚えのあるアクセサリー。じっと見てやれば、私の視線に気付いた彼が、
手にした杖を私へと振りかざした。
打ち据えられ、私は倒れた。まだ完全に癒えた訳ではない身体の傷から再び流れた血が、地面の砂に吸い込まれていく。
“魔物の呪いを受けた者をこの村に置くわけにはいかない”
何の騒ぎかと集まってきた村人達が、そう張り上げた村長の声に皆一斉に後ずさる。
途端に私に突き刺さる、侮蔑と嫌悪と好奇の視線。
皆が私を見た。男の身で魔物に犯され顔を焼かれた私の姿を。
“男の身でありながら魔物に情を受けひとり生き残った恥知らずが”
村長の傍らに控えた男達が、身を竦ませた私の傍らに立つ。両肘を左右にとられ、
皆の前に引き据えられるように膝立ちにされる。その手が、頭の布と服に、掛かった。
「――っ」
咽喉が潰れたままの私の口から悲鳴は出ない。その代わり、それは周囲から吹き出した。
“見ろ、このおぞましい穢れた身体を”
頭の布を剥ぎ取られ、ぼろ布のような服が引き裂かれる。村人達の衆人環視の中、
私は素っ裸にされて皆に晒されていた。
髪を掴み上げられ、半分が溶け崩れた顔を剥き出しにされる。どこかで子供が泣き出す声が聞こえた。
酸の触手に締め上げられてついた傷がまるで邪悪な蛇のように絡み付いている身体に、皆の視線が突き刺さる。
さらに。
「ヴ…うヴーーっ」
私は潰れた咽喉から悲鳴を絞り出した。
その獣じみた声に怯むことなく、彼らは私の半ば浮いた膝裏に手を掛ける。
そうしてそのまま、周りに見せ付けるために、掴んだ足を大きく開いて見せたのだ。
ひときわ高い悲鳴が上がる。そうだろう。魔物に犯されたそこは性器から滲み出た酸によって酷く爛れている。
その事が私が魔物に犯された男だという何よりの証なのだ。

あまりの屈辱に息が止まりそうになる。

私が何をしたというのだ。
私はただ、守りたかっただけだ。母を、妹を、ただ守りたかっただけだ。力が及ばずに魔物に犯されてしまった事が、
そんなにも悪なのか。こんな扱いを受けるほどの罪なのか。

ならば私を見つけたときにそのまま捨て置いてくれればよかったのだ。

視界が滲む。
あの惨劇の日以来に流す涙はけれど、無事だった右目からしか流れることは無い。あの魔物は、私の左目から涙すら奪ったのだ。
腕が放され、私の身体は地面へと投げ出された。身を包むものも無くただ虚しく蹲った私の背中に、痛みが走る。
石が、投げられたのだ。その一投が呼び水になり、次から次へと私に向かって石は投げられた。
“石もて追え。呪われた存在を許すな”
まるで魔女狩りだ。
私に石を投げなければその矛先が自分に来るのではないか、そんな恐怖に駆られて村人達は石を取る。
そうして私の身に起こった不幸が自らの身に起きなかった事に安堵しながら、私に向かい石を投げるのだ。
頭を抱え小さく身を縮めて石の雨をやり過ごすうちに、ようやく投石は収まった。手ごろな石が無くなったからだろう。
身体中から血を流す私の顔が、髪を掴まれて再び持ち上げられた。目の端を真っ赤に焼けた熱塊がよぎる。
“この男に呪われた者の証を付ける。何人もこの者に近づくこと無かれ”

いっそのこと、殺して欲しかった。こうまでして私を貶めるのならどうして私を生かした。

頭を押さえつけられる。ゆっくりと近づく熱の塊に施されているのは逆さ十字にドラゴンが巻きつく呪われた紋章。

目を閉じる。

もういちど、あの魔物に犯されたと、思えば、いい。

額に押し付けられた、灼熱の痛み。
獣のごとき唸りを上げ、その瞬間から、私は人とは違う何かになった。

“どこへなりと行くがいい”
呪われた証を額に記した姿で引き回された後、私は投げ捨てるられるように村の出口へと放り出された。
何も身に着けていない、裸のままで。
その状態で何処へ行けというのか。
村長の言いたいことは判っている。私に死ねと言っているのだ。ならばあの場で殺せばいいのに、
呪われた私を殺してその呪いが自分に降りかかるのを恐れて、こんな風に私を放り出すしか無いのだ。
額が、熱い。
ずきずきと痛む額と身体を冷やしたくて、私は泉のある方向へと歩き出した。

満月の光が、泉を鏡のように映している。
何度目かの深呼吸の後、思い切って水面に顔を映してみた。瞬間こみ上げる吐き気をようやくの思いで堪える。
想像以上の醜さだった。
溶けた箇所を補うように盛り上がり始めた肉。けれどぐちゃぐちゃに崩れてしまったそこは醜く引きつり、
まるで顔にも蛇がのたうっているような襞になっている。
そうして。
額に戴く、呪いの紋章。
ポツリ、と水面が揺れる。ポツリ、ポツリと醜い私の顔がさらに歪む。
「ふ…う…うぅ」
私は何故、生きているのだろう。母を殺され妹を殺され、身を穢され呪いを受けて。
生きていてもこの先に待つのはあの村のような迫害だけだ。それならばいっそこのまま家族の元に逝ってしまいたい。

気か付けば、私は湖に身を浸していた。
今はまだ腰程度の深さだけど、進んでいけばこの先は深くなっているはずだ。水を掻いて先に進む。
水面を照らす満月の光がまるで別世界のように私を包んだ。
綺麗な、光。
きっと死ねば、この光になって母と妹そして父のところへいける。
死ねばきっと、この身の穢れも全て消えて浄化される。

“…汚らわしい”
けれど、不意によみがえった村長の言葉に歩みが止まった。
“男の身で、どのように魔物に媚びて見せたのだ”
違う。私はそんな事はしていない。
“そうでなければあの惨事の中、お前一人が生き残る理由が無い”
ただの偶然。ほんの少しの偶然なのに。
“…案外、お前が魔物達を引き込んだのではないのか。その尻で ”
違う
ちがう
チガウ!

村長はきっと、本当に私が魔物を引き込んだと思っているのだろう。
魔物に媚びて命を永らえたと思っているに違いない。それはきっと村の中にも広まっていて。
―――このまま死ぬなんて、出来ない。
死ぬのは、あの村長の言葉を肯定したと同じ。ならば。
倒すしかない。
あの魔物を、そして竜王を。

その為に私は、生き延びたのかもしれないから。

あの後、生きる決意をして泉から上がった私を迎えたのはひとつの小さな籠だった。
先ほどまでは確かに無かったそれを恐る恐る開けると、そこには衣類や僅かではあるが食料と薬が入っていた。
誰が、こんな物を?と首を傾げる私の視界を、見知った姿が擦り抜けるのを感じて顔を上げる。
納屋を貸してくれた、あの人だった。
あんな雰囲気の村の中で私を匿うことは、どんなにか大変な事だったのだろう。捨て置かれても不思議じゃない呪われた私を、
あの人だけが手を差し伸べてくれた。あの場所も薬も食料も、あれがあの人に出来る精一杯の事だったのだ。
顔を上げる。けれどもうそこには誰もいない。
…これを届ける事もおそらくは危険な行為だったろう。なのに、届けてくれた。思えばあの人だけは私に石を投げてはこなかった。
見渡しても姿は見えず、その場で深く一礼する。
ありがとう。私を生かしてくれて。
ありがとう。貴方のその優しさのおかげで、私は全ての人を憎まずに済む。

籠の中にはその他に皮の防具とナイフが一本入っていた。
それら全てを身につけて、バンダナを額に巻いて証を隠す。

全ての用意を終え立ち上がる頃には、夏の早い朝が明けようとしていた。
村の人に見つからないよう、森の奥へと分け入る。
そうしてその日から、私の旅は、始まったのだ。

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一人称が私なのは単なる私の趣味です。

続き:穢れた勇者


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