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主人公&同居人

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                    | 洋画【ノッ〒ィングヒノレ/の/恋/人】を観て突発的に思いついたモナ
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| まさに【ヤマなしオチなしイミなし】の典型です
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ユルシテ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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受け攻めはハッキリしていません。ただ主人公と同居人がじゃれてるだけです

「おい、このシャンプー変だぞ」
怪訝な顔をして熱心に髪を掻き回している同居人にうんざりと目をやり、
ウィリ亜ムは答えるのも億劫そうに汗の滲む瞼を人差し指でぬぐった。
「何?」
「全然泡立たねぇんだ。水みたいだぜ」
鏡を覗き込んでしげしげと自分の髪を眺めているスパ伊クに何か言おうとして
口を開きかけたが、ウィリ亜ムは彼が手にしているボトルを目にしてすぐに口をつぐんだ。
見慣れた青い液体に思わず顔をしかめ、同居人の髪を見る。
「シャンプーじゃない。それ、黴取り用の洗剤だよ」
ウィリ亜ムの言葉に一瞬ぽかんとした表情を見せ、スパ伊クは次いで目の前の鏡を再度しげしげと覗き込んだ。
手にしたボトルと鏡に映った自分の髪の様子を何度か見比べて、スパ伊クは何を思ってか、
にんまりと満足げに口角を吊り上げた。
黴取り洗剤に濡れた色の薄い金髪が、あらゆる方向にピンピンと跳ねている。
「そうか。ならいいや」
すっきりした表情で洗髪を再開したスパ伊クに怪訝な顔を向け目を剥いてみせたが、
スパ伊クは我関せずといった様子で洗髪に専念している。
ウィリ亜ムは片手に掴んでいたペーパーバックがふやけ始めているのを見て、
いったんバスタブから出てドアを開け、そばの棚にペーパーバックを置いた。
薄いとはいえ、一冊10ドルの少々値の張る代物だ。少なくとも、彼にとっては。
再びバスタブの湯に体を沈めながら、ウィリ亜ムはじろじろとスパ伊クの髪を見つめた。
「……絶対髪に良くないと思うけど」
「おい、何だ?このリンス、やたら泡立つな」
リンスの代わりにボディーソープを髪にすり込んでいるスパ伊クの傍ら、
ウィリ亜ムはもう何も言うまいと濡れた顔を両手でぬぐった。
もくもくと立ち昇る湯気をぼんやりと眺めながら、ウィリ亜ムはスパ伊クとの遭遇を
心ひそかに不幸に思った。

妻に逃げられて数ヶ月経ち、同居人募集の広告を出した数日後、
同居人に初めて名乗りを上げたのがスパ伊クだった。
やたらと背がひょろ長く、無精髭のだらしない――おまけに服のセンスも最低の――男だったが、
初めて面会した当初はそれほど害のなさそうな男に見えた。
後になって痛感したのだが、同居人に問題なしと判断するのに、たった一回の面会はあまりにも不十分すぎた。
いざ生活を共にしてみれば、彼はウィリ亜ムの食料を無断で食べ、飲み物を無断で飲み、
私物を持ち出し、挙句の果てにヨーグルトと誤ってマヨネーズを食べるような男だった。

今その同居人、かのスパ伊クは、ウィリ亜ムの傍らでボディソープの代わりに
リンスを体に塗りたくって顔をしかめている。
「何だ、このボディソープ、ちっとも泡立たねぇぞ。お前の風呂道具はポンコツばっかりだな」
ウィリ亜ムはうんざりと天井を仰いだ後、バスタブの縁に顎を乗せて「それはリンスだ」と呟いた。
「お前は全身石鹸で洗った方がいいんじゃないのか」
言った後で、スパ伊クなら石鹸をチーズと間違えて食べてしまいそうだと
思いつき、ウィリ亜ムは可能性の高すぎる仮説を自分で恐ろしく思った。
「石鹸?そのほうがクールかな?」
「ああ、クールだよ。淡い清潔な香りが女の子を夢中にさせる」
見る間に輝いたスパ伊クの表情に、内心ウィリ亜ムはほくそ笑んだ。
「ほんと?お前も石鹸使ってる?」
「いや」
「じゃあいいや。俺、お前のを借りるから」
あっさり言いのけて"シャンプー"で顔を洗い始めたスパ伊クに返す言葉もなく、
ウィリ亜ムはゆっくりと目を閉じて深々とため息をついた。

今日も一日の勤めを終え、いつもと変わらず大して店の売り上げの上がらないのを愚痴りながら
牛乳を飲み、ソファに座って少しだけテレビを観てからバスタブに湯をため、
一日の疲れを癒すべく湯に浸かりながらのんびりと新刊のペーパーバックを読んでいる最中、
金髪の無骨な同居人が全裸でバスルームに踊りこんできた。
何事かと目を見張るウィリ亜ムをよそに、同居人はまずトイレで小の用を足すと、
シャワーを全身にぶっかけていそいそと髪を洗い始めた。例の"黴取り洗剤"でだ。
いくら破天荒な言動の多い変人だとしても、彼は他人が風呂に入っている最中に
バスルームに飛び込んでくるような非常識な人間だっただろうか?
少なくとも、長い同居生活の中で彼がウィリ亜ムの入浴中にバスルームに飛び込んでくるのは
これが初めてのことだった。―――ウィリ亜ムは少し考えた後、前述の自問に自答した。
こいつのことだ、十分に起こりかねない事態だった。むしろ今まで平穏無事な入浴時間を
持てたことが奇跡に近い幸福だったろう。
ウィリ亜ムはもはやバスタブの横にうずくまって髪を掻き回している同居人を
追い出すことを諦め、バスタブの縁に顎を乗せて同居人をじろりと見つめた。
「僕が出るまで待てなかったのか。長湯じゃないし、いつも15分ほどで出てくるだろ」
「あいにくと、今日はそんな余裕もないんだ。ようやくリサがデートの誘いにOKしてくれたんだぜ」
せわしなく熱心に髪を洗っているスパ伊クに非難がましい視線を浴びせたが、もちろん
洗髪中で目を閉じている彼にそれがわかるはずもない。
たとえ目を開けていたとしても世界一の鈍物の彼にはわからなかったろう。
諦観してうんざりと目を閉じたウィリ亜ムが湯に肩まで沈み込んだ瞬間、冒頭の
スパ伊クの言葉がバスルームに反響したのだった。

"シャンプー"で顔を洗い終え、全身を(間違った道具で)ピカピカに磨き上げた
スパ伊クは満足げに仁王立ちになり、鏡に映った自分をしげしげと眺めた。
「なあ」
「何だ」
何もかも面倒な気分になっているウィリ亜ムは片目だけを器用に薄く開け、
喜ばしげな笑みを顔いっぱいに広げている同居人を見上げた。
「こんないい男、そうはいないね」
うっとりと夢見るように囁きながらマッチョ・ポーズをとってみせるスパ伊クに
再び目を閉じ、ウィリ亜ムは曖昧に何度か頷いた。

「よし、準備完了。おい、ちょっと寄れよ」
「おい、何だ?何してる」
「何って、のんびりお風呂に浸かるんだよ」
突然の湯の揺れに驚いて目を見開いたウィリ亜ムの目の前に、何とも不快なスパ伊クのブツが
ドアップで揺れていた。思わず後ろに顔を背けたウィリ亜ムは何事かとスパ伊クを見上げ、
彼が狭いユニットバスに一緒に浸かる気でいるのにようやく気がついた。
「おいスパ伊ク、どう考えても無理だよ!いったん出るから、もう少し待って」
「大丈夫だってば。寒いんだよ、ケチケチすんな」
窮屈げに身を縮めるウィリ亜ムの体を押しのけて、スパ伊クは無理矢理湯船の中に
体を押し込んだ。泡とともに、湯船の中の湯がざあっと流れ出ていった。
ただでさえ狭いバスタブに大の男がまともに浸かれるかどうかなど、
3歳の子供でもわかりそうなものだ。
残念ながら、30を越えたスパ伊クにはそれが今ひとつわからないらしい。
「痛たたっ!ちょっと、スパ伊ク、もっとそっちへ寄れ!」
「狭いなあ。バスタブが破裂しそうだ」

しばらく狭い中押し問答をやった末、ようやくウィリ亜ムが大人しくなると、
スパ伊クは満足げに鼻を鳴らして額に張り付いた髪を後ろに撫で付けた。
向かい合ってバスタブにぎっちり詰め込まれている格好のため、
スパ伊クの骨ばった膝がごつごつ膝にぶつかってとても痛い。
憮然とした表情で膝を抱えるウィリ亜ムに、スパ伊クの間の抜けた笑顔が向けられた。
「なあ」
「何?」
「俺って不潔?」
首をかしげながら尋ねたスパ伊クに、ウィリ亜ムは呆れて天井を仰いだ。
「心配ならちゃんとシャンプーで髪を洗い、リンスでケアし、ボディソープで体を洗ったら?」
「そう違わないだろ」
「違うよ。……歯は磨いた?何時からの約束だい?」
磨いたよ、と笑って歯をむき出したスパ伊クは、その後首をかしげて少し考え、
「6時に彼女の家に行く約束」と答えた。
「もうそんなに余裕ないな。準備は出来てる?」
言いながらシャンプーのボトルに手を伸ばし、いくらか手に垂らすと、ウィリ亜ムは
スパ伊クの髪にそれをまぶした。
「出来てる。あとは俺だけ」
「うわ、ギシギシだ。黴取りのせいかな」指通りのきわめて悪いスパ伊クの髪を
洗いながらそう呟くと、スパ伊クが少しだけ頭を傾けた。
「ギシギシって?それってクール?」
「最低」
丁寧に両手で泡立てて髪を洗ってやりながら、ウィリ亜ムは"小さな子供がいる
母親の気分ってこんなものだろうか"とぼんやり考えた。

それにしてもスパ伊クの膝がごつごつ当たって痛い。ウィリ亜ムはじりじり身動きしながら
シャワーを取り、スパ伊クの頭を洗い流した。
「お前プロになれるぜ。シャンプー屋さんだ」
「光栄だね」
スパ伊クの頭皮を優しくマッサージしてやりながらシャワーの湯を浴びせると、
スパ伊クは実に心地良さそうに頭を傾け、極上の料理を味わうグルメ家のような鼻にかかった声を出した。
間近で見るとスパ伊クの髪は本当に綺麗な色をしていた。脱色や染色などではない、
とても純粋な金髪だ。薄い金色に輝く、日の光のような色をしていた。
スパ伊クにはひどく不似合いな代物のような気がして、ウィリ亜ムは思わず口元に
笑みを浮かべた。ろくなケアもしてないのに、よくこれほどの艶と色を保てるものだ。
続いてリンスをいくらか手のひらに取り、髪に丁寧にすり込むようにまぶすと、
再びスパ伊クが甘える猫のような吐息を鼻から出した。
そのくせ、ウィリ亜ムが持ち前の誠実さと几帳面さでもって丁寧にリンスを
すり込んでいると、スパ伊クは肩を揺らして「まだ?なあ、まだ?」とせわしなく
呟いて時間をしきりに気にした。
人がせっかく善意でやってやってるのにと内心憤慨しながら乱暴にシャワーを浴びせると、
スパ伊クは嬉しそうにウィリ亜ムの喧嘩に乗ってきた。
シャワーを奪い取り、ウィリ亜ムに「食らえ」とばかり湯を浴びせかけてきた。
実際、「食らえ」と声に出して叫んでいたかもしれない。
ウィリ亜ムはわけもわからないまま顔面に湯を浴び、半ばパニック状態になって
バスタブの湯を両腕で跳ね回し、スパ伊クに向かって浴びせかけた。

ただでさえぎちぎちになったバスタブの中で暴れたのだから、双方がひどい状態だった。
足や腕がぶつかりあい、双方が暴れるたびどちらかの声が「痛い」とか「おい」とか叫んでいたが、
おそらくは相手の声はお互いに耳に入っていなかっただろう。
実際、年甲斐もない子供じみた喧嘩は楽しかったが、(スパ伊クは心の底から楽しんでいただろう)
何かするたびひどく打ち付けあうお互いの体の痛みの方が楽しさに勝った。
結局ウィリ亜ムの方が根負けし、だいぶ減ってしまったバスタブの湯の中で降参すると、
スパ伊クの顔いっぱいににんまりと子供っぽい笑みが広がった。
一日の疲れを癒すどころか、風呂に入る前の数十倍疲労感が募ってしまった。
疲労感漂う弱々しい笑みを返すと、スパ伊クは首をかしげておねだりする子供のように
眉を垂れ、ウィリ亜ムをじっと見た。
「俺、お前の家に住めて良かったよ。本当だぜ」
「全くな。僕のような寛容な同居人、そうはいないね」
息を切らしながら乱れた髪を両手でかき上げるウィリ亜ムの膝に両手を乗せ、
スパ伊クは熱烈な視線をウィリ亜ムに送った。恋する乙女の目のようだ。
「俺、イカしてる?女好みの顔してる?」
気取って少し斜め上を向いてみせながら、スパ伊クは自信満々だった。
ウィリ亜ムの答えなど意味をなさない。スパ伊ク自身がすでに確信していた。
疲れて黙ったまま目を閉じているウィリ亜ムをよそに、スパ伊クは何故か興奮状態だった。
洗ってもらった髪が気持ちよかったのと、先ほどの子供じみた一暴れがよほど楽しかったのだろう。
スパ伊クはしばらく、母親に構って欲しがる子供のようにウィリ亜ムの膝を叩いたり
くすぐったりしていたが、ウィリ亜ムが何の反応も示さないのを知ると、飽きてバスタブからようやく出た。

「よし、バッチリだ。見ろよ、あそこにいるのは誰だ?むかつくほどいい男だな」
薄く目を開けたウィリ亜ムの目に、鏡を眺めて悦に入っているスパ伊クが映った。
ウィリ亜ムは潔く目を閉じた。
「なあ、あとで着る服を選んでくれる?お前のチョイスはいつもイケてるから」
飽きもせず鏡の前でポージングをするスパ伊クの傍ら、ウィリ亜ムは黙って頷いた。
「今夜はセクシーに攻めよう。風呂上りの清潔感あふれる香りに女はイチコロのはずだ。
ウィリ亜ム、セクシーな男にピッタリの衣装を頼むぜ」
黙ったまま曖昧に頷き続けるウィリ亜ムの頬に、チュッと何かが素早く触れた。
驚いて目を開けたウィリ亜ムだったが、目を開けずとも今のが何だったのかを知っていた。
興奮のあまり、スパ伊クは踊りだしそうだった。
怪訝な顔でスパ伊クを見上げるウィリ亜ムをよそに、スパ伊クは裸のまま悠々と
バスルームを出て行った。
スパ伊クはいつだって裸で家中を歩き回っている。大抵は下着を穿いているが、
たまに全裸で平然とリビングを闊歩していることもある。
ウィリ亜ムは頬に触れたスパ伊クのキスの感触をそっと指でなぞり、ため息をついた。
休日の前夜の入浴時間ほど、くつろげる空間はないというのに。
怒涛のような勢いで奴が現れて去っていった半開きのドアを眺め、ウィリ亜ムはもう一度
深いため息をついて、自分の浸かるバスタブの湯を見た。
肩の辺りまであった心地よい熱い湯は、いまやウィリ亜ムのへその少し上辺りまでしかない。
湯をため直してもう一度風呂に入り直そうかと考えたが、すぐに改めた。
ウィリ亜ムはゆっくりとバスタブから出るとシャワーを浴び、スパ伊クの今夜の服装を
見立ててやるためにバスルームをあとにした。

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                    | ただイチャイチャまがいのじゃれ合いを書きたかったのでした
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|     スンマソ……
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 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ zzzz
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