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順兵は見た。

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  テベス三兄弟ドラマネタ。 やまなしおちなしいみなし。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  遊園地デートの前夜らしいよ。
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ チラ裏ダカラ読み飛ばし可ッテサ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

夜中に、トイレにたったときにその声は聞こえた。
すすり泣く声といったほうが良いんだろうか、何かを必死に押し殺したような、
そんな声。
二階に部屋を持つのは、自分と上の兄二人だけであり、そこは母である晴枝も
入ってこれない特別な世界だ。
自分のすぐ隣の部屋である理九の部屋はわずかに空いていたが、明かりがもれ
ている様子はない。
足音を立てないように気をつけて、辰兄の部屋へと近づいた。
今夜は同窓会に出席した兄は、どうやら二年越しの未練を木っ端微塵に砕かれ
たらしく泥酔して帰ってきていた。
玄関で倒れこんでたから、理九兄と一緒にやっとのことで部屋に運び入れた。
その部屋から、物音は聞こえてくる。
酔いがさめて起きたのなら、のどが渇いているかもしれない。
声をかけてみようかとそっとわずかにあいたドアに近づいたとき、不意に届いた声。
「・・・・・・いい加減、泣きやめよ」

この声は、辰兄のものじゃない。
今しがた通り過ぎたばかりの部屋で眠っているはずの次兄のものだ。
「だってさ・・・オレ、ホントに好きだったんだ」
ブラインドの隙間からわずかに漏れる、薄明かりの中に兄二人はいた。
部屋の主である辰兄はベッドに寝ており、ジャージ姿の次兄はその枕元に腰か
け兄の顔を覗き込んでいる。
理九兄の顔は普段よくけんかをしている辰兄を見るとは思えない、穏やかな表情。
「ああ。よく知ってるよ」
「・・・・・だって、オレだって連絡取りたいって思ってたんだ」
涙がまた出てきたのか、目をごしごしと擦る辰兄。
困ったようにその手を阻んで、枕元にあったティッシュを手渡す。
「あんまり擦るなよ、跡が残んぞ」
「・・・・・・うん」
理九兄は辰兄の髪に、そっと触れた。
それは理九兄が付き合っている彼女によくしてる見慣れた仕草だったけれど、
理九兄がするとホントにサマになる。
観ているこっちがどきどきする。
ほんと理九兄ってイイ男。
そんな理九兄を見上げる辰兄は、わずかに笑っているように見えた。
その部屋には普段の親父然とした辰兄はどこにもいない。
一家の大黒柱のような兄ではなく、ゆらゆらと頼りなく
ゆれる柳の枝のように、不安定なものに見えた。
酒のせいか、理九兄の言葉に素直にうなずいている。
普段なら、一階の居間じゃ絶対に見られない辰兄だった。
「なぁ、理九」
「・・・ん?」
「・・・・・・オレ、どうしたらよかったのかな」

ポツリとつぶやいた言葉に、理九兄の髪を触れる手が止まる。
「なぁ、理九・・・オレ、ホントに好きだったんだよ・・・」
ホロリ、と目じりから雫がこぼれるのを確かに見た。
思わず、その映画のワンシーンのような光景に息を呑んだ。
しばらく、理九兄は何も言わなかったし動かなかった。
そのうち辰兄は眠ってしまったらしく規則正しい小さな寝息が聞こえてきた。
理九兄が涙の跡を静かに辿る。
目を閉じ眠る辰兄に口付けた。
それは何かの儀式みたいで、確かに目の前にいるのは理九兄なのに、誰か違う
人に見えたんだ。
「・・・・・・オヤスミ、兄貴」
でも優しいその声は、確かに理九兄のものだった。
立ち上がる気配がして、ドアから離れようとしたけれど、間に合わない。
結局理九兄の部屋の前を歩いているあたりで見つかってしまう。
目が合った理九兄は、ちょっと驚いたみたいだったけど、おきてたのか、とな
んでもなかったように声をかけてきた。
「うん、ちょっとノドかわいちゃって」
でももう寝るよ、オヤスミ。そう足早に部屋へ戻ろうとすると、後ろから小さ
な声で呼び止められた。

「・・・・・・このことは、誰にも言うなよ。勿論兄貴にも」
「・・・・・・どうして?」
兄貴は明日になったら何も覚えちゃいないんだ。
ふっと自嘲気味に笑う理九兄はさっき辰兄にキスしてた優しい表情のままで、
なぜか胸が苦しくなった。
「いわないよ。オレ、よく寝ぼけて変な夢見るんだ」
そういうと理九兄は、小さく笑ってサンキュと頭をなでて部屋へ戻っていった。
触れられた手は大きくて、いつもの理九兄とちょっと違う人に見えたけどやっ
ぱりそれはオレの兄貴だった。

明日の朝には、きっと何もかも元に戻ってる。
理九兄はいつものモテ男に戻ってて、辰兄は失恋したけどまた親父くさいサラ
リーマンに戻ってるはず。
そう思うことにして、突き当たりにある部屋のドアを振り返った。
先ほどとは違ってきっちり閉められたドアの向こうには、我が家の長男が眠っ
ている。
明日になれば、いつものようにあそこへ起こしに行くのだ。
「オヤスミ、辰兄。」

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 正直スマンカッタ
 | |                | |     ピッ   (T∀T )
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このドラマ、投下する姐さんが多いのわかるよ・・・
狙いすぎだよ・・・それでも萌えたんだヨ・・・


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