芸人 アメリカザリガニ
更新日: 2011-05-01 (日) 13:10:54
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| ナマモノ(オ藁イゲイ人)>>202-207>>211-216の続編です。
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 今回はエロ無しです。
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| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ エロに辿り着けなかったんだってさ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
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今日は仕事にならへんかった。
主な原因は、あの部分の痛みな訳だが。
時間が経つにつれ、それはズギズキと存在感を増していき、マネージャーと落ち合う頃には傍からみてもわかるぐらいになってもうた。
「飛来さん、どうしたんです?」
「いや・・・腰痛めてもうてな・・・」
「また~。どうせヤリすぎちゃったんでしょ?女遊びもほどほどにしといて下さいよ~」
そう、周りの人間はこんな反応。特に心配する事はない。
心配なのは、こいつ。
「簗儀腹、大丈夫か?」
「えっ!あ、うん、なんで?全然大丈夫やで?」
真っ青な顔、強張った笑顔。ぎこちなく、でも確実に取られたオレとの距離2.5m。
(どこが、大丈夫やねん・・・)
仕事にならなかったのはオレの身体というよりは、こいつのせい。
そしてこんな日に限って仕事は目一杯やったりする。
最初の仕事は営業。
二人きりの楽屋が耐えられへんのか、壁際でずーっと携帯をいじってる。オレの方はちらりとも見ようとはせえへん。
せやけど、オレがはぁ、とため息をついただけでビクッと身体をすくめて反応する。
(別に楽屋で襲う気ないですけど・・・ていうか、ヤられたんオレなんですけど・・・)
しかし、あの時の自分の言動はよくわからない。
全身で拒まれて、あんな拒絶は初めてやったから、今までどんな我儘でも最後は笑いながら許してくれてたから、
(・・・パニクったんか?)
どんな方法でもいいから簗儀腹を繋ぎ止めたかったのか?
(でも、まぁ、裏目にでてますなぁ、飛来さん。)
考えても仕方ない。着替えよう。
吹っ切るようにシャツに手をかけて一気に脱いだ・・・瞬間に簗儀腹が楽屋から飛び出して行った。
「なんでそんなに被害者やねん・・・」
確かに・・・鏡に映ったオレの身体には、ちょっと自分でもひいてしまう程の昨日の痕跡があったけども・・・
楽屋ではそんなでも、ネタが始まったらオレもあいつもプロや。
会場もオレらも乗ってきた。ええタイミングで
「なんでやねん!」
簗儀腹がバシッとオレの肩を叩いて突っ込んだ。
一瞬、痛みに身体が強張ったのをあいつは見逃せへんかった。
それから徐々に食い違っていくオレとあいつ。なんとかオチまで辿り着いたからええようなものの、ネタは空中崩壊寸前やった。
次のTV収録ではオレに一切振らん、口もきかん、という脅威のリアクションが待っていた。
そのくせオレが(めずらしく)張り切って前に出て動き回ったりしてると、はらはらしたような目でオレの動きを追いかけたりする。
(心配、してくれてんのか?)
ちょっと嬉しい。
しかし、それなら一言「大丈夫か?」とか「辛かったやろ?」とか「お詫びに今夜はオレを・・・」とか言うてくれてもええんとちゃうか。
(大体、バージン相手にあれはハード過ぎるやろ)
ちょっと意地悪したくなって、収録中に冗談のノリでキスしようとしてみた。
「何すんねん、ボケーっ!」
・・・顔面に、ハリセンは・・・正直きっついわ・・・簗儀腹・・・。
今日最後の仕事はラジオ収録。
よりによってラジオ。
狭いブースの中で向かい合わせに座り、オレら二人でフリートーク。
(できるんか?マジで・・・)
本番前、こそっと正面のあいつの方を窺うと、ばっちり目があってしまった。
簗儀腹が真っ直ぐオレを見つめてる・・・今日初めてちゃうか?
真剣な顔過ぎて、オレ、何も言われへんやん。
「・・・なんで、おまえ・・・あんな事・・・」
簗儀腹は震える声で、けどオレをしっかり見たまんま言った。
(何故、あんな事をしたのか?)
「おまえ、愛してるって言うたやろ。」
「はぁ?」
言いながら、そうか・・・と気付く。
「ずっと我慢してたのに。」
無意識のレベルにまで押し殺して。
「あんなん言われて・・・男やったらいくしかないやろ。」
「おまえ、それ、どういう意味・・・」
「おまえが好きやからや。」
「―っ!」
簗儀腹が鋭く息を吸う。目を大きく見開いて、ちょっと青ざめてる?
「初めて会うた時から、ずっと好きやった。」
えらい長い時間見つめあってたような気がしたけど、たぶん一瞬やろな。
すぐに本番が始まって、オレらはいつものようにアホな話をし始めてた。
これまでのギクシャクした仕事が嘘みたいに。
いつもの通りに喋りながら、オレは自分が言うた言葉の意味を考えとった。
(初めて会うた時から好きやった・・・)
それが恋愛感情かもしれんと思った時、彼女をつくった。
彼女のことも好きやったけど、どっか冷めてて。
もしかしてオレは男の方が好きなんかと思ってそういう店にも行ってみたけど、全然興味が湧けへんかった。
こいつやないとあかんのか―
そう気付いてもうたから、忘れようとした。ずっと一緒に居りたかったから。
相方になった時、簗儀腹の唯一無二の存在になれたと思った。
それでいいと思おうとした。あの瞬間までそれでいいと思ってた。
(まさか、あんな酔っ払いの言葉でキレてまうとはなぁ・・・)
嬉しさ、よりも激しい怒りに襲われた・・・ような気がする。
オレの気も知らんで・・・その言葉をそんな無造作に、無防備に言うのか。
忘れてる振りをしてた感情をめちゃくちゃに逆撫でされて。
―それやったら、オレもおまえをめちゃくちゃにしてもええよなぁ?
今考えると完全逆切れやな。まぁ・・・結局できへんかったけど。
あっという間にラジオ収録は終わった。これで今日の仕事は全て終了。
これからどうしようか・・・考えてたら簗儀腹が話しかけてきた。
「本番中ずっと考えてたんやけど・・・」
オレのこと?とおどけてみせたら茶化すな!と怒られた。
それから、声をひそめてポツリと言った。
「遊びやないんやな?」
「・・・オレがそういう冗談言うと思ってるん?」
「いや・・・そうか、そうやな・・・」
簗儀腹は目を伏せて口の中で何かぶつぶつ言うてる。
「なんやな?」
オレが先を促すと簗儀腹は上目遣いにオレを見た。その顔が少し赤くなってる。
(・・・可愛いやないか)
「もう少し、時間をくれへんか?」
「簗儀腹?」
「おまえはオレの大事な相方で、親友で、せやのにあんなことになってしもて・・・けどおまえは、オレが・・・好きで、オレは、まだ・・・わからへん。」
―もしかして、脈あり?
「せやから、もうちょっと・・・もうちょっと待ってくれるか?」
簗儀腹の顔がさっきよりも赤くなってる。心なしか目が潤んでるように見える。
「別に、ええよ。これまでかてずっと待ってるみたいなもんやったし。あとちょっと待つくらい何ともないわ。」
そうか、と何故かほっとしたように笑う簗儀腹が可愛いから、オレは素早く周囲を確認して唇に触れるだけのキスをした。
「何をっ!?」
耳まで赤くして跳びのいた簗儀腹に低く囁く。
「・・・おとなしく待ってるから、たまにはごほうび頂戴な。」
「どこが、おとなしく待ってるねん!」
赤い顔のまま、逃げるように簗儀腹は帰って行った。
自然と自分の口元がにやけてくるのがわかる。
(よし、決めた!)
十数年ぐだぐだ迷ってたけど、もう迷わへん。
簗儀腹の心も、身体も、相方の位置(ポジション)もオレのもんや。
絶対おとしたる。
スイッチをいれたんは簗儀腹、おまえやからな・・・覚悟しとけよ。
気が付いたら、あの部分の痛みはほとんど無視できる程度になっとった。
ホンマ、今日は仕事どころやない日やったで。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ ショージキスマソカッタ
| | | | ピッ (・∀・ )
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ヘタレな飛来の一人語り・・・長々とスマソ・・・
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