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メタルギアソリッド 木星コンビ

[メタルギャー剃り井戸・木星コンビのけだるい日常]
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・)

「おい起きろ。起きろオタ魂、そして飯を喰え」
「…ぅ…ぅ"…ッヴハア!」
 自分の口と鼻を覆っていた、蛇の大きくガサついた手をはね除けて飛び起きる春。
「目は覚めたか?相棒」
 荒い呼吸を吐く春の顔前で、手をひらひらと振ってみせる蛇。
「…こ、殺す気かいこの人でなし!大体今は何時だ!…9時じゃないか!まともな人間の起きている時間じゃない!」
 怒鳴った勢いで激しく咳き込む春、その背をさする蛇。
「それはすまなかったな、真人間さん。俺もこの時間に起きてくれるとは予想外だ、後二時間は起きないと思った」
「さすがに、アレじゃ起きるさ。で、こんなバカげた時間に起こしてくれるご大層な用件はなんだい?」
「先週の約束に付き合え」
「約束?」

「今日の買い出しには付き合ってくれるんだろう?」
「…そんなこと云ったかな」
「賭け鞠男カートだ、お前が勝ったらフィギュアだかナンダカを買いに俺がトイザらス開店前徹夜だった」
「…ボクが君に負けたって?そんなこと」
「あったんだよ、証拠リプレイだって保存している…お前の調子に乗りすぎた走りは永久保存モノだな」
 蛇はいつのまにか春の部屋の無数のモニターのひとつにゲーム機を繋げて、いつぞやの対戦を再生している。
「冗談じゃない…ボクがあんなコーナリング…」
「お前さんが負けたら次の買い出しに付き合う、忘れてないだろう?冷蔵庫の中身も缶詰も尽きる、外に出てもらうぞ」
 春の部屋の遮光カーテンを勢いよく開く蛇。しかし室内と代わり映えしない明るさ。
「…雨じゃないか、こんな日になんでわざわざ」
「こんな日でも、だ。どうせ車だ」」
「どうせ車なら君の運転だろう、ボクが行く必要なんて…大体ボクを外に連れ出そうって腹だろうけど雨じゃ無駄足だ」
「必要だとか無駄足だとかは関係ない。約束は約束だ。支度をしろ」

「…嫌だ。行きたくない…雨は…水は嫌いだ」
「何故?」
「……溺れて人が死ぬから」
「……水が全く無くても、人は渇いて死ぬな」
 しばし沈黙。
「要はバランスだろう、お前も引きこもりすぎだ」
「君のタバコだって多過ぎる…」
 更に沈黙

「…お前さんとの会話を楽しむのもいいがな、ずっとこうしている気か?」
「…」
「それじゃあ貸し一つだ。鞠男カートの罰ゲームを考えながら行ってくるかな」
 部屋のドアに向かう蛇。反射的にベットから起きあがり蛇のシャツをつかむ春。
「行くよ、君の罰ゲームとやらはいつも悪趣味だから」
「…水は嫌いなんじゃなかったのか?」
「あんなの…云ってみたかっただけだよ」
 春、口元だけをゆがめて笑う。蛇、シャツをつかんだままの腕を取り、引き起こした。

 二人、小雨に濡れたまま、駐車場へ歩く。ゆるく、笑い合いながら。

□STOP ピッ ◇⊂(・∀・)カイテミタカッタダケデシタ


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