アメプロのゼリコ×今日中
更新日: 2011-05-01 (日) 09:17:46
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| マイナーナマモノ投下ー。
____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 飴プのゼリコ×今日中、初対面ネタですって。
| | | | \
| | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 連続投下カヨ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
| | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
該当する投稿所がないことはないのですが、そこに出す勇気もないのでここに失礼しまつ…
荒地を勢いよく転がり続ける様な日々だった。苦渋を舐めることばかりだったが、今なら楽しかったと言う事が出来る。
あのときの感情の起伏が、もはや懐かしい。日本での日々は俺の身体に強く刻み込まれている。
彼に初めて会ったのもここだった。
オーエソ・ハ一ト、ダイナマイ卜・キッ卜゙…憧れのレスラーたちは皆世界を回った。そして日本で戦ってきた。だから俺も
日本に来た、日本に来なければならなかった。俺が求めている強さは、日本に行かないと得られないとなぜか思い込んだ。
俺にとって日本はキリスト教で言うところのヴァチカンだった。知り合ってばかりの頃、いつだったかへツさんに話したら、
単純だなと笑われた。でも俺もそうだった、その気持ちはよく分かるぞ、と俯きはにかみつつ付け足して。
この「憧れ」の中には言うまでもなくへツさんも含まれており、当時日本国内のインディ団体で揉まれていた俺は、その
憧れのへツさん…当時はクイルド・ペ力゙サスって名前だ。当時じゃカナダでも、日本でも、その名前は随分知れ渡ってい
た…と、試合できると知ったときは冗談抜きで眠れなかった。俺はまだテレビでしかその試合を見たことがなかった。
多分ガキンチョが、初めて買ったCDのバンドが演るライブに行く当日を迎えるときは、こんな気持ちだろう。
試合の前日、稽古も終えて飯を食おうかと思い外を歩こうとしたとき、どこかで見た姿が近くにいた。
白人、くせのある茶髪、長い襟足、そのときの大会であつらえた白いTシャツ――実は俺も同じものを着ていたが――
あれペ力゙サスその人じゃねえか!
目の端に姿が映ったときに既に叫びだしたかったが、息を飲み堪えた。今だ、と。走り出さないように念じつつ歩く。
地を踏みしめるように一歩一歩近づく…
あの頃の彼は、そこに居るだけで人を切り刻みそうな鋭さを漂わせていたが、幸運にも偶然彼に出くわした俺には、
近づき難いとか何だとかいちいち考える暇もなかった。ダイブする直前のようにして息を大きく吸い込み、意を決して
自己紹介をしに行った。たがが自己紹介で、掌は汗をかき出していた。そういや俺にはヘツさんと戦う前にもう一人相
手にしなきゃいけなかったが、そんな事実はどうでもいい。ヘツさんと試合することになったら事前の試合の段取りが
あるから、間違いなく顔を合わせる機会はあるのに、姿を見た瞬間から歯止めが利かなかった。クイルド・ペ力゙サス
さんですか?今度のJ-杯に出場しているライオソ・ハ一トです、よろしく。
そして彼の目を見て二言目には「以前からあんたにずっと会いたかったんです、握手してください」。
ヘツさんはあっけに取られ、目を丸くしていた。うわ…、すげえ澄んだブルーじゃん。いや俺も目青いけどよ。
思わず差し出した、というような感じの腕をがっしと両手で掴む。手の形を俺の皮膚に覚えこませる勢いで握り締める。振る。
白い肌、しかしガサガサとした力強い腕。細かい傷の多い掌。いびつな指。
ふと顔を見ると困ったように、というか不審そうに眉が寄せられている…どうも握手に使う標準時間をちょっとばかり超えて
いたらしく、彼が微妙に固まっているのを見て俺はようやくそれを悟った。腕を慌てて解く。そりゃ確かに野郎の両手(しかも
緊張して微妙に汗かいてやがるし)に捕まり続けるのは不快だしな。俺もゴメンだ。しかしこの時の俺にそんな分別はつかなか
った。
こちらこそ、と向けてくれた笑顔は困惑が残りぎこちなかったが、カナダ出身で以前ハ一ト道場にいたと話したら驚き、喜ん
でくれた。
「そうか、お前も」
「ス千ュ・ハート直々の訓練は受けてないですけどね」
「どこ出身だ?」
「ウィニペグです。スタンピ一ド・レスリングはガキの頃から欠かさず見てましたよ」
「そうか、そうか」
にこにこして彼はうなづく。彼は俺より少しだけ日本の滞在経験が多いらしく、しばらくカナダには帰っていないという。…実
は生まれはニューヨークだが、そのへんも含めてベラベラ喋った。
頷くぐらいの反応で、彼から話題を膨らませることはそんなになかったが、彼は話を終始笑顔で、
興味を切らすことなく聞いてくれた。異国にいると、自然と同じ立場の人間…ガイジンサンは自然と
互いを頼りにし、仲間意識が強くなる傾向がある。しかも自分と同じ国の人間が居たら本能的にどれ
だけ嬉しくなるか。ヘツさんが程なく打ち解けてくれたのは、そのせいもあると思う。ゴッド・ブレ
ス・カナダ。
道のド真ん中で俺は喋り続けていたが、ふとヘツさんが俺に質問してきた。
「そういやお前、名前はなんて言うんだ?」
「ああ、ライオソ――」
「本名だよ」
「え?ああ」
ふと我に返り、無意識に背筋が伸びる。…ただ名乗るだけなのに、また緊張を覚えるのは何故だ、
ちくしょう。
「あー…久リス・イルヴァイソって言います」
「久リス・イルヴァイソ」
ヘツさんは一瞬びっくりした表情を見せ、僅かに俯き、照れたように笑った。
喉の奥からこぼれる笑い声が、やけにやわらかく聞こえた。睫毛長えんだ…とつい眺めて
しまったが、骨の抜けたような屈託の無い笑顔を俺に向けてきて、また我に返った。白い歯、
しかし一本抜けた上の歯列。その跡は彼の笑顔にどこかいびつな愛嬌を加えた。
歯抜けの笑顔に違和感のようなものを覚え、胸に残り、妙に高揚する。その抜けた歯の跡に
も、綺麗な青い瞳にも、やられた。
身長が高くないくせにヘビー級並の、それ以上のスロットルを見せるこの人の試合が憧れ
だった。男として、顔立ちが整ってて、身体がちいさく、肌が白いってのは重圧とか屈辱と
かそういうもんでしかなかった。いっそ無骨な顔に生まれりゃ、舐められるなんてこともな
いのに、そう己を強く呪うこともあった。しかし俺と似たような条件を否応が無く背負って
るだろうに、そういうのを全て覆して、薄らデカイ猿を薙ぎ倒す彼の姿は、正真正銘俺のア
イドルで、アイコンだった。
そして俺は今まさにそのアイコンのお目にかかっている訳だが……並んで気付く、この人、
俺と身長殆ど変わんねえ。ガタイは明らかに負けてるが、タッパなら俺が少し高いかもしれ
ない。
つーかさ、…絶対怒られると思うんだけど(何故なら俺が同じ男から同じコト言われたら、
そいつの首を折ってケツを犯そうと思うぐらいには気分を損なわれる)、なんかこの人、た
まんなく可愛いんだけど。彼の苛烈なファイトを目に焼き付けてきた分、今の姿とのギャッ
プがよけい調子を狂わせる。マットの上じゃ誰も寄せ付けない猛獣のようなのに。
「そうか、名前も同じなんだな」
そういって太く短い腕をぴんと伸ばし、今度はこの人から握手を求めてきた。
「俺も久リスだ。久リス・ヘツワ。よろしくな」
満面の笑顔。元々目じりが下がり気味なのか、力の抜けた微笑みだった。しかし握った手は強く
握り返してくる。胸がギュッと熱くなる。張り詰めてた糸がぷっつり途切れちまったか、目の裏
までちょっとだけ熱くなる錯覚を覚えた。
つってもまあ、あんたの本名なんて俺もう知ってんだけどさ。っていうかあんたいま海の向こ
う側じゃ本名でもかなり有名だから。カナダでレスラーやってる人間にヘツワって名前知らない
やついないぜ?
そう頭の端で冷静にこたえつつも、彼のその笑顔を見たとき、俺のなかで何かが間違いなく始
まった。視界はより開け、世界は閃光のように鮮やかになる。
「久リス?」
俺は名前を聞き返す。きっと顔はやに下がっている。
「久リス。」
彼もにこにこして名前を繰り返してきた。いい名前だよな。キリストからとってきたもんな。神
の子って感じの響きだよな。
もう間違いない、これは運命だ。極東の地、プ口レスの聖地日本で、同じカナディアンが、お
まけに同じ名前の人間が巡り合ったってのはもう運命としか呼べねえ。神懸りだ。明日の試合が
終わっても、多分またこの人に会える気すらする。いやレスリングの世界なんて狭いもんだ、ま
た会える。根拠はないが確信がある。
久リス。あーもう、久リス。
…そしてその時の、ブレーキがいかれちまったかのような興奮は、長いこと彼と一緒に時間を
過ごす間に、そして彼を時には近く、時には遠くから見ている間に、いつの間にか、「あんたが
幸せにならなきゃ、神様は間違ってる」という信念に、形を変えていた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | | ゼリコ=ライオソ=イルヴァイソで、
| | | | ∧_∧ 今日中=ヘツさん、だと わかんねえよ
| | | | ピッ (・∀・ )
| | | | ◇⊂ ) __
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| |
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
上で「連続投下」とか書いてますが自分>>163さんとは別人です。言葉足らずですいません。
続きも書いてたんですが、ゼリコの最近のインタビューを受けて気分が暴走して一度終わらせますた。
あべし。
このページのURL: