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花火大会の夜

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                    | 「四津羽戸!」でかい人×父ちゃんモナ。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  3巻の花火大会の後と言う事で。。
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 初投稿ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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花火大会終了後、深夜の小祝家の一室で。
あの後、子供達を家に送り届け(三浦は江名の家に泊まるというので
二人とも彩瀬家で下ろした)、帰りの車の中でもう熟睡していた四津羽を
寝室に寝かせた後、そのまま大人二人は飲みに突入していた。
「うぅ~浅葱さぁ~ん」
居間にあつらえたちゃぶ台の上にビールの空き缶を林立させ、
浴衣姿のままジャン簿は目当ての女性が来なかった事を嘆き続けている。
「しつこいなー」
と言って小祝はプシュッ、と軽快な音を立て缶ビールの蓋を開けた。
そのまま缶からビールを喉に流し込んでいると、恨めしそうなジト目でこちらを
睨むジャン簿が視界の端に入る。
「…何だよ」
「べっつにー」
「子供か」
「お前にゃ俺の気持ちはわかんねーよ。昨日は俺、すげー期待してたんだぜ!?
この浴衣だって下ろしたてだっつーの!お前とお子様にしか見られなかった
俺の浴衣姿が可哀想だろーが!」
「そのお子様をダシに使った罰だろ。自分で誘ってりゃ良かったのに」
小祝に痛い所を衝かれ、ジャン簿はうっと黙り込む。
やがてばつが悪そうに喋り出した。
「…前にも言っただろ。恥ずかしいんだよ」
その顔が赤く染まっているのは、酒のせいばかりではあるまい。
小祝は、飲み干して空になった缶をちゃぶ台に置いた。すこん、とどこか間抜けな音がした。

少し意地悪な気分になっていたのは、酒のせい…だった、と言う事にしてしまおう。
「ったく、図体は並外れてでかい癖に、こういう事となると小心者だよなお前は」
「何だとコノヤロー!」
「おわっ!?」
言うが早いか、ジャン簿が体全体でのし掛かってきた。
予想外に素早い反撃に受け身が取れないまま、小祝は床に押し付けられる。
以前もジャン簿のボディプレスで気絶した事があり、かなりの衝撃を覚悟したが
今回はそれ程の重圧感はない。よく見ると、自分の上に乗っているジャン簿が
床に肘をついており、衝撃を軽減させたらしいと見て取れた。
それでもしたたかに打ち付けた背中は痛く、上半身を起こそうと肘をついた所
肩を掴んでもう一度押し倒される。
「お前なぁ…、…っ」
文句を言おうとした口を、ジャン簿の荒々しい口付けで塞がれた。
そのまま口腔内を舌で乱暴に探られる。お互いひどく酒臭かった。
一通り貪った後、やっとジャン簿が口を離す。
荒い呼吸もそのままに、小祝の肩口にジャン簿の顔が埋められ両の腕で抱きすくめられる。
「…友達だったら、こう言う時は慰めてくれよ」
「…」
こんな事をする友達はおらん、と言おうと思ったがふと小祝はその言葉を飲み込んだ。
反論をしようにも、自分たちの関係はまさに「こんな事もする友達」としか
呼びようが無い物だったからだ。
小祝は返事をする代わりに全身の力を抜いた。目を閉じ、代わりに鋭敏になった聴覚に、
ジャン簿が眼鏡を外して床に置くこつん、と言う音がやけに大きく響いた。

初めて体の関係を持ったのは、学生時代だった。
どちらが先に誘ったのかもう覚えていない。多分、今日みたいに酒の席でぐだぐだなまま
雪崩れ込んだのだろうと思う。
不思議な事に行為そのものには嫌悪感は感じず、その後も折に触れ体を重ねる事はあったが、
だからと言って自分たちの関係がその時から「変化」したとは全く思えなかった。
それは多分ジャン簿も同じ事だろう。「恋人」かと問われれば(問われた事など無いが)
お互い即座に否定するだろうし、実際お互いに彼女が出来た時も全くの無干渉だった。
現状のままなら100%成就はしない気もするが、もしもジャン簿と浅葱の仲が上手く
いったなら、小祝は友人として心から祝福するだろう。
逆に考えれば、ベタベタした恋愛感情が無い分関係が長続きしてきたとも言える。
(…こーゆーのも、腐れ縁っつーのかな)
ジャン簿の肩越しに天井を見上げながら、小祝はぼんやりと考えた。

小祝がしばらく遠方で暮らしていた為に、体を重ねるのは本当に久しぶりになる。
が、ブランクなど感じる間もない程に、お互いの情欲に火が付くのは早かった。
「…ぅ…っ」
「どうした?…声、出せよ」
弱点の耳を攻められ、必死に漏れ出そうになる声を抑える小祝にジャン簿が囁く。
「…!」
今言葉を紡ごうとしても、それはすべて嬌声となって溢れるだけだ。
小祝は自分の片手で口を押さえ、もう片方の手で寝室の方角を指し示す。
四津羽が起きてくる気配はないが、万が一自分の嬌声を聞かれでもしたら大変だ。
「あぁ、そっか」
ジャン簿も事情を理解したようだった。
「そうだなー…じゃ、ちょっと我慢してろよ」
そう言うと、自分の太い指を唾液で濡らし小祝の狭隘な後腔に挿入させ、じっくりとほぐし始める。
「……ん…くっ…」
小祝はせり上がってくるゾクゾクとした感覚に唇を噛みしめて耐えた。
やがて、指では物足りないと思う程にそこが慣れた頃、起こされて後ろを向かされた。
足を投げ出して座るジャン簿の太股の上を跨がされ、
後ろ向きに床に膝をついて正座するように座らされる。
小祝の背中に触れるジャン簿の腹部が、ひどく熱く感じる。
そのあだ名に恥じない立派な剛直が、密着した腰の合間で強く存在を主張していた。

小祝は上気した顔を後ろに向けようとしたが、それより先に前に回り込んだ
ジャン簿の大きな手の平で自分の口を塞がれた。
「息できるか?」
咄嗟にはジャン簿の意図が判断できず、とりあえず頷いて見せた。
「俺が口塞いでてやるから、自分のペースで動いてみろ」
「…わかった」
ようやく意図が飲み込めた小祝は小声で返事をする。
確かに、ジャン簿の肉厚な手に阻まれて声はくぐもり、音量はかなり絞られる。
小祝は手を後ろに回し軽く腰を上げ、ジャン簿自身を自分の秘所に導き入れる。
ゆっくりと腰を落とし全てを自分の中に収めた小祝は、思わず熱いため息を吐いた。
そのまま腰を上下させ、少しずつ自分自身を高めていく。
「…ぁ…ぅっ」
腰と共に小祝の肩口が揺れ、長めの後ろ髪がぱらぱらと踊る。
その合間から見える白いうなじと、塞いだ手にかかる熱いため息に
ジャン簿はついに我慢が出来なくなった。
「…すまん」
「え?…っあ!」
ジャン簿が下から勢いをつけて腰を動かし、小祝の中を激しく突き上げはじめ、
床に着けていたもう一方の手で、既に痛い程勃っていた小祝自身を弄り出す。
しかし律儀に口は塞いだままなので、小祝が揺さぶられるままに上げる声は
手の中にこもり、二人以外の耳には届かないまま熱だけを残し消えていく。
「ん、う、ん、くっ、ぁうっ…」
「……くっ…!」
「っあ…!」
小祝は自分の中でジャン簿の荒々しい脈動を感じながら、激しい絶頂感に身体を震わせた。

事後のうたた寝から小祝が目覚めると、ジャン簿はいなくなっていた。
電気が付けっぱなしだったので、置き時計からすぐに今が午前四時前だと判断できた。
トイレにでも行ったのかと、半分寝ぼけた頭で辺りを見渡すとちゃぶ台の上に何やら
紙が置いてあるのが目に入る。
「帰る。明日また来る。」
チラシの裏に書かれた、簡素極まりないジャン簿の書き置きを無造作にちゃぶ台に戻し、
しばらく小祝は座ったままぼーっとしていた。
(あいつ、車だろ。ちゃんと酒は抜けたのか?)
ふと、妙に下半身がスースーするのを感じ、下方に視線を向ける。
「あ」
下着を着けていなかった。
慌てて下着を履き、床に転がっていた行為の後始末をしたティッシュをごみ箱に捨てる。
朝になって四津羽が起き出してきても、不自然で無いようにしなければならない。
片付けを終えると立ち上がって電気を消し、そのまままた床に寝転がる。
暗闇の中で目を閉じると、夜に見た花火の輝きが脳裏に蘇る。
…自分たちの関係は、どこか花火に似ているとふと思った。
その場で昇りつめては燃え尽きるだけ。後には何も残らない。
-刹那的であるからこそ、色褪せない鮮烈さには敢えて気付かない振りをして、
小祝は気怠い脱力感に導かれ深い眠りに落ちていった。

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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 過去捏造スマソ
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