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ピ工ーノレ×風沖

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                    |351-355でピ工ーノレ×風沖を投稿した者です 
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全ての子供は愛される為に生まれてきた。
親は子供を愛するべきなのである。

って、そんなことは分かっている。
俺だって、まだ学生の分際で何だが最近の無責任な親を見ると殴り倒したくなるぐらいだ。
子供はお前の都合で動く道具じゃねぇんだよ!!と。

だが、しかし…こいつは愛さなくてもいいだろう?なぁ?
誰かに同意を求めながら俺は「愛」を求めてくる卵から産まれた義理の息子ピ工ーノレと今日も戦うのであった。
以下、俺、伊達風沖が(俺の)平和を大きく乱す驚異の悪(ピ工ーノレ)と勇敢に戦う物語である。
(一部脚色しているが民衆は事実よりよく出来た物語を好むと七トラーも言っているので気にしなくていいのである)

その日の事件を引き起こした最初の一言は
「親子のスキンシップとして、父さんと『川の字』で寝たいと思うのですが、どうでしょう?」
だった。相変わらず冗談ではないらしく真顔だったが俺は速攻切り捨てた。
「無理だ」
嫌だ、という意味を込めたつもりだったがピ工ーノレには言葉に込めた裏の気持ちまでは伝わっていなかったらしかった。
「何故でしょう?」
何故も何も嫌なんだよ!!お前と並んでなんか寝たら、いつ襲われるか気が気じゃなくて寝れんのじゃい!!
そう怒鳴りつけようとして、俺はハタと止まった。
この主張をした場合、もしかして俺は「息子ごときにびびる駄目親父」か?
い、いかん!!父親としての面目がッ!!
日本の親父は頑固で威厳のある親父でなくてはならない。
「地震、雷、火事、親父」という諺を世間に復活させる会代表(今、心の中で結成したのだが)の俺は慌てて取り繕うことにした。

「いいか、ピ工ーノレ。『川』という字をよく見てみろ?」
言いながら俺は手元にあったマジックペンで広告の裏に大きく書いた。
「川という字が何か?」
「よく見ろ、川という字は縦線が3本ある。つまり、だ…お前と俺では『川の字で寝る』のは無理だ。
この字は父と母、そして子供が揃ってはじめて完成するもんなんだ…」
俺はわざとらしく哀しい顔をしてピ工ーノレを見つめた。

母さんがいないばかりにお前には辛い想いをさせてばっかりですまんのう…、ゴホゴホ。
とりあえず、オプションで貧しい家庭の体の弱い父親の演技も加えておく。
勿論、そんな大人のハイセンスな冗談が通じないピ工ーノレは大真面目な顔で俺の主張に反論した。

「御言葉ながら、父さんの主張には納得できません。
現在の社会では親子の関係も多様化し、未婚の母、もしくは離婚して片親である家庭が増えています。
そうであるにも拘わらず『川の字で寝る』は3人必要だと言うのは時代に沿わな」
その他、何時の間に人間の国のことを勉強したんだ?と感心するような主張をピ工ーノレは続けていたのだが、聞いても多分眠くなること請け合いなので俺の方で割愛しておく。
まぁ、常識的に考えて「3人いなければ親子で川の字では寝れない」なんて言い分は通る訳がないのは俺にも分かっている。
だが、そもそも俺はピ工ーノレに対して常識を持って対応する気はなかった。
「お前が何と言おうが無理だ。『川』なんだから3本いるんだ」
「ですが父さん」
「何と言おうが、決まってることだから仕方ないんだ。俺だって残念だと思ってるんだ…。
で文句があるなら俺じゃなくて金田一何とかに言うんだな」
とりあえず国語辞典によく載っている編集者に責任を取ってもらうことにして俺は、「大変遺憾であります」と述べる政治家みたいに迫真の演技で辛い溜息を吐いた。

「そんな」
捨てられた子供のように傷付いた声を出すピ工ーノレに本の少し罪悪感にも似た感情を覚えたが俺は今回は譲らなかった。
と、言うのも最近俺はこいつに「許し」過ぎている。
最初は一緒に暮らすことも迷惑だったが、今はこいつが家に居ることを許している。
性的な意味がなければ触れることも許したし、キスすることも許しちまったし、俺の方からするという状況も受け入れちまったし。

これ以上、俺の中に巣食う「罪悪感」みたいなものを受け入れて、こいつに対して色々なことを許していけば本当にヤバイところまで進んでしまう気がした。
それは、それだけはあってはならない。

あってはならないんだが…。
俺以外の人間には全く興味がなく、例え目の前で死んだとしても表情すら変えないであろうピ工ーノレが落ち込んだ表情でこちらを見つめてくるのを目の当たりにして俺は小さく溜息を吐いた。
「…親子のスキンシップがはかりたいなら、川の字で寝るのは諦めて『親子のキャッチボール』とかいう選択肢もあるだろうが?」
こいつと公園でキャッチボールなんぞしたら大人から子供まで卒倒して公園は地獄絵図みたいになるかもな?とか笑えない想像をしてしまったが人気のない山奥とかなら俺も付き合ってやれないこともない。
なんて譲歩してしまう辺り、俺は相当に甘い。

しかし、俺が譲歩してやっているにも拘わらずピ工ーノレは哀しそうに首を振った。
「親子のキャッチボールは段階的に言ってもう少し先の項目です」
物凄い嫌なことを聞いた気がする。
ピエールは親子のキャッチボールが「先の項目」だと言った。
つまり、こいつは「親子で川の字で寝る」と「親子でキャッチボール」の間に、まだまだ「親子スキンシップ計画」を立てているということだ。
それは何だ?何なんだッ?!
物凄く知りたいが聞いてしまったら現実逃避したくなりそうだったので俺は聞かないことにした。
パンドラの箱は出来るだけ開くのを先延ばしにするに限るのである。

それにしても。
「親子で入浴が一番なのかよ?」
俺的には親子で入浴より先に親子で公園デビューとかが入浴より先に来るとおもうぞ?
そんな、どうでもいい突っ込みにピ工ーノレは真顔で答えた。

「所謂、ビ才レデビューというヤツです」
ビ才レデビュー…、ピ工ーノレの口からその単語を聞いて俺はちょっと気が遠くなった。
この馬鹿息子、TVメディアの罠にまんまと乗せられやがって。
この分だと「孫の笑顔、プライスレス!」とか言って俺は将来的に俺の親父にピ工ーノレを紹介するはめになるかもしれない。
そんなことを考えてしまい、俺は眩暈に襲われた。

ああ、また頭が痛くなってきた…。

「俺は、寝るぞ」
こんなときはピ工ーノレに出入りを禁じてある安全地帯である俺の部屋に逃げ帰るに限る。
さっさと逃げようとした俺だが疲れ果てて眩暈がしていたのに急に移動しようとしたせいか足元を取られてしまう。
くそう、精神的疲労が体にまで出てるじゃねぇか。
「大丈夫ですか?」
すかさず支えてくれる疲労の根本ピ工ーノレを見上げて俺は大きく溜息を吐いた。
あああ、早く親離れしてくれないかなぁ~、この息子。
って、待て。
俺は、そう思った瞬間に大切な事に気がついてしまった。
(そうだ!!子供は親の愛情を十分に与えられてないと親離れ出来ないじゃないかッ!!)
人間でも動物でもそうだ。
栄養と愛情をたっぷり与えて立派に育って初めて子供は「親離れ」するのである。

そうだ、俺は間違っていた…!!突き放す教育は良くねぇんだ!!
ピ工ーノレが俺に突きつける無理難題「親子のスキンシップ」作戦を乗り越えれば、きっとピ工ーノレは俺から「親離れ」して立派に巣立っていくに違いない!!
そして俺は晴れて自由の身!

「よし!!分かった!!一緒に寝るぞ!!」
俺は力強くピ工ーノレの腕を掴んで「出入り禁止」のはずの寝室へと向ってズンズンと進んでいった。
頭の中は一刻も早くスキンシップを全て終え自由になる日のことでいっぱいであった。

「しかし、父さん…『川の字』はどうするんですかッ?」
「そんなもんはどうでもいいんだよ。いいか?日本語は日々変化するんだ。
言葉は時代に合わせて変わっていくもんなんだよ。
親子並んで寝る、が『川の字で寝る』なんて表現される時代遅れな例えはなくなっちまう日だって近い」
さっきの主張とは全く違うが気にすまい。

「さ、寝るぞ」
さっさと布団に入り込んで俺はポンポンとベッドを叩いてピ工ーノレを促した。
まぁ、本当言うと煎餅布団を並べて寝たいところだが、生憎俺の家にはベッドが一つあるだけだ。
女を連れ込む…、いやいやレディーを止むを得ない事情で泊める事が多いのでダブルベッドサイズなのがせめてもの救いである。
「いいか、寝るだけだからな?俺に触るなよ?」
そう言っておけば律儀な息子は本当に何もせず隣で寝るだけだろうしな。
ベッドの端と端で背を向けて寝れば構図的にもやばいことな何もないだろう。

「父さん」
ピ工ーノレは大人しくベッドに潜り込み、俺を呼んだ。
「あん?」
何だよ?と振り向くと神妙な顔をしたピ工ーノレが俺を見ていた。

「ありがとうございます」

「……、あ、ああ」
らしくなく素直に礼など言う馬鹿息子に思わず鼓動が跳ね上がったのは、多分父親として子育ての成功を実感し、感動したからだ。
…そういうことにしておこう。

その夜、俺は夢を見た。
金田一何とか言う高名な学者が
「っていうか~、『川の字で寝る』なんて何時の時代の例え?ありえな~~い。
次の国語辞典では使わなくても良くね?ってかんじ~~」
そんなことを言っている夢だった。

無論、単なる夢に過ぎない。

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 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ またしてもお目汚しスマソ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )パパがだんだんアホになっていく…
 | |                | |       ◇⊂    ) __ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


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