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エロゲ 同級生2 主人公×コンビニ兄ちゃん

444です。性懲りもなく続き投下。
付き合って数ヶ月目の2人。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ ) ハジマリ

「竜二くーん。こっちこっちぃ」
「その喋り方やめろ。気持ち悪い。いつから待ってたんだよ」
「今来たばっか」
うーん、デート前のカップルの台詞、黄金のパターンだ。
勿論、お約束として今来たとか言いつつ、俺は十五分近く前から待っていた。
とはいえここは昼間のハチ公前ではなく、深夜のコンビニの駐車場だ。
加えて、待ち合わせをしていたわけでもなく、竜二のバイトが終わるのを、
俺が一方的に待っていただけだ。肌寒いのにも、軽く眠気を催してるのにも、
明日必修講義が一限にあるのにも関わらずだ。全ては愛ゆえに。俺カッコいい。
「お前、ハナたれてんぞ」
うわカッコわる。俺は鼻水をすすりあげながら、竜二に訴えかける。
「寒いんだよ外。あー寒ぃ。お前より俺のがぜってぇ寒い」
「当たり前だろ、なんでそんな薄着なんだよ。ジャケット買え。風邪ひくぞ」
「大丈夫。馬鹿だから」
「知ってる」
「おい、否定しろ」
「事実なんだから仕方ないだろ。俺は帰るぞ。おいてくからな」
コンビニから竜二の一人暮らしのアパートの部屋までの道のり。歩いておよそ十分間。
それが俺たちのデートなのだ。それもこれも竜二がバイトばかりしているせいだが、
生活がかかっているのだろうから、もっと俺との時間を作ってくださいなどとは言えない。
だからこそ俺はこの数ヶ月、こうして少しでも多く一緒に過ごそうと努めている。
竜二が素っ気無いのはいつものことなので、気にせず隣に並んで歩き出す。
「……さ~むいな~ぁ。竜二。手つないでいい?」
「駄目に決まってるだろ」
その答えをきっちり聞いてから、俺は竜二の手を握る。
確認には、意味は無い。どうせ人目は無い。
「……しょうがねぇなぁ」
竜二は振りほどかない。いつものことだ。

俺は指を絡ませる。竜二の手が遠慮がちに握り返してくる。ああ、畜生。可愛い。
髪の毛はメチャクチャなカラーリング、耳と口元にピアス、重そうな金属ネックレス、
だらしない服の着方。俺とほぼ同じの身長、そのわりに痩せて骨ばった体。
一体どこが可愛いんだ。全部だ。ダメだ、なんか、俺ってこっ恥ずかしい奴かも。
「寒い寒い言ってたわりに、なんかお前手、熱くねぇ?」
「どきどきしてんだよ、竜二に」
「なんなんだよそりゃあ……」
「あー、俺、手、汗ばんできた」
「きったねぇな」
「ほっとけ。どきどきしてんだ」
「聞いたよ、それは」
「どきどきしてんだ」
「何回言う気だ。いらいらしてくるだろ。喧嘩売ってんのか」
「喧嘩か。高3の冬休み以来してないなぁ。同級のカメラ小僧殴ったきりだ。する?」
「しねぇよ」
「やだなぁ。喧嘩っつっても拳と拳じゃなくて、裸の体と体でさーぶつかり合おうよ。
なんだったら俺のパンツ見せてやるからさー」
「見たくない」
「バカ、お前、すごいから。ものっすごい際どいから。M字で開脚してやるよ」
「お前アホだろ」
「冗談の通じない子だね」
「お前の冗談は、冗談なのかどうかよく分かんねぇんだよ」
愚にもつかない話をしながら、手はしっかりと重ね合わせたままだ。
いちゃいちゃしてるなぁ、とは思う。もっとも、俺としてはもっとしても一向に構いやしない。
けれど、そんな暇も無く、竜二のアパートに着いてしまう。好きな人と過ごす十分は本当に短い。
竜二の手が俺から離れて、そのまま、犬を追い払うような仕草をした。
「はい、じゃ、帰れ」
「ひでぇな」
「どうせ俺寝るんだから、部屋入ってもつまんねぇだろ」
「寝顔見るの楽しいんじゃねぇかな」
「うるさいよ。……じゃあな」
「待て待て竜二」「んだよ」

俺に背を向けドアノブに鍵を刺し込んで回していた竜二に声を掛ける。
振り向きかけた竜二の肩に手をやり引き寄せる。
竜二が何か言い出すより先に、その口を塞いでやる。竜二はさして驚きもしなかった。いつものことだからだ。
調子に乗って舌を割り入れても大人しく受け入れられる。
そのまま壁際に追い詰めて、唇を首筋に這わせて、鎖骨に舌を這わせてから、
服の裾を捲り上げて、臍から乳首にかけて舐め回して、
……なんてことが出来りゃあいいが、せいぜい長めのキスをするだけだ。
これはオヤスミのキスでもなければバイバイのチューでもない。様子見だ。
つまり、本当にさっさと俺に帰って欲しいのか、実は部屋に上がってもいいのかの様子見だ。
何するんだよ馬鹿野郎、という反応が返ってきたらそれはイコールすぐ帰れ、という
ことになる。ちなみに今までは100%それに類することを言われていて、俺は大人しく
家路についている。つまり、まったくもって不本意ながら、最後の一線を越えていない。
ああ、俺にしては清すぎる。だけれども、諾と言わない相手を無理矢理どうこうするのは、
俺の趣味ではない。
俺は竜二の唇を舐めて離れる。名残惜しい。それは俺だけじゃないはずなのに。
「ん、よし」
「なにがよし、だ」
「気持ちいいなぁ、竜二とのちゅーは。
や、テクがどうこうじゃなくて、やっぱお前が好きだからね」
「うるさいなぁ、言うなっつーのそういうの」
「あ、なんだよ、お前。好きって言っちゃ駄目なのか。この野郎、罰としておかずにしてやる」
「それこそ言うなっつの、いちいち」
「竜二、俺のこと好き?」
「死ね」
「ええええ!?ちょっと、なにそれ、俺だけ言い損!?」
「誰も言ってくれなんて言ってない。騒ぐな、夜中だぞ」
「ちくしょう。ちゅーしてやる」
「ん、……ってお前、まだすんの?」
「あ、なんだよ、俺のこと嫌いなら避ければ?しっかり応えてくれちゃってさ」
「うるさいな、俺に触るな」
「ちぇー」

「こっち見るなよ」
「見るくらいいいだろ、別に。はい、竜二君、ちゅー。」
「……さ、触ってるじゃねぇか」
「律儀に応えてるじゃねぇか。俺の事嫌いな竜二君が俺に3回も唇を許しましたよ、この野郎。
ご馳走様でした、だ。好きじゃない男にキスさせてくれるなんて竜二君大物だネ!」
「お前、いやなやつだな」
「竜二が素直になれば、俺だって優しくなるよ。な、俺のこと好き?」
「……知らねぇよ」
あらまあ意地張っちゃって。ってちょっと待て。
会話が長引いている。キスも重ねてる。これはひょっとして部屋に上がってもいいのかだろうか。
押し倒して突っ込んで、愛してるよとか言っちゃって、くっつきあって眠ったら、腕がしびれて
目が覚める……なんてことを俺が期待してもいいということだろうか。それともそんなつもりはないのか。
今まで付き合ってきた奴らは男でも女でもはっきり、ヤろうとか抱いてとか言ってくれていたから、
正直言葉がないと判断つきかねる。
だが、俺お前とヤりたいよ、なんて竜二が言い出す日を待っていては、あと数年はお預けを食らうだろう。
そんなのは嫌だ。けれど俺が突っ走って竜二を傷つけてしまう方がもっと嫌だ。
竜二が急に黙り込んだ俺を怪訝な目で見ながら、俺が次に言う言葉を待っている。
でもそれが“じゃあな”なのか“お前の家に上がらせてくれ”なのか、
俺はこの期に及んでも分からない。
「……あー、俺、もう行くわ。じゃあ、な」
結局、無難な方を選んだ。
ヘタレ?言ってろ、恋する男をなめんなよ。
大事な人の前で臆病になるのは当然だろうが。
「……帰るのか?」
「は?」
竜二がぽつりと言った。
「……あんなキスしといて、もう、帰るのか?」
瞬間、俺は体中、熱くなる。耳も、顔も、つま先も、手も、
ああ、ひょっとしたら髪の毛一本一本さえ熱いのかもしれない。

思考停止した俺は、すぐに応えることができない。早く返事をしなければいけないのに、
俺の脳みそは言うべき言葉を口まで送ってくれない。
帰らないよ、部屋にあがらせてくれ、だ。口が動かない。
早く。言われた意味が分からないわけでも、断りたいわけでもない。早く。
俺がやっとの思いで、帰らない、のKの発音をしかけたと同時に、竜二がため息をついて、
吐き捨てるように行った。
「……なんて、冗談だ。俺は寝るから帰れ」
そんなことあるわけがない。伏目がちで、あんな呟くように冗談言ったことなんかねぇじゃねぇか。
「じゃあな、帰れよ」
竜二が玄関の戸を閉めようとする。どうしよう、どうすればいい。
このまま帰った方がいいのか。違う。それは違う。
竜二がせっかく振り絞った勇気を、俺のせいで無駄にさせてしまう。駄目だ。
俺の体が勝手に動いた。扉が閉まる寸前に手を差し入れる。
「あっ……ぶねぇな!はさむだろ、手」
「手なんかどうでもいい」
「何言ってんだ」
「帰りたくない」
「……なんなんだよ、もう、いいから帰れ」
その“帰れ”は“帰るな”ってことなんだろ。
「帰らない」
有無を言わさず俺は竜二にキスをしながら室内へと押し入る。
玄関のドアを後ろ手で閉めた。
抵抗する気なんてないんだろう?本当に帰って欲しいなら今からでも俺を殴り倒せよ。
竜二の手がわずかに動いた。けれどそれは俺を引き離すためなんかじゃない。
俺は唇を離して、息が触れ合うほどの距離で竜二に問いかける。
「なぁ、一つだけ聞かせてくんないと俺、手、出せねぇ」
反応がないので俺は勝手に言葉を続ける。俺もたいがい意地が悪い。
「竜二。俺のこと、好き?」
答えはなかった。
その代わり、ゆっくりと、竜二の両腕が俺の背中にまわされた。

……どうやら、明日の一限に、俺は出席できそうも無いようだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )オシマイ モウシマセンゴメンナサイ


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