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2001ライダー馬島→気乃

昔書いた2001年バイク乗り話が見つかったので、懐かしさのあまり投下します。
おっさんバイク乗りが死んじゃった後の、馬島青年の話。

|>PLAY ぽちっとな。

「気乃?おいっ!気乃!気乃!!」

部屋中に脚原さんの声が響いたその時、涙が一つコーヒーカップに吸い込まれていった…。

「気乃さん…」

二人きりの、静かな空間。
脚原さんは、俺に気を使って外に出て行っちゃった。
目の前には安らかな寝顔の気乃さん…。
そっと指先で、かすかに残る温もりを辿っていく。

「もう…冷たくなっちゃうんだね…」

あっけなく消えていく温もりが名残惜しくて。
少しでも長く感じていたくて。
ゆっくりと口唇を重ねた。

……コーヒーの匂いがする。

温もりと一緒に届いた…最期に気乃さんが飲んだコーヒーの匂い。
ふと頭によぎったのは、初めて気乃さんにコーヒーを出した時の事だった。

『お前の入れるコーヒーは美味いな…』

そう言って優しく微笑んでくれた気乃さんを、俺は好きになって…。
本当の事を言うと、奪われた未来も亜議都の力も俺にはどうでも良かった。
気乃さんの側にいて…ずっとこのまま二人でいられたら。
それが、たった一つの願いだったのに。

「気乃さん…」

気付けば、俺の頬は涙でぐしゃぐしゃに濡れていて。

「あ……泣いてちゃ、駄目だよね。気乃さんに笑われちゃうよね…」

袖で乱暴に涙を拭う。
そして、気乃さんが褒めてくれた笑顔を作ってみた。

『功次…』

気乃さんの最期の声が、優しく俺を抱きしめる。

「ありがとう…気乃さん」

サングラスの奥に隠していたその瞳は、俺じゃなくて“マサト”さんを見ていた事。
誰よりも近くで分かってたよ。
だから。

最期に『俺』を見てくれてありがとう。

「好きだよ、気乃さん。ずっと、気乃さんだけを見てたんだ…」

ぽろっ…。
一つ、また一つと気乃さんの頬に俺の涙がとめどなく落ちていく。

ごめんね、気乃さん。
男のくせに…って笑われてもいいんだ。
お願い、今だけ。
今だけは泣いてもいいかな…。

「気乃さんに出逢えて良かったよ。絶対に、これからも…」

気乃さんの事…気乃さんを愛した事忘れないから。
だから…。

「…っ…気乃さぁん……!!」

もう少し、このままでいさせてよ…。

□STOP
お目汚しスマソ。
エラーやらで、スムーズに投下出来なかった…。
昔書いた奴だから恥ずかしい_| ̄|○
ちなみに本命は禿刑事でしたと呟いてモルスァ。


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