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聖歌隊卒業

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  お邪魔しますモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  前スレ630-641の約1年後、一応続き
 | __________  |           |  になります。
                |             | 飴ナマモノ60年代デュオ(シ"ェリー×卜厶)です。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  萌吐きに利用させて
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )  いただいて恐縮です。
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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先日、初めて元ネタのスラコミュを発見したところ、そこの書き手が
卜厶×シ"ェリー風らしいことに衝撃を受け、自分も少しだけ試してみたいと
思いましたw。

<注意>
 知識がないくせに宗教ネタに手を出しておりますorz。スルーお願い
いたします。
 ラスト少し暗めです。

 すぐエロに走って申し訳ないです。他の投下の方々のように、エロ
なしでも雰囲気を出せればいいのですが。

 その後の1年、シ"ェリーの生活にほんの少しの変化が訪れる。
 自身の13歳での成人式以降、1年近く寄り付かなかった土曜日の礼拝に
シ"ェリーが再び通い始める。信仰心なんて欠片も持っていない彼は、
周囲の人間にその理由を正直に告げる。
「卜ミーが歌うのを聞きに行くだけだよ。パートナーだからね。」

 石と木の組合せが素晴らしい反響をつくる礼拝堂。そこでパートナーが
堅苦しい晴れ着を着込んで聖歌を歌うのを見つめる。昨年正規のカンター
(独唱者)が退職してからは、聖歌隊の中で上位の少年達が月毎に交代で
カンターを務めている。卜厶は中でもトップだ。彼がカンターの回は
出席者が2倍になっていると噂されている。彼の声は隅々まで響き渡り、
耳にした信者の老婦人達が涙を浮かべ、「天使が歌ったらああいう感じ
なんだろうね。」と囁きあう。
 彼の家族とシ"ェリーくらいしか知らないだろうが、卜厶にも信仰心はない。
彼は単に『歌うため』に礼拝に参加しているのだ。彼の顔を輝かせている
ものは宗教心による高揚ではなく、聴衆を意のままに操る、自分の声が
最適な場所で響くのを自分の耳で聞く快楽だけだ。シ"ェリーは親友が、
存在しない神の前で傲慢の罪を犯すのを見つめる。

 そしてその午後ー彼らの両親も安息日を遵守するほど敬虔ではない。
土曜日の午後は自由時間だーにはどちらかの家の無人の地下室で「遊び」、
歌の練習をする。午前中のきちんとした礼拝は遊びのための前戯だ。
安易極まりないと自己冷笑しているが、その媚薬の効果は強い。
 近所のパーティを舞台として歌うのが今のところせいぜいだとしても、
彼らはプロのデュオとして扱われるようになっている。彼らの地下室での
「セッション」には家族と言えど、他の人間が足を踏み入れるのを禁じる
こともできるようになった。
 最初にゆっくりとキスを交わし、お互いを愛撫する。

 その日、珍しく積極的に動く卜厶が嬉しくて身を任せていたシ"ェリーが
気づくと、卜厶の左手でペニスを緩く握られて、その身は壁に押し付けられて
いた。彼の両手は卜厶の右手に掴まれて胸のところで押さえ込まれ、その上
から卜厶が身体を密着させている。肩口に顔をつけられているので、
シ"ェリーからは卜厶の表情が見えない。そのこと自体が異例だ。通常、
こんな風に遊んでいる間に卜厶の頭がシ"ェリーの胸より上に来ることはない。
跪いているか、なにかに身を凭せて座っているか。シ"ェリーはその時には
彼を見下ろすのが好きだし、卜厶はシ"ェリーを喜ばせるのが好きだから。
 簡単に振りほどけると思った手が動かせないのも意外だ。体力は絶対
自分の方が上なのに。それでも上から押さえ込まれ、体重をかけられると
動かせなかった。いや、今まで彼に対して腕力に訴える必要などなかったのだ。
ちょっと誘導してやれば、シ"ェリーの望む体勢をとる。それが彼の親友、
卜厶のあるべき姿だった。

 卜厶が意外な要求を口にする。
「握っていてあげるから、自分で腰を振っていってみてよ。」
「そ…んなことはできない。」
 卜厶の顔が少し起こされ、耳に唇が近づく。彼は自分に出せる一番低い声で、
小さな声で囁く。
「できるよ。僕の口に突込んでいるときは動くじゃないか。僕が咥えているだけで、
 勝手に動いていくじゃないか。」
左手の親指がそっと伸ばされ、裏筋を撫でる。シ"ェリーは喘ぎそうになるのを
こらえて問いかける。
「今日のお前、変だぞ…。何があった? 礼拝の後、ラ匕゛になにかされたか?」
笑いにごまかそうとするが、実際に彼は礼拝後、呼び出されてラ匕゛の部屋で
10分程話していた。思い返してみると、帰り道から様子が少しおかしかったかも
しれない。少し上の空だったかもしれない。
「そうだとしたら?」
「何があったか話してみろ。」
「これが終わったらね。」
「こんなことやめて、今すぐ話せ。」

「どうしてそんなに嫌がるの? 君がいつも僕にさせていることに比べたら大した
 ことないじゃないか。僕が立っているのが気に入らない? かわいい小鬼(ノーム)。
 シ"ェリーは愕然とする。今日の卜厶は本当におかしい。背が低く(卜厶の前と
演奏中以外では)むっつりとしていることの多い自分を陰で「ノーム」と呼ぶ者
たちがいることは知っていた。気分の良いものではないが、仕方のないことだ。
ただし卜厶がそんなことを言ったことは一度たりともなかった。

「たまにはこんなのも楽しいだろ?」
卜厶が囁きかける。シ"ェリーは首を左右に振る。だが、扱かれることなく、
手の平から与えられる圧力だけをゆるゆると変化させられると、そんなことは
どうでも良くなってしまう。
「ほら、濡れてきてる。」親指がまた伸ばされ、今度は先端を撫でてぬめりを
広げる。息が乱れるのを、身体が動いてしまうのを止めることができない。
「な…なにがあった?」
「後から話すってば。…動いて。」
 手と指先のあまりに柔らかく滑らかな感触から、シ"ェリーは一瞬別のことを
考える。
(ああ卜厶卜厶おまえまたギターのれんしゅうさぼっているだろうだから
 じょうたつしないんだ) 
 その後は何も考えられない。腰を前後させ、彼の手から快感を貪る。

 達しそうになったとき、彼の手から力が抜ける。
「今腕を離しても僕を突き飛ばしたりしない? 今日は僕に付き合ってくれる?」
耳のすぐ隣で彼がそう呟いている。こいつは今日はいったい何を言い出すのだろう。
必死で頷くと、彼の右腕から身体が解放される。まだ彼の左手は緩んだままだ。

 顔を上げて、彼の視線を受け止める。彼が静かな目で見下ろしている。
「そんな…目で見るな。」

「僕は、君に必要な人間…?必要?」
「…あぁ。」
「言ってみて。」
「お前のことが必要だ。必要だよ。」
 手がまた緩く握られる。
「動かしてくれ。」何を頼んでいるかはわかっているだろうに、単に
緩やかに手の圧力が変えられる。
「…こすってくれ。」彼が微笑んで、その顔は左右にゆっくりと揺れる。
「君が動いて。ほら、将来女の子の上に乗ったら、自分で動かなきゃ
 いけないんだよ。疲れたなら、僕に凭れて。支えてあげる。」
「…まずお前に乗ってやる。お前の上で動いてやる。」
「楽しみにしているよ。」

 それからシ"ェリーは卜厶の両肩に手を置いて縋りつき、自分の腰を
動かして快感を求める。顔を見られていると思うと落ち着かないが、
もうどうでもいい。
手の中で達し、ぐったりと膝を折る。結局シ"ェリーの体重を支えきれなかった
らしい彼が身を屈めてシ"ェリーをそっと床に座らせる。卜厶が汚れた手を
ティッシュで拭う。
 隣に座った卜厶の肩に手を回し、引き寄せる。彼の方が疲れたように力なく
身を凭せかける。

 ことさら元気な声を出して問いかける。
「さあ、何があった?」
「…正式なカンターにならないかって言われた。」
「やればいいじゃないか。」15歳で任命されるのは名誉なことだ。
「ただ条件が1つあるんだ。
 …友人と組んでロックンロールを歌うなんてことはやめろって。」

「お前、それって…」
「断るなら聖歌隊を辞めるように言われた。」
「な…んだよ、それは。」
「僕は“完璧すぎる”らしいよ。」冷笑と自負が入り混じった声で、
卜厶が答える。
「僕がいると、他の隊員が萎縮するらしい。信徒達も落ち着かなくなるし。
“君たちは少年合唱団じゃない。歌はあくまでも礼拝の一環。
 歌のうまい人より、神に忠実な人にいて欲しい。
 ここはコンサートホールではないのだから。”
 そう言われたよ。カンターなら抜きん出ててもかまわない。そうでないなら、
 だめ、来るなって。」
「それで…」声が喉に詰まる。「…なんて答えたんだ?」
「来週まで考えさせて下さいって。」
「ふぅん、その場では断らなかったんだ。」自分の声が少し上擦り、
震えているのがわかる。
「…君と相談したくて。必要だって言って欲しくて。」
「相談?知らせずに、俺をいたぶって遊んだんだろう? 満足したか?
 なぁ?楽しんだか?」
 両肩を掴み、揺さぶる。彼は何も答えない。質問を変える。

「いつから入っていたんだっけ。」
「8歳の時から。彼らが僕に本当の歌い方を教えてくれたんだ。息の継ぎ方。
 音の保ち方。…それに…」
「それに?」
「あそこの反響はすばらしいんだ。歌えなくなるのはつらい…」

 あまりにも野心のないその発言を聞いて、シ"ェリーの口元が綻ぶ。彼に
腹を立てつづけるのは難しい。
「響きのいい場所なら他にもいくらでもあるだろう? 例えば…」
「例えば?」
「カーネギーホール」
 卜厶が噴き出す。その耳に口を寄せ、そっと囁く。
「冗談じゃないぞ。俺達2人はきっとそこまで行ける。」
当然だが彼は信じていないらしい、微かに笑い声をあげつつ反らされた
その首を撫でる。尖った喉仏が指に触れる。普通の男の喉だ。なぜここから
あんな音が生まれるのだろう。
「この楽器を使って、これからは俺とだけ歌うんだ。7年いたなら十分だろう?
 それに、カンターは信心深いやつじゃないと。」
「う…ん、そうだよね。」

 まだ少し迷う表情を浮かべる彼の頬を軽く手の甲で叩く。
「いいかげんにしてくれないか? 誰かを切り捨てる相談をその当人に
 持ちかけるような友人に俺はいつまで我慢すればいいんだ?」
「あ…ごめん…本当に。」
 自分の胸にその頭を抱き寄せ、もう一度耳元で話しかける。
「お前が完璧だからって難癖をつける相手なんてこっちから願い下げだろう?
 ……俺達はこれから完璧以上になるんだよ。」
「そうなるといいね。」
「いいね、じゃない。なるんだ。
 …今日はこれからどうする?なにかして欲しいことがあったら…」
シャツのボタンを外そうとする手を押さえて、卜厶が首を振って立ち上がる。
「今日はやめとく。さっき君にしたことを思うと、正直怖くて君に身を任せられない。」

「利口だな。」

「頼んでいい?
 …来週の土曜日まで、聖歌の練習に付き合ってくれる?」
「いいけど。」
「完璧すぎるってのがどういうことか、皆に見せてやりたいんだ。そして断るよ。」
卜厶が本当に楽しそうに笑う。シ"ェリーはほんの少しぞっとする。
彼が少し躊躇って続ける。
「あと、君は…僕にさせたいことはない? さっきのことのお詫びに、
 なにかして欲しいことがあったら…」

「いいよ。やめとく。ひどいことしそうだから。
 …それに、確かに楽しかったかもしれない…たまには。」
 
 その後、シ"ェリーは本当にかすかな声でこう呟く。
「…そのうち一緒に泊まることがあったら、お前を"抱く"けどね。」
 その真意を問う怪訝な視線を卜厶が投げても、答えは返ってこない。

 それから1週間、シ"ェリーは練習に付き合う。その間には、彼をカンターと
することは神意で、それを妨げると神罰が下るのではないか。と思う瞬間が
何度も訪れる。あまりにも美しい。
 それでも卜厶は満足しない。何度も何度も同じ、英語にはない発音や、
正確には2人とも意味の取れない言葉を聴かされるシ"ェリーは心底苛々する。

 翌土曜日、いつも以上にパリっとした晴れ着を着込んだ卜厶と落ち合う。
両親と兄弟と一緒だ。本心では息子に礼拝に通ったり歌を練習するよりも
勉強をして欲しい両親はおっとりと微笑んでいる。
「シ"ェリー、一度通してさらいたいから、ちょっと付き合ってくれる?」
卜厶が声をかけ、カンターのための準備室である小部屋に導く。
 取り出したハンカチを床に広げ、神経質に裾を整えながらそこに膝をつく。
あっけにとられた表情のシ"ェリーを見上げて微笑み、口を開く。
「"ノーム"、お願い、"天使"の口を汚して。」
 シ"ェリーの記憶にある限り、彼が自分を(彼に一生つきまとう形容詞である)
天使と呼んだのはこのときだけだ。稀に彼が積極的に動く度にシ"ェリーは驚き、
圧倒される。
 ファスナーを下ろし、ズボンと下着を下げる。まだ柔らかいそれを
いきなり手にとられ、口に含まれる。
 口と舌を力強く動かしていた彼は、器官が硬くなった途端一度口を離す。
「悪いけど、この後は君が動いてくれる? 今日は口を疲れさせたく
 ないから。時間がないから早く。」
 練習に付き合った今までの鬱憤を晴らすように腰を動かす。今は
いつもの午後ではない。お互いの家の一室ではない。そのことを思いながら、
自分達が礼拝堂を最悪の方法で汚していることを自覚しながら達する。
即座に卜厶が出されたものを飲み下して立ち上がる。膝の折り目を直す。
 卜厶がすぐに自分のポケットからミントキャンディを取り出して
口に入れる。キスをしてこう囁く。
「ほら、これから君と一緒に歌うんだ。完璧以上にね。」彼が笑いながら
自分の胸から腹を撫で下ろす。

 彼は信徒の声を神に届ける代弁者、カンターとしての務めを見事に果たす。
彼の声は正に別世界から、天国から響いてくるようだ。
 それを見つめながら、シ"ェリーの心は誇りと喜びと、故のない復讐心で
満たされる。卜厶はこれから自分とだけ歌うのだ。自分は彼がどれだけ完璧でも
それを認められるのだ。神なんて糞食らえ。

 礼拝の後、聖歌隊を辞めるとラ匕゛に告げてきた卜厶を抱きしめる。
――――――
 14年後、驚くべきことに彼らは実際にカーネギーホールの舞台に立っている。
舞台の中央で卜厶が、彼らの代表曲、発表から35年以上たった今日でも
古びないその曲を1人で「完璧に」歌い上げている。伴奏はギターではなく
ピアノだ。シ"ェリーが卜厶に歌わせるために書いた曲。彼の声のために
書いた曲。舞台の隅からシ"ェリーが見つめている。喝采に包まれる友人を
見つめるその表情は暗く、嫉妬心が現れている。

"俺の曲を盗んだな。それは俺が作った曲なのに、拍手されるのはお前か。"

 歌い終わってこちらを振り向く卜厶、作者としての自分に手を差し伸べる
卜厶、その顔には微笑が浮かんでいるが、シ"ェリーにはそれは冷笑と自負の
表情、かつて地下室で見た表情と重なる。
 強ばったままのシ"ェリーの表情を見て、卜厶の顔も曇る。彼の目は
こう語っている。
「それなら、下手に歌えばいいのかい? 君の作った曲を下手に歌ったら
 君は喜ぶのかい?」
 それでも2人が舞台中央に戻るときには、彼らの身体は偽りの魔法で
満たされる。舞台の上でなら、今でも一体感を味わえる。

―そう、その当時、彼らの不仲が始まったことを知る者はまだ誰もいなかった。

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 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ハキダサセテクレテアリガトウ
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