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ポルノグラフィティ 新藤×岡野

このジャンルの本スレはあるんですが、
コッソリとこちらに投下させてください。
二人組バソド・えっちな落書き(要英訳)のギター×ボーカル風味です…

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・;)エセヒロシマベン…カルクヨンデダサイ

とても気持ちの良い夢を見た。
体だけじゃなく、心もあったかくなるような。
誰かに優しく包み込まれているような。
もしかしたら母親のお腹の中なんじゃろうか、とも思った。

「……何じゃそりゃ」
目覚めるとすぐにセルフつっこみ。
三十路も突入してしばらくたっている。
なのに今さら母ちゃんの腹の中はない。
「もしかしてアイツと別れたのが結構ショックじゃったのかなぁ」
独り言をブツブツ言いながら、ベッドの脇に置いてあるはずの時計を探す。
確かロビー集合は10時だったはずだ。
小奇麗なホテルの部屋も、今はカーテンを締め切っているのでちょっぴり薄暗い。

結構伸ばした左手には何も当たらない。どうやらこっちには何もないようだ。
まだ寝ぼけたままの頭で、もう一度反対側に手を伸ばそうとした。
すると、伸ばしかけた腕に何かが当たった。
「んん?」
この感触は、何回、いや何十回も記憶にある。
ごく最近だって、目覚めると腕の中に綺麗なあの子が綺麗な寝顔でこの場所にいたんだ。

「だだだ、誰じゃっ?」

寝ぼけていた頭もすっかり覚め、ガバッと起き上がると
そこには毎日のように見ている顔がそこにはあった。
「……明人?」

そう、そこには春一がギターを担当するバンドでボーカルをつとめる明人がいた。

「ええと、ここ、どっちの部屋……」
衝撃が大きすぎて一番の問題点に触れられない。
頭の中が無駄にぐるぐると回転している。
落ち着けわし、昨日の夜を全て思い出せ!と脳みそに命令。
ちらりとベッドを見れば、明人もついさっきの自分と同じように気持ちよさそーに眠っていやがる。
ああ、本当に何があったんよ……

昨日は久しぶりの地方でのライブだった。
会場は超満員、どのファンの顔を見ても笑顔笑顔笑顔。
待たせたなー!と皆を煽る明人。
つい最近彼女と別れたばっかで、なんとなく気の抜けた生活をしていた春一も、
やっぱりライブだけは何があっても気合いが入る。というか全てをギターにぶつける。
明人も毎度のように歌詞すっとばしたりMCすべったり。
春一はやけくそになって客席にいる可愛い子に合図送りまくったり。
とにかくいいライブで、最高の気分で会場を後にした。

気が付けば打ち上げは結構すごい騒ぎになっていた。
次の日はライブがないってことで、みんなが馬鹿騒ぎしている。
春一も明人も同じく盛り上がって飲みまくっていた。
そんな中、誰かが「春一君、彼女と別れたんだってー?」なんて聞いてきやがった。
普段だったら上手い事かわしたり誤魔化したりして
かっこよくスルーできるはずなのに、酒の勢いもあってかやけに反応してしまった。
「ああそうじゃよ!あいつとは別れた!しかもわしが振られたんじゃ!」
叫ぶように言ってガッハッハ、と勢い良く笑う。
周りがえーなんでなんで?詳しく!と噛み付いてくる。
そこでも春一はやっぱりやけくそになってその時の話を大声でぶちまけた。

一通りぶちまけたところで、周囲はそりゃ春一君が悪いよいやいや彼女がちゃんと理解を……なんて
他人の恋愛について熱く語りはじめ、そこから下ネタに移りかけていた。
そして話の標的から外された春一が一息つこうと、
なんとなく視線を移すと明人が何とも言えない顔でチョビチョビ酒を飲んでいる。
嬉しそうなんだか寂しそうなんだかよくわからない表情だ。
頭がよく回らなくなった春一は、ちょっとからかってやるかーと軽い気持ちで明人に話し掛けてみた。

「明人ー、お前はどうなん?」
「えっ、な、何がよ?」
突然話し掛けられた明人は、やたら驚きながら答えた。
その反応がちょっとおもしろいなぁとも思いつつ。
「何がーじゃなくて彼女とかぁ~」
「彼女?今はおらんよ」
「え~じゃあお前もわしと同じ?別れたか?振られたか?うひゃひゃひゃ!」
「いや別にわしは……」
「そうかそうか、それ以上言わんでもええよ!思い出すと辛いじゃろう!ぐひゃひゃひゃひゃ!」
完全に春一の頭のネジはゆるゆる状態だった。
ゆるゆるすぎて、何本か無くなってしまったようだ。
「春一、お前飲み過……」
「しょうがないの~明人よ、今夜はわしが抱いちゃる!慰めてやる!」

「……こ、今夜?」

びっくりした。春一も明人もお互いにかなりびっくりしていた。
大きな目をさらに大きくさせて、明人は春一を見つめていた。
春一もなんとなくその大きな目から視線を外せなくなって、二人は意味もなく見つめ合ってしまった。

おおー相変わらず綺麗な瞳をしてらっしゃるーなんて呑気に思ったりなんかして、
なぜか二人の周りの音が一切聞こえなくなったような気がした瞬間、
「明人君、反応するところが違うよ~」
とつっこみが入った。そしてたくさんの笑い声。
「そ、そうやね、わしびっくりしすぎて間違えた!ははは」
「そうじゃ、明人ってば真顔になっとるけえ驚いたわ!」
あははははーと明らかに乾いた笑い声で誤魔化す。
それで周りのスタッフがちょっとわしらをからかったりして……それで……

「……思い出せん」
春一はベッドの上で頭を抱える。
相変わらず明人はグーグー寝ている。
あれから何があったの。わしは何で明人と寝ているの。
多分あの後しばらくしてからホテルに戻って、それでわしか明人かどっちかが部屋に来たんじゃろう。
明人なら覚えているだろうか。叩き起こして聞いてみるか。
でも、もしもわしが明人の部屋に押し掛けて、無理矢理ベッドに潜り込んだとしたら……
うおおおおお~と再び頭を抱えて唸る。
もうここが誰の部屋かすら知りたくない。
っていうか明人、そんなわしを受け入れるな!男の腕の中で大人しく寝るな!
明人に理不尽な怒りをぶつける。

ふと気付くと薄暗い部屋の中に少しだけ光るものがあった。
眠っている明人の向こう側に、最初に見ようとした時計があった。
ぼんやりと浮かぶ数字を見ると、まだ5時を過ぎたばかりだった。
集合時間まではまだまだ時間がある。
どうするか。このままこっそり部屋を抜け出して、自分か明人かはわからないけど、
どっちかの誰も居ない部屋に戻るか。そして何事もなかったかのように顔を合わせようか。
きっとこれが一番いいんだろう、と思いベッドを降りようとしたが、
ふと思い立って明人を見つめる。

そういえば、あの夢よかったなぁ……
夢なんて普段は滅多に見ないけど、あんな気持ち良いものは忘れられない。
こいつがいたから見れたのかな?なんて信じられない事を考えてしまう。
だって今こっそりと部屋に戻って一人で眠ったとしても、あんな夢は二度と見れない気がする。

うーーん、と少しだけ悩んで春一はすぐに決めた。
「ぜんぶ、酒のせいじゃ」
そう呟くと、春一は静かに再びベッドの中に潜り込む。
まだ温かいシーツがとても気持ち良い。
でもまだ何かが足りない。
眠る明人にゆっくりと体を近付ける。
ちょっと腕をまわしてみると、ちょうど良い感じになった。
ああこれこれーこれよこれーと軽く感動を覚えながら、ちょっと明人の髪の毛をいじってみる。
ちょっと痛んだ猫っ毛でこれも気持ち良い感触。春一は満足した。
これでまたあの気持ち良い夢が見れそうだ。
明人が目覚めて何かごちゃごちゃ言ってきても、ごめん酔っぱらって覚えてなーいでいいやー。
既にうとうととしてきた春一は、そのままするすると再び眠りに落ちる。

そして眠っているはずの明人の顔は、少しだけ口元に笑みが浮かんでいた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・;)ナンカヌルクテスマソ…


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