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いちご100% 外村真中 プール編

プール編

今日は地元の民営プールに皆で遊びに行く事になり、
メンバーは東城、北大路、小宮山、外村、外村妹、そして、主人公である真中。
皆が勢い良くプールへと駆け込む中、外村は、デジカメ持参でプールサイドに腰掛けている。
「今日はサイト更新の為だから俺は遊ばないの。」
と、外村は言ってたので、
真中も外村の邪魔はしないように少し離れた場所でお菓子を食べていた。
外村は、真中にはそう言い訳したのだが、本当の所は、東城と北大路の写真はほんの一握りだけで、
そのデジカメに撮影されている大部分は真中映像で埋め尽くされていた。
数十分たった頃、ニヤけた小宮山が背後から外村に近づいてきた。
「なあ、外村~。そのデジカメの中に写ってる素敵な女の子達拝ま・・・・」
小宮山はそれ以上の言葉を出す事が出来なくなってしまった。
原因は、外村が撮っているのが女の子では無く、長年の友である真中だったから。
「あー・・・見ちゃったか・・・。」
外村はそう言いながらもあまり驚いてはいない様子で、
「おい、そ・・・外村?おまえ女の子を撮ってたんじゃ・・・」
恐る恐るたずねる小宮山に対し、
「女の子も撮ったよ~。ただ、真中のは俺の趣味。」
と、恋する乙女のような眼差し(髪で顔は隠れているが小宮山にはそう見えた)で外村は答えた。
小宮山はあっさりと答えられ、頭が真っ白になり、その場で硬直してしまっていたのだが、

「外村ー。小宮山ー。何見てんだ?俺にも見せてくれよー。」
そう言いながら、お菓子を食べるのに飽きた真中が近づくと同時に目を覚ました。
「こ、これはおまえには見せる事は出来ねぇよ!!」
そう叫びながらプールサイド上で不毛な戦いが繰り広げられていた。
外村のデジカメを見ようとする真中を必死になって抑える小宮山。
ハタから見たらかなり滑稽な姿であったに違いない。
小宮山がようやく真中から離れてデジカメを隠し持ったまま離れた瞬間、
急に背後から蹴りを入れられ、外村と真中がプールの中へと沈んでいった。

蹴った本人は北大路で、外村がデジカメで東城と自分を盗み撮りしてると勘違いし、
怒りにまかせて蹴り落としてしまったのだ。
小宮山はなんとか避ける事が出来、デジカメ共々水に濡れるのは防がれた。

一方、水の中に沈みこんだ二人は、水深がかなり深い為、まだ沈んだまま。
水の中では、外村と真中がほぼ抱き合う形に近い状態になってしまった。
真中は自分が泳げない事も忘れ、水の中で、少し見惚れていた。
普段髪で隠れている外村の顔が全て見えている状態で、
凄く・・・凄く澄んだ綺麗な目で、こちらをじっと眺めている。
水の中で苦しい筈なのに、全く苦しさを感じない。
外村はしばらく真中の顔を見つめ、微笑んだかと思うと、顔を近づけ、

真中の唇に外村の唇が触れた・・・ような気がした。

それは、ほんの一瞬の出来事で、軽く触れただけなのに、
かなりの時間触れ合ったような気分になってしまった。
突然の事で、なぜ外村が急にこんな事をしたのか理解出来ず、
顔が赤味を帯びてきたのが分かったが、頭の中はパニック状態になっていた。
外村は顔を離した後、指で真中の胸元をなぞった。
真中はそんな外村の姿を見つめたまま、記憶が途絶え、瞼を閉じた。
次に目を覚ました時には、プールサイドに寝た状態で、
小宮山、東城、北大路、そしてなぜかバスタオルで顔を隠している外村と外村の妹が心配そうに覗きこんでいた。

「俺・・・何でここで寝てんの?プールで遊んでたハズなのに。」

そう皆に尋ねた姿を見て、なぜか残念そうな外村が、なぜこうなったのかを説明してくれた。
どうやら、北大路に蹴られて水の中に落ちて気を失ったらしい。
北大路は真中が泳げない事実を知らなかったとはいえ、自分の行為に深く反省し、
必死になって何度も謝り倒していた為、、真中も記憶に無いのでもういいよと言いながら、
プールでの遊びを終わる事にした。

更衣室で着替えながら、真中は唇にわずかに残る感触が何なのか疑問を抱いていた。
指とはまた違った柔らかい感触が一体何なのか、今ではもう分かる術は無い。
「真中~、用意出来たんならもう帰ろうぜ。」
小宮山が更衣室の出口で呼んでいるので、考えるのを取りやめる事にした。
出口を出た時に外村に肩の付近を触られた時、なぜか胸の鼓動が大きく揺れた。

この小さな揺れは何なのか、今の真中には分からないまま、
外村は外村で真中の顔を直視出来ず、あさっての方向を眺め、
小宮山は外村の趣味が理解に苦しむらしく苦味を帯びた顔のまま、
外村の妹を除いた女性陣はそんな男達の表情を不思議がりながら、
その場で解散する事にした。

「お兄ちゃん・・・顔に出てる。」
外村兄妹は互いに何も語らず歩いていたのだが、沈黙に耐え切れずに口を開いたのは妹の方だった。
「え?何が?」
外村ははぐらかそうとしたが、妹には全て見透かされていたらしい。
「水の中に沈んだ時に何かしたんでしょ?すっごい嬉しそうなんだもん。今も気持ち悪いくらいニヤけてるし。」
妹は、気絶した真中を水から引きずり出した後、寝ている真中を愛しそうに見る兄の姿を見、
更に、真中が目覚める直前、その顔を隠す為にバスタオルを顔に羽織っていた為、
兄の真中への気持ちに気づいたらしい。
バレているのなら協力してもらうのに越した事は無いので、
「今度は皆で温泉に行きたいから・・・協力よろしく。」
そう妹に告げた後、デジカメでプールと更衣室で撮った真中の姿を嬉しそうに眺める兄を見て、
妹は逆らうだけ無駄だろうと感じ、あきれた顔で承諾した。

温泉に行ったら何をして真中に接近しようかと一人ニヤける外村。
「今度は、記憶がハッキリした中で真中と・・・楽しみだな~」
そんな兄の姿を見て、一人ため息をつく妹の姿があった。

プール編END


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