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モララーのビデオ棚 in 801板 3.1

1 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 20:16 ID:jmgflzvr
モララーの秘蔵している映像を鑑賞する場です。
なにしろモララーのコレクションなので何でもありに決まっています。


   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   すごいのが入ったんだけど‥‥みる?
   |[][][]__\______  ___________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |      |/
    |[][][][][][][]//||  |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) _
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ| |
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | |  ̄
                    (__)_)


前スレ モララーのビデオ棚in801板3
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/801/1086411533/
ローカルルールの説明、およびテンプレは>>2-6のあたり

保管サイト(お絵描き掲示板・うpろだ有)
http://fire.prohosting.com/moravide/

2 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 20:17 ID:jmgflzvr
1.ノンジャンルのネタ発表の場です
書き込むネタはノンジャンル。
スレ違い/板違い/鯖違い/メディア違い問わず、ネタであれば何でもあり。
たとえばこんなときにどうぞ。

  どこに投稿すればいいのかわからない‥‥
   ・ネタを作ってはみたが投稿すべき既存のスレが無い。
   ・投稿すべきスレがあるのかもしれないけど、よくわかんない。
   ・クロスオーバーのつもりなのだが各スレ住人にウザがられた。
   ・みんなの反応を見たうえでスレ立てるべきかどうか判断したい。

  投稿すべきスレはあるが‥‥
   ・キャラの設定を間違えて作ったので本スレに貼れない。
   ・種々の理由で、投稿すると本スレが荒れそう。
   ・本スレに貼る前にあらかじめ他人の反応を知って推敲したい。
   ・本スレは終了した。でも続編を自分で立てる気がない。

  ヘタレなので‥‥
   ・我ながらつまらないネタなので貼るのが躊躇われる。
   ・作り出してはみたものの途中で挫折した。誰か続きおながい!

迷ったときはこのスレに投稿してね。
ただ、本来投稿すべきと思うスレがある場合は
それがどのスレで(ヒントで充分)、しかしなぜこのスレに貼ったのか、
という簡単なコメントがあるとよい。無いとカオスすぎるからね。

それと、ナマモノネタには伏せ字か当て字を推奨。

3 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 20:17 ID:Singl5h7
2.ネタ以外の書き込みは厳禁!
つまりこのスレの書き込みは全てがネタ。
ストーリーAAであろうが一発ネタであろうが
一見退屈な感想レスに見えようが
コピペの練習・煽り・議論レスに見えようが、
それらは全てネタ。
ネタにマジレスはカコワルイぞ。
そしてネタ提供者にはできるだけ感謝しよう。

  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  | ネタの体裁をとっていないラッシュフィルムは
  | いずれ僕が編集して1本のネタにするかもね!
  \                           | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                               | | [][] PAUSE
                ∧_∧         | |
          ┌┬―( ・∀・ )┐ ピッ      | |
          | |,,  (    つ◇       | |
          | ||―(_ ┐┐―||        |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

4 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 20:18 ID:jmgflzvr
3.ネタはネタ用テンプレで囲うのがベター。
別に義務ではないけどね。
とりあえず用意したテンプレ。

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

5 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 20:19 ID:Singl5h7
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 僕のコレクションに含まれてるのは、ざっと挙げただけでも
 |
 | ・映画、Vシネマ、OVA、エロビデオとかの一般向けビデオ
 | ・僕が録画した(またはリアルタイムな)TV放送
 | ・裏モノ、盗撮などのおおっぴらに公開できない映像
 | ・個人が撮影した退屈な記録映像、単なるメモ
 | ・紙メディアからスキャニングによって電子化された画像
 | ・煽りや荒らしコピペのサンプル映像
 | ・意味不明、出所不明な映像の切れ端
 \___  _____________________
       |/
     ∧_∧
 _ ( ・∀・ )
 |l8|と     つ◎
  ̄ | | |
    (__)_)
       |\
 / ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | 媒体も
 | 8mmフィルム、VCR、LD、ビデオCD、DVD、‥‥などなど
 | 古今東西のあらゆるメディアを網羅してるよ。
 \_________________________

6 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 20:19 ID:jmgflzvr
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   じゃ、そろそろ楽しもうか。
   |[][][]__\______  _________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || |       |/
    |[][][][][][][]//|| |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ || | ( ・∀・ )
   |[][][][][][][][]_||/ (     )
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | | |
              (__)_)

7 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 21:26 ID:4aR1unw9
>1


8 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 22:44 ID:WRJ+gKsI
>>1
(乙とか)そういう気持ちはないんですよ。

9 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 22:59 ID:5MweOKCC
>>1
乙。そして保守。

10 名前:風と木の名無しさん:04/07/22 23:17 ID:di3fvxec
>1
乙です。
投下したいネタはあれど、まだ書きあがってない……on_

11 名前:風と木の名無しさん:04/07/23 02:56 ID:Yii/t2GI
>>1
乙コールだけですみません。
いつか利用させてもらいたいので保守。

12 名前:風と木の名無しさん:04/07/23 07:32 ID:90peq/qX
落ちちゃってたのか。モツカリー>>1


何か読めますように祈願
(屮゚Д゚)屮 カモーン  щ(゚Д゚щ)カモンッ

13 名前:風と木の名無しさん:04/07/23 13:29 ID:TpOusprQ
AA長編板のビデオ棚のテンプレに新しいのがあった。ここでも使えるかな?

テンプレ2。
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |            ┌^──────────────
  └──────│たまには みんなと一緒に見るよ
                └──────────────
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   
                 ピッ ∧_∧  
                ◇,,(∀・  ) ヤッパリ ヒトリデコソーリミルヨ
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘

14 名前:風と木の名無しさん:04/07/23 13:33 ID:RmcMbLEs
モツカレー( ´∀`)σ)Д`)

15 名前:風と木の名無しさん:04/07/23 14:39 ID:B4ziQyME
>1乙。
投下するネタもないのでマターリ保守。
新作щ(゚Д゚щ)カモーン

16 名前:風と木の名無しさん:04/07/23 17:17 ID:Yhx5bcW6
ホスホス
>1さん乙です〜

17 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 02:26 ID:8X78MeDu
おつかれ。ほしゅほしゅ。

18 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 02:51 ID:QwWOCxXh
寝るまえのひとほしゅ。

19 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 03:57 ID:Vpo0JhT+
>1乙そしてホシュ

20 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 10:04 ID:Q2nUkvJZ
ホシュ

21 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 12:09 ID:WsQMn2Jb
ホシュ&気付いてない方のためにage

22 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 13:49 ID:ACbanLxp
ホシュ

23 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 14:18 ID:2PKM6b3N
いまチマチマ萌え文書いてるから待っててねホシュ
ハラシマ頑張ってる姐さんたちに代わって頑張るよー

24 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 17:59 ID:JWmJ8BbZ
>>1
乙です。
モララーのコレクション楽しみ。

25 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 20:54 ID:sQ9EXC9i
ホシュ
>>23姐さんがんがってー

26 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 21:35 ID:cvw/i+ww
( ゚д゚)ホシュィ

27 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 22:13 ID:1Q7sBR+R
30までもう少し
ホッシュホッシュ

28 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 22:31 ID:G5EGALVQ
>>23
応援ホシュ!!

29 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 22:37 ID:eoIQP/j2
あとちょっとだがんばろうホシュ

30 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 22:38 ID:am5M14DK
>>999
でたらめを言うな。あてずっぽうで答えるな。


そして1000は俺の物だー!



31 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 22:42 ID:am5M14DK
ごめん…思いっきり誤爆。

32 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 23:08 ID:9AAFoMNb
おかげで30レス越えたからいいよ(´∀`)

33 名前:風と木の名無しさん:04/07/24 23:10 ID:WC9PzZSq
>>31
タチャバラサンかw

34 名前:風と木の名無しさん:04/07/25 05:56 ID:n8+oHQKi
楽しい30ゲットだw
>>23姐さん待ってるよー

35 名前:風と木の名無しさん:04/07/25 08:15 ID:SjNP4Vvl
普段はゴバーク気にしないけど、姐さん無事1000ゲトできたのかと
どこの板の何スレなのかが禿げしく気になるw

36 名前:風と木の名無しさん:04/07/25 16:52 ID:r5cASOV1
投稿期待age (゚д゚) in my heart only...

37 名前:風と木の名無しさん:04/07/25 23:24 ID:4MBsWMkS

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   |  新スレ一作目モナ。
                   |  20数年前の時代劇「新/必/殺/仕/事/人」
                   |  三味線屋×錺職人モナ
                   |  
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  初っ端からマイナーだよねー
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

※本編#33の脳内アナザーストーリーです。
  本来は、風邪気味の錺職人が橋から落っこち、母親ほどの年齢の女性に助けられる話です。

※レス頂いた>25>28>34さん有り難う。>23です。
  お待たせした上ドマイナーですみません

38 名前:三味線屋×錺職人 1/7:04/07/25 23:26 ID:4MBsWMkS
「買ってくれなきゃ、死んでやるから!」
その夜鷹の言葉を本気にしたわけじゃなかったが、体が勝手に動いていた。
いや、むしろ熱で制御が利いていなかったのかもしれない。ふらついた体勢を
立て直す間もなく、ヒデの身体は真っ暗な水へ放り出された。


日もすっかり落ち、川縁の涼やかな風が心地よい。
有事は振舞われた酒の余韻を楽しみつつ、帰途についていた。
今夜の稽古の相手は商家の年若い妻。いまだ瑞々しい肢体を上質の着物に包み、
念入りに、しかし過剰にならぬよう施された化粧の香りを纏わせていた。
年の離れた亭主より、この師匠のほうによほど気持ちを向けているようで、
盛んに艶やかな視線を送ってくる。
しかし他人の持ち物に手を出すほど馬鹿ではないし、何よりそこまで女に不自由もしていない。
いつものごとく障りのない範囲で受け流し、家を後にしたのだった。
そんなつれない態度でありながら女の数は減るどころか増すばかり。
色男とは得なものである。それを充分に心得ているほうも始末が悪いが。

39 名前:三味線屋×錺職人 2/7:04/07/25 23:28 ID:4MBsWMkS
  橋を渡りかけて、有事はふと足を止めた。耳慣れた水音がいつもと違う。
何かにぶつかって流れが乱れている。石ころの類いではなく、もっと大きなもののようだ。
土佐ヱ門かと橋から見下ろせば、果たして川岸に打ち上げられた人影が目に飛び込んだ。
しかも、細身の体躯には不吉な見覚えがある。
「おい、お前ェ…」
一瞬で駆け下りた砂利の上に横たわるのは、間違いなく下谷の錺職人だ。
氷のような身体を抱え起こすと僅かに呻きが漏れる。息のあることを確認し
素早く検分するが、どこにも傷はない。
「ヒデ、おいヒデ!」
頬を軽く叩き名を呼んでも、苦しげな呻きが上がるばかり。
ここからヒデの長屋まででは距離がありすぎる。有事は迷いなく自分の家へ足を向けた。
大の男を片手で吊り上げる有事に、ヒデの痩身を抱えるなど造作もない。

 ぐっしょり濡れた身体は激しく震え、歯がかちかちと鳴る音が耳につく。
不規則に吐き出される息は熱く、触れた額は皮膚一枚の下に猛烈な熱を孕んでいた。
素早く絣を脱がせ腹掛と股引を剥ぎ取る。布団でしっかりとくるみ寝かしつけると、
買い置きしてあった薬を取りに部屋を出た。
 お互い裏稼業に身を置く者、死んでいるかのようなヒデを見た時は背中に冷たいものが走った。
しかし川の周囲にも、ここまで運ぶ道程にも尾行らしき気配はなく、ヒデ自身にも攻撃された痕跡はない。
ひとまず安心すると同時に、世話の焼ける奴だとため息が漏れた。
 よく効くという謳い文句の粉薬は、一見しただけで苦味を覚えそうな色をしている。
湯に溶かした状態を見ても、おとなしく飲もうとは思えない代物を手に、
有事は取り合えずヒデの身を起こさせる。荒い息遣いに眉をひそめながら口許へ運んでやるが、
一口含んだものの激しく咳込んで受け付けようとしない。
「おいヒデ、これ飲まねえと楽にゃなれねえんだ、ほれ」
辛抱強く促して少しばかりの薬を嚥下したのを見届けると、再びヒデを横たわらせた。


40 名前:三味線屋×錺職人 3/7:04/07/25 23:30 ID:4MBsWMkS
 その後しばらくの間、ヒデの身体は盛んに寝返りを打ち、背中を折り曲げて苦しげに
咳を繰り返していた。有事には背中を擦ってやるくらいしか出来なかったが、
細身ゆえにひどく痛々しく映り、結局丑三つ時を過ぎても眠る気になれないままでいた。
今はようやく咳もやみ、落ち着きを取り戻している。明日の店の仕事も考え、
有事はもういちど具合を見ておこうと立ち上がった。
  しんと静まった空気の中に規則正しい呼吸が聞こえる。よく眠っているようだ。
熱の具合を確認しようとして、ふと寝顔に目が止まる。
(前から思ってたが、良く出来たツラだぜ)
むっつりした表情のことが多いものの、こうしていれば見事に整った顔立ちをしている。
年のわりにあどけなく見えるのは、あの大きな目のせいだろう。
まだまだ手ぇ焼かせやがる、と何時だったか主水が苦笑まじりに呟いたことがあった。
裏の世界を知り尽くしているだろうあの男が、穏やかな、いっそ愛しげな表情を覗かせた。
意外でもあり、どこか頷ける部分もあった。

そして、今は閉じられているその目が、この上なく冷たい炎を宿す夜があることを
自分を含め数人だけが知っている。


41 名前:三味線屋×錺職人 4/7:04/07/25 23:34 ID:4MBsWMkS
「…ぅ…」
「ヒデ?」
かすかな声に顔を寄せようとしたとき、突然ヒデの半身がばねじかけのように跳ね上がり、
有事の胸に飛び込んだ。
「おぉ!? おい、ヒデ!」
背中にがっちりと腕をまわしてしがみ付く身体から、未だわずかな震えが伝わってくる。
「ヒデ、おい寝惚けてんじゃねえ。離さねえか、こら」
病人に手荒くするわけにもいかず、肩をはたいて宥めてみるが離そうとしない。
有事の声が聞こえている様子もなく、幼子のように齧りついている。
「おーい、ヒデよぉ…」
何かを手繰り寄せたいのか、両手が背中の布を何度も握りしめる。
いま自分が捕らえている相手が誰なのかもわかってはいまい。
「参ったな…」
冷えた身体を温めるには人肌を合わせるのが一番というが、女の身体ならともかく
男など御免こうむりたい。しかし、峠を越したのは素人目にも明らかだ。
後はとにかく休養させるべきであって───
「…勘弁してくれ」
おりくの不在がこんなに有り難く思えたことはない。有事は腹を決め、ヒデを抱えたまま
布団を被った。長身の男二人には狭くて当然だが、なるたけ冷気が入らぬよう
気遣いながらヒデを抱き寄せる。ごく自然に擦り寄ってくる身体に苦笑しつつ、枕に頭を乗せた。

42 名前:三味線屋×錺職人 5/7:04/07/25 23:36 ID:4MBsWMkS
 雀が鳴いている。柔らかい光が差し込むのを感じる。
うとうとまどろんでいた有事は、胸元で身じろぎする気配に目を開けた。
とうとう一晩添い寝してしまった。こうなったらネタにして笑ってやるしかない。
「ん……」
有事はどうやら目覚めそうなヒデをじっと見つめた。相変わらずしっかり抱きついたままのヒデが
どんな反応を返すか。それこそ飛び上がって自分から離れるだろう光景が想像できる。
元からでかい目をいっぱいに見開いて、回らない口で罵詈雑言を並べるか、それも出来ずに
ただ呆然と自分を見つめるか。
「…う…」
ゆっくりと癖っ毛の頭がこちらを向いた。瞼が半分ほど開いて自分を映している。
有事はことさらにニヤニヤ笑いを浮かべ、ヒデの表情を観察した。
しかし、思ったような反応はいつまで経っても返らず、ぼんやりと焦点の合わない目で見上げている。
「…ヒデ?」
拍子抜けした有事が少々間抜けな声で呼んだとき、ヒデの乾いた唇がわずかに動いた。
「………」
蚊の鳴くようなちいさな言葉に、今度こそ有事は硬直した。ヒデは目を伏せ、再びもそもそと
有事の懐に収まる。ほどなく穏やかな寝息が上がった。

「馬鹿野郎。こんなでけぇガキがいるほど老けこんじゃいねえよ」
らしくなく上擦った呟きに、有事は小さく舌打ちをした。

43 名前:三味線屋×錺職人 6/7:04/07/25 23:39 ID:4MBsWMkS
それからヒデが完全に目を覚ましたときには、日はすっかり昇っていた。見慣れない部屋を
きょろきょろ見渡しながら、だるい頭を振ってみる。
主/水と釣りをしてて釣果を譲って、日が落ちて帰り道に夜鷹に囲まれて…
「おう、目ぇ覚めたかい」
掛けられた声にぽかんと目を見開く。それを面白そうに眺めながら、有事はひょいと額に触れた。
「まあだ熱あるな。きっちり下がるまで出歩かねえほうがいい」
一足遅れて事態を飲み込んだらしいヒデは、ばつが悪そうにぼそりと尋ねた。
「俺… 落ちたんだよな」
「だろうな。俺が見つけなきゃお前ェさん、いまごろ本物の土佐ヱ門だったぜ」
おそらく有事のものであろう寝巻きを着ていることに気付き、ヒデはますます小さくなりながら
見上げてくる。
「あんた、ずっと…」
「おうよ」
大変だったぜと大仰に言われ、困ったように眉を寄せる。
「すまねえ…世話かけたみてえだ」
「猫でも助けようとして落ちたか?それとも女に引っぱたかれたか」
わざとからかうような口調にムキになるかと思えば、ヒデはまだもじもじと襟元をいじっている。
初めて目にする様子が微笑ましく、有事はつつくのをやめた。すぐに帰ると言い張るヒデを宥め、
食事を取っていけと引き止めた。
「うちへ帰ぇっても飯作れるわけじゃねえだろ。加/代に頼むか?」
「御免だ。恩を売られて金取られる」
「…だな」
大したものはできねえぞと言いながらも、有事は楽しげに土間に降りた。

44 名前:三味線屋×錺職人 7/7:04/07/25 23:41 ID:4MBsWMkS
小さな騒動から二日後、開店前の張替え処にヒデの姿があった。
「おう、もういいのかい」
「ああ」
照れくさそうに頷く。差し出す包みの中には、洗濯して返すと言って持ち帰った寝巻きと、
小さく畳まれた懐紙。
「これ、この間の礼」
「あ?」
開いてみれば、細かな彫りの施された玉簪がひとつ。
「お弟子の姉さんか誰か、あんたなら相手いくらでもいるだろ」
よく聞けば随分な言い草だが、本人に他意はない。
「俺ぁ、それしか出来ねえからよ」
「何言ってやがる、誰にもやれることじゃねえだろう」
江戸一番と謳われる腕は伊達ではない。確かに欲しがる女は両手の数を超えそうだ。
「ほう、流石だな。こいつぁ見事だ」
じっくり眺めながら素直な感想を述べると、ヒデははにかむような笑顔を見せた。
(いつもそうしてりゃいいのによ)
それが出来ない事情を充分に知りながら、有事は知らずそんなことを考えた。
因果な稼業になど縁がなければ、こいつはこうして美しいものを作って人を喜ばせられる。
「ありがたく受け取っとくが、これのために夜なべしたんじゃあるめえな。
 まだ幾らも日は経ってねえぞ?」
「いや、もう何ともねえから。取っといてくれよ」
もう一度「すまなかったな」と言い置き、ヒデは小走りに店から去っていった。
それを見送り、もう一度手の中の簪に目を落とす。
「あのご新造さんに似合うかもしれねえな」
あの晩、あの時間に橋を通ったのは、あの商家の妻の持て成しを受けていたがためだ。
本人にそんなつもりはないだろうが、一応の恩人ではあるかもしれない。
くるくると簪を指先で回しながら、ふと有事は呟いた。
「あいつにいつか、酒飲ませてみるか」
子供ではないのだからそれなりに飲むだろうが、許容量を超えたらどうなるだろう。
泣き上戸か、愚痴を並べるか、それとも、先程のようなはにかんだ顔がもう少し見られるだろうか。
「犬っころみてえな奴だぜ、まったく」
有事は悪戯を仕掛ける計画を密かに練りながら、いつものように涼しげな表情で仕事に取り掛かった。

45 名前:風と木の名無しさん:04/07/25 23:45 ID:4MBsWMkS

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  エロもなくヌルいモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  もっと修行を積めって感じだね。
 | |                | |            \
 | | |> STOP.      | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

書き込んでから気付きました。
ハ丁堀の名前を一部伏せ忘れました…_| ̄|○ ゴカンベンヲ

46 名前:風と木の名無しさん:04/07/26 00:36 ID:LQm0vTKS
>37-45
禿しく萌えました(゚д゚)ウマ-

47 名前:風と木の名無しさん:04/07/26 01:19 ID:piEULBZr
>37-45
添い寝ハゲモエですた!!(*゚∀゚)=3

48 名前:風と木の名無しさん:04/07/26 01:24 ID:CXP7eoox

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  前スレ>>278の続きモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  引っぱり過ぎとちゃうんかい。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 仕/事/人ウマー。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


49 名前:郷実×材前1:04/07/26 01:25 ID:CXP7eoox
「俺は負けない。絶対に負けない」
通話を切って、自分の荒げた声に驚いた。
背中を汗がつたった。負けるはずが無い。
「お前は本当に馬鹿な……」
あの夜。郷実の目は完全に材前の存在を軽蔑しきっていた。
哀れな者を見るような眼差し。
その目が不愉快で逆に自分の不様な体を曝した。
こんな疲れた中年の肌にお前は欲情していたのだ。
あの優しい男は傷ついたに違いない。こんな僕を見たくはなかったに違いない。
「最低だな」
なんだか全てがどうでもよかった。
頭を振って白衣に袖を通す。

私は負けてはいけない。何故だ?
大学病院が一市民に負けるなどあってはならないから。
私は絶対に負けてはいけない存在なのだ。

「材前教授と争いたいとしたら、それは永遠に治療の現場でありたいと思っています」

いつまでもリフレインする郷実の声。哀れな男はお前だ、郷実。

******************************

朝起きる。部屋には他の気配はない。妻は息子を連れて出て行ってしまった。
郷実は溜息をついて、箪笥からシャツを引っ張り出した。
乱暴に袖を通し、ボタンを嵌める。そしてふと、手が止まる。
あの男の頬を伝った涙を思い出した。無気力なただの温かい水だった。
「それは永遠に治療の現場でありたい……か」
じゃあ、なぜ材前を抱いた。
獣のようにねじ伏せて、強引に体を開かせて、失神するまで責め立てた。
自分の肉体で材前の柔らかい部分を突いて泣き声を聞きたかったのか。
初めて材前を抱いた夜、あの男の瞳は確かに俺を許していた。

50 名前:郷実×材前2:04/07/26 01:26 ID:CXP7eoox
「結局、材前先生の勝利か……」
廊下のソファにどちらからともなく座ると、話題は裁判のことになってしまう。
深夜の病棟は音もなく静まり返っている。
「おい、お前死神みたいな顔になってるぞ」
武内が茶化すようにコーヒーの缶で楊原の頭を小突いた。
「そういうお前は飄々とした顔して。郷実先生とばされちゃうんだぞ」
楊原の厳しい声に武内は小さく笑った。
「もう俺なんか麻痺してきた。いちいち考えてたら止まっちまう」
どーでもいい。そう呟くと立ち上がった。
「無理するなよ、声が震えてる」
「お前にだけは心配されたくないね」
二人は笑いあった。空虚な響きが暗闇に溶けた。

郷実は研究を取り上げられ、追い出されるように大学を去って行った。
深夜、材前は第一内科の研究室を訪れ、無造作に置かれた郷実のIDカードを見つめた。
馬鹿な男は、私と真正面から向き合い、対話し、全てを失った。
真正面から覗き込んだ僕の目はどこまでも空虚で、あいつは愛想をつかしただろう。
愛されて…いたのだろうか。一瞬であっても。
病院を出て待たせてある車のほうへ向かう。
遠くの曲り角から見なれた長身のシルエットが現われた。
材前は小さく笑った。こんな偶然、あるだろうか。これ以上傷つけと。
郷実も材前に気付いたようだ。眉をひそめ近付いてくる。

51 名前:郷実×材前3:04/07/26 01:27 ID:CXP7eoox
「こんな時間になんの用だ?」
材前の問いかけを無視して歩き出そうとした郷実だったが歩を止めて振り返った。
「ああ、レポートを…。アドバイスを頼まれていた局員のレポートを見るのを忘れていたんだ」
「そのためにわざわざ?」
「ああ」
何故、笑う?郷実は心外なように尋ねた。
「いや、実に君らしいと思ってね。…今さらだと、僕は思うが」
ガラス玉のように感情のこもっていない郷実の目が材前をちらりと見、また歩き出した。
材前は訳の解らない切迫感に追い立てられるように声をあげた。
「郷実!」
郷実は振り向かない。
「多分、会うこともないだろうな、僕達は」
「そうだな」硬い声が返ってくる。
「しかし、君が医師を続ける限り、また僕達は顔をあわせるよ」
「今は…考えたくない」
背中越しの冷たい声だった。
「君のいない世界にいきたい。もう…疲れたよ。自分にも、君にも」
わかっていた答えだが、図々しくもショックを受けていた。
材前は指先が震えるのを止められなかった。
「そうか、君は僕に死んでくれと思ってるんだな」
我ながら馬鹿なことを口走っている。こんなに自分という人間は卑屈になってしまうのか。
郷実は振り向かなかった。
当たり前だろう。こんな男の顔は、誰も見たくない筈だ。

52 名前:郷実×材前3:04/07/26 01:29 ID:CXP7eoox
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ S全開にナッテマイリマシタ。スマソ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

53 名前:風と木の名無しさん:04/07/26 02:20 ID:5eUfMBib
>>48-52
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
あああ二人には幸せになってほしい・・・

54 名前:風と木の名無しさん:04/07/26 10:10 ID:0cpITr9Q
>37-45
うわああ人生で最初にはまったカプをよもや今更見られるなんてっ…!
姐さん続き!続きを!!もうなんでもするから続き書いて下さいー!

55 名前:風と木の名無しさん:04/07/26 21:20 ID:/oiIvrBk
>>48-52
どんどん切なくなってくるよぉ・・・。
姉さんGJGJGJ。

56 名前:風と木の名無しさん:04/07/26 22:54 ID:KAx8lBjk
>>48-52
もももももも萌え…!!
さいこうです、ごろう!!せつねぇよー!聡美!

57 名前:風と木の名無しさん:04/07/27 00:09 ID:67I0R02D
>>37-45
こ、このカプをいまさら(すみません)新作で読めるなんて。
このスレチェックしててよかったよぉ。
GJです姐さん!!


58 名前:風と木の名無しさん:04/07/27 02:57 ID:WPogTTIa
>>37-45
仕/事/人姐さんGJ!イイ仕事してますね〜。
涼しげな顔で次の悪戯を仕組むラストにハァハァです…!
添い寝も激萌えでした!!

>>48-52
郷剤ネ甲いらっしゃっタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
切ねぇ切ねぇ切ねぇ!!剤然も怪しいですが郷実先生がブッ壊れ気味なのがまた…。
二人、本当に死にそうな勢いですね。次も楽しみにしてます!

59 名前:風と木の名無しさん:04/07/27 15:14 ID:lyyISlKj
時代劇スレから誘導されてきましたハァハァ…
萌えもさることながら文章ウマー!その筋の方ですか…!

60 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 02:03 ID:x6JSRsfB

失礼します。ちょっとばかり、お借り致します。
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 先日の弐七次官テレビでの、
                    |  差座絵サン設定モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  探偵×獣医…でもナマモノだよね
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ビクビク
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




61 名前:探偵×獣医1/5:04/07/28 02:03 ID:x6JSRsfB

どろどろに溶けた何かの中に浸っているような、そんな感覚だった。
意識がじわじわ浮上して、現実と脳内の境目がくっきりする。
「……?」
初めに感じたのは冷たさで、次にきつめの重力。
麻痺したような頭には、正面奥にあるそれが天井なのか、床なのか、壁なのか、
判らなかった。
「お目覚めですかー」
掠れ気味の声が降ってきて、視界には見覚えのある顔。
「な、ん……?」
頭が揺さ振られるようにぐらついて、油断すると白目を剥きそうになる。息を吸う。
喉が甲高くひゅう、と鳴って、額から冷たい感覚がずり落ちてきた。
「熱射病」
言葉と共に伸びてきた手が、こめかみを濡らすそれを取って、再び額にのせ直す。
「もう若ないねぇ」
笑いの形に歪む口元。ぼやけたままの頭でその形を辿る。流れ落ちる汗だかなん
だか判らないものが、目に入って、だんだんと覚醒する。
足を動かすと、弾力のある何かと擦れて音がした。汗でぬめる。皮の感触。
「ここ、……何?」
「僕の事務所ね。民家の前でぶっ倒れた人、放っとく訳にもいかんでしょ」
きちきちと硬い音がして、半端に古い型の扇風機が、こちら向きに固定される。
腕を動かすとまた同じ弾力に跳ね返されて、ようやくここがソファの上なのだと気
付いた。



62 名前:探偵×獣医2/5:04/07/28 02:04 ID:x6JSRsfB

「倒れた、て」
「ポスター貼りの最中にね」
やーびっくりしたわ、と笑いながら立ち上がる。扇風機の強い風が吹き付けて、身
体に纏わりつく水分が急に冷えた。
探偵の履くスリッパが床と擦れる、乾燥した音。
部屋のすみで書類の山が崩れる。
「……」
寝転がったままの状態にこの上ない居心地の悪さを感じて、とりあえず上半身だ
けを起こしてみた。
だるい。
ソファに引き摺り戻そうとするような重力が、後頭部まで痛め付ける。
背もたれに右腕を掛けて左腕を精一杯突っ張って、ようやっとソファの上に起き上
がることができた。腿の上にべちゃり、と、水を含んだタオルが落ちる。
「うー……、イ、タタ」
「あーあー、無理しなや。ハイ」
冷蔵庫からドリンク剤を取り出して、こちらに投げて寄越す。
白衣の膝の上に落ちてきたそれは、驚くほど冷たい。
「……」
投げてきた男の方に目をやると、同じドリンク剤をもう一本取り出していた。長い指
がフタを捻る。
ぱき、乾いた音。
「……こら、どうも」
「いえいえ」
ビンをあおる男の喉仏が、一、ニ、三回、上下する。ソファの上からでもそれがはっ
きり見えて、まあそれがどうと言う訳でもないけれど。



63 名前:探偵×獣医3/5:04/07/28 02:04 ID:x6JSRsfB

「まーしかし、ワンニャンに嫌われる獣医さんやね」
慰めるでも馬鹿にするでもないただの声が、扇風機の向こう側から放られる。
「……何やろなぁ、コレ」
「要するにうさん臭いねんな、アンタ。全体的に」
探偵は半笑いで、耳の痛むことを言ってくる。
良かれと思ってやったことは、大体裏目に出る。どうやらそういった星の下に生ま
れてきているらしい。
重い頭と痛む背中。耳の下から顎にかけて、汗が伝い落ちた。
「ほんで」
後頭部に降ってきた声に驚いて顔を上げると、声の主が傍に立っている。いつの
間に。
「何や」
「いや、……これから、どないすんのかなぁ、と」
探偵は言いながら俺のビンを取って、フタを開けてから差し出してきた。
「……」
それを両手で受け取って、一気にあおる。
乾燥した口の中を、濃い味と炭酸が一気に満たして通過する。
喉が焼けるように痛い。それでも少しはマシになれる気がした。結局は、気持ちの
問題だ。
「……とりあえず、先方に顔見せな。まだ見つかれへんならもう、ポスターにも頼っ
てられんし……」
「まあ、そのお身体で?」
今度は俺の手から、空のビンをするりと取り上げる。ついでのように濡れタオルも
拾って。



64 名前:探偵×獣医4/5:04/07/28 02:04 ID:x6JSRsfB

ビンを握った形のまま軽く組んだ指先を、見つめながら。長い息を吐く。
「しゃあないやろ。……その辺のケジメは、あるよ」
自業自得、ならまだましだ。
しかし、他人様の大事な家族の一員を、行方不明にしてごめん、だけで済ます訳
にはいかない。
……と、
「いやあ、えらいえらいー」
「うぎ」
広い手の平に、頭をぐりぐり撫でられた。必要以上の力で。
「いいこいいこー」
「……お、前、俺を何やと……」
「んんー?動物好きのちっこいオッサン」
へらへらした語尾の流れ方にため息が出た。
その手を除けようとすると、相手は膝を折って目線を合わせてくる。手は俺の頭に
載せたまま。
覗き込むような目。
ぐ、と息が詰まった。
「……なに」
「……さあ、何でしょねー」
「何やの」
「判らん。わっからんねけど、何かなあ、ものっすご優しゅうしたりたいわ、アンタ」
「…………」



65 名前:探偵×獣医5/5:04/07/28 02:07 ID:x6JSRsfB

何だか嘘臭さのない、それこそ優しいような笑顔でそう言うので、俺はいよいよ逃
げ場を失った。
頭の上の手の平が重いのに、それが何故だか安心だったりして、もういろいろとど
うしようもない。
獣医さんがペット扱いされて喜んどったらおしまいや、なあ。
「……勝手にせえ、もう」
「そらまあ、勝手にさしてもらいますけど」
どんな表情でそう言っているのかは判らなかったが、
探偵はいつもの乾いた声で、それでも、清涼な水が湧き出すような笑い方をしてい
たので。
俺はただ白衣の裾を掴んで、深くふかく俯いていた。

顔を見られないように。





66 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 02:07 ID:x6JSRsfB


                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  いろんな意味でなんとも中途半端モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  エセ関西弁丸出してるね
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ガクガク
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
お目汚し、大変失礼致しました。



67 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 02:27 ID:jgk7SLtk
失礼します、場所を借りさせていただきます。

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヤバヤバナンデ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ヒトリデコソーリト、ネ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

※某スレに刺激された、俺×俺←友人 のエロアリです。
※俺以外の者が俺に指一本たりとふれるのは許せん
 という真性俺ニスト様はどうかスルーしてください、お願いいたします。

68 名前:俺×俺←友人 1/12:04/07/28 02:27 ID:jgk7SLtk
 パンッと小気味いい音を立てて布地を伸ばし、「俺」は洗い終わった布巾を厨房のラックに干した。
ちょうど床掃除を終えたばかりの「先輩」が、ロッカーにモップをしまいながら声をかけてくる。
「お疲れ。今日はちょっと売り上げが悪かったなぁ」
「お疲れさまです。これだけ暑いと、パンを買いに外に出る気にもなれないんでしょうかね」
 先輩は短く生やした顎鬚をなでながら眉を寄せた。
「うーむ、新商品開発の必要があるかもな。夏季限定・アイスパンなんかどうだ。アイスクリームを、
中を空洞に焼き上げた軽い生地のパンにつめたら……おお、いけそうじゃないか!」
「あの、それって、ただのシューアイスじゃ」
 二人の間に沈黙が降りた。
「……そろそろ帰ろうか」
「そうですね」
 俺と先輩は、まだレジの清算を続ける店長に声をかけると、店を後にした。
 裏口から外に出ると、たちまちむっとした熱気に全身を包まれる。湿度の高いねっとりした空気に、
俺は顔をしかめて空を見上げた。星はまだ出ておらず、重い色の雲が立ち込めている。
「いっそ、雨でも降りゃいいのに」とつぶやいた。
 眼鏡をかけなおすと、俺は先輩の後に続こうとした。そのとき、店の裏に面した
小さな駐車場の入口からこちらに向かって歩いてくる人影が目に入った。
重そうな紙袋を提げた背広姿の若い男は、二人を見つけて片手を上げた。
「あれ、「友人」クン?」
「今晩は先輩さん、いまあがりですか。よ、俺。ちょうどよかった」
「これから遊びに出かけるのかい」
「いや、こいつの部屋で宴会しようってだけです。ちょうど二人とも明日が休みなんで、
久々にとことん飲み明かそうってね」
 友人が紙袋をすこし持ち上げると、酒瓶の触れ合う涼しげな音がした。

69 名前:俺×俺←友人 2/12:04/07/28 02:28 ID:jgk7SLtk
 俺の部屋に行くなら車で送ろうという先輩の申し出をありがたく受けて、俺と友人は後部座席に
乗り込んだ。強い冷房が車内の温度を下げてゆく。友人は背広の上着を脱ぐと、大げさに額の汗を拭った。
「夏場はサラリーマンやってることを後悔しそうになるよ。いいよな、背広を着なくてもいい職場は」
「パン屋をなめるな。どんなに暑い日でもでっかいオーブンが稼動してるんだぞ。その点、
冷房のきいたビルで仕事してるおまえのほうが楽」
「おお、そういうなら、炎天下でネクタイ締めてスーツ着て、得意先回りしてみろってんだ。
午後三時のアスファルトの照り返しのなかを歩きながら、オレは確信したね。
日本の夏にクスリはいらない。日本国民は、暑さだけで、あっちの世界にナチュラル・ダイブできる」
「一人で行っとけ」
 先輩のがっちりした肩が笑いに揺れた。
「仲がいいな。幼馴染だったか。おれは引越しが多くて、小さい頃からの友だちはいないから、
ちょっと羨ましいよ」
 俺は肩をすくめて先輩に答えた。
「そんないいもんじゃないですよ。むしろ腐れ縁です。小学校のときこいつが転校してきて、
以来高校までなぜかおなじクラスになることが多かったってだけで。ガキのころはこいつ、
チビで強情だったんですよ。仕事で営業やってるなんて、信じられない」
「人間は成長するのさ。で、いまはおまえより背が高い、と」
「俺はいまの自分の身長が気に入ってる。だから悔しいとは思わない」
「ああ、俺はそうだろうな」
 お互いの職場の話でひとしきり盛り上がったあと、先輩は二人を俺のマンションの前で
降ろして帰っていった。

70 名前:俺×俺←友人 3/12:04/07/28 02:29 ID:jgk7SLtk
 部屋に入りドアを閉めたとたん、友人が俺を背後から抱きしめて、さらさらの黒髪に頬をすりよせる。
「なにをする」
 俺の声が、おそろしく低く不機嫌になる。
「ん? シャワーを浴びて匂いを落とすまえに、堪能しておこうかと」
「俺の匂いは俺だけのものだ。おまえに嗅がせる気はない」
「俺の匂いじゃなくて、パンの匂いが嗅ぎたいだけだよ。焼きたてのパンの香り、おまえも好きだろ?」
「それなら店でパンを買え」
「もう閉店してた。だからおまえで我慢してるの」
「俺はパンではないし、おまえに匂いを提供する気はない」
 スニーカーの底で革靴を思いきり踏みにじられて、友人はしぶしぶ手を解いた。
 俺の飼い犬が二人の足元にじゃれついてくる。靴を脱いだ友人は、足でチワワをころんと転がして
腹をなでさすった。
「おーら、ぐりぐりぐり」
「こらっ。吉宗をいじめるな!」
「かわいがってるんだって。こいつも喜んでるだろ」
 吉宗は床の上で仰向けになったまま、尻尾をしきりに振っている。けれど俺は友人を押しのけた。
「吉宗を乱暴にあつかうな」
 俺は吉宗をうながして部屋の隅の寝床に連れて行く。吉宗は冷え冷えマットの上にぺたんと座り込んで、
大きな黒い目で俺を見上げた。俺は吉宗の頭をなでてやり、水を換え、トイレの様子を確かめる。
 友人はしばらくそんな俺をながめていたが、やがて持参の酒を冷蔵庫に入れ、ネクタイをはずした。
「スーツじゃくつろげないし、シャワーを浴びてもいいか」
「ああ。好きにしろ」
 勝手知ったる他人の家と、友人はタオルと着替えを適当に箪笥から取り出すと、脱衣所のドアを開けた。

71 名前:俺×俺←友人 4/12:04/07/28 02:30 ID:jgk7SLtk
 少し癖のある茶色の髪をタオルで拭きながら友人が部屋に戻ると、俺は携帯電話を手に壁にもたれていた。
「……そんなの好きにすりゃいいんじゃないのか? ……ふうん。……そうか」
 友人は一瞬動作を止めて会話に聞き入ったが、相手の検討がついたのかすぐに興味をなくして
台所に足を運んだ。上半身裸のままタオルを首にかけて、缶ビールで喉を潤す。
 俺の電話はまだ続いている。気にするふうでもなく、友人はビールを片手に自分の作業を始めることにした。
 作業がほぼ終わりかけたころ、俺がすこし疲れた顔で寝室に入ってきた。
「あいつか?」
 俺はうなずいた。ときおり酔っては電話をかけてくる共通の友だち。俺に依存していると言ったことが
ある男。
「悪いやつじゃないんだけどなぁ。あいつは根本的なところで自分に自信がもてないから、
おまえみたいに「俺は俺」なタイプに執着してしまうんだろうな。いや、おまえの場合、
ほんとうは「俺と俺」か」
「……おまえ、なにをしてる?」
「ん? 下準備」
「なんの」
「俺と俺のオナニーの」
 ベッドの脇にビニールシートが敷かれ、大きな姿見とそれより一回り小さな鏡が向い合せに置かれている。
ビニールシートの横にはローションとウェットティッシュ、そして畳んだシーツが用意されていた。
「たしかに俺は俺に萌えてオナニーをするが、露出趣味はない。どうしておまえがいるところで
そんなことしなきゃならないんだ。そもそも、俺はベッドの上が好きだ」
「そこだと狭いからな。まあまあ、ちょっと待って」
 寝室を出て行こうとする俺の肩をつかむと、友人は彼を合わせ鏡の間に座らせた。
吉宗が入ってこないように部屋のドアを閉じるのも忘れていない。
「おまえさ、自分の顔のどこがいちばん好きだ?」
「優劣をつけられるか。俺は俺のすべての部分をわけへだてなく愛している」
「じゃ、眉は?」
「当然だ。男らしくて惚れ惚れする」
「二重まぶたは?」
「これは奥二重というらしいぞ。もちろん気に入っている」

72 名前:俺×俺←友人 5/12:04/07/28 02:31 ID:jgk7SLtk
 睫毛、鼻筋、唇、歯……言葉で順になぞられて、鏡の中でそれらを確認していくうちに、
答える俺の声がしだいに熱を帯びてくる。
 鏡に映る自分の頬に手をのばした。他人に触れたときのようなぬくもりも柔らかさもない、
硬質のガラスに指先を弾かれる。それでも、指と指が鏡の表面で触れ合ったとき、ぞくりとした感覚が
俺の背筋を走った。
 ゆっくりと顔のラインをなぞる。誰もさわっていないのに、その軌跡から肌が粟立つような快感が
生まれてゆく。指で鏡の中の唇をゆっくりとなぶった。その淫靡な動きに耐えかねて、口がすこし開く。
きれいに並んだ歯が見える。暗い口腔からのぞく白さに魅せられて、もう片方の手で歯に触れてみる。
唇の温かさと指にかかる自分の吐息に、欲望が芽生える。
キスをねだるようにもっと口を開き、舌で指をねぶった。鏡にのばされた手が、口に含まれている
指の動きをたどる。鏡に映る俺の口を犯す俺の指と、実際の俺の口を犯す俺の指。
俺が俺を犯し、俺が俺に犯される。
 たまらなくなって、シャツとズボンを脱ぎ捨てる。上気した俺の肌に、俺はさらに欲情を募らせる。
 鏡の中の鏡に、なめらかな背中が映し出される。その奥にさらに潜む俺は、扇情的な眼差しを
こちらに向けて、顎から喉もとへと唾液をなすりつけるように手を這わせてゆく。のけぞる背に
緊張した肩甲骨の線が浮き出る。俺の引き締まった美しい背中のラインに煽られた俺は、
熱い息を吐きながら窮屈になったブリーフに手をかけ……鏡の端に映るよけいなものに気がついた。
「どけよ。おまえが映ると気が散る」
 俺の一人劇を息を詰めて見守っていた友人は、我に返って大きく呼吸をした。
「以前は、身体にふれさせてくれたのに」
「それで、人の顔が映ると邪魔だと分かったんだ」
 友人は天井を仰いでため息をつく。

73 名前:俺×俺←友人 6/12:04/07/28 02:32 ID:jgk7SLtk
「ひどいな、と言いたいところだが、無理強いしてもムダなのは分かってるからな」
 そこで、と友人は右手の人差し指を立てた。
「秘密兵器の登場です」
 ジャジャーン、と自分の口で効果音をつけてシーツを広げる。友人は俺の背後にまわると、
頭からすっぽりシーツを被った。
「これでオレの顔は見えないから、おまえはばっちり自分の身体に専念できる。オレはおまえの
邪魔にならないように、おまえの身体に専念できる。んー、グッドアイディア!」
 俺は鏡に目を向けた。
 正面に映る俺。中断された欲望をもてあます肢体が悩ましく俺を誘う。
 その後ろに控える、もこもこした白い物体。できるかぎり縮こまっているらしいが、
目障りなことこのうえない。
「おまえ、それは、ギャグか? ギャグのつもりか? だったら寒いからやめろ。
俺は俺とだけ……あぅっ」
 シーツの裾から顔だけを出し、友人が俺の背骨に沿って舌を這わせた。
予期していなかった俺の口から、声がもれた。
「舐めるな。さわるな。俺は」
「俺は俺の身体を他人の好きにさせるつもりはない、だろ。耳のタコでたこ焼きが
百人前作れるくらい聞かされてるって」
「じゃあ、やめろ」
「でもさ。こう考えたらどうだろう。オレはべつにおまえの身体を好きにしてるわけじゃない。
ただ、おまえに足りない部分を補ってるだけだって」
「俺は。俺の手があれば。それで充分」
 腰の辺りを執拗に唇でなぞられて、俺の言葉が途切れがちになる。
「俺の手は二本しかないだろ。それに、届かない部分もある。こことか」
 友人は襟足のの俺の敏感な部分に吸いつくようなキスをする。
「こことか」
 耳の裏を舐めとられる。反論する俺の声がうわずる。

74 名前:俺×俺←友人 7/12:04/07/28 02:34 ID:jgk7SLtk
「だから、なんだ、よ」
「だから。おまえ、オナニーするときにも道具を使うだろう。鏡とかローションとか。それとおなじだと思えば
いいんだよ。オレは、おまえが自分では気持ちよくしにくい部分に奉仕する道具。黒子といいたいところだが
これだとシロコだな。道具を使っても、俺が俺を気持ちよくさせられるなら、それでいいだろう?」
 二言、三言、俺はまだ抗議を続けた。しかし、背中にしつこく与えられる友人の愛撫と、
鏡の中で身悶える俺の像を目にして、俺は押し寄せる昂ぶりに抗しきれなくなる。
そして、ついに腰を浮かせて下着を取り去った。
 ペパーミントの香りが広がる。ぬるりとしたローションの感覚に鳥肌が立つ。
 全体をローションで包むように、自分のモノを握った手をゆっくりと上下させる。
目をおとすと、屹立したそれの先端からすでに透明な液体が染み出ているのが見える。
顔を上げると、ぬめぬめした自身にからむ指が、興奮に色づく乳首が、これからの快感を待ち焦がれる
濡れた眼差しが、俺のすべてがあますところなく鏡に映し出されている。
 俺は唾を飲み込んだ。
 先端から少し下、感じやすい部分を指の腹でくすぐった。
 悦楽の声をあげる俺。声を受け取る耳。俺の声にさらに欲情をかきたてられる俺。
 指が激しく刺激を加える。全身ががくがくと震える。
 そのまま登りつめてしまいそうになって、手の動きをすこし弱めた。鏡の中から、
焦らされた俺が懇願するように俺を見つめる。額にはりついた髪、こわばった肩、汗に濡れた腹筋、
なめらかな内腿、そり返る足指。そのすべてが、俺を求めて、俺に求められている。
 俺の全身がかっと熱くなった。
 知り尽くした快感のポイントを攻める。無意識のうちに腰を動かしていた。
背後で友人がシーツをかなぐり捨て、肩に首筋にキスの雨を降らし、胸をまさぐっていた。
でも、それももう気にならない。俺の欲しいままに俺は俺に快楽を与え、髪を振り乱し、叫ぶ。
「俺、きれいだ俺、たまらない。俺、俺、おお、俺ぇ!」
 俺の頭の中に閃光が散る。手の中で、どくん、と衝撃が走った。
 その瞬間、俺と俺とは溶け合い、そこには感じている俺も感じられている俺もいなくなる。
 なにも考えられなくなる極致。
 ただ深い満足感だけが、俺の心と身体を満たしていた。

75 名前:俺×俺←友人 8/12:04/07/28 02:35 ID:jgk7SLtk
 ウェットティッシュで処理をすませたあと、俺は鏡の中の虚脱した瞳の俺に見惚れていた。
 だから気づくのにすこし間があった。
 奇妙な感覚を右手に感じて嫌々ながら目を向けると、いつのまにか全裸になった友人が、
俺の手をとって自分の股間を刺激していた。
「……おい。俺は俺以外の人間に奉仕する気はない」
 気だるい声を耳にして、友人はさらに強く俺の手を自分に押しつける。
「あのさ、俺」
 欲望にかすれてる友人の声。
「俺は、いいやつだよな。道端に倒れてるご老人をみつけたら、救急車を呼んでやるよな」
「人間として当然のことだ」
「困ってる人がいたら助けてやるよな」
「出来る範囲のことならな。俺はそんないい人の俺も好きだ」
「じゃあさ。オレのことも助けてくれないかな。このままだと、オレ、気が狂うかも」
 友人は早口にまくしたてた。
「オレの気がヘンになって、このまま「俺―! 好きだー!」って言いながら往来に駆け出したら、
オレの一生台無しだろ。下手したら警察に捕まって新聞の記事になって、全国に顔と名前が知れ渡る
かもしれない。そうなったら、オレの親は泣くだろうし、親戚には顔向けできなくなるし、
友だちのおまえだってちょっとくらいは悲しいんじゃないか」
 俺は友人の言葉を吟味した。
「たしかに俺は友だちの未来をつぶすようなことはしたくない。おまえん家のおばさんには
いつもお世話になってるし、おじさんにも昔からよく遊びに連れて行ってもらって、感謝してる。
だから、おまえのご両親が悲しむ姿も見たくない」
「だったらさ。奉仕じゃなくて、人助けだと思って、ちょっとだけ手を貸してくれないか」
「人助けか」
「そうだよ。おまえ、他人にキスするのが嫌だからって、死にかけてる人間への
人工呼吸を拒んだりしないだろ? それとおんなじだよ。いまここにはおまえとオレしかいなくて、
オレを助けられるのはおまえだけなんだ」
 必死に言い募りながら、友人はますます手の動きを早めた。

76 名前:俺×俺←友人 9/12:04/07/28 02:35 ID:jgk7SLtk
「なんだかおかしな気もするが、分かった。今回に限って、俺の手で
おまえの人生を救ってやることにしよう」
「サンキュ。あっ。うん。それ、いい」
 俺は友人の動きに合わせて、積極的に彼をこすり始めた。俺の指が自分を刺激している
ということが友人をさらに興奮させる。息づかいが、荒く、激しくなってゆく。
「いいよ、俺。すごく、気持ちいい」
「こら。俺とか言うな。イクときにそう言っていいのは俺だけだ」
「そ、そうか。でも。あ。ああ。おまえを呼びたい。名前を呼んで、抱きしめたいよ……あっ……」
 それまでの俺の痴態で充分過ぎるほどに張り詰めていた友人のモノは、刺激を与えられると
すぐに反応した。一刻も早く吐き出したいと、びくびくと震える。けれども友人は、
それを可能な限りもたせようとした。俺に触れられている時間をすこしでも長く感じていたくて、
自分の手の動きを止めた。けれど俺は、反対に、さらに激しく友人を攻め立てた。
 まだ情欲のあとが残る、熱っぽい俺の目。ふと面を上げ、それを見てしまったのがとどめだった。
 小さく呻いて、友人は俺の手の中で果てた。白い液体が何度も何度も吐き出される。
痺れるような快感に、友人は全身を大きく震わせた。

77 名前:俺×俺←友人 10/12:04/07/28 02:36 ID:jgk7SLtk
「やっぱ、木があるとすこしは涼しいな」
「そうだな」
 俺は相槌を打って、古くなったテニスボールを放り投げた。吉宗が喜んで駆けて行く。
 あの後シャワーを浴びた二人は、吉宗の散歩を兼ねた夕食の買出しに出ていた。
近所のスーパーで食材を買い込むと、帰り道はすこし遠回りをして、吉宗の好きな公園に立ち寄った。
夜で人気がなく、柵に囲まれた場所だから大丈夫だろうと紐をはずされた吉宗は、
嬉しそうに公園中を走り回っている。
 テニスボールをくわえて戻ってきた吉宗の頭を、俺はポンポンと叩いてやる。
友人はベンチに座ってそんな一人と一匹をぼんやり見ていたが、やがておもむろに口を開いた。
「俺、ものは相談だが。今夜こそ、入れてみないか」
 友人の問いかけに、振り向きもせず俺は答える。
「あんなところ、指を入れるのが精一杯だ。セックスなんかとうていできん」
「いや、それはやり方次第、慣れ次第だっていうし」
「却下。俺は俺のためなら努力は惜しまないが、
俺がおまえのためにそんなことに慣れる必要はない」
「新しい快楽の世界が待ってるかもしれないぞ」
「そうだとしても、俺は俺とその世界に行く。おまえにやられる気はまったくない」
 友人はため息をついて、「やっぱ、別の説得を考えないとダメか」と一人つぶやいた。
 俺は公園の真ん中で吉宗と追いかけっこを始めた。水銀灯に照らされて走る俺を、
友人はモノクロ映画の登場人物のようだと思った。すぐそばにいるのに、なぜか遠く感じられる、
不可思議な存在。
 俺は俺にしか萌えない。友人は親しい友だちとして好きだがタイプではない。
俺には俺以外の好みは存在しない。友人は俺から、繰り返しそう聞かされてきた。
それが俺の偽りのない言葉だと友人は承知している。ほかの人間に比べれば友人は俺にとって
重要な存在だろう自負はあるが、俺にとって俺が比較の余地のない絶対的な位置を占めていることも
分かっている。
 俺が愛するのは俺だけ。そう知ってていても、俺に萌え続ける俺から目を離せない。
損な役割だよな、と友人は自分に苦笑した。

78 名前:俺×俺←友人 11/12:04/07/28 02:37 ID:jgk7SLtk
 俺はベンチのそばに戻ってくると、転がっていたテニスボールを手に取った。
「よし、これが最後だぞ。吉宗、とってこーい」
 俺はこれまでよりも遠くへテニスボールを投げた。小型ロケットのように吉宗が落下地点
目がけて突撃してゆく。
 友人はベンチから腰を上げた。
「なあ、俺」
「なんだ?」
 振り向いた俺を唐突に抱きすくめて、友人は素早く唇を合わせた。
なにもかも吸い取ろうとするかのように深く舌を挿しいれ、強く激しく俺の口をむさぼる。
 俺が抵抗してもがいても、固く巻きついた腕は緩むことがない。
 そのうちに、俺の身体から力が抜けた。わずかに動く肘から下を友人の腰に回し、
しがみつくようにシャツを握り締めてくる。
 驚いた友人の身体が緊張し、さらに腕に力を込めようとしたとき――。
「うわはははは」
 友人は抱擁を解いてとびずさった。そこへ俺の蹴りが飛ぶ。
直撃はなんとか避けたものの横腹に一撃をくらって、友人は身を二つに折った。
 俺は指の屈伸を繰り返しながら、そんな友人を冷たい目で見下ろした。
「バカめ。おまえが、どこがくすぐられたらいちばん弱いかくらい、よく知ってるぞ。
長いつき合いだからな」
「いま、マジで蹴り入れただろ。まともにくらってたら、シャレにならなかったぞ」
「そりゃ、本気だったからな」
 まだ殺気を滲ませている俺から、腹をかばいながら友人は後退って逃げた。
「いや、だからさ。ええと、オレにキスされる俺に、俺は嫉妬して、
それがいい刺激になるかなーと」
「俺の舌は俺のためだけにある。俺は俺の唾液を俺以外の誰にも飲ません。
俺は俺の唇を奪われて、嫉妬するより激怒している」

79 名前:俺×俺←友人 12/12:04/07/28 02:38 ID:jgk7SLtk
「でも、もう十年近く俺は俺に萌えてるだろ。いい加減、新しい刺激があっても
いいかもって、まえに言ってたじゃないか」
「その問題は解決した。ネット萌えという新たな境地を発見したからな」
「はあ? なんだ、それ?」
「おまえに説明する必要はない。罰として、今夜は夕飯抜きだ」
 友人は情けない声を上げた。タイミングよく、腹の虫が鳴る。
「オレもう、腹ペコで死にそうなんですけど。そんな無茶いうなって」
 俺は知らん顔でスーパーの袋を持ち上げた。友人が駆け戻ってきた吉宗から
ボールを受け取ると、吉宗は短い尾をちぎれそうなほど振って友人の膝に鼻をすり寄せる。
「よしよし。吉宗は素直でかわいーな。オレ、泣けてきた」
 友人は吉宗の首輪に紐をつけ直すと、先を歩く俺に大股で追いついた。
俺は荷物と吉宗の紐とを交換する。
「吉宗、今晩は二人でいいもん食おうな」
「……ふうん。そんなこと言うか」
 俺と肩を並べて歩きながら、友人がぼそぼそと抗議をする。
「おまえ、冷蔵庫まだ見てないだろ。あーあ、取引先からもらった、とっておきの酒が
あるのにな。八海○に○羽桜に喜○長だぜ。じゃ、俺も、吉宗と二人で飲むとするか」
 俺は黙った。友人も黙った。二人はそのまま黙々と歩き続けた。
 マンションのエントランスの明かりが見えるころ、ようやく俺が口を開いた。
「このところ暑くてたいへんだよな」
「そうだな」
「だから、夕飯は、暑気払いになるようなメニューを考えてるんだが」
「日本酒に合うか?」
「もちろん」
「じゃ、期待してます」
 友人はにやっと笑い、俺はフンと鼻を鳴らした。
 俺と友人は二人一緒にマンションの扉をくぐった。一歩遅れて吉宗が、
嬉しそうに二人の後を追っていった。

80 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 02:40 ID:jgk7SLtk
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ショウジキ、スマンカッタ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
長々と失礼いたしました。

81 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 03:26 ID:sb5C8vOB
>>67-80
 禿 し く G J (*´д`*)b



82 名前:拙者:04/07/28 06:00 ID:xHJBvqP0
…すごい…萌えた…

83 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 07:27 ID:y4WFF+mm
>>60-66
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!
切な萌え(*゚∀゚)=3

84 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 08:06 ID:Fy+SzZDr
>67-80
も、萌えた。萌えつきたよ(*´Д`)
一人称だか三人称だかわからなくなりそうな文をよくここまで書き上げたなぁ。

鏡のところの描写がもう…好きすぎる(*´Д`)ハァハァ

85 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 08:20 ID:FBHiNcqD
>>67-80
ネ申!!俺かわいいよ俺

86 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 08:42 ID:puu5LUD6
>>61-65
失礼ながら、元ネタは知らないんですが(テレビ見てませんでした)
探偵×獣医という設定にひかれて読んでみたら…
ええカポーやおまへんか! あー、みときゃよかったなー!

いま関西弁を読むと、最近ご逝去なさったあの怪しいおっちゃんが
浮かんできて…。・゚・(ノД`)・゚・。
なんだか目に涙を浮かべながらほのぼの萌えさせていただきました。GJ!

87 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 14:24 ID:tuO4AIVC
>>60-66
おおぉ、待ってましたよ姐さん!
差座絵サソでつね…… 禿 し く 萌 え & G J で す !!!

88 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 15:12 ID:Lk9mZpv9
>67-80
俺サマ(*´Д`)ハァハァハァハァ!!

89 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 16:04 ID:riYdbfZP
≫60-66
激しく萌えました
今日は興奮して眠れなさそうです自分

90 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 17:36 ID:fkRQGQHb
>>60-66
ぐ、ぐぐぐグジョブです、姐さん!
激萌えさせていただきました(*´Д`*)ハァハァ
差座絵サンでこんな萌えたのはじめてですよw(半ナマですけど

91 名前:先輩×後輩+α:04/07/28 20:33 ID:ER7NksCJ
ちょっとばかりこの場所をお借りしさせていただきます。

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ハズカシイギャグナノデ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ナマアタタカクヲチシテネ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マスクドバイク乗りの先輩×後輩です。
トクサシスレの>481氏に刺激されて書いてしまいました、だが私は謝らない。

92 名前:先輩×後輩+α:04/07/28 20:33 ID:ER7NksCJ

オンドゥル「今日はアンデッドも出現しなくて平和だウェイ!久しぶりに街まで遊びに行こうかな」
ダディヤナ「ん?一人で出かけるのか?オンドゥル」
オンドゥル「あ、ダディヤナさん。たまには一人でぶらぶらするのもいいかなーって」
ダディヤナ「そうか。あんまり遠くに行かないようにな、気をつけろよ」
オンドゥル「もう子供じゃないんですから!大丈夫ですって!」


オンドゥル「あー…なんかこうやって戦いから離れてのんびりしてると気が晴れるなー、久々の休日って感じだなー(*0w0)」
ヘンナオジサン「あのう、ちょっとそこのお兄さん」
オンドゥル「ウェイ?」
ヘンナオジサン「すいません、ちょっと落し物をしちゃって…一緒に探してくれると心強いんですけど…」
オンドゥル「そうディスか!それならお手伝いしますよ!マカセデクダサイ!」

ヘンナオジサン「多分このへんだと思うんだけどなー」
オンドゥル「ずいぶん薄暗いところですね!これじゃあ見つかり難いのも仕方な…ってちょっとあなたどこ触ってるんですか!」
ヘンナオジサン「あ、いやちょっと…ハァハァ」
オンドゥル「ウェイ!?探し物が目的じゃなかったんですか!?」
ヘンナオジサン「いやあ、お兄さんいい体してるなあと思ったらちょっとたまらなくなっちゃって…ハァハァ」
オンドゥル「そんなオンドゥルルラギッタンディスカー!?ちょっとやめて下さい押し倒さないで下さうわやめろ何をすgyふじこー!!」

93 名前:先輩×後輩+α:04/07/28 20:34 ID:ER7NksCJ
ドカッ

ヘンナオジサン「おおう!?」
ダディヤナ「貴様何をしてる!今すぐオンドゥルから降りろ!降りろ!(#0M0)」
オンドゥル「ダディヤナザン!助けにきてくれたんですか!?」
ダディヤナ「オンドゥル…!出かける前に散々気をつけろと言っただろうが!何でお前はいつもこう…人をホイホイ信じて…」
オンドゥル「でもダディヤナさんのおかげで助かりましたよ!変質者さん逃げちゃいましたし」
ダディヤナ「そういう問題じゃないだろう」
オンドゥル「いやあ、悪者やっつけちゃうなんてやっぱりダディヤナさんは凄いディス!尊敬しちゃいます!」
ダディヤナ「(お前もいつも悪者やっつけてるだろうが…)…まあ、お前が無事なだけでもよかったよ…」
オンドゥル「ウェーイ(*0w0)」



ムツキチ「あーあ、せっかく変装してオンドゥルさんに近づいたのにダディヤナさんのせいで俺の体はボドボドだ!になっちゃったよー」
ムツキチ「次のチャンスはいつかなあ…ああ、でもあの押し倒した時の骨っぽい感触…よかったなあ・・・」
ダディヤナ「犯人はお前か!(#0M0)」
ムツキチ「ヤベッ見つかった!ニゲロー!!(;0H0)」


94 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 20:34 ID:ER7NksCJ

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ アホなネタでごめんね
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

95 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 21:33 ID:X0ATfE8j
>>95  GJ〜!  良いね☆

96 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 23:45 ID:f7+24SFo
>>67-80
禿萌えしますた(´Д`*)ハァハァ
これで明日もがんがって仕事に行けそうです

ところで元ネタとかあるんですか?

97 名前:風と木の名無しさん:04/07/28 23:55 ID:Ca6s+Dt8
>>96
この板の「俺に萌えるスレ」を読むことを激しくオススメしてみる

98 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 00:04 ID:gtKPl1UA
>>60-66
GJ!
ももも萌えました!
このふわーっとした空気感が何ともいえずイイ!

99 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 00:09 ID:NO4viJ8W
>>91-94
ウェ━━━(0w0)━━━イ!! GJ!


100 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 21:03 ID:DbJm53Iu

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | >37の後日談モナ
                    | 三味線×錺職人と見せかけて…だモナ
                    |
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  それって詐欺って言わんのかい
 | |                | |            \
 | | |> 再生        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ヒヤヒヤ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↑時代物なので漢字にしてみました。

101 名前:三味線屋×錺職人? 1/7:04/07/29 21:06 ID:DbJm53Iu
「ちょいとちょいと、ゆーうさん」
この慎みというものに縁のない声、心当たりは一人。
「なんでえ、何でも屋」
「あら、随分じゃないか。嫁入り前の娘つかまえて」
「嫁入りってのは必ずやって来るもんでもねえんだが?」
途端に飛んでくる拳骨を鮮やかにかわす。
「何の用でえ。あんまり店先に居座られても困るんだがな」
「ふん、どうせまた女が訪ねてくるんだろ。数にゃ不自由しないんだから聞いとくれよ」
「だから何だ」
「ヒデのことなんだけどねぇ」
一瞬、火鉢の炭をつつく手が止まる。が、何食わぬ顔で先を促した。
「ヒデが、どうしたい」
「この間ね、一晩帰って来ないからどうしたんだろと思ってたら、朝帰りどころか昼間に戻ってきてさぁ」
これだから長屋住まいは厄介なんだ。有事はこっそり悪態をつく。
「どこの姉さんのところに転がり込んだんだって聞いても、絶対口を割らないンだよ」
「お前ェに知られたら、その日のうちに長屋じゅうに知れ渡るんだ。誰だって言いたかねえよ」
「でもさあ、聞いたときの顔がいつもと違うんだよ」
湯呑みの茶を吹きそうになって、これも堪える。何を言い出すんだこの女は。
「そりゃお前ェ、あいつだって立派な男だ。一晩極楽に居たっておかしかねえだろう」
「まあね、品物納めに行って遊郭の姉さんにとっ捕まったとかさ。
でもあんな真っ赤な顔してさっさと引き戸閉めちまわなくてもいいじゃないか」
その様子が鮮明に頭に浮かび、有事は厄介な方向に事が流れているのを感じた。

102 名前:三味線屋×錺職人? 2/7:04/07/29 21:07 ID:DbJm53Iu
「それにね、なんか様子がいつもと違うんだよ。目元がぽーっとしてて」
「そりゃ風邪っ引きだったからじゃねえのか」
「あれ、なんで有さん知ってるのさ」
しまった、という素振りはかけらも見せず「ハ丁堀が言ってたぜ」と続ける。
実際、風邪気味で主/水と釣りをしていたのは事実だ。
「それで、まだ調子悪そうなのに構うなって言うからさ。あたしもうちに帰ったら、
 すぐに隣からトントントントン聞こえてきて」
(あの馬鹿、やっぱりろくに休まねえで始めやがったな)
眉をひそめつつ言葉を継ぐ。
「どっかの姉さんに看病してもらって、その礼ってところじゃねえのか?
 あいつはその辺義理堅いからよ」
「うーん、そうは思ったんだけどねえ。そうならそうと言えばいいじゃないか。
 照れくさいにしたってあんなに慌てなくても」
どんな顔してやがったんだあのガキは。有事は内心で頭を抱えた。
「それで、俺に何か心当たりはねえかって?」
「そうなんだよ、何か聞いてないかと思ってさ」
「知らねえよ。ほれ、商売の邪魔ンなるからとっとと帰ぇれ」
「何さ、いいよもう」
はしたなく裾をめくって駆けて行くのを見送り、有事は早いうちにヒデを呼び出そうとため息をついた。

103 名前:三味線屋×錺職人? 3/7:04/07/29 21:07 ID:DbJm53Iu
出稽古がてら柳橋の芸者衆に声を掛けてみれば、上手い具合にヒデの所在を掴めた。
馴染みの置屋に納品に来ると聞き、何気ない振りでそこへ向かう。
自分にとっても付き合いの長い女将は、世間話にも楽しげに応じてくれた。
そこへ、見慣れた木綿半纏が暖簾をくぐって現れる。
「まあまあヒデさん。ご苦労様」
「へい、ご注文のものを…」
ヒデなりに愛想良く入ってきたものの、すまして茶菓子などを摘んでいる三味線屋を見て足が止まる。
「よう」
「お前ェ、何でここに…」
「こっちも仕事さ。今日は稽古が続いててな」
側に置いた三味線を指してみせる。考えればお互いの仕事柄、共通の得意先も多い。
ヒデは素直に納得して女将に向き直った。同時に華やいだ声が奥からいくつも上がる。
「まあヒデさん、いらっしゃい!」
「琴はな姉さん、また簪を新調したのね? すてき!」
「これ、何ですか。はしたない」
桐箱に仕舞われた簪を、注文主らしい芸妓が嬉しげに取り出し眺めている。
髪に挿してと愛らしくねだられ、照れながら応じているヒデの顔には、職人としての誇りが伺えた。
口数は相変わらず少ないが、自分の作品が美しい芸妓たちを飾るのを
花が綻ぶような笑顔で見つめている。その曇りのなさに、有事は胸の奥の奥が
少しだけ痛むのを感じた。とうの昔に失くしたはずの痛みだった。

「で、何の用だよ」
有事は納品を終えたヒデを半ば強引に引っぱり、近くの飯屋に連れ込んだ。
馴れた様子で奥座敷を頼む手際に、ヒデが抜け出す隙などあろう筈もない。
「いいから付き合え。銭は出す」
いつにない真剣な様子に、ヒデはそれ以上言い募ることもできず、有事の後に続いた。

104 名前:三味線屋×錺職人? 4/7:04/07/29 21:09 ID:DbJm53Iu
「…と、まあこういうわけだ」
「加/代の奴…」
がっくりと肩を落とすヒデを、有事は料理をつつきながら指差した。
「お前ェもお前ェだ。妙な顔して突っぱねたりするから、加/代が勘ぐるんだろうが」
「俺がいつ妙な顔したよ!」
「まあ川に落っこちて俺んとこで寝込んでたなんて、格好いいもんじゃねえがな。
 だが放っといたらあいつ、勝手に色んな噂立てかねねえぞ」
こいつのことだ、上手くあしらえるわけもなく、そのうち自分にも火の粉が降りかかるのは明白だ。
まったく騒ぎが済んでからも手を焼かせやがる――と、そこまで考えて、有事はふと
あの晩のことを思い出した。忘れていた記憶が蘇り、途端に悪戯心がむくむくと沸き起こる。
箸を取ろうとして、気づけば人の悪い笑みを浮かべている有事にヒデが怪訝そうな顔をする。
「何だよ」
「確かにな。お前ェがうちでうんうん魘されてるときに、あんなこと口走ったなんて知れたら、
 加/代どころかこの辺の芸者衆まで大騒ぎだろうな」
箸を持ったまま硬直するヒデ。有事はことさらに顔を近づけ、必要もないのに声を潜めて続けた。
「なにも覚えてねえだろ、俺がお前拾ってから目え覚ますまで」
「あ、ああ」
「まったく参ったぜ。大の男に添い寝する羽目になるなんてよ」
「────── ! ! !」
ヒデは口を開こうとして言葉が出ず、かーっと発火しそうな勢いで紅潮したあと、潮が引くように青ざめた。
忙しい奴だと思いながら、有事は事の次第を漏らさず話してやった。
「なんか温けえもんにしがみついてた覚えねえか? どうにも離しちゃくれねえから難儀したぜ」
なんだか台詞が夜明けの会話のようだと思っていると、呆然としていたヒデがようやく口を開いた。
「で…俺は何て言ったって…?」
「んー?そりゃ可愛らしいこと言ってくれたぜ。俺もさすがにたまげた」
「加/代には喋っちゃいねえだろうな」
「おうよ、あいつにゃ勿体ねえ」
その発想がいつもの自分と何処かずれていることに、有事自身気付いていない。


105 名前:三味線屋×錺職人? 5/7:04/07/29 21:11 ID:DbJm53Iu
「誰かを…呼んだのか?俺は」
有事は無言のままにやりと笑ってみせた。ヒデの目が大きく見開かれ、ふいと逸らされる。
「……で、どうしろってんだよ」
ヒデはふてくされた、というより捨て鉢のような様子でこちらを睨み返した。
「(開き直りやがったな)さあね、どうしたらいいと思うかい」
別に強請るわけでもない。あのときの無邪気な寝言をつまみに、少々からかってやろうと思っただけだ。
夜っぴて看病してやったのだから、それくらいは勘弁しろと言いたい。
「俺が誰かを呼んじゃ悪りぃかよ」
「いつものお前からは想像できねえからなあ。まあ、俺の胸の内に仕舞っておいてやるからよ」
我ながら意地が悪いとわかっているものの、どうにも止まらない。でかい図体のくせに
まん丸の上目遣いで睨んだりするから面白くなるんだ、と勝手極まりない発想で有事は手酌を傾けた。
しかし、唇を噛んで俯いているヒデが次第に涙目になっていく。どうも様子がおかしいと気付いたときには、
ヒデは自棄のように喋りだしていた。
「そうかよ、そんなに可笑しいかよ。そうだろうな、ああそうだろうよ」
「おい、ヒデ…」
「あんただってそんなこと聞きたかなかっただろうさ、悪かったな厄介ごとに巻き込んで」
「そうじゃねえよ、ちょっと待て」
「べつに俺ァ構わねえよ、知られたら俺が消えれば丸く収まるってもんだ」
「何ィ? いやヒデ、わかった、もういい」
一瞬口を引き結び、大きな目が有事を見据えた。咄嗟に制しようとした有事の声は届かず、
ヒデは一大告白を三尺玉の如くに打ち上げていた。

「俺が、俺がハ丁堀の名前を───」




「……いや、「おとっつぁん」て、言ったんだが…な…」

表通りの賑やかな喧騒が聞こえる中、二人の周囲だけが完全な静寂に包まれた。
奥座敷にしておいてよかったと有事は心底思った。

106 名前:三味線屋×錺職人? 6/7:04/07/29 21:12 ID:DbJm53Iu
「まあ、その、何だ…」
「…………」
ヒデは項垂れたままひとことも口を利かない。有事は、この男にしては珍しく
非常にいたたまれない心持ちで酒をあおった。
生真面目な職人をからかったのは少々やりすぎたかと思うが、「寝言」を勝手に
勘違いしたのはヒデである。その挙句にこちらが本気で腰を抜かすような
口上が飛び出すオチまでついた。
しかし、開き直る気力すらも失っているヒデをこのまま放っておくのも気が引けた。
本人が墓穴を掘ったとは言うものの、ちょっとした悪戯心がヒデを酷く傷つけたのは事実だ。
有事は腹を据え、静かに声を掛けた。
「お前ェが嫌でなきゃ、聞かせてくれるか」
返事は返らない。
「知らねえとは言え、痛えところ突いたのは悪かった。ただ、このまま
 聞かなかったことにするのは俺にもちと辛え」
肩がぴくりと動いた。
「野暮なこたぁしねえよ。そんな話じゃねえだろうしな」
ちらりと視線がこちらに向けられた。有事がもう笑いを浮かべていないのを見ると、
もう一度目を伏せ、躊躇うように睫毛が揺れる。促すように銚子を傾けてやると、
黙って猪口を差し出してきた。

ぽつぽつと語りだした内容は、主/水と出会ったときのこと、よく突っ走っては
鉄拳制裁を食らったこと、それでも主/水は自分を見捨てなかったこと。
そして、自分の気持ちを持て余してひどく苦しんだということ。
「もう、わけわかんなくなっちまってよ。夜勤だって言ってた日に、夜回りの時間狙って…」
「お前から夜這いか。しかも番屋に」
淡々と切り返され、すぼめた肩がいよいよ小さくなる。
(やるじゃねえか、あの昼行灯)
少々無責任に感心してみたものの、どう返したらいいか言葉に詰まるのが正直なところだ。
だが、痛みを堪えるように告白を続けるヒデの表情は、笑い飛ばせるようなものではなかった。

107 名前:三味線屋×錺職人? 7/7:04/07/29 21:14 ID:DbJm53Iu
(こいつも難儀な奴だぜ)
確かに、主/水には小役人特有のの狡さや日和見主義なところがあるが、
どこか憎みきれない男である。お/りくも一目置いている仕事人としての腕、
非情のようでいて、そうなりきれない心を抱えた背中。
それをずっと見ていたのだろうか。
「それにしても、気がつかなかったぜ。俺としたことが」
「馬鹿野郎!見て判ってたまるかそんなもん」
耳まで赤くしてそっぽを向き、わざと投げやりに続けた。
「あっちの腹ン中はどうだか知らねえよ。ガキが煩えから黙らせたかっただけだろ」
「そこまで惨いお人じゃねえと思うがね」
穏やかに言葉を返され、ヒデは一瞬有事を見つめ返す。すぐに逸らされた視線は
行き場をなくして外へと向けられた。
「ま、生きてりゃいろいろあらあな」
ぼんやりと花街の往来を眺める横顔に、有事はいつもの笑顔で明るく言ってやる。
「そういや組んだばかりの頃、お前ェは世話焼かすだの青臭えだの言ってたぜ。
 放っとくと勝手に走り回るから気ぃつけろってな」
「あの入り婿じじい…」
「そこは突っ込んでやるなよ。辛えもんだぜアレも」
先ほどとは違う、居心地のよい沈黙が訪れる。
しばらくして、ヒデはぽつりと呟いた。
「あのおっさん、ああ見えて変に気が回るんだよな」
「ああ、わかるさ。お勤めの辛さも、お上の汚ねえところも知ってるだろうよ。
 それでも十手持ちで所帯持ちってえ、小せえ居場所を守りてえのさ。
 それがどんだけ厳しいことかも知っていてな」
「……俺にゃ、わかんねえんだろうな。ずっと」
最後のほうはほとんど聞き取れないほどの声だった。有事は黙ってぽんぽんと
癖っ毛の頭を叩き「飲むか」と促した。
ややあって、ヒデは小さく頷いた。

その晩、程よく酔いの回った錺職人が「話したのがあんたで良かった」と
ひどく無防備な笑顔で言ったとか言わないとか。
そして、そんな顔を向けられた三味線屋が微妙に挙動不審になったとかならないとか。

108 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 21:15 ID:DbJm53Iu
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 停止        | |
 | |                | |           ∧_∧  ミナサン オコラナイデ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

看板に偽り有りで申し訳ございません_| ̄|○
おっさんとの付き合いの長さを考えると
萌えが止まらずこうなりました。

>59
その筋ってw 私はしがない読み専でございます。
時代劇スレの方でしたら、私の壊れたカキコを幾つもご覧になっているかと。

109 名前:おまけ:04/07/29 21:16 ID:DbJm53Iu

勇「で、殺る相手は」
主「女文書き(ふみかき)だ。頼み人は>54 文の続きを読みたくて、
 「なんでもする」なんて言っちまったがために、酷い目に遭わされたらしい」
ヒデ「どんな文だよ。そうまでして読みてえなんて」
主「ん?ほれ、ここに写本があるぜ。加/代がこっそり仕入れてやがった」
ヒデ「……」
主「他にもまだあるぜ、こりゃ写本の内職したら一儲けできるかもな」

ヒデ「こいつは、俺が殺る。─―─―邪魔するな」

勇「好きにしろ」
(主/水に一分銀をそっと渡す)
勇「ハ丁堀、あとで写本ひとつ頼む」
主「おう」

110 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 21:53 ID:edd2UbdX
あんまり良くわからんジャンルなのに
なんだろうこの萌えは
(´Д`*)ハァハァ


111 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 22:08 ID:mfg0Z8He
>>101-109
ををを〜〜〜〜〜〜!
萌えた!萌えたぜ職人さんよっ!
シゴトニンをご存知ない若いおぢようさん方には解って貰えんかもしれないが、
有事ヒデは腐女子のツボ突きまくりの美々しいカプだった。

続編禿げしくキボンヌ。
有事ヒデで完結させてくなさい。

112 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 22:13 ID:d5uW3m1M
>>100-108
54です。姐さん!姐さんっ!!
まさか主ヒデ前提でやって下さるなんて…萌えダダ漏れでもうどこから手をつけていいものか。
いっぱいいっぱいでもう何も言葉になりません。
ぜひまた何か書いて下さいまし、ひっそりお待ちしてますので!お願いしますっ。

そして>>109Σ(゚Д゚; !!
頼み人になれてアホのように嬉しい自分はやはり相当なヲタなのだと再確認。
姐さんなんて粋なことを…ありがとう_| ̄|○モウシンデモイイ

113 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 22:33 ID:H5AdriET
>>100-108
激しく主ヒデが読みたくなりました。
婿殿好きなんじゃよ。

114 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 22:39 ID:99gJc5Pu
>101-109
まさか旦那が相手だったとは……
「ハ丁堀」の名前が出てきたときには、びっくりして後ろに吹っ飛びました(w
つ、続きを是非(*´д`*)



115 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 22:44 ID:/1wBhORx
久しぶりに シゴトニンを読んだよ・・・あの「聖/金/曜/日」が蘇る。
女文書き様、ヒデさんに殺される前にもっと(ry
54さん、頼み人になれていいなあ。
そーいえばヒデさんの人、京都の置屋の入り婿で刑事ってのを
二時間ドラマでやってた。いずれ八/丁/堀みたいになるのかと思った。

116 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 22:57 ID:QSR3rh/z
>>101-109
やられた! そ、そうきましたかー。
昼行灯とヒデ! 最強カポー!
三味線屋はびみょーな横恋慕ってのがまたウマー。

いまになってこんなに再萌えさせられるなんて、どうしたらいいのか
身をもてあますじゃないですか!
…DVDあったかな、レンタル屋チェックしてこよう。

117 名前:風と木の名無しさん:04/07/29 23:06 ID:LjsIfIck
>>91-94激しくワラタディス。

118 名前:100:04/07/29 23:19 ID:DbJm53Iu

  ∧_∧  
 (;・∀・ )  >100からメッセージだって
 (     )   ボクを勝手に伝言係にすんなよな
 | | |
 (__)_)

お風呂に入ってる間にこんなにレスが(;´д`)!!
あああ有難うございます。
大変申し訳ないのですが、私自身が「新〜」を最近、再放送で見始めて
萌え爆発の新参者なので、諸先輩がたの萌えには遠く及ばないと思います。
リアルタイムで好きだった「〜激/突!」も、前半の錺職人メインのところは
見てませんでした_| ̄|○アアア
一応劇場版やSPなど、レンタルできるものは片っ端から見ましたが
まだまだ見逃してるお宝シーンが一杯だと思うと_| ̄|.....○
シゴトニン3も4も見たいよう… 鍛冶屋(花屋)や組紐屋にも会いたいよう…
(風/雲/竜/虎/編はリアルで見てましたが)


ついでに差し入れ。有名なお菓子なんでしょうが「くりーむ」が平仮名なところがなんとも…
ttp://www.ginnobudo.jp/kashi/namakashi.html

119 名前:風と木の名無しさん:04/07/30 03:19 ID:lTju7NIw
>>100姐さん
ものすごく文章が好みで萌えさせてもろたので老婆心ながら…
SSへの感想レスにはレス返しはしない方がよさげ。…叩きの原因になったりするので。
せっかくの素晴らしいSS職人さん、そんなことになったら悲しい_| ̄|○

それはともかく是非また続きをお願いします(*´д`*)ハァハァ


120 名前:風と木の名無しさん:04/08/01 01:01 ID:Ya4kciik

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  >>51の続きモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  〜澤さん最近みないねTVで。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 探偵×獣医ウマー。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

121 名前:郷実×材前1:04/08/01 01:03 ID:Ya4kciik
材前伍郎が負けた。
裁判所内がざわつく。記者達は先を争うように出て行き不思議な静けさが漂った。

材前は机を睨んだまま、動かない。急に立ち上がり、声をあげた。
郷実はスローモーションを見るようにしばらく頭が働かなかった。
激しく咳き込んだ材前が体を曲げる。
「おい、材前、それ以上喋るな!」
条件反射のように声がでた。
その瞬間、紙のように白い材前の顔がまっすぐ郷実に向かった。
「君の…指図は受けんよ、郷実…」
儚く悲しい男の姿だった。大きく息に詰まると材前は転倒した。
郷実は心臓を掴まれたようなショックの中、材前にかけよった。
誰にも触らせたくなかった。ここまで材前を追い詰めたものはなんだ。
一瞬材前の目が薄く開き、郷実を見た。
抗う様子をみせたが、観念すると、意識を手放した。

「郷実先生、明日も早いんですから無理しないでくださいよ」
看護士が心配そうに診察室を出ていった。
「お疲れさまでした」
郷実はそういうと、カルテを机に置いた。目頭を指で揉み、天井を見上げた。
新しい病院にも慣れ、平穏な毎日だった。しかし、郷実の顔は晴れない。
材前から自分はガンだと告白を受け、目の前が白くなった。
しかし、手術も無事終わったようだ。ステージ1なら心配ない。
内科医としてあるまじき事だが、郷実は何かに縋るように“心配ない”という
言葉を念じるように唱え続けていた。
病院をでると、自然と空を見るのが癖になっていた。
今日は一日快晴だったので星が綺麗にでている。
材前の病室からは見えるだろうか。
家に着くころ、携帯が鳴った。電話は予想もしなかった相手からだった。
「君に診察してほしいんだ」
材前のか細い声に、不安が雨雲のように郷実の心を覆った。

122 名前:郷実×材前2:04/08/01 01:04 ID:Ya4kciik
しばらく会わない間に材前の体はひとまわり小さくなったかのような印象を受けた。
暗い病院のロビーに背中を丸めて座っているのは本当に材前なのか。
手術は成功したのではなかったのか。
「おい」
郷実が駆け寄ると、材前はひどい咳のなか、振り向いた。
「とにかく診てみよう」
材前を立たせようと腰に手を回すと思った以上に痩せていた。
震える右手を庇うように両手を組むと、材前は強がるように笑った。
「こんな夜遅くにすまんな」
郷実はたまらず、材前の体を抱きしめた。材前の口から安心したような息が漏れた。
自分の熱を与えるかのように郷実は材前を包み、しばらく二人は動かなかった。
愛しくてたまらない。どうして俺はこんなにもこの男に惹かれてしまうのだろうか。

CTを撮る前から予感をしていたことだった。
二人は向かいあい、口を閉ざした。余命は長くて3ヶ月だろう。
3ヶ月たったら、材前のいない世界になる。
「無念だ」
材前は震える右手で郷実の肩を叩こうとしたが、思うように上手く動かず諦めた。
郷実は手を差し出そうとしたが材前は無言の内にそれを拒んだ。
ゆっくりとドアに向かう。材前の背中はいつものように他者の介入を拒絶していた。
静かに材前は部屋から出て行った。
郷実は何も出来ず、奥歯を噛み締め、床を睨んでいた。
そっとしておいてやることだ。彼はいつも1人で全て乗り越えてきたはずだ。
何度もそう自分に言い聞かせる。

だからお前は駄目なんだ、郷実。
お前はどうしたい。材前、君はどうしてほしい。

123 名前:郷実×材前3:04/08/01 01:04 ID:Ya4kciik
郷実は弾かれたように走りだした。
ロビーを突っ切り、出口に向かう。廊下を咳き込みながら歩く材前の小さな背中があった。
背後から思いきり抱きすくめる。材前の体はひんやりと冷たかった。
「郷実…」材前が振り返る。瞼は涙で濡れていた。
「ああ…」きつく腕を絡ませる。
「本当は……不安でたまらないんだ…。本当は」
「ああ」
胸が痛い。材前の頭を胸にすっぽり包み込むと、髪を撫でた。
腕の中で材前は動かなくなった自分の右手を擦っている。
「郷実…」
震える材前の声が、長い沈黙の後、君が欲しいと呟いた。
郷実は材前の顎をつかみ仰向かせると噛みつくように口づけた。
今までの想いの全てを注ぎ込むようにゆっくりと深く深く犯した。
乾いてひび割れていた材前の唇が、しっとりと濡れ、郷実の舌に絡み付いた。
無言で二人は互いの唇を貪りあった。冷たかった材前の体に温もりが戻った。
くたりとなると、材前は体を郷実に預けてきた。
しばらくして、郷実は材前の体を抱えるように歩き出した。
タクシーを止めて乗り込む。
材前は懐かしいホテルの名を運転手に告げた。
郷実の唇にはいまだ、材前の甘い香りの余韻が残っていた。


124 名前:風と木の名無しさん:04/08/01 01:07 ID:Ya4kciik
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 今回は続くといった感じで力つきましたスマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

125 名前:風と木の名無しさん:04/08/01 01:20 ID:EMNwt2HY
>>120-124
キタキタキタキタキタキタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!

すごいよ姐さん!
本編でこうなって欲しかったという妄想をみごとに再現してくれました(*´Д`)
続き楽しみに待ってます!!

126 名前:風と木の名無しさん:04/08/01 02:22 ID:ty2RNdS6
>>120-124
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
あの場面を思い出しながら読んでまた涙が出ました( ´Д⊂ヽ
もうすぐ終わってしまうのが寂しい・・・

127 名前:風と木の名無しさん:04/08/01 21:30 ID:5s0lFtJ/
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   |  映画「マス夕一・了ソ卜゛・コマソ夕゛一」
                   |  軍医&候補生の話モナ
                   |  
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  DVD見て萌えが再燃したらしいよ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


※勝手に軍医を隠居させてしまいました……すいません。
 設定は映画より5年後です。


128 名前:軍医&候補生 1/6:04/08/01 21:33 ID:5s0lFtJ/
「……ブレイ勹二ー卿?」
 自宅を訪ねてきた思いもよらない『客』に、ドク夕ー・ス〒ィーヴン・マ千ュリンは
玄関の扉を開け放ったまま、面食らった顔で目の前の馬車を見つめた。
元々人通りが少なく、発情期に猫が騒ぐ以外は閑静なこの路地において、紋章の入った
その馬車は場違いなほどに浮いている。ブレイ勹二ー卿と呼ばれた客は馬車から降りる
と、帽子のつばに手を当ててス〒ィーヴンに向かって敬礼した。
「ドク夕ー・マ千ュリン、お久し振りです。お変わりないようですね」
「何だい、ぼくが病気だとでも吹き込まれてきたのか? 残念だがこの通り、ぴんぴん
してるよ。先週は熱を出して寝込んでいたがね。あれはただの風邪さ」
「お元気そうで安心しました」と言って、ブレイ勹二ー卿はにっこり笑った。
 ガ口ン伯爵の一人息子、ウィリ了厶・ブレイ勹二ー卿は五年前の1805年にジャッ勹・
才ーブリー艦長──『幸運の』ジャッ勹とも呼ばれる男──の指揮するフリゲー卜艦
サ一フ゜ライズ号で共に生活し、フランスの私掠船了ケ口ン号の太平洋侵出を阻むべく
戦った仲である。声変わりもしていなかった当時十三歳の彼は、士官候補生としてあの
とき初めて英国海軍艦に乗艦したのだ。航海の途中で了ケ口ン号に出し抜かれ、砲撃を
食らった際に負傷し、右腕の肘から先を切り落とす羽目になった──その手術を行った
のがス〒ィーヴンだ。ブレイ勹二ー卿は、はじめのうちは隻腕であることに不便を
感じていたし、幻痛(ファントムペイン)に悩まされることもあったようだが、持ち前
の強い精神力でこれらを克服し、艦が任務を果たして祖国に帰る頃には、剣もペンも
左手で器用に操れるまでになっていた。港で馬車に荷物を積み込むのを待っている時、
かのネノレソン提督のように右の袖を胸元に留めて堂々と立っていた彼の姿を、ス〒ィー
ヴンは今でも覚えている。家に戻った息子の姿を見て、母親は卒倒したらしい。

129 名前:軍医&候補生 2/6:04/08/01 21:39 ID:5s0lFtJ/
 人一倍長身のス〒ィーヴンには追い付かなくとも、多くを見下ろせるほどに成長した
ブレイ勹二ー卿を家の中へ招き入れ、彼を伴って二階の仕事部屋に戻るとス〒ィーヴン
は湯を沸かしはじめた。彼は紅茶を飲まないので、この家にはコーヒーしかない。
「お一人では大変なのではありませんか? その、料理とか掃除とか」
「子供の頃からこうして生活してきたから、まったく問題ない。──ふん、おおかた
ジャッ勹かバレッ卜・ボン〒゛ン辺りが余計なことでも言ったんだろう。ちょうど熱が
一番高かった頃に訪ねてきたからな。立ったり座ったり、大の大人がおろおろして、
みっともないったらありゃしない。だからぼくは言ってやったんだ、『人の家で象の
行進よろしく歩き回らないでくれ』ってね。あの二人が部屋の中をうろつくと埃が舞う
んだ。分かるだろ? それにジャッ勹ときたらご丁寧に、椅子に座った途端、机の上の
大事な資料を床へばらまいてくれたのさ」
「ああ、これですね」脇の机に堆く積まれた紙や本の山に視線を向けると、今にも崩れ
落ちそうである。「以前、来た時よりも更に山が高くなっている気がしますが」
「そりゃあそうだよ。捨てられない資料ばかりだからね。しまう場所もないんで、ああ
やって積み上げるしかないのさ。大体、君が訪ねてきたのは何ヶ月振りだ? ぼくが
ここに越してきたばかりの頃は三日と空かずに訪ねてきていたのに、近ごろは音沙汰が
なかったから、てっきり海に出ているのかと──ブレイ勹二ー卿?」
 部屋じゅうに散らかった衣類の山の間からようやくコーヒーポッドを探し当て、今度
はコーヒー豆を探そうと振り向いたス〒ィーヴンの鼻先に、蝋加工の施された小さな
包みが差し出されていた。うろんな目で見上げると、ブレイ勹二ー卿がいたずらっ子の
ような顔でこちらを見下ろしている。
「実は、今年の二月から半年ほど航海に出ていたんです。ブラジル行きの輸送船の護送
任務がありまして、それで、物凄い倍率のところを船長に無理言って乗せていただいた
んです。ミスタ・フ゜リン勹゛ズが、その護送船──口ーズ号の船長だったので」
 だから日に焼けているのか。この子に会うなり感じていた違和感の正体はおそらく
それだ。ス〒ィーヴンは合点がいった様子でブレイ勹二ー卿の顔を見た。

130 名前:軍医&候補生 3/6:04/08/01 21:40 ID:5s0lFtJ/
 英国海軍の仕事は、1805年の卜ラファルガーの海戦以降、目に見えて減っていった。
ネノレソン提督の艦隊がナポレ才ン・ボナパノレ卜率いるフランス・スペイン連合艦隊を
打ち破ったのだ。この戦いにより海の覇権争いは決着が付き、ヨーロッパの諸港は英国
の支配する所となった。その代償に、英国はネノレソン提督を失った──大きな犠牲だ。
それで、当時は町には職を失った士官や水兵が溢れたものだった。運が良いか、有力な
コネでもない限りは海に出ることも叶わなかった。今や彼らの多くが別の職業(あるい
は元の職業)に就いているだろう。そこそこの運と強力なコネに恵まれているブレイ勹
二ー卿ですら、この一年は暇を持て余していたようだ。そういう時は、ス〒ィーヴンの
影響で始めた医学の勉強に勤しんでいると思っていたのだが……護送任務に飛びつく
辺りは、やはり海の魅力は大きいとみえる。父親の伯爵も海軍の人間なのだし、これは
もう生まれついてのものだろう。ブレイ勹二ー卿が師と崇めるジャッ勹もまた同類だ。
「ミスタ・フ゜リン勹゛ズか。彼は健在かね?」懐かしい名前を聞いて目を細める。
「すこぶる元気です。ドク夕ーに、近々こちらを訪ねても構わないかと伝えて欲しいと
言付かってきました」
「それは構わないけど……まったく、君たちはいつまで経ってもぼくを静かに放って
おいてくれないんだな。サ一フ゜ライズ号で一緒だった連中は特にそうだ。ぼくが陸に
上がった後でも、きっと何かやらかすだろうと思い込んでいるに違いないよ」
「皆、心配なんですよ。海の上だろうと陸の上だろうと。大切なドク夕ーですから」
 その『サ一フ゜ライズ号の連中』に該当する一人であるブレイ勹二ー卿が、くすくす
笑いながら言うと、ス〒ィーヴンはむっとした表情で視線を逸らした。十八も年下の
子供に笑われるとは。

131 名前:軍医&候補生 4/6:04/08/01 21:42 ID:5s0lFtJ/
「……それで、ブレイ勹二ー卿、その包みはブラジルと関係があるのかね?」
「ええ。ドク夕ーに喜んでいただけるかと思って買い付けてきたんです。コーヒーに
うるさい掌帆長(ボースン)が口ーズ号に乗っていましてね──リオ・デ・ジャネイロ
で下船した時に、彼に同行して店まで行って来ました。世界一のコーヒー豆ですよ」
 少々呆気に取られながら包みを受け取り、十字に縛った紐をナイフで切って蝋加工の
紙を広げると、香ばしい匂いが広がった。既に焙煎された豆だ。コーヒーは生豆のまま
数年もつが、一度煎ってしまうとその味・香りともに焙煎後三日目を頂上として、あと
は落ちるだけである。ス〒ィーヴンが何か言おうと口を開ける前に、
「一昨日、煎ったばかりですよ」
「君が焙煎したのか?」と、ス〒ィーヴンは複雑な顔でブレイ勹二ー卿を見つめた。
「驚いたな。最近の子爵は自分でコーヒーも淹れるのか」
「船に乗るようになってからは、自分の世話は自分でした方が気が楽なんです。ああ、
豆の焙煎法もその掌帆長に教わったんですよ。あの人、色々な機械を持っていて、船に
戻って焙煎からコーヒーを淹れるところまで実践して下さったんですが、ぼくが気付か
なければ、もう少しでこの豆まで煎られて粉に挽かれるところでした」
「死守してくれたわけだな」
「イェス・サー。ご自分で淹れられた方がきっとご満足いただけるのではないかと」
「うんうん、その通りだ。ぼくもコーヒーにはうるさいからね。おそらく、その掌帆長
にも負けないくらいだ。よくやった、ミスタ・ブレイ勹二ー」
 満足そうに頷いて、ス〒ィーヴンは豆を挽くためのミルを衣装箱(チェスト)から
取り出すと、早速ミルの中に豆を放り込んだ。上部のハンドルを回すと、ごりごりと
豆が粉砕される音がする。上機嫌で鼻歌まで歌っているス〒ィーヴンを横目に、ブレイ
勹二ー卿はひそかに嘆息した。

132 名前:軍医&候補生 5/6:04/08/01 21:45 ID:5s0lFtJ/
 呼び名が昔のものに戻ったことなど、本人は気付いていないのだろう。陸に上がって
からというもの、ス〒ィーヴンに会える場所といったら提督が主催するパーティー会場
だったり、彼が博物学者として時折執筆する論文の発表会だったり、およそ士官候補生
としての自分が必要とされない場ばかりなのだ。海軍が大いに活躍している時期ならば
候補生の制服で出席しても構わないのだろうが、あいにく今はそういう時代ではない。
必要なのは、伯爵の嫡子であるウィリ了厶・ブレイ勹二ーなのだ。
 ス〒ィーヴンも、(研究対象になりうる生き物を見つけた時以外では)公私混同する
ような男ではないので、そういった場で出会えば「ブレイ勹二ー卿」と呼んだ。初めて
その称号を付けて呼ばれた時には、あまりによそよそしく感じられたのでショックで動
けなかったくらいだ。サ一フ゜ライズ号に乗っていた時とは違うのだ──そう考えると
何故か胸の奥がちくりと痛んだ。特別扱いをして欲しいわけではない。規律や階級も
結構だが、この人との間には垣根を作りたくない。だからこうして家に押し掛けている。
医学の勉強をしているのは本当だった。これからは武力ではなく、人を癒す力が必要に
なる。それがブレイ勹二ー卿とス〒ィーヴンの共通した考えだった。最初は博物学に
惹かれていたのだが、その後の航海で乗組員を襲う疫病や、衛生状態の悪いロンドンで
今なお残る黒死病(ペスト)などの感染症の噂を聞くうちに、その原因となるものが
必ずあるはずだと考えるようになった。感染した者を隔離し家を焼き払う以外に、患者
を治してやる手立てはあるはずだ。そう言うと、ス〒ィーヴンは「君のその考え方は、
今の時代では受け入れられにくいだろうが、確かにそうだろう」と頷いて、最新顕微鏡
で様々なものを見せてくれた。レンズの向こうで、うようよとうごめく得体の知れない
ものに血の気が引いたが、敢えて言わなかった。

133 名前:軍医&候補生 6/6:04/08/01 21:48 ID:5s0lFtJ/
 軍務から離れて既に二年、ロンドンで静かに暮らすス〒ィーヴン──キリッ勹の言葉
を借りれば「隠居先生」だ──には迷惑極まりないだろうと分かっていても、一週間も
会わないと気持ちが落ち着かなくなる。ドク夕ーに会って、色々な話がしたい。パーテ
ィー会場で慣れない酒を飲むより、足の踏み場がないほど散らかったこの部屋でス〒ィ
ーヴンの淹れたコーヒーを飲む方が、自分にとっては心地良いのだ。
「さあ、はいったぞ。ミス夕・ブレイ勹二ー、そこのカップを取ってくれたまえ」
 いつの間にかス〒ィーヴンは二人分のコーヒー豆を挽き終え、さらにドリップまで
済ませていたらしい。部屋いっぱいに広がったコーヒーの芳しい香りに、ブレイ勹二ー
卿は我に返ると、ス〒ィーヴンの机の上に置いてあった二つのカップを覗き込んだ。
 汚れている。それも二つともだ。
 何も言わずにカップをキッチンへと持って行こうとするブレイ勹二ー卿の背中に向か
って、ス〒ィーヴンが「わざわざ洗わなくても平気だよ。そこにはさっきまでコーヒー
が入っていたんだ。何日も放置していたわけじゃない。ミス夕・ブレイ勹二ー、ねえ、
聞いているのかい?」
 ブレイ勹二ー卿が片手で器用に洗ったカップを持って戻ると、ス〒ィーヴンは琥珀色
の液体の入ったポットを手に持って憮然と立っていた。彼は、何かと世話を焼かれる
のが嫌いなのだ。「洗わなくても平気だと言ったのに」
「ぼくが差し上げたカップを使って下さるのは嬉しいんですが、たまには洗わないと」
「君は人にあげたものにまで口を挟むのか」
「ノー・サー。でも、何日洗ってないんです?」
「……三日かな」
「ドク夕ー、それではせっかくのコーヒーの味が台無しになってしまいます」
 苦笑するブレイ勹二ー卿の言葉に、それもそうかと呟いてス〒ィーヴンは空いた手で
顎をさすった。ブレイ勹二ー卿が机の上に置いたカップにコーヒーを注ぎ、相手に椅子
を勧めるとス〒ィーヴン自身も傍の椅子に腰を下ろした。


134 名前:軍医&候補生 追加分:04/08/01 21:50 ID:5s0lFtJ/
※ギャーすみません! 本文が長すぎて6レスに収まりませんでした…これで最後です


「うん、いい色だ。香りも申し分ない」
「お気に召されるようでしたら、生豆の状態でお届けしますよ。まだ沢山あるので」
「それは有難いな。ロンドンで手に入る豆はろくなものじゃない」
 渋い顔でそう言うと、ス〒ィーヴンはカップの中身を口に含み、それを飲み込んだ後
で幸せそうに顔を緩めた。どうやらお眼鏡に適ったようだ。味わいながら「美味い」だ
とか「酸味と甘みのバランス」がどうだとか言っている。
 今度はコーヒーに合う菓子も持ってこようか。ブレイ勹二ー卿は締まりのなくなった
ス〒ィーヴンの顔を伺いながら、本当は苦手なコーヒーを喉の奥へと流し込んだ。

135 名前:風と木の名無しさん:04/08/01 21:51 ID:5s0lFtJ/

 ____________
 | __________  |
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 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ スレヨゴシスマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

※軍医←候補生にするつもりが、ただの軍医アイドル話になってますた。
※候補生の気持ちは、恋というより「人気者を一人占めしたい」という
 ワガママなものです。まだ若いんで。

136 名前:風と木の名無しさん:04/08/02 02:04 ID:ieqMqJS8

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  >>123の続きモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  前回変なトコで切れたんで急いでみたw
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

137 名前:郷実×材前1:04/08/02 02:05 ID:ieqMqJS8
ホテルの部屋のドアを閉めるや否や、二人は磁石のように
引き合い、抱き合った。
先程味わった、久しぶりの材前の甘い唇を郷実は丹念になぞり、
上唇を吸い、舌を探り出すと甘噛みした。
材前から切ない吐息がもれる。
耳たぶを含み、舌を押し込み、瞼に口づけた。
「材前……ずっと君にキスしたかった…」
郷実の性急なガラにもないセリフに材前はにわかに頬のあたりを染めた。
俯いた材前の顔をまた仰向かせると、きつく舌を吸った。
互いの唾液で唇が光り、ひどく扇情的な表情だ。
郷実は材前の体を大事そうに抱えると、そっとベッドの上に降ろした。
そして、シャツのボタンに手をかけた。
その手を材前の震える右手がとめた。
郷実が問いかけるようにみつめると、材前は困ったように笑った。
「君は…びっくりするかもしれない。病気のせいで肉がおちてボロボロの体だ」
そういうと俯いたまま、黙ってしまう。
郷実は何もなかったようにボタンをはずしはじめた。
そして露になった材前の白く薄い胸に唇を落とした。
ひんやりとして、以前よりも柔らかいやさしい肌だった。
「君は覚えているだろうか…。君が病院の庭で転びそうになって俺が助けた時のことを」
郷実は材前の胸の突起に口づけて、静かな声で語りだした。
材前は無言で郷実の頭を抱きしめた。
「そのとき君の耳たぶが偶然、俺の唇にあたってしまったんだ」
ふふ、と材前の口から小さな笑い声が漏れた。
「俺は勃起した」
恥ずかしそうに郷実は告白した。
小さな声で変態だな、と言い返して笑うと材前は咳き込んだ。
「大丈夫か?寒いか?」
郷実は慌てて材前を抱きしめる。
「続けてくれ。君の声は…安心する」

138 名前:郷実×材前2:04/08/02 02:06 ID:ieqMqJS8
郷実はホっとしたように材前の体を抱きなおすと、脇の辺りの柔らかい肉を擦った。
「…そして俺は混乱した。君に初めて欲情してしまったんだ」
夢に見る程、君を抱きたかった…。囁くような郷実の声。
「初めて君に殴られた夜、気付いたら君を押し倒していた」
材前の顔が熱をもっていくのを郷実は胸の感触で感じ取っていた。
「君に酷いことをした。でも馬鹿な俺は君の涙にも欲情する始末だった」
あんなに誰かを抱きたいと思ったことはない。
郷実は材前の顔を覗き込もうとした。材前は照れたように俯くばかりで顔をあげなかった。
「泣いているのか……?」郷実が問いかけると、ごまかすように郷実の胸に口付けた。
そして、郷実のベルトに手をかける。
「材前、駄目だ。これ以上の無理はさせられない」
郷実がいってもきかなかった。
脇腹に唇を落とし、舌をそっとおろすと、郷実の敏感な部分に愛撫をはじめた。
たどたどしくも、ひたむきな愛撫だった。
「ん………」溜まらず郷実は眉根を寄せた。
材前の舌は柔らかく熱く、やさしかった。
郷実に絶頂が訪れた。材前はきつく根元を吸い込むと、促すように刺激を与えた。
「馬鹿!……飲むな!」
郷実の制止をよそに材前は全て飲み干した。そして激しく咳き込んでベッドに倒れこんだ。
「材前……!!」
郷実は材前の肩を掴むと、強く抱きしめた。
「なんでこんな無理をするんだ!」
材前は肩で息をして胸のなかでぐったりとなった。
「多分、君を迎え入れることはできない…だから…」
いじらしい、材前の気持ちに郷実は涙がこぼれた。
「君を気持ちよくさせてやりたかった…の…さ…」
材前は強がるように口角を上げて、郷実に口づけた。

139 名前:郷実×材前3:04/08/02 02:06 ID:ieqMqJS8
「郷実…」材前は切なく見つめると、促すように郷実の手を自身の下肢に導いた。
郷実はパンツのファスナーを下ろし、材前の白い内股を露にした。
以前よりも、痩せて細くなった材前の太ももは血管が青く浮き出る程だった。
股を開かせて、内側の皮膚に舌を這わせた。
材前がくすぐったそうに体をよじった。
根元の柔らかい襞を口に含むと、切ない喘ぎが漏れはじめた。
材前の中心を口を寄せる。丹念に愛撫をする。流石に射精までには体力が持たないようだ。
「郷実……」独特の声音に感じ取ると、
材前の体をうつ伏せにし、枕を腹の下に入れて、腰を支えてやった。
材前はくったりと力が抜けたようにされるがままになっている。
郷実は材前の白い双丘を揉み、口付けた。
そしてやさしく広げると、既に熱を持ちはじめた奥に息を吹き掛ける。
指で刺激をあたえ、ゆっくりと差し入れると、静かに押し広げた。
しっとりと温かい肉が郷実の指に吸い付いてくる。
材前の鼻から高い息が漏れ始めていた。
舌をそっと差し入れて掻き回すように舐め上げた。
「……ア、ア…」
材前の堪えるような小さな喘ぎ声が郷実を興奮させる。
「郷実…」
材前は壮絶な色香を漂わせた。落ちる直前の華が魅せるような鬼気迫る色香だった。
「おねがい…だ…。きて…」
咳き込みながら、材前の白く細い足が郷実に絡み付いた。
「頼む……」
郷実は気を失ってしまうのではないかと思う程の欲情を覚えた。
理性がとんだ。ゆっくりと材前の股を広げると、深く深く腰を進めた。
「んん……」材前の顔が歪む。その顔でさえ美しい。
ドクドクと、郷実の中心が自分のなかで脈打っているのを感じる。
すべて収まると二人は放心したように動かなくなった。
どうしたらいいかわからず、腕を絡めあった。
しばらく言葉もなく、時間だけが流れた。時折、材前が小さく咳き込む。
郷実は材前の肉の中で柔らかく溶けていた。

140 名前:郷実×材前4:04/08/02 02:07 ID:ieqMqJS8
「郷実…」
「ああ」
「もうすぐ僕はこの世から消えてしまうんだよな…」
「……」
涙まじりの声の材前に気づくと、郷実は頭を胸の中にすっぽり包むように抱きしめた。
「我慢するな」
郷実の声に、一瞬間をおいて、材前から嗚咽が漏れはじめた。
温かい材前の涙が郷実の胸を濡らす。
体を繋げたまま、まるで小さな子供のように材前は泣き続けた。
材前の命を抱きしめながら、郷実は悲しみについて考えていた。

「君が…すきだ……」
今までに聞いたことのない声だった。
材前の小さな告白は意外なほど、すんなりと郷実の心に染み入った。
ずっと前から気づいていたのかもしれない。
「君を愛してるよ…」
材前の声を聞きながら二人は互いの心臓の音を確かめあっていた。
凪のように静かな気持ちだった。
なぜだか、郷実は初めて材前に出会った日の
彼のはにかむような笑顔を思い出していた。


141 名前:風と木の名無しさん:04/08/02 02:08 ID:ieqMqJS8
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ もうすぐ終わり。自分も寂スィーデス
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

142 名前:風と木の名無しさん:04/08/02 02:22 ID:fXcID+z1
>>136-141
・・・・・切なすぎです。゚(゚´Д`゚)゚。
最終回付近を思い出してマジ泣きしてしまいました。

あとわずかだと思うとすごく寂しいです・・・。
最後までついていきます!がんがってください!!

143 名前:風と木の名無しさん:04/08/02 04:12 ID:t4D/PpWq
>>136-141
TVホワイトタワーは見てなかったのですが
姐さんの文章が好きでコソーリ読んでました
私も今回でマジ泣き…・゚・(ノД`)・゚・
もうすぐ終わるのは寂しいけど待ってます。

144 名前:風と木の名無しさん:04/08/02 13:13 ID:00IuMa7X
>>127-135
おぉ〜、まさかここで*マ/ス/コ/マ*SSに出会えるとは
GJです姐さん!!ほのぼの萌えたよ(*´Д`)
町ュリン先生の口調とか、部屋の散乱っぷりが
原作っぽくてイイw 成長した戦/う/天/使もツボだ…。

他のキャラと先生の絡みも読んでみたいな〜

145 名前:風と木の名無しさん:04/08/02 20:45 ID:RMxzdbQY
>>136-141
萌え泣きしますた・・・(つД`)
切な過ぎるよ郷材・・・。

146 名前:風と木の名無しさん:04/08/03 00:24 ID:LnRrTe41
>>136-141
いまだに最終回を見てぼろ泣きしてる郷剤スキーですが
もう涙で画面が見えないです・・・
やっとお互い素直になれたのに・・56ちゃんカワイソスギル( ´Д⊂ヽ

147 名前:風と木の名無しさん:04/08/03 14:33 ID:WwTrmowW
ト口イの姐さん続きこないかなぁ…

148 名前:風と木の名無しさん:04/08/03 18:40 ID:UKdYHW/n
>>136-141

神キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
もう、泣くやら萌えるやらで大変ですよ・・・(ノД`)
幸せになって欲しいのに・・・切ない・・・

149 名前:風と木の名無しさん:04/08/03 23:27 ID:xgsiBe3P
>147 スイマセン もうちょっと待ってください…

150 名前:風と木の名無しさん:04/08/04 11:20 ID:XDJKuzFY
>127-135
増す駒、昨日リアルでDVD借りて見たばかりなので
タイムリーに萌えますた。物に釣られて御機嫌な先生ハァハァ
映画でも候補生に昆虫で釣られてましたよねw

増す駒は原作も萌えの宝庫の予感がするので
ちょっと本屋まで逝ってきますよ( ´_ゝ`)

151 名前:風と木の名無しさん:04/08/04 23:34 ID:orPU9o9O

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | >100の隠しエンディングだモナ
                    | ようやくこの板らしくなった…モナ?
                    |
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  今度は間違いなく三味線屋×錺職人だってさ
 | |                | |            \
 | | |> 再生.        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  デモヌルーイ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
前回はいくつものレスを頂き、すっかり舞い上がってしまいました。
場もわきまえず、浮ついた書き込みをしてしまい本当に申し訳ございませんでした。
静かにスルーして下さった皆様にもお詫びいたします。

152 名前:三味線屋×錺職人 1/6:04/08/04 23:35 ID:orPU9o9O
実際のところ、どれだけの本数を空けたかはわからない。
いちいち数えるようなしみったれたことはしないのもあるが、
目の前でだんだんに機嫌良くなっていく錺職人を見ているほうが面白かったからだ。
抱えていたことを吐き出して気が楽になったのか、秀はいつになく饒舌だった。
あくまで秀にしては、であるが。
「しかしあんたも、顔が広えっていうのもあるけど、女もどんだけ抱えてんのかね」
「抱えてるたあ何だ。俺は師匠として教えに行って、ちょいとお誘いがありゃ
 有り難くお受けしてるってだけだ」
「よく言うぜ。お前ェの店の前通るたんびに、横に座ってる女が違うじゃねえか」
「出歯亀してんじゃねえよ」

夜もすっかり更ける頃、二人は朗らかな女将の声に送られて店を出た。
周囲の店も暖簾を仕舞いはじめ、ほどなく明かりも落とされるだろう。
温まった身体に夜風が心地よい。数歩先を、これまた珍しく鼻歌を歌いながら
秀がほてほてと歩いている。思わず苦笑して「大丈夫か」と声を掛ければ、
「ガキじゃねえ」と返してきた。
だったらそんなふわふわした顔のまま歩くんじゃねえよ、と勇次の眉が寄る。
花街を出る辺りまで来ると、闇夜に浮かび上がる番屋の大提灯が目に留まった。
「お」
わざと大仰に反応してみると、秀はぶっきらぼうに言い返した。
「今夜はいねえよ」
「へえ、ちゃーんと聞いてあるわけか」
「馬鹿!あっちが勝手に話したんだよ。ヘソクリを嬶から守らなきゃなんねえとか何とか」
酒のせいだけでなく紅潮した頬で、ぶつぶつと何か呟いている。
勇次は微笑みながらへいへいと聞き流していた。

153 名前:三味線屋×錺職人 2/6:04/08/04 23:40 ID:orPU9o9O
番屋へ近づくにつれ、大提灯の灯がやけに強く視界を灼く。
段々に闇に滲み出し、視界を覆うように広がっていく。
そしてその灯は視界だけでなく、有事の頭の中にまで浸透し始めた。
有事の中で何かがざわざわと蠢き出す。先ほどとは違う色の悪戯心。
それは悪戯と呼ぶには危険すぎた。
だが、気付いていながら有事は抑えることができなかった。
今夜は月が完全に隠れている。――――――「都合がいい」と、本気で思った。
無言で歩調を速める。気配を消し音もなく近づく有事の変化に、ヒデはまだ気付かない。
番屋のすぐ手前、何の警戒もなく歩く背中にすいと右手が伸ばされる。
一瞬後、ヒデは暗闇に放り込まれた。

力ずくで暗い小路へ引き込まれ、胸から塀に押しつけられたヒデは身動きが取れない。
酒が入っていなければ気付いたかもしれないが、それ以上に有事の動きは素早かった。
まるで「仕事」の如くに。
「な―――!」
「声を出さねえほうがいいぜ。番屋はすぐそこだ」
有事は低く潜めた声で、背中から肩越しに囁いた。状況がわからず目を見開くヒデに、凶暴な感情が刺激される。
「なあ、聞かせてくれねえか」
「な、何をだよ」
「ああ、さっき聞いた話のなあ…その先だよ」
「さき…って!」
言いながら、有事の手がするりと袷の隙間から入り込んだ。
「おい…っ!」
「教えてくれりゃいいだけだ。あのおっさんはどんな風にしたのかってな」
「やめろ、いきなり何だってんだ!」
「しー…、聞こえちまうぜ?」
はっと息を呑むヒデの隙を突いて、半纏を肩から滑り落とす。剥き出しになった肩が夜気に晒され、
ぶるりと震える身体をすかさず羽織の中に抱き込んだ。
「聞きてえなあ…お前ェがああまで思いつめて乗り込んだんだからな」
こんな台詞、素面では言えない。言ったらヒデがどんな顔をするかわかっているから。
わかっていて、どうしてもそれが見たかった。

154 名前:三味線屋×錺職人 3/6:04/08/04 23:42 ID:orPU9o9O
「何だよ…何だってんだ…」
ヒデの声が震えている。肩越しの視線に怯えの色が見える。それを見ない振りで、なおも続けた。
「お前ェがあんまりかわいい顔で言うからよ。気になって仕方ねえのさ」
有事はは悪酔いしている。ヒデは頭ではそう判断していた。
だが、触れてくる熱い手に、身体に刻まれた記憶がじわじわと蘇りだす。
あのときも、夜回りに乗じたあの夜も、こんな月のない夜だった。
「ハ丁堀の旦那は、どうやって可愛がってくれた…?」
密着した体温はどちらも酒のせいで高い。動揺したヒデの鼓動が早くなっているのがわかり、無性に興奮した。
「言ってみろよ、なあ」
耳のすぐ後ろでしつこく繰り返され、次第に低い声がヒデの頭の中を支配し始める。
そして同時に、溺れてしまえ、という声がどこかから聞こえてくる。
――――忘れてしまえ。溺れてしまえ。今は何も考えるな
項から肩を舌先が辿り、焦らすように唇が寄せられて、いよいよ身体が追い上げられる。
主/水はどうしてくれたっけ…いつの間にか意識が過去へ飛び、現実との境目が曖昧に溶け出していた。

強張っていたヒデの身体から完全に力が抜けたのを感じ、ぞくりとするほどの欲望が有事を襲った。

155 名前:三味線屋×錺職人 4/6:04/08/04 23:43 ID:orPU9o9O
「はァ…あ…」
腹掛の結び目がいつのまにか解かれている。脇腹から胸を執拗に大きな手のひらが
弄るのを心地良いとはっきり感じた。
「う…!」
股引の中へ無遠慮に手を突っ込まれ、そこが育ち始めているのを意識させられる。
肩越しに有事が笑った気配がした。
「あ…!アぁ…ッ」
有事はしなる背中を押さえ、空いた手で口を塞いだ。この先はどう頑張ってもこうしなければ
番屋に聞こえてしまうだろう。
潜り込んだ右手は容赦ない強さでヒデの欲望を揉みしだく。途端に跳ね上がる痩身を身体全体で押さえつけ、
なおも行為を続けた。狂っているという自覚はやがて麻痺し、手の中の獲物をただ鳴かせたいという
衝動だけが膨れ上がっていく。
逆らい難い快楽に翻弄され、ヒデは声を殺しながら身体を捩り、かぶりを振ってもがいた。
有事は力の入っていない身体をこちらに向き直らせ、咄嗟に顔を背けようとするヒデに噛み付くように接吻ける。
「ん…、ン、うゥ…」
右手を捕まえて引き寄せ、自分の下半身に触れさせる。凶器のような昂ぶりを掴まされ、
引こうとするのを許さずにヒデの手のひらごと握りこむ。
「俺のも、頼まァ…」
掠れた声がヒデの脳と身体に直接響いた。もはやヒデに抗う意思はない。
捕まれていた手がおずおずと動きだす。有事のモノに長い指が絡みつき、たどたどしい手技はやがて
艶めかい動きを見せ始めた。
無言で呼吸ごと奪い合うようにくちづけを重ねる。互いの手の中で爆発しそうに脈打つ手応えが、一層二人を興奮させた。
「来いよ」
「…っあ!…あ、あ、あァ…」
無理矢理に高みへ引きずり上げられたヒデの身体は、やがて同じくらい乱暴に叩き落された。
ずるずると崩れ落ちるヒデを受け止め、抱き寄せてやりながら額にそっと唇を落とす。
その瞬間にヒデの中には誰が浮かんでいたのだろう。有事は絶頂の熱に酔いながら、ひどく冷静にそう考えていた。

156 名前:三味線屋×錺職人 5/6:04/08/04 23:45 ID:orPU9o9O
未だ息の整わないヒデを、有事はせめて身体を拭いていけと家へ連れ帰った。
拒否するかと思えば黙って付いてくるヒデに、正直なところ拍子抜けしている。
盥に溜めた湯を運んでやると、ちらりとこちらを見上げてきた。
「俺ァこっちでやる。気にしねえで使え」
お互い清めたい場所が場所なので、手拭いを渡し、そのまま部屋を離れた。
どうにも胸のうちが晴れなかった。しでかしたこと以上に、何の反応も示さない
ヒデの態度が余計に気持ちを重くする。詰られ殴られることも覚悟していた。
というより、勝手に「覚悟の上」だと行為に及んだ己のどす黒さが忌々しかった。
やがて襖が開き、身支度を整えたヒデが顔を覗かせる。
「そのままで構わねえぜ」
微妙に視線を逸らし、有事は声を掛けた。
「ああ」
短く返し、ヒデはすとんとそこへ座った。いつものように膝を抱え背中を丸める。
有事には痛すぎる沈黙が降りた。
ヒデの目元には、事情を知る人間にしかわからないわずかな余韻。身体の奥が性懲りもなく
疼くのを感じ、有事は目を背けた。
「お前ェは、酔って勝手にサカりやがった野郎に引きずり込まれただけさ。
 お前ェも酔ってて、腕力じゃそいつにゃ敵わなかった。そういうこった」
「ふざけんな!」
努めて何でもないように振った言葉は即座に跳ね返された。
振り返った目にははっきりと怒気がこもっている。
「幾らお前ェが馬鹿力だろうが俺が酔っていようが、逃げられねえわけねえだろうが。女じゃあるめえし」
しかし威勢良く怒鳴り返したものの、途中から語気に力がなくなり視線が彷徨い出す。
「んじゃお前ェは何で逃げなかった。逃げられたんだろ?」
勢いで言い返してから、有事は内心舌打ちした。
このまま、ヒデの内面に触れないままでいたかった。

157 名前:三味線屋×錺職人 6/6:04/08/04 23:46 ID:orPU9o9O
「だから…!」
「だから?」
「………」
「おい」
「…俺は、あんたが思ってるほどガキじゃねえよ」
俯いたまま、むしろ静かな声だった。膝を引き寄せ己ごと抱えるように両手を回す。
「あんただってわかってたはずだ」
気付かないフリをしていたことを本人に突きつけられ、有事は複雑な気分で天井を仰いだ。
「それでも、絶対嫌な野郎ならぶっ殺してでも逃げるけどな」
ちらりと視線をよこす顔に、有事は大きく溜息をついた。
「そういう罪なことは旦那に言ってやれ」
「…頭に来ねえのかよ」
小さな声に戸惑いが浮かんでいる。有事がじっと見返すと居たたまれなさそうにしながら
それでも見つめ返してきた。
有事はそっと近づき、右手でヒデの肩に触れた。かすかに身じろぐ身体をそのままぐいと抱き込む。
「お前ェも本当に難儀な奴だ」
視線を合わせないまま呟いた。ヒデは何も応えず有事の腕に収まっている。
互いに言いたいことはわかっている。自分の胸のうちも、相手の本音も。
だが、今夜は口にしたくなかった。
「…布団敷いてやるから寝ていけ」
「また加/代が騒ぐ」
「朝イチで起こしてやるよ」
有事の言葉にヒデはおとなしく従った。有事の中にあの衝動はもう起こらなかった。


「襲うなよ」
「ああ。 …今夜はな」

158 名前:風と木の名無しさん:04/08/04 23:49 ID:orPU9o9O
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 停止        | |
 | |                | |           ∧_∧  ユウサン オクリオオカミ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あああすみません1/6の人名を伏せ忘れました!
半生なのに注意が足りなさすぎです。
どなたか私を始末してください…_| ̄|櫨∵.○

159 名前:風と木の名無しさん:04/08/04 23:54 ID:HWprSsHv
>>151-158
・゚・(ノД`)ヾ(・ω・`)ショクニンサン ゲンキダシテー

また読めてすごく嬉しいです〜!
むしろ読ませていただいてありがとうとお礼を言いたいくらいですyo!!
しっとりと色気のある文章と展開に(((;;゚∀゚))))ハァハァ/lァ/lァ


160 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 00:13 ID:Vxlycqd1
>>151-158
職人さんを始末したら続きが読めないぢゃないっすか〜〜!
おかわりお待ちしていまつ!

161 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 01:45 ID:dq73HFoV
>>151-158
時代劇よくわからない私ですが、ハゲ萌えですた(*´Д`)
私もおかわり待ってます!!!

162 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 03:25 ID:Tx4ZLo8x


                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 国際情勢スレがあるけど、
                    | 作者がビビってこっちのスレに……だモナ
                    |
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  この時期に不謹慎、と思ったらしいなぁ……
 | |                | |            \
 | | |> 再生.        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  エロナーシ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

163 名前:終戦間際(1/2):04/08/05 03:27 ID:Tx4ZLo8x
「やめ……っ!!」
「ここまでガマンしてきてるだろ?痛いのが好きだと思ってたんだけど?」
蔑むような笑みを浮かべアメリカは引き金を引いた。
「…っ!!」
右の脇腹を襲う焼けるような痛みに息が出来なくなり、
日本はひきつけをおこしたかのように体を震わせている。
「へぇ、まだゴメンナサイって言わないんだ。
 それとも、やっぱり痛いことが好きなのかな?」
アメリカは日本の様子を特に気にするでもなく、ただ日本の降伏の言葉が
ないことに若干の不満を抱いていた。
「こっちも試してみよっか?」
新たな弾丸を込め、再び日本に銃口を向けた。
そして、ためらいなく引き金を引く。
左の大腿に再び襲う灼けるような痛みに、意識を引き戻された日本は
いるはずのないソ連の姿を見ていた。
「ど……して……?」
ソ連に裏切られたことを霞む意識のなかで理解した日本に出来ることは
ただひとつだけだった。
「降……伏…し……ます」
そうつぶやいて意識を手放した。


164 名前:終戦間際(2/2):04/08/05 03:28 ID:Tx4ZLo8x
ソ連は日本を一瞥したあと、アメリカの持っている新兵器をみていた。
ソ連の視線に気がついているのかいないのか、アメリカはそれを
優雅にポケットにしまうと意識のない日本を大切そうに抱えあげた。
「別に君のこと嫌いじゃないんだよ。ただ、僕のものにならないから、ね。
でもようやく、手に入った……」
アメリカは意識のない日本にささやきかけると、
自分が日本につけた傷を愛おしそうに撫でながらほくそ笑んだ。
「あ、そうそう」
今、ソ連に気がついたかのようにアメリカは言った。
「日本は僕が管理するから。」
アメリカのその言葉にソ連は不快感を隠さなかった。
「お前、太平洋を抱え込むつもりだな。」
アメリカは否定も肯定もせず、薄い笑みを浮かべたまま、
ポケットのなかのものを確かめるような仕草をした。
ソ連はそれ以上、何も言えなかった。

こうして1945年の夏は過ぎていった。

165 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 03:30 ID:Tx4ZLo8x
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 停止        | |
 | |                | |           ∧_∧  イロンナイミデ ヤオイ……
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

国名伏せ字にするのわすれてました……orz
もう寝ます……

166 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 05:44 ID:weWkrH7K
これって萌えなきゃなんないの?

167 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 06:01 ID:8IVOFtjI
>>164-165
自分の(キャラ)属性としては露萌えなはずなのに
なぜか米萌えしたー! 軍服とか
青いピンストライプのちょっと古い型のスーツを着た
成り上がり青年っぽいかんじです。GJ!

168 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 10:19 ID:Nz0npW8F
>>151-158
禿萌えですた GJ!!
私もおかわりキボンヌ マターリおまちしてます


>>163-164
萌えますた

169 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 18:45 ID:iMDXV3rQ
常駐スレでの拾いモノ。

      ∧_∧
     ( ´Д` )   なんか、
     /     ヽ
     し、__X__,ノJ


       ∩
      /´⌒⌒ヽ
    l⌒    ⌒l   ケツに刺さってる?
   ⊂ (   ) ⊃
      V ̄V

170 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 21:18 ID:g4gsSGpC
>>169
むしろケツから出てるような(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

有事萌えすぎてどうしたらいいかわからないハァハァ

171 名前:風と木の名無しさん:04/08/05 22:19 ID:yvpJ2zl5
>>152-157
イイヨイイヨー 姐さんGJ!
なにがいいって初めてでいきなり突っ込んだりしてないのが(・∀・)イイ!!
ああもうこうなったら意地でも姐さんの主ヒデ読みたいよ!
書いてくれよ姐さん!ぜひ夜這い編を!!てかお願いします(*´Д`)ハァァン

172 名前:風と木の名無しさん:04/08/06 00:43 ID:a/q6Wf2i

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某浅田○郎原作「天○り松・闇がたり」パロモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  この前のドラマですっかりハマっちまいまして。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 同士の方イル?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
             補足として、時代は大正ですモナ。安佶の親分つうのは伝説の盗人モナ。

173 名前:天○り松パロ1:04/08/06 00:44 ID:a/q6Wf2i
それは木枯らしの吹く寒い初冬の夜だった。
キーンと冷えた透明な空気がじんじんと松造の裸足の足を包む。
時計を見上げて首を傾げた。
栄次兄イが時間を守らねぇなんて今まであったことがねぇ。
安佶の親分の使いで神田三河町の栄次の隠れ家にやってきた松造である。
上がり込んで待つこと、どれくらいか、いつまでたっても待人は現れなかった。
うとうととしかけた松造は、14にしてはいささか大人びた自分の頬を両手で叩き、気合いをいれた。
何かあったのだろうか。親分に限って栄次兄イに伝え忘れたてぇことは考えらんねえ。

瞼がくっつき、終いには本当に寝てしまうんじゃないかと思ったころ、ようやく家人は帰ってきたようだった。おせえじゃねぇかと威勢よく文句を垂れようとした途端、栄次は鈍い音をたてて倒れこんだ。
「栄次兄!どうしました!」
松造は血相を変えて栄次に駆け寄った。栄次は松造に気付くと「よお、松公」と唄うように言って気持ちよさそうに寝返りをうった。
「兄貴、酔ってらっしゃるんですかい」松造が顔をしかめて問いただした。
「おうよ、今夜の酒は不味くていけねぇ。おかげであれよあれよと言う間にしとどに飲んだくれちまった。情けねぇったらねぇなぁ」
こんな栄次は見た事が無い。栄次兄という人は、松造の前ではいつも反吐がでるくらい格好良く決めていて、決して人に弱いところをみせない、そんな男だった。
安佶親分に9つの頃に貰い受けられて栄次に出会って早5年、こんな人間臭い栄次は見た事が無い。松造は複雑な気持ちになった。しかし、栄次とて、いくら斜に構えて見せても、27の若者だ。臑に傷を持つ身には酒が堪える日もあるだろう。
「暑い」と呟くと、栄次は着ているものを邪魔臭そうに剥ぐように脱ぎだした。松造は慌てて片っ端からシャツやら外套やらを受取ると、隅に片した。
裸になった栄次の背には見事な不動明王の彫物が刻まれている。目玉がギョロリと自分を睨んだ気がして松造は震え上がった。


174 名前:天○り松パロ2:04/08/06 00:46 ID:a/q6Wf2i
「あの酒、なにか混ぜ物でも入っていたか。一向に酔いが醒めなくていけねぇ。松、すまんが水を一杯汲んできてくれねぇか」栄次が言うが早いか、松造は飛ぶようにコップを抱えて走ってきた。
栄次はしんどそうに水を飲み干すと、長い息を吐いた。
松造はそわそわして仕方が無い。初めて目にする栄次の酔いつぶれた姿に不安を掻き立てられて、居ても立ってもいられない。早く用事を片して退散したい。
「兄貴、実は…」
松造が用件を伝えようとして、栄次に目をやると、精悍な栄次の顔が意外にも近くにあって心臓が飛び上がる程驚いた。酒に酔った熱っぽい目が妙に色っぽく松造は顔を赤くした。
その様子がおかしかったのか栄次は破顔して、「松は可愛いよなぁ」と呟いた。
「兄貴、からかっちゃいけねぇや。終いには俺だって怒りますよ」
「いいや、お前はかわいいよ。俺の自慢だもの」
そういうと栄次の長身が松造の体をふわっと包んだ。舶来の香水の匂いが鼻をくすぐる。
心臓が早鐘をうって栄次にも聞こえてしまうのではないかと思われた。
「兄貴…。離してくれよ。俺を女と間違えているんじゃないのかい」
震える声で松造がいうと耳もとで栄次はふふと笑った。
「女みてぇに柔らけぇが…女の代わりに抱くなんて野暮なことするかい」
いよいよ雲行きが怪しくなってきた。栄次は完璧に(酒に)できあがっている。
確かに栄次は目の覚めるような男前で松造の憧れだ。幼い頃は初恋にも似た気持ちで焦がれたこともあった。
そんな気持ちに気づいてでもいたのだろうか?いや、そんなワケがない。


175 名前:天○り松パロ3:04/08/06 00:46 ID:a/q6Wf2i
いきなり口を吸われた。
松造が驚いて声をあげようとするとその隙をついて酒を含んだ熱い舌があっという間に入り込む。
「あ…にき」
慌ててばたつかせた松造の細い手を、栄次の骨張った大きな指が握りこんだ。
「んん…」息も出来ない長い接吻に松造の腰は蕩けそうになる。
栄次は仕事の手際同様、こっちの手際も天才だった。
「兄貴、おいら、ヘンになっちまう…」
言う側から唇を吸われて甘い息が漏れた。股間の辺りがむずむずしてくる。
しかし、急にピタリと栄次は動かなくなった。急におあずけをくらったように松造はいらいらとして栄次の顔を覗き込んだ。
急に力が抜けた。栄次は小さな寝息を立てて眠りこけてしまっていた。
緊張がとれた途端にどっと汗が噴き出る。松造は長い溜息をついた。布団をしき、肩に担いで運んだ。
栄次の寝顔は意外にも幼い表情だった。松造はしばらく眺めてクスリと笑った。
この分じゃあ、明日の朝にはすっぱり忘れているに違ぇねえ。
「仕様がねぇなぁ。栄次兄ィ、これは貸しにしといてやらぁ」
そう嘯くと、なんだか上機嫌の口笛を吹いて、松造は外に出た。自分と栄次の距離が少し近づいた気がして嬉しいようなその反面少し寂しいような神妙な夜だった。



176 名前:風と木の名無しさん:04/08/06 00:50 ID:a/q6Wf2i
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 終い         | |
 | |                | |           ∧_∧  勢いで書いたので色々綻びが…スマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              本当はオリキャラ出してもいいから栄次兄イのイチャコラが書きたいぐらいです 

177 名前:風と木の名無しさん:04/08/06 01:35 ID:5srJrDDe
>>172-176
原作読んだことないんですが、むちゃくちゃ萌えました!
イチャコラ是非読んでみたいです(;´Д`)ハァハァ

178 名前:風と木の名無しさん:04/08/07 00:33 ID:30JuswjY
あぁぁ天鳥松萌え(*´Д`)
イチャコラを激しく期待しております。

179 名前:風と木の名無しさん:04/08/07 13:46 ID:fVwRpwhe
黄不動(*´Д`)ハァハァ

180 名前:風と木の名無しさん:04/08/07 16:21 ID:abUMXFXP
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ホワタワ姐さんを待つ間に思いついたネタモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ある意味禁断のネタか?モナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

181 名前:風と木の名無しさん:04/08/07 17:33 ID:abUMXFXP
その日、ひさしぶりの接待でほろ酔い気分で帰宅した郷実は、誰もいないはずの部屋からの泣き声に気づいた。
おそるおそる部屋のドアを開けると…。

♪やーっ、やーやーやっ、やーやっやーっ

「懐かしいなぁ、これ。ちょうど大学生のころで、よく見てたっけ」
「…悪かったなぁ、実家も貧乏で仕送りできないからTV買えなくて」
すっかり拗ねたのか、向こうをを向いたままの材前を見て、郷実は話題を変えた。

「そういえばさっき、このあたりで泣き声が聞こえたのだが」
ほんの一瞬、材前が動揺したのを郷実は見逃さなかった。
「僕が思うに、誰かが昔の事をいろいろ思い出して泣いてたんだと思うのだが、君はどう思うかい?」
あえて仕事口調で聞く郷実。

「ぼ、僕はあんな三流ドラマなんかで泣いたりなんかしない!!」
「へぇ」
必死に笑いをこらえる郷実と、それに気づき目を背ける材前。



182 名前:風と木の名無しさん:04/08/07 18:15 ID:abUMXFXP
「あぁ、もう終わってるじゃないか!?今日、最終回だったんだぞ!見たんなら先教えろ」
今にも掴みかかりそうな材前にビビる郷実。
「えっと、たしか主人公の天才外科医が……」
「……そうか(裁判負けといてよかったかも)」

「なんなら、ビデオ借りてこようか?」
材前が落ち込んでるように見えたので、郷実はそう言った。
「いや、いい。安月給の君にあまり負担はかけられない」

「安 月 給になったのは 誰 のせいでしたっけね?」
どん底に落ち込む材前。

「うそうそ。気にしてませんってば」
落ち込む材前を抱きしめる郷実だったが、
(絶対、気にしてる)
そう思う材前だった。

183 名前:風と木の名無しさん:04/08/07 18:16 ID:abUMXFXP
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ いろんな意味でスマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

184 名前:180:04/08/07 21:09 ID:QQcEelfo
すみません、やってしまいました。
誤って>182を完成前台本で撮ってしまいました_| ̄|○
まとめサイトでは置き換えていただけませんでしょうか?>管理人

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「あぁ、もう終わってるじゃないか!?今日、最終回だったんだぞ!見たんなら先教えろ」
今にも掴みかかりそうな材前に驚く郷実。
「えっと、たしか主人公の天才外科医が……」

その結末に血の気が引くか(幽霊の彼に“血の気”も変だが)のように、材前は青ざめた
「……そうか(裁判負けといてよかったかも)」


「なんなら、ビデオ借りてこようか?」
材前が落ち込んでるように見えたので、郷実はそう言った。
「いや、いい。安月給の君にあまり負担はかけられない」

                   「安 月 給になったのは 誰 のせいでしたっけね?」

どん底に落ち込む材前。

「うそうそ。気にしてませんってば」
落ち込む材前を抱きしめる郷実だったが、
(ぜっったい、気にしてる)
そう思う材前だった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

サッカー終わったら、材前教授に包帯巻かれて逝ってきます。

185 名前:風と木の名無しさん:04/08/08 02:23 ID:XV4YgGWi

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某浅田○郎原作「天○り松・闇がたり」パロモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  とうとうオリキャラに手を出してしまいました!ヒー。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナマアタタカイメデミマモッテクダサイ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



186 名前:天○り松パロ1:04/08/08 02:24 ID:XV4YgGWi
糸のように細い弓張り月の暗い夜の話。全身を黒に染めた長身の影がひとつ。
人間離れした俊敏な動きで水が流れるがごとく、路地を駆け抜けていた。
いつものように仕事を片付けヤサに向かう栄次である。
ふと、その足が止まる。川べりの茂みの中からうめき声が聞こえた。
聞き流してまた走り出そうとした栄次だったが、短く舌打ちすると路を戻り、茂みに近付いた。
長羽織を着た若い男がひとり、体を折って倒れていた。息も荒く、額にびっしりと汗をかき、顔は真っ青だった。
栄次の気配に気づき、目をうっすら開けると、唇を戦慄かせて気を失った。
このままここに放っておけば、凍死もやむないだろう。栄次は溜息をつくと、男を担ぎ上げた。

とりあえず、額に手を置いて熱があるってんで仕様が無い、隠れ家まで男を運んだ栄次である。
水で絞った手拭いを額にあてて、上からまじまじと覗き込んだ。服装から、どこぞの大学生といった年齢か。
びっしりと濃い睫を苦しげに震わせる、色白の、まるで女のように美しい謎の青年だった。
苦しそうな息をくり返すのを見兼ねて、青年の着物の袂を緩めようと手をかけると、短い悲鳴を上げて青年は飛び起きた。
「……!誰だ!」大きな瞳を目一杯開き、怯えるように栄次を睨み付けると部屋の隅に後ずさる。
「てめぇ、助けてもらっておいて誰だはねぇだろう。人に誰だと訪ねる前に自分から名乗るのが筋ってもんだろうが」
栄次のただならぬ迫力に、青年は息を飲むと、ガタガタと震え出した。その様子をみて、またひとつ溜息をつくと、栄次は胡座を組みなおし幾分柔らかい声で問いかけた。
「てめぇ、名前は」
「…馨」
「名字はねぇのかよ、てめぇには」無言である。
「兄さん、学生かい?」
青年は小さく頷いた。
「学生さんがどうしてあんな所でくたばってた?」
返事は無い。長い沈黙にたえかねたように栄次は首をコキと鳴らした。その音にビクリとなると、馨は小さな声をだした。
「アンタこそ、何者だい?」
「俺はただの大工さ。腕はいいぜ」
「ふうん…」呟くと、馨はまた大きく咳き込んで胸を押さえた。

187 名前:天○り松パロ2:04/08/08 02:26 ID:XV4YgGWi
栄次は馨の細い腕を掴むと、強引に布団に戻した。
「馨、おめえさん、熱があるんだ。もう寝ろ。明日、元気になったらさっさと出て行けよ」
そういうと栄次は大欠伸して、下に続く梯子段に向かって叫んだ。
「おい、爺さん!起きてるんだろ?一組布団を借りていいか?」
下には八十過ぎの家主が住んでいる。家主の返事は面倒臭そうな「ねえよ!」の一言だった。
「クソ爺ィ」栄次は苦笑いして呟くと、大きく伸びをして床にひっくり返った。
馨に布団をとられてしまった以上、自分は仕様が無く床の上だ。何か言いたげな馨に目をやると
「病人がヘタな遠慮するもんじゃねぇよ。さっさと寝な」と言って背中を向けた。

栄次の借りの姿は大工。しかしその実体は目細の安佶一味の大兄、通称黄不動と名高い大泥棒だ。
夜に紛れて、大屋敷の屋根を抜き、お宝を奪って夜に消える。
仕事を済ませた夜は、昂った神経がプツリと切れるように深い眠りに落ちてゆく。
しかし、何かにうなされているような声。栄次は静かに瞼を開いた。
馨が真っ青な顔で体を左右に捻り、眉根を寄せてうなされていた。悪い夢でも見ているか。
コイツ、何か訳ありか。
栄次は馨の頬を叩いた。「おい、しっかりしろ」耳もとで叫んだ。
その声に一瞬、正気が戻ったように馨の目が栄次を見つめると、もの凄い力で両腕が栄次の首に絡み付いた。
予想もしなかった行動に栄次の口から息が漏れた。女のように赤い馨の唇が栄次の浅黒い首筋に吸いついた。
「馨!狂ったか」
栄次の叫び声ごと包むかのように馨の唇が栄次の口を覆った。焦点の定まらない馨の瞳はまるで色に狂った女のように栄次の男を刺激するものだった。
「抱いて」短くそういうと馨は自ら胸をはだけた。眩しいくらいに白い肌に桃色の乳首が艶かしい。
「てめえ、なめるなよ」栄次は奥歯を噛みしめて唸るように吐き捨てると、馨の頬を打った。
「後生だから…!」しかし馨は藁に縋る勢いで栄次の口を吸う。舌を絡めてズボンの上から栄次の股間を握りこんだ。
馨の錯乱は抱きでもしないと収まらないか。栄次は冷たく判断すると、小さく震える馨の乳首を前歯で噛んだ。
喜悦の声が馨からあがる。
「覚悟しろよ、俺ァ、少しばかり手強いぜ…」そう呟くと、栄次の熱い舌がねとりと馨の眼球を嘗めた。


188 名前:風と木の名無しさん:04/08/08 02:27 ID:XV4YgGWi
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 終い         | |
 | |                | |           ∧_∧  続く……だってw
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       本当はぐっちょりエロを書きたかったのに直前で力つきました…スマソ

189 名前:風と木の名無しさん:04/08/09 09:29 ID:GSDR+kTY
>>185-188
ぐっちょりエロ期待してます…!!

190 名前:風と木の名無しさん:04/08/10 00:47 ID:DvxdDh7i

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  >>140の続きモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  やっとこさ完結しますモナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ >>180サン、アリガトンw
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

191 名前:郷実×材前1:04/08/10 00:48 ID:DvxdDh7i
頬にポタと、冷たい感触を感じて、材前はうっすらと瞼を開けた。
しばらく視界がぼやけたが、ようやく画を結ぶと、郷実の顔があった。.
頬に落ちたものの正体は郷実の涙だ。いつからこうしていたのだろう、郷実はじっと材前の顔を覗き込みはらはらと涙をながしていた。
材前は困ったように薄く笑った。自分を組みしくように上から覗き込む郷実の表情は崩れない。
昨夜は、久方ぶりにこの腕に抱かれた。郷実の熱い体に包まれ、材前はやるせない喘ぎをいくつも落とした。
そして安心したように気を放ち、こうして朝方まで惰眠を貪ったのだろう。
静かに郷実の顔が下りてくる。ちゅ、と湿った音をたてて、唇が材前の頬をなでた。
「郷実…?」
そろそろと舌が滑り、唇をやさしくなぞり、歯列を割って入り込んでくる。唾液をわざと送り込むかのように、郷実は急に力任せに押し付けるように深く口づけてきた。
「ん…ふ」
涙に濡れた郷実の冷たい頬が材前の鼻筋を嬲る。しばらく黙って、郷実の執拗な口づけを受けた材前だったが激しく咳き込むと顔を背けた。
伍郎…と掠れた声で呼ぶと、郷実の大きな左手が材前の顔を包んだ。
「……!」
郷実の濡れた長い指が何の前触れもなく、材前の肉を断ち差しこまれた。
急な刺激に材前は身をよじった。たちまち顔を紅潮させて、問いかけるように郷実を振り向いた。
指は材前の中を夢中で掻き回し、とうとう急所を探り当てた。
「さ…とみ…」
熱い襞を強く擦りあげると、材前の体は魚のように跳ねた。
「ん……あっ。あっ。さと…み…んっ」
材前はかぶりを振りながらひっきりなしに嬌声をあげた。
「どうしたんだ…急に…」
苦しい息のなかから材前は声を絞り出した。
郷実の指は動きを止めない。わざと材前に声をあげさせるかのようにしつこく肉を責めた。
材前は諦めたように為すがままになった。甘い材前の喘ぎ声はまるで郷実を慰めるかのようにやさしかった。
しばらくして郷実は黙って泣き崩れた。
材前は息を整えるように胸に手をやって嵐が過ぎるのを待った。
そして郷実の頭を裸の胸に抱き寄せた。
「大丈夫か…材前…」郷実の低い声。
「ああ、平気だ」
「君の寝顔を見ていたら、頭が混乱してしまって…すまない」
郷実は両手で顔を覆うと、長く息を吐いて、拭うように手を離した。

192 名前:郷実×材前2:04/08/10 00:49 ID:DvxdDh7i
「郷実…」
瞼を閉じた材前の顔に郷実はやさしく口づけを落としていった。部屋には静寂な時間が流れた。
ふと、材前の目が開く。悲しく揺らいだその目はまっすぐ郷実を見つめかえした。
「…僕を許せるのか……」
郷実の動きが止まる。しかし、聞きたくないといった風にまた顔を寄せようとした。
それを材前の震える右手が止めた。
二人は夢に綻びがでるのを恐れるかのように、一切、病院のこと、裁判のことを口に上らせようとしなかった。
口に出した途端、この夢は脆く覚めてしまうことがわかっていた。
材前は郷実のすべてを理解していた。郷実は材前の上に馬乗りになったまま、体を起こし、眉根を寄せた。
「郷実…」
材前の右手が郷実のひざをゆっくりと摩った。それが合図のように郷実は材前の体から離れた。
郷実の背中に向けて呟く声。
材前の下瞼にとまった雫が垂直に落下した。
「愛している」
「……。」
「愛してる」材前は壊れたように残酷な五文字を呟き続けた。
「あ……」
「行ってくれ!」
郷実は絶叫した。
材前は唇を戦慄かせると、感情をしまい混むように口を閉じた。
「よかった。そんな君だから僕は惚れたんだ」
小さなつぶやきをひとつ残し、材前は里美の前から消えた。
ポツポツと頬をつたう水滴はシーツに染みを作った。
どうして最後に振り向いてやらなかったのだろう。
材前はあの日のようにまっすぐな笑顔を自分に向けていたに違いないのに。

193 名前:郷実×材前 最終話:04/08/10 00:51 ID:DvxdDh7i
「君たち、どうして医者になろうと思った?」

「里美、君はどうして医者を志したか聞いていいか?」
「黒河、君こそどうなんだ」
「多分、君の理由と一緒だよ」

一言くらい祝いの言葉を。

僕しかいないんだ…
世界を……
代わりの人間が……
二人で…… 二人で……

材前の指からみるみる力が抜けていく。
温かいてのひらはだんだんと冷たくなっていった。
額に唇を静かに落とすと、郷実は一礼して部屋を出た。

「綺麗な朝ですね」
本当に皮肉なくらいに澄んだ朝だった。透明な空気を割るかのように朝日が帯状に照らしていた。
「久しぶりに空をみました」
一時期、空ばかりみていたが、あれはなんだったんだろう。
「材前教授の引き出しからこんなものが」
楊原から手渡された封を開けると、冷たいがどこか温かい文字がびっしりと書き連ねてあった。
彼そのもののような文字は時折震えていた。
初めて医師として、材前が自分に正面から向き合った気がした。

もう一度空を見てみた。光の胞子が拡散し、すべてを包み込んでいる。
昔偶然目にした、空に向かって手を伸ばす、彼の姿を思い出した。何が見えていたのだろうか。
里美は目を細め、じっとみつめた。この光を忘れはしないだろう。
空から振ってくる光のつぶは、いつまでもいつまでもやまなかった。



194 名前:風と木の名無しさん:04/08/10 00:56 ID:DvxdDh7i
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ やっと終わった……w
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 今までおつき合いしてくれた方、保管サイトの姐さん、本当にありがとうございました。
 みなさんのレス、いつも励みになっておりました。
 最終話、頑張ってみましたが、力不足ですいません。
 ウワ〜〜〜ン、寂しいよ〜〜〜。ホワタワ最高!最後に独り言を呟かせていただきました。

195 名前:風と木の名無しさん:04/08/10 01:10 ID:flVrQroK
>>190
お疲れ様でした
最後の部分(193)で、今までギリギリ抑えてた涙がドバーっと…切ないよー!!
連載、本当に萌えさせて頂きました。姐さんありがとう!
しかも初リアルタイムだったから凄い嬉しい

196 名前:風と木の名無しさん:04/08/10 01:33 ID:ZfJTvD9A
>>190-193
お疲れ様でした!!毎回毎回続きをほんっと楽しみにしてました。
もう萌え泣き・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

197 名前:風と木の名無しさん:04/08/10 02:51 ID:VK8XehR0
正直言って、こんなに楽しく続きを待った作品は
初めてでした。
ありがとうございました。

198 名前:風と木の名無しさん:04/08/10 03:55 ID:7eXnAv0E
切ないよォォォ・・・・
素晴らしい萌えをありがとうございました。

199 名前:180:04/08/10 11:56 ID:G6If9w3D
キターーーーーーーーーー(゜∀゜)ーーーーーーーーー。
切ないよー。・゚・(ノД`)・゚・。
実はうちの方でホワタワ放送中なんですが、姐さんのおかげで萌えと切なさ倍増中です。

200 名前:風と木の名無しさん:04/08/11 21:23 ID:QI0xdJpx
                          ;@@^
ホワタワ姐さん、お疲れ様でした! ( ´∀`)っ|/`

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 祭りの前のお夜食だモナ
                    | 新〜と激/突!の両方から
                    | ハ丁堀×錺職人のらんちたいむだモナ
                    |
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  激/突!のおっさんカプも捨て難くて相盛りだって。
 | |             | |            |  お祭り前だし、少し甘めの味付けだよ。
 | |                | |            \
 | | |> 再生.        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  オサーンモエー
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
新〜で、事件の聞き込みにしょっちゅう錺職の家に来たり、飯食ってる錺職の側で
ナツラルにタクアンつまみ食いしてるハ丁堀に萌えが止まりません。
なんで当たり前みたいな顔して動じないんだ錺職。
文句言いながら酒にも付き合うし。

201 名前:ハ丁堀×錺職人 1/4 (新/必/殺〜):04/08/11 21:25 ID:QI0xdJpx
うららかな昼飯時の長屋、錺職人の家。
昼食中の家の主と、何故かそこに座る二本差しのハ丁堀同心。
妙な取り合わせだが、当の本人たちは気にする風もなく呑気な会話を交わしている。
「娘ばっかり狙う掏りかあ。タチ悪ぃなそりゃ」
「しかもだ、娘の着物の裾を必ず切っていきやがる。襦袢ごとな。
 気付いたら脚が丸見えで泣き出す娘もいてよ。中にゃ財布は無事で裾だけやられたのもいる」
「なんだ、そっちが目的かよ。んじゃ下手人はあんたみたいなおっさんだな多分」
「張ッ倒すぞ。でな、お前ェの得意先にゃ女が多いだろ。何か情報掴んだらすぐ知らせろよ」
「あいよ。でも、あんたが張り切るなんて珍しいじゃねえの」
「たまにゃンなこともあらあな。 …美味いな高菜漬け」
「向かいのばあちゃんにもらった」
小皿からポリポリ摘む主/水を箸で牽制しつつ、ヒデは味噌汁を啜った。
「掏りの出る場所は決まってんのか?」
「まあ人出のあるところだな。特に着物や簪がいい物だと狙われる。ヒデ、お前ェの客にもいるんじゃねえか」
「俺の簪はそう高えもんじゃねえけど…」
「値段じゃねえだろ。細工がよけりゃ見栄えが違う」
「そりゃ…ありがとよ」
こともなげに言われてくすぐったそうにはにかみながら、ヒデは最後の飯を口に運んだ。
この男はこっちが油断してるときに限って、不意打ちのような言葉を言うから困る。
しかも本人が全く意識してないから防ぎようがない。
「で、お手柄立てれば金一封出るんだろ?いっつも人んちのもの掠めてんだから飯くらい奢れよ」
「下手人のしっぽ掴めたらな」

それでも嬉しいんだから仕様がない。

202 名前:ハ丁堀×錺職人 2/4 (新/必/殺〜):04/08/11 21:26 ID:QI0xdJpx
「ところであんたは昼飯食ったのかよ」
食器を片付けながら問うヒデに、主/水は「まあ食ったんだがな…」と肩を落とす。
「あれ、弁当は」
「倹約倹約でよ、ほとんど何も添えてねえ白飯詰めて寄越しやがった。しかも量も減ってやがる」
「あはは。辛いねー婿殿」
「うるせえよ」
蕎麦でも食うか、いやそれもいい加減飽きた…と思案する主/水の鼻先へ
湯気の立つ物体が突きつけられた。
「ん」
「お?」
いかにも男が握ったらしい大き目の握り飯がふたつ。
「持ってけよ」
「お前ェ、器用だな」
「俺の仕事が何だか知ってんだろ。さっきの高菜詰めた」
「おう、済まねえな」
ほくほくとふくさに包みながら何気なく目を上げると、指についた飯を一粒ずつ舐め取るヒデの姿。
(おい…他人の前でやるんじゃねえぞ、んな真似を)
とは口に出さず、ひっそりため息をつく主/水であった。


「付き合い長いのはわかってるけど、何かしらこの空気…」
壁の穴から覗き見しながら、加/代は首を捻った。

203 名前:ハ丁堀×錺職人 3/4 (〜激/突!):04/08/11 21:29 ID:QI0xdJpx
「で、あんたはなんでここで食ってるんだ」
「固えこと言うな。奉行所や番屋じゃ落ちつかねえし、今日は風が強えから外じゃ具合が悪いからよ」
勝手知ったるとばかりに上がり口に腰掛け、主/水はのんびりと弁当を広げている。
用事を済ませて帰れば堂々と居座っている男に、ヒデは呆れたように目を細め、
やれやれと肩を竦めた。騒いでも仕方がない。なにも今日に限ったことではないのだ。
昔から、普段は接触があるところを見られてはまずいと言っているわりに、こうしてふらりと現れる。
情報収集の場合もあれば、世間話だけしてのっそり帰ることもある。
「あんたも老けたってことか」と言ってみれば複雑な表情をしていた。
このところは別段事件もないらしく、主/水はすっかり寛いで茶まで啜っている。
「役人が暇なのは結構なことだがな。まあ、あんたが忙しくなったら世も末か」
「どういう意味だ。…鍋煮えてんぞ」
七輪の上で味噌汁の鍋が沸騰している。作りすぎたので夜食にするつもりだったんだが、
と思いつつもヒデの口許がわずかに和らぐ。
無言で熱い椀を差し出され、主/水は「悪いな」と悪びれもせず受け取った。
「お、しじみか」
「大漁だとかで安くてな」
「へえー。 …味噌変えたか?」
「貰いもんだ」
ヒデは独り者を通しているため、あいかわらずの自炊生活である。
もっとも、向かいの後家がなにくれと世話を焼いているようであるが。
過去、ヒデに女性の影がないわけではなかった。若さに任せ、時には裏の仕事さえ放り出して
愛を求めたこともあった。しかし、それと同じ数だけ相手を失う結果に終わっている。
どれだけの数傷ついたのか、今は黙して語ろうとはしない。
時を経た今とて、その容姿と誠実さに懸想する者はいくらもいるだろう。
しかし、裏家業に身を置く自分に安息など許されないのかもしれない。
いつだったかヒデは自嘲気味にそう呟いた。


204 名前:ハ丁堀×錺職人 4/4 (〜激/突!):04/08/11 21:30 ID:QI0xdJpx
かつての仲間は皆江戸を離れてしまった。ある日不意に、この錺職人までもが
消えてしまうのではないかという思いが拭えない。
そうなったらそれまでなのが仕事人の定めである。しかし、気づけば
軒下の『ヒデ』の看板を確かめに長屋に足が向く。看板が下がっていれば、
まだ生活をしているか確認してしまう。我ながら馬鹿なことをしていると自然に苦笑が漏れた。
「何だ」
「……いや」
何を思い出しているのやらとヒデは冷たい目で一瞥をくれ、味噌汁のお代わりを注ぎながら揶揄する。
「何処かに妾候補でも見つけたか」
「馬鹿抜かせ」
こいつは無口になった。年齢を考えれば当たり前でも、威勢のよかった頃の面影を残しているだけに、
主/水は年月の早さと重みを感じてしまう。特に、いちばん表情が表れる目元はなにも変わっていない。
「今夜も夜勤でな。ゆっくり食えるときに食っとかねえと、弁当はこれで仕舞いだしよ」
「何だ、あとは夜鳴き蕎麦か。侘しいね」
「なんの。婆ァどもの前で縮み上がりながら食うよりマシってもんだ」
お代わりの茶を勝手に注いで飲み干し、さっさと立ち上がる。その背中にヒデはわざと静かに声を掛けた。
「せこく小遣い浮かせてる分、少し返してもらってもバチは当たらねえよな」
「あ? 俺だって地道にやりくりしてだなあ…そのうちどっかで飯でも奢るからよ」
せかせか出て行く足元には、まだ大量にしじみが積まれた笊。連日味噌汁にしても飽きがきそうな量だ。
ヒデはふと視線を飯櫃に移した。一瞬だけ、懐かしい記憶がよぎる。
確か、しじみを煮付けて長持ちさせる方法があった。濃い目に味をつけるので握り飯の具にも都合が良いとか。
ヒデは「高くつくぜ」と呟いて立ち上がり、向かいの家の戸を叩いた。

その夜、夜回りから戻った主/水の手に包みがひとつ。
どこの女房からの差し入れかと囃す同僚を飄々とかわしながら、
主/水が無意識に襟元を整えたことに気付く者はいなかった。


さらに、とある長屋の錺職人が深夜にひっそり家に戻ったことも。

205 名前:風と木の名無しさん:04/08/11 21:31 ID:QI0xdJpx
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 停止        | |
 | |                | |           ∧_∧   手作りのおにぎりって
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )   どこのギャルゲーだよ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
むしろ熟年夫婦を夢見てもよかですか…

※ちなみに「新〜」時は48×28、「激/突!」時は58×38(中の人年齢)でございます。

206 名前:風と木の名無しさん:04/08/12 00:54 ID:yvmfcdiF
>>201-204
萌え萌えでつ…!
甘々もいいですね、GJGJ

207 名前:風と木の名無しさん:04/08/12 01:04 ID:PXiBlmQp

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  いきなり上映スマソだモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  数字お笑いコンビの妄想垂れ流しだモナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ウソッコ関西弁炸裂!w
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


208 名前:谷 & 丘 1:04/08/12 01:06 ID:PXiBlmQp
朝起きて、鏡をみて、我ながら驚いた。
「めちゃめちゃ、腫れとるやん…」
丘村さんは思わず自分の顔をつねって絶叫した。

本気のパンチ、あんなにもらったもんなぁ。
左目、お岩さんみたいになっとる。ちょっとおもろいかも。
って絶対に笑われんのやろなぁ。あいつのニヤけた顔が目に浮かぶ。
うわー、顔あわせたないなぁ。

帽子を目深にかぶってしぶしぶラジオ収録に向かった丘村さん。
相方はまだ到着していないようだ。
なにホっとしてんねん!自分! そんな自分に腹がたって。
そうだ、逆に驚かしたろ。
丘村さんは急にいそいそと部屋中何かを探し出した。
「すいません、なんか長ーい髪の毛のカツラ…」
周りのスタッフに聞いて回ろうとしたその矢先、
「何してはるんですか」
(絶対にヘラヘラ笑っているであろう)声が上から降ってきた。
タイミング悪うー!!
丘村さんは、観念してバっと振り向いた。
「俺、顔すごいおもろいことになってん!」
そういってニカっと笑うと、谷部は瞬く間に真顔になって丘村さんの肩をポンと叩くと、
スーっとまた廊下にでていってしまった。
「・・・・・・」
俺、今スベった?つうかなんでシカトやねん。俺がスベったみたいやんか。カツラなかったけど。
ムカっときて、丘村さんが廊下にとびだすと。
谷部は遠くのベンチに座って腕組みをして前をジッと睨んでいた。

209 名前:谷 & 丘 2:04/08/12 01:06 ID:PXiBlmQp
ダっと駆けていって、隣に腰を下ろした。
でも意外に真剣な表情の谷部に声をかけられない丘村さん。
急にハーっとため息をついた谷部にびくっとなる。
谷部の掠れた声。「もう若くないねんから」
「おう」
「4ラウンドまで引っ張る必要なかったと思うし、正直」
「せやけどなーあれは…」
「あんま無理せんといて下さいよ」と言ったとたんにクスっと笑って
「ってボケの人に言うセリフやないなぁ。無理すんなて」困ったように呟いた。
「お前、言ってること滅茶苦茶やぞ」丘村さんがぶっきらぼうに返すと、
谷部は自分の隣の小さい手をぎゅっと握った。
「心臓とまるかと思いましたよ……?」
谷部に握られた手が熱くて熱くて。丘村さんは真っ赤になって俯いた。
「阿呆、大袈裟」
小さく呟いた丘村さんの顔を覗きこむように谷部は顔を近付けて囁いた。
「あんたの顔、面白すぎて」
「!!」
ひっかかってやんのといいたげなヘラヘラ笑いの谷部。
「おまえなー…」
丘村さんは耳まで赤くして谷部を睨み付けた。
「いい加減、手、離せや」
いつまでも丘村さんの手を握っている谷部の手。
「嫌です」
「なんで」
「あんたの顔がおもろいから」
「なんやねんな、もうーーー離せ!」
「嫌ですーーー」

このやり取りは恐ろしいことに5分きっかり続いたのであった。おわり。


210 名前:風と木の名無しさん:04/08/12 01:08 ID:PXiBlmQp

 ____________
 | __________  |
 | |                | |              自分のいいように現実を曲げましたw
 | | □ STOP.       | |               お目汚し失礼しました
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  

211 名前:風と木の名無しさん:04/08/12 01:42 ID:v6GBVpIA
オカタカリーダー可愛い…(*´∀`)

212 名前:風と木の名無しさん:04/08/12 06:25 ID:nK3ze6kC
>208-209
も、萌え…GJです!

213 名前:風と木の名無しさん:04/08/12 07:28 ID:3fRR6FC3
>>208-209
カワエエ…
ほのぼの萌えさせて頂きました。


214 名前:風と木の名無しさん:04/08/12 11:08 ID:yKvsJurT
>>201-204
よい甘さ加減でございますた。
飾り兄さん、かわええ〜〜!

215 名前:風と木の名無しさん:04/08/13 23:01 ID:VpQRrwdp
>>208-209
可愛らしくってほのぼのでニヤけ顔止まらないですw
姐さんGJ!!!

216 名前:風と木の名無しさん:04/08/13 23:04 ID:04cMnapk

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  危険な上映タビタビスマソだモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  数字お笑いコンビの妄想垂れ流しだモナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ウソッコ関西弁がまたも…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



217 名前:谷 & 丘 1:04/08/13 23:05 ID:04cMnapk
収録の合間、時間があいたので楽屋に戻って雑誌をめくりつつ横になっていた谷部。
すると、ノックもせずにドアが開き、小さいおっさんが入ってきた。
「さぶ、この部屋さぶっ」
言いながら、丘村さんは勝手に上がり込んで畳の上に胡座をかいた。
谷部は気にせず、雑誌をめくり続ける。丘村さんのくしゃみが突然爆発した。
「夏風邪やねん。俺、昨日からくしゃみと鼻水」
「…」
「熱はないねんけどな」
「……そう」
「クーラー、つけとるよね?…寒いねん、この部屋」
谷部は面倒臭そうに振り向いた。
「だったら自分の部屋戻ればえーやんか」
「まー、そやけど…な。っくしょん!」
丘村さんはティッシュの箱を手繰り寄せると盛大に鼻をかんだ。
「せやけどなー、部屋に戻るのがもうめんどくさいやんか」
「アホか。ちょっと歩いたりーな、何が面倒臭いねん」
またも、くしゃみが2連発。谷部はため息をつくと、クーラーのリモコンを握り、スイッチを切った。
ピッという電子音のあと、また無音になる室内。谷部は寝返りをうって丘村さんに背中を向けた。
「何、怒っとんねん」いきなり丘村さんはティッシュの箱を背中に投げ付けた。
「はい?」谷部がムッとして振り向いた。
「朝から何を怒ってんねや」
「なにも怒ってへんよー」
「怒ってるって」
そういうと急に谷部の上に馬乗りになった。
「何すんねん。雑誌読んでるの、俺は」
谷部が丘村さんの顔を睨みあげると、丘村さんは口にツバをためてニヤっと笑った。
「ツバ爆弾や。風邪うつりたなかったら白状しいや」
「なに子供みたいなこと。うっわ、やめろって、まじで!!」
ツツーっとツバは谷部の耳元を掠めて床におちた。


218 名前:谷 & 丘 2:04/08/13 23:06 ID:04cMnapk
「あ、あほや、この人…」
「白状するか」
「ツバしまってから喋れ!あー…もう垂れたやんか」
ため息をしながら谷部は目の辺りを拭いた。
「……俺はあんたに怒ってるワケやないんやけど」
「そうなん?…ってごめん」今度は口に命中した。
「ツバしまえって、言うたやんか…」
谷部はまたため息をついて、体を捻ると、逆に丘村さんを組み敷いた。丘村さんは逆に爆弾がくると思ってぎゅーっと体を固くした。そんな様をみてクスっと笑うとふわっと丘村さんを抱きしめてみた。
「なんやねんな、いきなり」マジ声で尋ねる丘村さん。
「や、なんか寒いいうとったからさ」
「こんなんで誤魔化されんよ」
「なんやねん、それ。だからー怒ってたんは自分に対して」
「…」
「俺が未熟やなと。こんなんじゃダメやと。それでイライラしとったんです」
「昨日の絡みの撮りのことか?」丘村さんは静かな声できいた。
「ま、平たくいうとヤキモチやね」
耳元で聞く谷部の声は意外に低くて心地よかった。
「俺が一番丘村さんのおもろいとこ引き出すはずやったのにってね」
「なんや、くすぐったいヤツやな自分」
丘村さんは照れ隠しをするようにわざとぶっきらぼうに言った。
「うん、まぁ、くすぐったい男やよ、俺は…」
谷部は手持ち無沙汰になって丘村さんのえりあしを撫でてみた。しばしの無言。
冷静になってみると、急に気恥ずかしくなった二人。しかし、なかなかキッカケがつかめずしばらく阿呆みたいに動かなくなっていた、が。
「丘村さん…」谷部のため息。
「なに?」
「半勃ちしてますよ…」不憫や…と悲しそうな谷部の声。
「抱き締められんの久しぶりやねん!!誰かに!生理現象やからしようがないやろが!!」
丘村さんは火がついたように暴れ出した。


219 名前:谷 & 丘 3:04/08/13 23:08 ID:04cMnapk
「なにやってんの?」
いきなり現れた浜口の間抜け顔。
畳の上には息をきらしてうずくまる男が二人。
「丘ちゃん、顔真っ赤だけど……」
「夏風邪やねん!」必死の丘村さんの切り返しと迫力に。
「そうかー。なんか物凄い、暑いしなー、この部屋」
クーラーつけといたほうがいいんちゃう?と言い残してそそくさと去っていった。

「クーラーつけていいか?」谷部のお願いに
「はい」と答えるしかない汗だくの丘村さんであった。


220 名前:風と木の名無しさん:04/08/13 23:10 ID:04cMnapk

 ____________
 | __________  |
 | |                | |              
 | | □ STOP.       | |           コンドカラハヒトリデコソーリミマス…ドキドキ
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  


221 名前:風と木の名無しさん:04/08/14 00:17 ID:JjotMH1B
>>217-219
激萌え!!!
小さいおっさん可愛いわ、谷部さんカコいいわ・・・ええもん見させてもらいました
(*´Д`*)ハァハァ

222 名前:風と木の名無しさん:04/08/14 02:23 ID:dkR9T7fS
>>217-219
(*゚Д゚)-3 ムハァァァ!!!
やっばいくらい萌えますた!
包容力ある相方で幸せですよ小っちゃいおっさん(´Д`*)

223 名前:風と木の名無しさん:04/08/14 10:16 ID:TW4Z7rzU
>>217-219
萌えキタワァ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*
GJです!


224 名前:風と木の名無しさん:04/08/14 14:44 ID:lekARoyh
>>217>>219
萌えです!! 姐さん禿しくGJ!!!!
小さいおっさんカワエェw

225 名前:風と木の名無しさん:04/08/14 23:49 ID:X+iVL0t6
>>190
禿遅レスですが、偶然このスレを知って、今遡って全部読み終えました
というか、保管サイトあるって知らなくて…
ホワタワ見てなくて適当に医者モノの挿絵を片手に読んでたんですが、よかったです。
今までBLサイトでの小説読んでてこんなに悶えたことありません。
パロ?だとしてもすごい文章力です。お疲れさまです。ありがとうございました



226 名前:風と木の名無しさん:04/08/15 01:35 ID:MqGLetjr
>>208-209
>>217-219
目に浮かぶようです!ハァハァ
素直じゃないプラトニック感モエー。

227 名前:風と木の名無しさん:04/08/15 11:55 ID:QYASu+Hs
>208-209,217-219
禿萌え!
姐さんアリガトン!

228 名前:風と木の名無しさん:04/08/15 23:05 ID:4a+Aynx6
すみません、お借りします
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   |  週間日曜連載の漫画で、現在上映されてる
                   |  映画が元ネタになっているモナ
                   |  
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  それなのに映画ネタバレ注意報だね
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

※本筋では映画ヒロインが似たような目にあっています。
※映画を見て疑問に思ったことが発端なので、明らかに映画とは矛盾しています。

229 名前:ワイズマン×清麻呂1:04/08/15 23:08 ID:4a+Aynx6
「何を泣いている?」
 口元に薄い笑みを浮かべて、ワイズマソが白い本を持つ相手へと問いかける。
 彼が憎んで有り余る子供の、運命の相手。だがこれは本当ならば自分のモノだったのだと、
虚ろな瞳で涙を零す清麻呂の頬に触れる。
「何を泣いている?」
 本来ならば自分のモノとなるはずだった魔本の使い手。だからこそあるべき場所をわざわざ
教えてやったというのに、これはそれに異を唱えた。
 自分は、あの赤い魔本は、あの憎い子供のものなのだなどと言うから。
「お前が悪いんだよ、清麻呂?」
 心を封じてあの子供と戦わせようとすれば、自分で命を絶とうとした。だから記憶を消してやった。
「残念だ。お前のことは、少しは気に入っていたのに」
 あの日から、ずっと見ていた。ろくに力もない愚かな人間の中で、それでもあのガッシュの傍らに
置くにはもったいないと思わせる程に、彼は頭の良い人間だった。魔本を使わせるためには必要
な道具として傍らに置くのなら、やはり優秀な方が良い。
 出来るなら、心を封じるだけで済ませたかったのだが。
「まあ、良い」
 どうせこの白い魔本の前に他の子供が持つ魔本など無力。そう経たずに全て終わらせられるだろう。
「まずは、ガッシュだ」

230 名前:ワイズマン×清麻呂2:04/08/15 23:08 ID:4a+Aynx6
清麻呂が手にしていた赤い魔本を受け取る。
 最後まで奪われることに抵抗を示したそれも、もはや自分から差し出す。
 全てはワイズマソの望むままに動く人形。
 だが。
「……っ、いい加減にその涙を止めろ!」
 苛立ちをぶつけても、相手が「ハイ」と口にしても、清麻呂が流す涙は止まらない。
 動かない表情。ただ流れていく涙。それは頬を、顎を伝って地面へと落ちる。
 それに舌打ちし、ワイズマソは手にした赤い魔本を地面に落とし、踏みつけた。
 この本は、まだ燃やさない。
 自分から魔界に返してくれと言わせるまで、ガッシュにはここで苦しんで貰う。
「自分の運命の相手が、僕の傍らで殺戮を繰り返すのでも見ていて貰おうか」
 自分とガッシュを除く、全ての子供の本を燃やして。
 最後にガッシュの本を焼くとき。
 その時、清麻呂の記憶を戻してやろう。
 自分の犯した罪を、この少年はどう受け止めるのか。
 おそらくは正気でなどいられまい――正気でいられないように、その手を赤く染めてやろう。
 人を殺す、その感触を教え込んでやろう。
 そうして完全に壊れたのならば。
 ガッシュを魔界に返して王になった暁には。
 永遠にそばに置いてやっても良い。
「お前が悪いんだよ」
 その日の訪れを思い、ワイズマンは薄い笑みをその口元に浮かべた。

231 名前:風と木の名無しさん:04/08/15 23:09 ID:4a+Aynx6
                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  エロが無いモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  オチも無いねー
 | |                | |            \
 | | |> STOP.      | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  ポカーン
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

232 名前:向こうの556:04/08/15 23:41 ID:OpZCB0sX
ねねね姐さん禿萌え GJ!!
ままま麻呂の涙に(*゚Д゚)-3 ムハァァァ!
この続きもいずれみたいです!

233 名前:風と木の名無しさん:04/08/16 11:27 ID:bubsI6ed
工エエェェ(´д`)ェェエエ工工
この後から猥ズマン×キヨ麿の監禁調教陵辱なんじゃないんですか?w
続きも期待してます…(*´д`)

234 名前:風と木の名無しさん:04/08/16 21:38 ID:3cvz/jYb

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  あの映画の裏がもう流出してるモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  スパイダーマソ2か。 ネタバレ注意
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 友人×主人公?
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


235 名前:1/3:04/08/16 21:39 ID:3cvz/jYb
 摩天楼が見渡せる大きな窓から、心地よい風が吹き込んでくる。
だがハりーはなぜかそれを閉めてしまった。
話がしたいという電話をもらって彼の家まで来たものの、
ピ−タ−は居心地の悪さを感じずにはいられない。
「窓もドアも閉めた。これでもう俺たちの話は誰にも聞こえない。」
窓辺の長椅子にかけたピ−タ−の肩に、背後からハりーの手が置かれた。
「教えろ、ピ−タ−。ヤツはどこにいる?」
「やっぱりその話か。」
ピ−タ−は重いため息をもらした。
「君はお父さんの会社を引き継いで、しっかり経営している。
それで充分じゃないのか?
お父さんだってきっと喜んで……」
「ふざけるな!!」
ハりーは拳で窓を叩いた。分厚いガラスにはヒビもはいらないが、
震えた窓枠が耳ざわりな音をたてた。
「父のことをお前に言われたくない!どんなことでもだ!
仇の肩を持つ野郎なんかには……!」
激昂して室内を歩き回るハりーを、ピ−タ−はただ目で追っていた。
「しっかり経営?ハッ、あんな実験に金を出してたことで、
会社の評判は地に落ちたさ。俺には何もない。
父も、mjも、金も失った!」
テーブルにあったグラスを掴み、ハりーはピ−タ−に投げつけた。
当てる気はなかったのか外れたのか、バカラのタンブラーは床で砕けた。

236 名前:2/3:04/08/16 21:39 ID:3cvz/jYb
「僕がいるよ、ハりー。なにがあっても、僕は君の友人だ。」
胸の奥の複雑な感情を押し殺し、ピ−タ−はそう告げた。
大またに歩み寄ってきたハりーは、ピ−タ−のあごに手をかけて
仰向かせ、その顔を見下ろした。
「そう言いながらお前は、あのクモ野郎をかばい続けるんだろう?
どうしてだ?!俺よりヤツを選ぶってのか?!」
ハりーの手は、痛いくらいの力であごをつかんでいる。
その必死な目の色に、ピ−タ−は自分がクモなのだと叫んでしまいたい
衝動に駆られた。だが、必死の思いでかみ殺す。
これ以上ハりーを傷つけたくはなかった。
「どうして黙ってるんだ?まさかお前ら、デキてるのか。」
「……酔ってるのか。僕はもう帰らせてもらう。」
立ち上がろうとするピ−タ−を、ハりーは思いっきり突き倒した。
長椅子に倒れこんだ体にのしかかり、首に手をかける。
「もしそうなら、俺は父だけじゃなく、お前も奪われたことになる。」
そんなことが許せるか、とハりーはつぶやいた。
「落ち着けよ……そんなわけないだろ……」
ピ−タ−は絞めつけてくるハりーの手をなんとかひきはがそうとする。
本気でそうしようと思えば、普通の人間の力など何ほどのこともない。
だが彼をここまで追い詰めたのがほかならぬ自分であるという事実が、
振りほどく力を弱らせる。

237 名前:3/3:04/08/16 21:40 ID:3cvz/jYb
「ははっ、いいことを思いついたぞピ−タ−!
ここで俺がお前をレイプしたらどうなると思う?
あいつが助けに来るんじゃないのか?
無理に聞き出さなくても、自分から現れるんじゃないのか?!」
「あんまりバカなこと言うのは……よせ……っ!」
急に首から手が離れ、ピ−タ−は咳き込んだ。
「君は……ゲホッ、一番大事な友人だ。本当だよ、ハりー。」
「俺は友人で、アイツはそれ以上ってわけだ。」
「おかしいぞ、さっきから何を言ってる?君の妄想だ。」
ピ−タ−の中に暗雲が広がりつつあった。
2年前に倒した彼の父親のように、今のハりーは自分の妄想の虜になっている。
甲高い声でハりーが笑った。
「どうしてあの部屋から出て行ったんだ、ピ−タ−。
お前さえいてくれれば、それでよかったのに!
俺はもうお前を愛してるのか、憎んでるのか、わからない。」
歪んだ笑いを浮かべたまま、ハりーはネクタイを緩めた。
「ヒーローが来てくれることを祈れよ。」


238 名前:風と木の名無しさん:04/08/16 21:42 ID:3cvz/jYb
                  
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   |  半端なとこで終わってるモナ
                   |  
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  何が裏なんだか
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ゴルァ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


239 名前:風と木の名無しさん:04/08/16 21:59 ID:wmtMsux9
>234
ついに出た神!待ってますた
どんでんがえしに大期待!
P−トがんばれ(・∀・) 

240 名前:名探偵の孫・アケキン:04/08/16 23:16 ID:he7FHcHu

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  こないだ復活したチンダイチ少年物モナ。
                      イヤミ警視×キンダニだモナ。

 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  微妙なラインの選択だな。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



241 名前:名探偵の孫・アケキン:04/08/16 23:20 ID:he7FHcHu
某スレから誘導されてきました。
昔ちょっとはやった名探偵の孫息子が主人公のヤツです。
ケイシ×キンダニです
場をお借りします

242 名前:名探偵の孫・アケキン1/2:04/08/16 23:22 ID:he7FHcHu
長くてきれいな指がオレの髪を弄った。
さらっと彼の指が髪を通る感覚が心地よくてオレは眼をつぶった。
「君はいくつになったんですか?」
「その年でもうボケたのかよ。自分の…」
恋人の年ぐらい覚えとけと言おうとして止めた。
この人と付き合うようになってどれだけたっても
どれだけ肌を重ねてもこういう言葉を口に出すのは苦手だった。
どうしても欠片ばかりの融けきれない
不自然さが舌の上に残るような気がして
それが苦手だった。
なのに目の前のエロセクハライヤミケイシは
ふふっと笑って臆面もなく言い放ちやがった。
「そうですね。愛しい愛しい恋人の年を忘れるようじゃボケたと言われても仕方ないですね。」
とたんにオレの頬は熱を増す。
そんなオレにさらにしれっと彼は続けた。
「ああ、もちろん忘れたわけじゃないですよ。愛しい君の重ねた年月を確かめてみたくなっただけです。」
………。
バカアホマヌケお前なんか世界で一番頭の良いアホだ!
この人はオレの中にある微かな躊躇をいつも的確に突いてくる。
オレ達がこんな関係になることはどうしようもなく避けられないことだったってわかってるけど
やっぱりそれは歪んでる。
歪んだまま固まってしまった鉄の塊みたいだっていつも思う。
なのに、この人は全部わかってて
オレがそういわれるの苦手なの知っててわざとそう言うのだ。
なんでこんなヘンなのと付き合ってるんだろオレ。
オレはわざと溜息をついてやる。
「…オレって趣味ワル…」
「何か言いましたか?」
「なーんも。」
畜生。なんで幸せそーに笑ってやがるんだ。

243 名前:名探偵の孫・アケキン2/2:04/08/16 23:29 ID:he7FHcHu
「…で?何でいきなり確かめてみたくなったわけ?」
彼はオレを引き寄せて軽く唇を寄せた。
「寂しくなったんですよ」
「はぁ?」
「あと80年ちょっとだなあって…そう思って。」
ますます訳がわからない。
????という顔をしているオレに
見惚れるような笑顔で彼はさらに言った。
「君と一緒にいられるのが
あとたった80年ちょっとしかないのかと思うと寂しくなったんですよ」
????????
「あと80年ちょっと…。オレは100歳ぐらい?」
彼は至極真面目な顔でうんうんと頷く。
「そうです。君といられるのも後80年ちょっとしかないんですよ。」
オレはおもわずまじまじと彼の顔を見つめてしまった。
このとんでもなくきれいなお人は
オレが100才になるまで一緒にいるとさらりと宣言しているのだ。
オレは呆れて口が閉じなくなる。
なんで勝手に人が100まで生きると決めてるんだとか
オレが100歳になったらあんた111歳だろうが、
ギネスにでも載るつもりかよとか色々ツッコミどころはあるんだけど。
彼はぎゅっとおれを抱くと耳元で低く甘く囁いた。
「だからね、残された時間を有意義に使おうじゃないですか。」
…オレはくすぐったくてクスクス笑い出してしまう。
なんかこの人といるなら100年でも1000年でも生きられるような気がする。
100になってもこの人はきっとイヤミで変人で
そしてやたら優しいこの人のままなんだろう。

244 名前:アケキン 入りきらんかったのでラスト:04/08/16 23:30 ID:he7FHcHu
「なあ、明智さん。」
既に臨戦態勢に入ってる彼は
オレの胸にキスしながら面倒そうに眼を上げた
「…何ですか?」
「アンタがクソじじいになってもオレは優しいヤツだからな。
一緒にいてやるよ。」
一瞬の間ののち彼はにっこりと心底嬉しそうに笑った。
そしてオレの唇にちゅっと軽く触れて言った。
「誕生日おめでとう。金田一君。」

245 名前:アケキン 以上です:04/08/16 23:38 ID:he7FHcHu
 ____________
 | __________  |
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

しかも超短いです。アケキン姐さん甘くなくてソーリー

246 名前:某スレ132:04/08/17 00:02 ID:L1IOXqmk
>>240-245
(・∀・)イイ!

職人さん乙です。甘くて切なくていいですなぁ
意地悪そうに微笑むケーシに萌え萌えです
続きはあるのかな・・・またいつか書いてください

247 名前:風と木の名無しさん:04/08/17 02:11 ID:BKVORR4M
>234
神!
ぜひとも続きをおねげえしやす!

248 名前:風と木の名無しさん:04/08/17 02:27 ID:9nq9kSCt
>234
映画見てないのに萌えて萌えてゲロ吐きそうです。
1も2も見るので続きおながいします。

249 名前:慶応F MI:04/08/17 09:25 ID:G4RURWDk
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  先日発売された慶応F MI物だモナ。
                      マキツマ→K‘だモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  「→」ってことはエロなしか。ヌルイナ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ シカモ ミジカイラシイ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

250 名前:慶応F MI 1/2:04/08/17 09:26 ID:G4RURWDk
「本気か……? てめえ」
その声が、少し掠れているように聞こえたのは慢心だろうか。
少なくともこの男が自分の敵になることはあるまいと思っていた、
その思い込みを裏切られて思わず訊き返したのだと、そうとっても構わないのだろうか。
マキツマはひっそりとこみ上げる笑みを気取られないよう、敢えて何も言わずに拳を構えた。

ここでK‘と拳を構える理由を説明するのは簡単だ。
今回の相手は、今まで相手にしてきた連中とは訳が違う。
いつもの大会はお祭り騒ぎに近く、主催者の面子もあって
それなりのルールが設けられ、それに則っての戦いでしかなかった。
ネヌツという巨大な敵に抗った時も、貴重な実験サンプルである二人は
「なるべく生かしたまま確保すること」とされ、比較的手ぬるい攻撃しかなかった。
傭兵部隊も彼らを追っていたが、あれは本物の軍人だ。
本物の軍人は無駄な血を流したがりはしない。

今回は違う。
今まで具間見てきたものとは比べ物にならない、裏社会の深い闇がある。
そして大会のルールは、Dead or Alive――相手の生死を問わず、だ。
お前を殺されたくないと言ったら、K‘はどんな顔をするだろうか。
あの軍人たちや、いつもの格闘家たちと当るなら何も心配はない。
決して退けは取らないのは証明済みだし、
もし負けてもそれ以上に酷いことにはなりはしないだろう。
だがもし、人を殺めることを呼吸のように行う者たちとK‘が当り、
そしてもし、敗れたとしたら。

251 名前:慶応F MI 2/2:04/08/17 09:28 ID:G4RURWDk
それならいっそ、自分が倒してしまおう。
そう考えた自分に気付いた時も、マキツマはこみ上げる笑いを止められなかった。
殺そうと気絶で済まそうと、それでK‘はこの大会のカードから外れる。
それでK‘の身の安全は確保される。それだけの簡単な理由だ。
だが、マキツマはそれをK‘に説明しようとは思わなかった。
口に出してしまえば野暮に過ぎるし、K‘はそれで納得するような可愛らしい性質ではない。
話して納得するような男なら、マキツマはここまで彼に思い入れはしなかったのだろうが。
だからマキツマは、無言で拳を振り上げる。
「本気か……てめえ」
もう一度、そう繰り返したK’に向けて、マキツマの鋼の拳が吼えた。

252 名前:慶応F MI おわり:04/08/17 09:29 ID:G4RURWDk
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 本当に短いな(゚Д゚)モルァ!!
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

そして一箇所伏せ損ねたことに気付いた。スマソ。

253 名前:風と木の名無しさん:04/08/17 22:56 ID:6zT3i/Yd
>234
GJです。貼りーのイカレっぷりが目に浮かびますなw

254 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 00:10 ID:cJTAn7vm

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  調子にのってもう一回上映だモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  数字お笑いコンビの妄想垂れ流しだモナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 苦手な人はスクロールしてやー。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

255 名前:谷 & 丘 1:04/08/18 00:11 ID:cJTAn7vm
机の上で、携帯がブルブルと跳ねた。谷部は瞬きをひとつして、のっそりと起き上がる。
しんどそうに、時計を確認する。午前3時。
こんな時間に誰や?
静かになった携帯を取り上げた。着信アリ、相方。
「…?イタズラ?」
不思議に思ってリダイヤルする。5秒、10秒…20秒…
「……もしもし?」くぐもった丘村さんの声。
「はよ、出ろや!こんな時間に連絡いれておいて…」
すまん、といったかどうかの咳き込んだ声が携帯の向こうから聞こえてきた。
「…咳き…か?大丈夫か?」
尋常じゃない丘村さんの咳きに谷部は眉をひそめた。
「すまん、色々電話して…でも全然誰にも…つながらんくて…」
「おお」
「そいで、…おまえはもう寝てる思ったんやけど…ちょっと洒落にならん状態で…」
「この前の風邪か?」
「しんどいねん、なんか。体温計ないねんけど…たぶん、寒いっつうのは…ごっつ熱あんねんな。たぶん」
弱々しい丘村さんの声は今にも消え入りそうだ。
「わかった。今からそっち向かうわ」
谷部は立ち上がってジーンズを椅子から取り上げた。
「すまん。……大丈夫か?今、ひとりか?」
「ひとりや。…アホ、いらん心配すんなや、ほんだらな」
ひどい状態なら、病院に連れていかなければならない。谷部は着替えをすませ、とりあえず体温計を掴んで車に向かった。


256 名前:谷 & 丘 2:04/08/18 00:12 ID:cJTAn7vm
ドアベルを3回押したところで、ガチャリとドアが開いた。
「大丈夫か?」
ゴホゴホと咳き込みながら、丘村さんは「すまん」といってまたくしゃみをした。
「はよ、ベッドに戻れ。俺はいいから」
小さい背中を押して、廊下を進んだ。
「夕飯は食べたんか?なんか。…とりあえず、体温計は持ってきたで」
谷部はジーンズのポケットから体温計をだすと、丘村さんに手渡した。
「すまん、ほんまに…面倒のかかる相方で…」そういって丘村さんの小さい手は体温計を掴んで布団の中に消えた。
熱のせいで上気した顔の丘村さんは、子供のようで、とても弱い存在にみえて。
東京で、まだ誰も信じられんといって、独りで戦ってる。
「たまには俺を頼れ」ボソっとつぶやいた声は丘村さんには届かなかった。
「せやけど、お前、体温計は置いておいたほうがええな」
「そやな…」
「薬、飲んだんか。何も食べてへんの?」
「いや、ジュースと、適当に冷凍のもの…」
ピピっと体温計が鳴った。丘村さんはおそるおそる、脇を覗き込んだ。
「どない?」谷部の問いかけに。
丘村さんは申し訳なさそうに、もじもじした。
「どないやねん?病院行くか?どんな感じ?」谷部が体温計をひったくると。
「すまん、谷部さん…」
「7度3分〜〜〜〜??!」
丘村さんの体温は微熱といってもいいほどだった。谷部は溜息を盛大につくと、床にへたりこんだ。
「なんやねんな、おまえ〜〜〜」
「すまん!!でも、怖かってん!汗、ぎょうさん出とるしやな!めちゃサブイボでてきて!」
「熱ないやんか!何が洒落にならん状態やねん!こっちのほうが洒落になっとらんわ!」
「だからすまん言うてるやろ!」そうしてまたくしゃみを3連発。
谷部はティッシュの箱を丘村さんのほうに投げてやった。丘村さんの鼻をかむ音を聞きながら。
「いつも思うけどな、お前の部屋空気悪いねん。換気してないやろ?窓も開けんと。ヤニくさいねん」
「うるさい」
「空気悪いから、風邪ひいたりすんねんで」
丘村さんは布団から顔を半分だすと、谷部を睨んだ。

257 名前:谷 & 丘 3:04/08/18 00:13 ID:cJTAn7vm
「今日はすいませんでした。もう帰ってええですよ」完全にスネてしまったようだ。
「もうええよ。これから熱でるかもわからんし」
泊まっていくわ、といって谷部は部屋の隅のソファーに横になった。
「勝手にしいや」
そういって丘村さんは布団に潜り込んだ。
少したって、布団の中からちいさな声で、ありがとうな、と聞こえてきた。
谷部は小さく笑うと、うとうとと眠りに落ちていった。

明け方、ぜえぜえと苦しそうな呼吸音で谷部は目覚めた。
やばい、悪化しとるか?
丘村さんは昨日よりも、苦しげな息で眠っていた。額に玉の汗が光っている。
「これは逆に冷えるな…」呟いて、洗面所に向かうと、タオルを濡らして戻ってきた。
額の汗を拭いてやると、丘村さんはむずがゆそうに首を振った。
「うわ、シャツもビチャビチャやん…」
ちょっと失礼するで…小さな声でいうと、シャツのボタンをはずし、上半身の汗を拭いてやる事にした。
なんや、変なシチュエーションやな。なに俺こそこそしとんねん。
静かにやさしくタオルで拭いてやる。丘村さんの体は改めてみると、小さくて細くて、白くて…。
なんや、自分ロリコンのオヤジみたいになっとる?
妙に焦って、強く力をいれ過ぎてしまった。
丘村さんがうっすらと目を開く。しばらくボーッとして見つめあったが、状況をつかむと
「うわ!」と声をあげた。そして咳き込んだ。
「何しとんねん!自分!」あまりの丘村さんの慌てぶりに。逆に谷部はやましいことをしていたような気にもなって、顔を紅潮させた。
「お前が汗ダラダラやから、拭いとったんやろが!」
「何を逆ギレしとんねん!ゴホッ!」
「暴れるなや!また熱あがるで!!」
谷部の一喝に小さな声で、おかんか、と言い返しながらも丘村さんはおとなしくなった。

258 名前:谷 & 丘 4:04/08/18 00:15 ID:cJTAn7vm
「それにしてもほっそいなー、お前。もうちょっと肉つけんと」
右手を持ち上げて脇腹を拭きながら谷部は笑った。
「うるさい」
「こうやって汗拭いたら気持ちええやろが。文句いいなや」
「阿呆かー。男に体拭いてもらって気持ちいいってどないやねん」
「そりゃー、そうやな…」
「…当たり前やろ」
熱でピンクになった相方の頬が妙にいろっぽく見えてきた谷部は、しばらく黙々と作業を続けた。
「ん…」
いきなり漏れた丘村さんの声にビクーっとなって谷部は手を止めた。
なになに?今の。なんか息漏れたで、今!聞こえない振りしないとあかんがな。手を止めたらまずいがな。
谷部は一瞬で脳をフル回転させると、何ごともなかったようにまた拭きはじめた。
丘村さんは自分の漏らしてしまった声にバツが悪そうに顔を横に反らせている。
「せやけど、あれやなー」谷部は必死に言葉をつないだ。
「……おう」
「いや、なんもないねんけどな…」
そういって丘村さんの顔のほうをチラっと確認すると、丘村さんは声を漏らすまいと、自分の手の甲を噛んでいた。
またも谷部は耳の辺りが熱くなった。
「せやけど、あれやなー」場をつなぐように呟いた言葉に丘村さんの返答はなかった。
しばらくの無言の後。
「もう帰ってくれるか」丘村さんはそういって布団に潜ってしまった。
急に黙ってしまった丘村さんに谷部はとまどいつつ、タオルを片手に突っ立ったままだった。
丘村さんは布団にはいったままでてこない。
谷部は洗面所にタオルを戻しにいって、布団に向かって呟いた。
「ほんだら、俺帰るけど…」
「ああ…」布団の中からの声を不審に思って。
「おい!」谷部は毛布を捲り上げた。
丘村さんの目は赤く充血して涙が溜まっていた。
「なにを…」泣いてんねや…。最後は聞き取れない声で谷部は小さく口の中でつぶやいて。
二人はしばらく黙ったままだった。



259 名前:谷 & 丘 5:04/08/18 00:16 ID:cJTAn7vm
上から見下ろした丘村さんはいつも以上に弱々しくみえて。
どうにかして涙をとめてやらなければと思った。
考える前に体が動いた。丘村さんの顎を持ち上げると、谷部は屈みこんで顔をちかづけて。
二人の唇がかさなった。
その瞬間、小さな丘村さんの肩はビクっと震えて。それに驚いた谷部は唇を離した。
「なんやねん…」低く呟いた丘村さんの声に。
しばらくボーっとなった谷部だったが。
「ビックリさせたろ、思って…なんやわからへんけど…」
「しゃっくりちゃうやん。俺、泣いとったんやん…」
丘村さんは困ったように笑った。笑いながら涙がポロポロと溢れ出てきた。
「つまらんボケかますなや。涙止まらんくなったやん…」
顔を何度もこする丘村さんを谷部はオロオロとみつめて。
とりあえず、抱きしめて。
「よ、よーし、よーし。驚いたな…すまんかったな…」
そういって背中をポンポンと叩いた。
「子供か、俺はお前の…」
そういって丘村さんは低く笑うと谷部の肩に額をすりつけた。
「子供サイズやな」
「あほう…」


260 名前:谷 & 丘 6:04/08/18 00:16 ID:cJTAn7vm
しばらく黙って、小さな声で。
「あんま優しくせんといてや…」丘村さんは呟いた。
「なんやねん…」
「優しくされたら…つらいねん。お前を…これ以上頼ってしまったら…」
今、なんて言った?この人。
「…」谷部は自分の心臓の音が早くなるのを感じながら丘村さんの顔を覗き込んだ。
「っていったらどないするん?自分?」
丘村さんはニヤーっと笑って、谷部のマジ顔おもろいわーと腹を抱えた。
「…あほう!びっくりさせんなや!」
谷部は真っ赤になって怒り出すと、「もう帰るわ!」とドスドスと玄関に向かっていった。
わけのわからない怒りが猛烈に襲ってきた。
「ほんだらなー」丘村さんの声に
「あほ!」捨て台詞をはいてでていった。

しばらく玄関の方をじっと見つめていた丘村さんはもう一度目を擦って、
チン、と鼻をかんだ。


261 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 00:18 ID:cJTAn7vm

 ____________
 | __________  |
 | |                | |          なんで最後切な系で落としたん?    
 | | □ STOP.       | |            と自分ツッコミしつつ…
 | |                | |           ∧_∧    
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  


262 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 01:04 ID:AnpuISIr
おおぉ!!
>>254>>261に禿(*´∀`)モエーw
姐さん、GJです!
ちっちゃいおじさん可愛ぇなぁ。

263 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 01:21 ID:A9/n6x1D
>>255-260
は、ハァハァ(*´Д`*)モエー!
丘村を看病する谷部・・・。
すっごいドキドキしながら読みました。
姐さんグジョブです!

私も今100-1書いてるんですけど、いざ書き始めたらかなりツッコミどころが多い作品に・・・。
かなりヘタレですが後ほど投下させていただきます・・・お目汚し、失礼。

264 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 11:05 ID:IBJDf57c
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  数字コンビ祭に便乗させてもらうモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ハナビを見ての勝手な妄想モナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ハジメテダカラオテヤワラカニ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



265 名前:谷&丘1:04/08/18 11:06 ID:IBJDf57c
ドーン!ドドーン!!

「何や、この音」
「花火ちゃうか。今日、確か東京湾の花火やったやろ」
「……だからお台場行く道めちゃ混みやったんや」
「俺もひっかかったわ。これまた帰りはもっとひどいんやろ?かなわんなー」

何てことない楽屋の風景。
が、珍しく2人の会話が聞こえている。
普段、2人は本番以外の場では滅多に会話をしない。これは、お笑いコンビではよくある話。
何かとっかかりがないと一切喋らない。裏を返せば、とっかかりがあれば必要以上に饒舌になるというわけ。
いつもの沈黙を破った夏の花火には、どうやら人を酔わせる魔力もあるようで……

「しかし、えらいでかい音やな」
「そらそうやろ。目の前でやってんねんから」
「これもしかしたら見えるんちゃう?」

ザッ!

「ほら見てみい!めちゃめちゃでっかいで!!」
「そんなにはしゃぐなや。子供か、お前は」
「ええやん、花火なんかまともに見るのほんま久しぶりやで。うわー、でっかいわー」
「花火好きやったっけ?自分」
「いや、そんなんやないけどな。やっぱワクワクするやん?」
「……やっぱり子供やないか」
「そないなこと言わんと、お前も見てみい!めちゃめちゃキレイやで!!」
「ええよ、俺は別に」
「カッコつけんと見ろって!ほら!連発始まった!!」
「しゃーないなあ、もう……」
「あ、こっち来る前に電気消せや!暗い方がキレイに見えるから」
「何を真剣になってんねやろこの人……」

266 名前:谷&丘2:04/08/18 11:07 ID:IBJDf57c
パチ!
部屋の中には、ひどくアンバランスな2つの影。

「おーホンマや。結構でっかいなあ」
「せやろ?すごいやろこれ?」
「お前自分の手柄みたいに言いなや」

ドン!ドン!ドドン!ドン!

「すごいすごい。金かかってんなーこれ」
「……お前はそういう発想しかできへんのか?」
「いやいや、だって花火って結構高いんでしょ?」
「金のこととか考えんなや。もっと風流とか、ロマンとか……」
「……えらい顔に似合わない発言してんの、分かってます?」
「…………」

ドドン!ドドン!ドドン!

「……キレイやなー」
「せやろ?めちゃめちゃキレイやろこれ!!」

しばしの沈黙。


267 名前:谷&丘3:04/08/18 11:08 ID:IBJDf57c
「……あんたの目の方がキレイやで」
「は?」
「見た目はちっちゃいおっさんのくせに、目だけはみょーにキラキラしてて」
「ちょっ、ちょっ何やねん。何俺のこと溶けそうな目で見とんねん」
「恋愛レベルは中2以下やけど、いっつもまっすぐでがんばり屋やし」
「だからそんな見んなって!ってか顔に手ぇ当てるな!」
「こんなことでテンパってまうくらいピュアなところもたまらんねん……」
「俺はタレちゃうぞ!襲っても何もええことあらへんぞ!!」
「もう十分ええ思いさせてもろたわ……」
「…………」

「あんたは俺の宝物や」

ドン!!
一際大きな音が鳴り響いたのと同時に、2つの影がほんの一瞬重なった。
また、しばしの沈黙。

「あー、でっかいの見逃してもうた……どしたん?何固まってんの?」
「お……前……」
「さーて、ええもん見れたし、そろそろ準備しよか」

パチ!

花火には、人を酔わせる魔力があるらしい。
花火に酔った人は、さらに人を酔わせるようで……
ものの見事に酔わされたあの人は、その後の収録ではまさしく「壊れたレディオ」だったとか。
その理由を知っているのは、当人たちと花火だけである。

(おしまい)

268 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 11:12 ID:IBJDf57c
 ____________
 | __________  |
 | |                | |              ナマエヲイッサイツカワナカッタノハ
 | | □ STOP.       | |               ヤッパリムリガアッタカモ……
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


269 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 12:36 ID:m/jvBiwc
>>254-261
>>264-268
九十九コンビの連弾キテタ━━━━━━(*´Д`)━━━━━━ !!!!!
お二方ともGJ! GJッ!!
ああ、萌え過ぎてご飯が喉を通らないよ…!
も、もう一回読もうハァハァ…

270 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 13:32 ID:7wGhuJML
救急コンビ(・∀・)イイ!!
萌えますた GJ!!

271 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 14:49 ID:b4eTMn9S
姐さん方九九コンビ連発アリガd!!GJ!
しっかり個人的に保存させていただきましたよ(´∀`*)

272 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 18:49 ID:eZhd5agl

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  234の続きをゲトしたモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  伏字はこれでオケーなのかな…
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ヒトリデミテロヨ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


273 名前:1/2:04/08/18 18:50 ID:eZhd5agl
 もみあう二人の体重で、長椅子がきしんだ。
仰向けのピ−タ−をまたいでハりーが馬乗りになっている。
ピ−タ−は一つの危惧を抱いて、力の加減に苦心しながらも懸命に抵抗していた。
もし本当に服を脱がされるようなはめになったら、貧弱だった自分の体が
変化していることに気づかれてしまう。
いっそ一息にはねのけてしまおうか、という考えがちらりと頭をよぎる。
だがそれでは本末転倒なのだ。
「ずいぶん暴れるじゃないか。そんなに俺のことが嫌か。」
ハりーはピ−タ−のシャツに手をかけ、力任せに引き裂いた。
「もうよせよハりー!君を失いたくないんだ。
君を苦しめることになるなら、僕は彼のカメラマンをやめるよ。
だから……」
「そんなことは誰も頼んじゃいない!」
平手で打たれたピ−タ−は、青い目を見開いた。
 薄笑いを浮かべ、目を血走らせたハりーに普段の端正な青年実業家の面影はない。
乱れた前髪が額にぱらぱらとかかるのをうっとうしそうにかきあげ、
耳を覆いたくなるような言葉をピ−タ−に投げつけた。
「あの蜘蛛とはもうヤッたのか?俺の父を殺した手に抱かれたのか?
せいぜい悲鳴でも上げてヤツを呼べよ。」
「本気で言ってるのか?」
「ああ本気だよ。」
「でも君はつらそうだ。」
明らかにハりーはひるんだ。

274 名前:2/2:04/08/18 18:50 ID:eZhd5agl
 その隙を突いてピ−タ−は長椅子から床へ転がり落ち、
素早く立ち上がってハりーに言った。
「……僕に何かしても、彼が来ることはないよ。
だいだい、こんなことをして傷ついてるのは、君のほうなんじゃないのか?」
長椅子に膝立ちのまま、呆然としていたハりーは、
ゆっくりとピ−タ−のほうへ顔を向けた。

彼は泣いていた。

えぐられるようにピ−タ−の胸が痛む。
この研ぎ澄まされた刃のような孤独と絶望を、彼に与えてしまったのは
他ならぬ自分なのだ。
詫びて許しを乞うことは自分の正体を知られることになる。
そのとき、ハりーをどんな衝撃が襲うのか想像もつかない。
「君を、失いたくないんだ。」
「そばにいてほしいんだ、ピ−タ−。」
期せずして二人の声は重なった。
いつか必ず、破綻する日が来るとわかっていても、
ピ−タ−は歩み寄る足を止められなかった。
唇を重ねながら、自分の頬を涙が伝うのを感じていた。



275 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 18:53 ID:eZhd5agl
                  
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   |  次からは一人で観るモナ
                   |  
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  次あるの?!
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・;)(゚Д゚ ) ゴルァ!
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


276 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 19:55 ID:mPxS9wma
>272
ノォォオオオオオオーーーーーーーー
ハァハァ!ハァハァ!ハァハァ!ハァハァ!ハアァハウッ…

277 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 21:32 ID:n1l/S3K7
>272
待ちきれません
オオオーオオオーオオオー

278 名前:風と木の名無しさん:04/08/18 23:04 ID:CeQvu6As
>272
キタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

279 名前:風と木の名無しさん:04/08/19 00:18 ID:8FCWzJAa
100-1連発でこのスレはもうコソーリ永久保存モノです。
姐さん方本当に乙です。アリガトン。

280 名前:263:04/08/19 01:19 ID:SDqOoez3
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 祭りに便乗、100-1だモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 無駄に長いよ!
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ナマヌルスギダ ゴルァ!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
設定に少々無理がありますが見逃してください・・・。

281 名前:100-1 1:04/08/19 01:21 ID:SDqOoez3
「丘村さん」
控え室に入るなりほとんど崩れ落ちるようにして畳の上に座った丘村は、相方の呼び掛けにやや間を置いて答える。
「・・・・・・・・・ん」
返事はしたものの、視線は部屋の一辺に広がる鏡に向けられたまま、顔を動かすのも億劫なのか、谷部を見ようともしない。
その姿は誰が見ても判るくらい憔悴しきっており、見ているこちらが辛くなるくらいだ。
谷部は彼に気付かれない程度に小さく溜め息を吐いた。
例え気付かれたとしても、今この状態ではどうにもならないと思うけども。



もう20時間以上睡眠を取っていないのは谷部も同じだが、丘村の負担は彼以上に大きかった。
司会として懸命に喋りつづけた彼の声は、食事や休憩を満足に取ってないことも手伝って、既に発することが難しいくらい枯れていた。
その声は聞くたびに谷部の心を痛めさせ、また助けてやれない自分への苛立ちを感じさせた。
しかし、例え自分が丘村の代わりを申し出ても、きっと彼は許さないだろう。
自分がやる、俺がやる、って。言い出したら聞かないヒトだから。
そんな変に頑固なところがある丘村を十数年隣で見続けてきた谷部は思わず苦笑した。

でも、自分もそう思う。これは丘村さんじゃないと意味がない―――。

彼は元々、この二七時間テレヒ"にすごく出たがっていた。
それはもちろん谷部も同じだが、丘村の執着心は自分のとどこか違う気がした。
そんな彼が簡単に役を譲るはずがない。
それをわかっていたから、谷部はあえて丘村をフォローする役回りに徹した。




282 名前:100-1 2:04/08/19 01:22 ID:SDqOoez3
相変わらず虚ろな目で鏡を見つめている丘村に、谷部は痺れを切らして問い掛ける。
「・・・大丈夫か?」
「・・・何が?」

何がって・・・。
体調は大丈夫かとか、この後の・・・不安、とか・・・。
頭にいろいろな言葉が過ぎったが、咄嗟に
「此処」
自分の首を指差しながら答えていた。
「喉」
「あぁ」
納得したような声もやはり掠れていて、それだけで全然大丈夫じゃないことはわかった。
「のど飴あるけど、食うか?」
「・・・いや、ええわ。今から胃に何か入れんのも何やし」
確かにこれから運動しようというのに、何か食べるというのはあまり良くない。

「どうせやるなら、勝ちたいやん」

この後あるだろう、30分にも満たない時間。
その僅かな時間の為だけに、この一年、頑張ってきた。

もう体力も残ってない。ボロボロにされるとわかっている。それでも最後にやるだけのことはやる。

思わず黙ってしまった谷部に、丘村はやっと鏡越しに目線を向けると
「・・・何気ぃ使ってんねん。まだ大丈夫よ?俺」
ニッと笑う顔に谷部はますます何も言えなくなり、ただ鏡の中の丘村を見つめた。




283 名前:100-1 3:04/08/19 01:23 ID:SDqOoez3
先輩で相方でもある丘村をお笑いの道に引き込んだのは紛れもない、自分だ。
相方に心配させまいと無理して笑う彼を見て、谷部は心にじわじわ広がるものを感じ、微かに顔を歪めた。
心に広がるもの。それは、後悔。
丘村の心身に何か変化があるとき、谷部はいつもそれに見舞われた。
そして、やがて一つの疑問へと形を成す。

もし、自分がこの道に誘わなかったら、34歳の丘村孝史はどうなっていただろう?

「さてと、そろそろ着がえなあかんな」
言ってゆっくりと立ち上がった丘村を鏡越しに見ながら、谷部の中でその姿が"芸人ではない34歳の丘村孝史"と重なる。
大学もちゃんと卒業して、公務員になって、30歳には結婚して、男女一人ずつ子供も居て。
普通の、至って普通の人生。
不眠不休で、声が枯れるまで喋り続けなくても良い。
負けるとわかっているボクシングの試合もすることも無い。
もちろん誰かに心配させまいと無理して笑うこともない、そんな人生。




284 名前:100-1 4:04/08/19 01:25 ID:SDqOoez3
「・・・何見てんねん、照れるやろ!」
かけられた言葉の意味を理解した途端、鏡の中の"芸人ではない34歳の丘村孝史"は掻き消され、"芸人である34歳の丘村孝史"が写った。
脱いだズボンを握り締めながら「やぁだ、もう。ダーのえっちぃ」と妙にクネクネした動きをしている。
ちなみに、ダーというのは谷部の愛称だ。
それはともかく。
鏡越しに見た丘村の行動に脱力した谷部は、先程の幻像を頭から振り払うように、多少大袈裟に振り向いてみせた。
「何言うて・・・」
目に映ったのは見慣れた相方の姿、ではなく、七色の虹。
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。見事な七色レインボー。
「ぅ・・・あ」
言いかけた言葉の代わりに口から出たのは情けない呻き声で、思わず体を後ろに引くと色が一つの形を成した。
それでも、それが丘村の下着、ちなみにトランクス、だということを理解するのに数秒かかった。
文句を言おうと口を開いた瞬間、頭を捕まれ、強引に上を向かされる。
先程とは打って変わり無表情で見下ろす丘村に、谷部は自分の顔が強張っていくのを感じた。
しかし、口から出たのはいつもの調子で。
「・・・何すんねん。つーかソレ、どんな趣味しとんねや」
「コレか?コレは気合い入れるためや」
「何やそれ」
だっさーと呟きながら今だ頭をがっちりと掴んでいる手を払い除けようとするが、その忌ま忌ましい手はますます食い付いて離れようとしない。
この小っこい手のどこにそんな力があるんだか。
思った途端、ますます頭に添えられている手に力が籠り、次の瞬間丘村の顔が目の前にあった。
「・・・・・・っ」
思わず身動ぎしたせいでお互いの鼻が微かに触れ合う。
「お前・・・」
すぅと丘村が空気を吸い込んだ音を間近に聞いて、谷部はほぼ反射的に目を閉じた。

285 名前:100-1 5:04/08/19 01:26 ID:SDqOoez3

「どーっせ、下らんこととか考えてたんやろ!?」

「・・・・・・・・・はぁ」
「やっぱりな」
谷部の呆けた返事が肯定だと思ったらしい、丘村は得意そうに踏ん反りかえりながら続けた。
「お前の考えることなんかお見通しやで。自分のせいとかなんとか思っとったんやろ?」
「・・・・・・・・・・・・」
アナタはエスパー丘村ですか?
んなわけあらへんやろ!
未だパンツ一枚で偉そうに威張っている丘村も、思わず心の中でノリツッコミした自分も、何だかおかしくて、気が付けば谷部は一人でクスクス笑っていた。
「?・・・何やねん」
丘村が訝しげな顔で谷部を見ても、当分笑い声は止みそうになかった。






286 名前:100-1 6:04/08/19 01:27 ID:SDqOoez3
「俺な、前に言ったやん。35歳まではコンビ続ける、て」
Tシャツを頭から被っている小さな後ろ姿から突然聞こえた声に、谷部は多少動揺しながらも答えた。
「・・・言うてたな」
「だからそん時まで俺らは運命共同体やぞ」
大袈裟過ぎる丘村の言葉に、谷部は思わず声に出して笑う。
しかし、嫌な気分ではなかった。
「運命共同体、か」
「離れたくても離れられん、てことや」
まぁ後一年もないけどな。
微かに聞こえた丘村の言葉をわざと無視して、

「・・・んなこと言うてると、本当に離れんで?」

思わず振り向いた丘村に、谷部はにやりと挑戦的に微笑んでみせる。
言葉の甘さが少しくすぐったかったが、丘村も負けじと言い返した。

「・・・おう、どんとこい!」

287 名前:263:04/08/19 01:28 ID:SDqOoez3
 ____________
 | __________  |   キマツ〜ボクシングの間の話でした。
 | |                | |    ちゃんと伏字になってるか不安でつ・・・。
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
本当はこの直後の話もあるんですけど、いきなり丘サイドなのでカットしますた。
見たいという姐さん、もし居ましたら流します・・・。

288 名前:風と木の名無しさん:04/08/19 02:34 ID:8FCWzJAa
>287
流せ!もったいぶらずに流しちまえ!
…流してください。流しちゃってください。どうか。

289 名前:風と木の名無しさん:04/08/19 03:25 ID:5EnepgZl
流して下さいお願いします・・・!

290 名前:280:04/08/19 23:36 ID:pdduvBfp
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
       |│              |│
       |└───────┘|
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |            ┌^────────────────
  └──────│>>280の続き。
            │かなり短いのでオマケ程度に思ってね。
                └────────────────

291 名前:100-1 続きその1:04/08/19 23:38 ID:pdduvBfp
最初この部屋に入ってきたときの先生ルックからすっかりラフな格好に着替えた丘村は、壁に掛かっている時計をチラリと見て確認する。
「・・・もうそろそろやな」
まるで自分に言い聞かせるように。
その表情は先程見せていた底抜けた笑顔の欠片もなく、深く思い悩んでいるようでもあった。
谷部はそんな丘村をしばらく横目で見守っていたが、それ以上何も言わないのを見て、
「喉、もうええの?」
掠れ声だが、結構平気そうに話す丘村が気になっていた。
「・・・ええわけないやろ」
「だったら黙っとけや!」
普段無口なくせして・・・。やけに今日は饒舌な丘村に谷部がボヤく。
しかし、丘村は機嫌を悪くするどころか、逆に嬉しそうに、
「だって一言も喋らんかったら、誰かさんが心配するやんか」
「・・・誰かさんて、誰や」
「誰やろな」
「・・・知るか、ボケ」
「俺"ボケ"やもん」
「・・・・・・・・・・・・」


292 名前:100-1 続きその2:04/08/19 23:38 ID:pdduvBfp
「・・・ほんじゃ俺行くわ」
ふいに訪れた沈黙を破るようにして、丘村が立ち上がった。
「お前はまだ出ぇへんの?」
「・・・俺は丘村さん見送ってから出ますわ」
「ふーん・・・」
ドアノブに手を掛ける前にふと谷部を見ると、まるで興味がないというように後ろを向いて煙草に火を点けているところだった。
何やねんコイツ。相方がこれから戦場に向かうってのに。ほんまに心配してないんか?

「心配はせぇへんよ」

突然の呼びかけに思わず丘村は竦み上がった。
「い、い、いきなり何やねん」
「けどこれだけは言うとくわ」



「あのパンツ。やめたほうがええですよ」

「よ、余計なお世話や!!!」
頑張れよーとひらひらと手を振るその憎らしい後ろ姿に叫びながら、荒々しくドアを閉めた。
「人の勝手やんか・・・」
聞こえていないとわかっていても思わず口に出てしまう。
ひとまず心の中で散々愚痴った後、ふと気付いた。
俺、これからボクシングに行くんよな・・・?
番組が始まってからこの事しか頭に無かったのに、一瞬でも忘れていた自分に驚く。
「・・・・・・・・・ふぅ」
とりあえず、一呼吸。
故意かたまたまか知らんけど。
何だか癪なので、少しだけ、ほんの少しだけ相方に感謝しながら、丘村は最後の戦場へ続く道を駆け出した。

293 名前:280:04/08/19 23:39 ID:pdduvBfp
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> stop.      │|
       |│              |│      
       |│              |│    
       |│              |│   見たいと言って下さった
       |└───────┘|      姐さん方に申し訳がたたない・・・。
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]          ナニガセンジョウヤネン。
   
                 ピッ ∧_∧  
                ◇,,(∀・ ; )
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘

前の話と微妙に噛み合ってません・・・。
正直スマソカッタ。自分の書きたいもの全部詰め込みスギタ。
何でこんなクッサーで萌えも何もないような物を書いてしまったのか・・・orz

294 名前:風と木の名無しさん:04/08/20 01:07 ID:Al89cPtQ
>290
GJ!100-1連発万歳!!
2人の強い絆が見えたようで、すごく感動&禿萌えでした。
乙です!

295 名前:風と木の名無しさん:04/08/20 14:46 ID:T9YcykMc
 ∧_∧
( ´∀`)っ□ピッ    [[>PLAY]]
「ゲ仁ン祭に便乗してちょっと若手のビデオも見てみるモナ」

296 名前:風と木の名無しさん:04/08/20 15:07 ID:T9YcykMc

(,,○ω○)どーした?   or2゙<(□∈□.;)イテテテ…バク転したら尻がつっちゃった…
 ↑男木屋葉戯ヤファギ         ↑ヲギ

(,,○ω○)立てないの?  or2゙<(□∈□.;)ヤバイね

(,,;○ω○)ヲギ見てたら俺も尻痛くなってきた   or2゙<(□∈□.;)なんで

(,,○ω○)ノシ撫でてあげよか   or2゙<(□∈□.;)いや、いい

(,,*○ω○)じゃあ揉んであげよっか   Σor2゙<((□∈□.;)))い、いや、今はいいや、また今度な


297 名前:風と木の名無しさん:04/08/20 15:10 ID:T9YcykMc
 ∧_∧
( ´∀`)っ□ピッ    [[>STOP]]
「変なもの見てしまったモナ」

298 名前:風と木の名無しさん:04/08/20 18:41 ID:9fpuid94
今はって事は後からならなんぼでも揉めと(ry
>295GJ!!です

299 名前:風と木の名無しさん:04/08/20 19:01 ID:138EQ3PU
むしろ自分が揉みたいと・・・そして挿れたいと・・・GJ!

300 名前:風と木の名無しさん:04/08/20 21:39 ID:cvjJXvXp
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  オルリンピツクの興奮に乗じるモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  28年ぶりにヒョーショー台のてっぺんに上った団体の話モナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ミゴトニセイカクガツカメテナイナ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |


301 名前:トムタとカスマ1:04/08/20 21:46 ID:cvjJXvXp
幾つもの取材が終わって漸く終了した一日。
めまぐるしく過ぎていったというのに
戻るだけになった選手木寸までの時間は反して酷くゆっくりだ。
目を遣ればこちらの時計は深夜というのに相応しい時刻を示していた。
あっちは多分、これから始まりを迎えるのだろうと力ツマは、
今は遠くになってしまった二本を思った。
先ほどまで感じていた時差が数字となって形に表れたことで一気に
張り詰めていた糸がゆるりとたゆたい、
代わりに流れてきたのは穏やかさ。
要は、船を漕がんとするべきだと二本の針は告げているのだ。
まだ意識があるのは、燻る興奮の昂ぶりと理性が踏ん張っているおかげで。
体の赴く方向に逆らうことなく目を閉じている※田との対比で、
どこともない遠くに飛んでしまっている柄腹が力ツマは少し可笑しかった。
そしてその力ツマの隣では、無表情が半分溶けていた。






「おい」
「へっ」






302 名前:トムタとカスマ2:04/08/20 21:47 ID:cvjJXvXp
肩を叩く力ツマを弾かれたように振り向いた顔は相変わらずに
表情の色は薄かったが、涼しげな目許の奥の些細な変化が
力ツマには見えていた。
見慣れた無表情が、本当はちっとも無表情でないことぐらいは
知っている力ツマで、ある。




「ねむい?」

呟いた力ツマの声もまた、眠気を孕んでいた。

「大丈夫」

「嘘。眠いって、言ってる。わかるよ」


したり顔で言い切った口許が笑う。






303 名前:トムタとカスマ3:04/08/20 21:48 ID:cvjJXvXp

一方のトミ夕も少しばかり笑ってみせたが、
力ツマのそれとは違って照れにも似た苦笑だった。
それでも力ツマには問題などまるで無かったようで、
らしい控えめな笑みがぼやけていたのは
無防備でいてくれる証拠なのだと、幼さの残る双眸が細められる。
ねぇ、という呼び掛けに耳を寄せたトミ夕の仕草が、あまりに自然なものだった。







「戻ったら、一緒に寝よっか」




去り際の唇が耳朶を一舐めして帰っていく。
言葉をなくしたトミ夕の頬がすぐさま紅潮していく変化を見つめて、
寝るだけね。と釘を刺した力シマはまんまと悪戯に成功していた。





304 名前:風と木の名無しさん:04/08/20 21:52 ID:cvjJXvXp
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   |  力シマはアイドルだったという話だけでつっぱしったモナ
                   |  
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  実は解説の二人に萌えたのは秘密モナ
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・;)(゚Д゚ ) カンドウガウスレルナ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |


305 名前:風と木の名無しさん:04/08/21 00:50 ID:h2QqUyWN
も、萌え、アイドル貸間イイ!
姉さんGJ!
・・・実況×解説も萌えーとヒソーリつぶやいてみる

306 名前:風と木の名無しさん:04/08/21 06:11 ID:In/s4O11
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  あるいちにちスレに投稿しようとしたけど
                    |  独白部分が多過ぎてやめたらしいモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  長いの続けるのもわるいしね
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

307 名前:海の男ホーソブロワー 1/3:04/08/21 06:13 ID:In/s4O11
【ある たびする おとこの いちにち】

さいごに きみに ふれた ときから
いったい なんねん たっただろうか
きおくの なかの きみの かおは
ぼやけて はっきり しなく なったよ

だけど いまでも おぼえて いるんだ
きみのめ きみのて きみのあしおと
つめたく あたれば しょんぼり してたし
かんしゃを のべれば はしゃいで いただろ

きみは なにも いわない けれど
きみを みてれば わかるんだ
あつい うみの いろの めが
じっと わたしを のぞき こむから

308 名前:海の男ホーソブロワー 2/3:04/08/21 06:14 ID:In/s4O11
どうして きみを ゆかせたのだろう
おもい だすたび くるしく なるよ
「さようなら」で おくり ださずに
「あとで あおう」と いえば よかった

だけど きみは しって いたかい?
あのひの かなしみ くやしさ こうかい
きみには しょっちゅう あたって いたけど
きみを おもって ないて いたんだ

きみには なにも いわない けれど
きみは いつでも わかってくれる
たかい そらの いろの めで
じっと わたしを のぞきこむから

309 名前:海の男ホーソブロワー 3/3:04/08/21 06:15 ID:In/s4O11
きみの ねむる かわに つながる
うみは すこし あれて いるよ
きみに あいに ゆこうと おもって
かぜに のって ここまで きたんだ

だから わたしを むかえて くれよ
まぼろし さっかく ゆめでもいいから
あえば きっと はっきり するんだ
むかしと おなじ きみの えがおが

おたがい なにも いわなく たって
めをあわせれば なんでも わかる
ひかりを うつした きみの めを
こんどは わたしが のぞき こむんだ

なみに ゆられて かたむく ふねが
かぜを はらんで みなみへ はしる
ふなよい おさまり かんぱんに でた
ある たびする おとこの いちにち

310 名前:風と木の名無しさん:04/08/21 06:34 ID:In/s4O11
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  PCの前で寝てたモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  それでSTOPするの遅かったんだね
 | |                | |            \
 | | |> STOP.      | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ モウネルゾ ゴルァ!!
 | |                | |     ピッ   (´∀` ;)(・∀・;)(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

311 名前:風と木の名無しさん:04/08/21 21:41 ID:HMj8bMEy
>>304 遅レスだけど、萌ええええぇぇぇぇ・・・・
実教・開設の二人もぜひお願いいたしたく( *´Д`)ハァハァ

312 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 00:01 ID:SEE8d/k6
>>306
元ネタ全然知らないけど、禿しく萌えだ。

313 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 01:24 ID:lHWWnt5v

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.      | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )ロクガシテオイタビデオヲミルヨ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


314 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 01:25 ID:lHWWnt5v
「おま…っ」
男が絶句しているのを見ていくらか溜飲が下がる思いがした。
いつも、どんな危機にもにやついた笑みを絶やさない男が驚きに目を剥いている。それをまるでスローモーションで捉えたようにゆっくりと見ながら俺は床に倒れ伏した。
焼け爛れた背中の痛みを神経から切り離すのはそう難しくなかった。慣れた手順だ。
床に倒れた自分の視界が悪いのは当然だが、もう少し男の驚愕を見ていたい気もする。だが視線をどんなにずらしても男の膝までしか見ることは出来なかった。
だがすぐに男が駆け寄ってくる。傷に触れることを躊躇っているらしいと分かり、笑った。
逡巡の末に俺を抱き起こしたその男は、まだ驚きを隠せずにいる。
「お前、なんで…っ」
要領を得ない話し方だ。こちらはそう長く意識を保っていられないというのに。
幸い唇は思うように動いてくれた。気管も生きている。
「何がですか」
思ったよりまともな声を発することが出来た。小馬鹿にする調子も失っていない。
男が顔を歪めた。
「なんで戻ってきた!」
背中の皮膚が引き連れていなかったら、そしてこの男の目前でなかったなら腹を抱えて笑ってやる所だ。
「馬鹿ですか、あんた」
この状況で何故戻ってきたかなどと聞くのは馬鹿の極みだ。誰が見たって俺は助けに戻ってきたんだ、あんたを。驚きのあまり我を失ってでもいるのだろうか、男にはそんなことも分からない。
分からないのではなく、分かりたくないのかもしれない。

315 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 01:26 ID:lHWWnt5v
喉に煙が入って咽せる。肉が焦げた匂いが鼻について仕方ないので嗅覚も神経から切り離した。
すると今まで鼻孔を微かに擽っていた男の煙草の匂いも同時に消え失せる。抱きかかえられた胸に染みついている、俺の嫌いな煙草の匂い。
きついばかりで旨いとはとても思えないそれが、今の自分には意外に心地よい薫りだったことに気付いて惜しい気もした。普段なら不愉快にしか思わない癖に都合の良いことだ。
男は言い募る。
「お前、俺を嫌ってただろうが!」
"毛虫の如く"と付け足してやろうかと思ったが、そう言った口で笑ったら喉が痛みそうなのでやめた。やめてから、既に痛覚を切り離していることに気付いた。馬鹿なのは俺も同じだ。
「あんたに対する俺の個人的感情と、俺があんたを助けることとは関係有りませんよ」
視界が酷く悪くなってくる。目の前に黄色い光が飛び始めたのが火花なのか、そうでないのかの区別も怪しい。
そんな状態になってまでこんな台詞を吐いている自分は、本当にどこまでも馬鹿だ。
「助けに来たのは義務ですよ」
言ってから、気が変わる。
「…違う」
急に否定の言葉を発した俺に、錯乱が始まったとでも思ったのか男が「おい」と慌てたように声をかけてくる。揺さぶられたのかもしれない。黄色い光が激しく舞い散った。
「……助けたかったから助けに来たんですよ。何か不都合でも」
一息で言うには少し長い台詞だった。また咽せる。肺から空気が出て行くと妙な音がした。
「それでお前…」

316 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 01:26 ID:lHWWnt5v
絶句しているのをいい気味だと思う余裕はまだある。これなら最後の一息でもう少し追い打ちをかけてやれるなと踏んだ。
多分、それ以上の時間は俺にはない。
「俺は、あんたが思っているより、俺自身が思うより、多分…あんたのことが好きだったんですよ」
肺が空気を使い切りそれ以上の声は出せなかった。
黄色い光が目の前を覆い尽くし、自分を見下ろす男の影だけがくっきりと浮かび上がった。
何かに似ている。
それは多分、灯りを消したベッドの上で月明かりが伸し掛かる男の影を落とした時の光景。
だが間をあけず俺の視界は完全に暗闇に隠された。
あんたがみっともなく泣きながら俺の骸を葬るのなんて見たくもないから丁度良い。
さようならとでも言ったら最高に嫌味だったんだがなと気が付いたが、それと同時に俺の意識はふつと途絶え、それきり何も、何も感じることはなかった。

317 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 01:27 ID:lHWWnt5v
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ココデオワッテルヨ…
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ;)ハゲシクロクガシパーイ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



318 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 13:20 ID:NETwYLrm
314-316
禿しく前後がキニナルヨ!
「あんた」口調に(゚Д゚)モエー

319 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 19:00 ID:C60J+/uK
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.      | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )弐拾四時間Tvノガクヤヲカクシドリシタヨ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


320 名前:(`,_ゝ´)オハナシさせていただきます…:04/08/22 20:19 ID:C60J+/uK
【AM6:24 素P度輪誤ン控室】
  _. ._
(;´A`)<全然目立たなかった…  (´^` )<でもみんなの話おもしろかったね。勉強になったよ

 _. ._
(#´A`)<何言ってんだヲザァさん!俺達は見せる側なんだよ!?  (´^` )ワカッテルッテ

(ごそごそ)

  _. ._
ヽ(´A`)ノ<コイツぐらいビッグになっていつか2/4/hの司会やろうぜ?
  (  )                            トントン 永慰だけど入るよー>┃
 【お宝】 (´^`;)。oO(朝から何晒してんだよ…)シカモハナサキニ
 /  ゞ


   _. ._
ヽ(;´A`)ノあ
  (  )                            ガチャ Σ(`く_,´;)あ┃
 【危険】 (;´^`)あ
 /  ゞ

【そのまましばらくお待ち下さい】

  _. ._
(;´A`)ノシ<ちちち違います! ごごご誤解です!!>(;´^`)ノシ  貴様らせめて鍵締めてヤれ!>Σバタン┃


321 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 20:21 ID:C60J+/uK
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> STOP.      | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・;)トチュウデ オキャクサンキテ ビクーリシタヨ…
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


322 名前:風と木の名無しさん:04/08/22 23:38 ID:+zDByWEk
>>320
可愛い&ワラタ&萌え…(*´д`)

323 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 00:13 ID:MYILiNIe

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ノリでさっき書いたので文章終わってるモナ!
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ツッコミどころ満載モナ!
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  数字お笑いコンビの妄想垂れ流しだモナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 苦手な人はスクロールしてやー。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


324 名前:谷 & 丘 1:04/08/23 00:14 ID:MYILiNIe
「うわ!」
口にやわらかい感触を感じて目をあけた。目の前に相方のアップがあった。
待て待て!ここは楽屋か…?いや違う。お台場のイベントの後、家帰ってきて…って家やがな!
なんとベッドに寝ている自分の上に丘村さんが馬乗りになっていたのだった。
谷部はあまりの驚きで声がでない。丘村さんはいつものようにキラキラとした瞳で谷部をみつめると、
ぷっくりとした唇をまた谷部の口に重ねてきた。
「んーーーー!っておい!なんやねん!シコミか!?」
谷部はいきなりのキスに大汗をかきながら丘村さんの肩を押して自分から離すと部屋をキョロキョロした。
誰もいない。真夜中の自分の寝室だ。自分の上の相方はいつものようにTシャツにハーフパンツ姿だ。
「ちょっと待って、ちょっと待って…俺状況つかめないんだけど、なんで…んむっ!」
またも口を塞がれて。
「ちょっと、って!なに?なんでいるの、ここに、おまえ…」
谷部は寝ぼけた頭で必死になって相方に問いかけた。
「俺もお前の全てが好きなんよ…」
そういって小さい体が谷部にぎゅーっとしがみついてきた。
谷部は動転するばかりだ。そして真っ白の頭にフラッシュバックするのは…今日のイベントでの恥ずかしいみせしめ。5000人を超す観客の前で丘村さんへの愛を語らせられたこと。
確かにイベントを盛り上げなければいけないという責任感で言った言葉だった。けれど、口が勝手に動いてしまったというのが正直なところだった。自分で自分にびっくりして。丘村さんがオトしてくれなければ、あの場で自分は1P以上の大汗をかいていたことだろう。

「丘村さんの好きなところは…全てです!」

今も思い出して顔が熱くなる。しかし、しかしだ。
今自分に抱きついている、相方。
いつもと様子がおかしい。こんなに素直に自分に甘えてくるなんて考えられない。
しかもプライベートでだ。
「…おまえ、酔ってるな?」
谷部が丘村さんの顔を持ち上げてみつめると。
「酔ってへんよ」
そういって答える丘村さんは妙に可愛くて。そしてまたぎゅーっとしがみついてきた。

325 名前:谷 & 丘 2:04/08/23 00:15 ID:MYILiNIe
「なんでいきなりチューなんよ、自分」
谷部はほとほと困ったように小さい背中をポンポンと叩いた。
「おまえが……言わすなや!」
真っ赤になった丘村さん。おずおずと、また小鳥キスを谷部にふらせてきた。
いきなり夜中に押し掛けられた谷部は理不尽なイライラも手伝って
「しつこいねん!」と逆に丘村さんを組みしくと、口を割らせて舌を割り込ませた。
ほんの軽い冗談のつもりだった。(谷部の寝ぼけた頭の中では)
丘村さんは急に本気のベロチューに驚いて、暴れはじめた。
その様が谷部のSっ気に火を点けたのだった。
「おとなしくしろや」
そういって舌を吸うと、丘村さんは顔を振って逃げようとする。
「ん…ちょっと…待って…そんなん…無理やって…」
丘村さんの普段とは違う弱々しい声。
首筋をペロっと嘗めあげると高い声が漏れた。
なに可愛い顔しとんねん!
丘村さんの瞳は暗闇でもキラキラと光って。頬を赤くして、恥ずかしそうに首を振った。
「なに緊張しとん?ほんっとにウブな人やね…」
「ん…あほ!どこ触っとんのじゃ…」
「かわいいで…。あんたは昔からかわいくて…」
「ん…ちょっと…シャレにならんってホンマに…」
「誘ってきたのはそっちやねんで」
「んん……あ、待って、待って、。まじで、き、もち、いい…」



326 名前:谷 & 丘 3:04/08/23 00:16 ID:MYILiNIe
丘村さんの蕩けそうな顔。
やばい、本気でとまらん。可愛くて可愛くてしゃあない。
あかん、このままだと抱いてまう…。抱きたい…。
はぁ、はぁ、はぁ……。
丘村さんのピッチの早い息づかいがひびいて。
やばい、止まらん!!
やばいって………!!!!!

ガバっ!
谷部は物凄い勢いで飛び起きた。シーンと静まり返る室内。
「夢か………」
ホ〜〜〜〜〜っと胸をなで下ろす。全身汗だくだった。
その直後、谷部は無言で布団をめくり己の下半身を確認し、
「…シャレにならんって……」
と頭を抱えたのだった。

327 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 00:17 ID:MYILiNIe

 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.      | |
 | |                | |           ∧_∧ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )マサニドリチンデオソマツサマデシタ…
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


328 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 00:37 ID:L4qzbc+1
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 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.        | |
 | |                | |           ∧_∧ ゲイニソの流れに乗って、某フライデーさんと後輩の楽屋を覗いてみるモナ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

329 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 00:37 ID:L4qzbc+1
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 | | |> PLAY.        | |
 | |                | |           ∧_∧ ゲイニソの流れに乗って、
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )    某フライデーさんと後輩の楽屋を覗いてみるモナ
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

330 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 00:39 ID:L4qzbc+1

[  ゚∀゚ ](; ̄Д ̄ )ノシ[フライデー]<はー、やれやれ。やっちゃったよ。

(; ̄Д ̄ )<もう、彼女から植田から社長から怒られまくりだよ・・・お前はいいよな。そんなことなくて。
[  ゚∀゚ ]<いや、もう昨日から喋ってくれません
  エッ>Σ( ̄Д ̄  ) 

・・・

( ´,_ゝ`)<もういい加減機嫌直してやれよ。うちの馬鹿が悪いんだから。 
( ロдロ)<だって・・・    ん?>(´<_、` )


「ジソリキ楽屋」

( θ∀θ)( `ー´)ノシ<芝田ー!フライデー見たよ!  (ロдロ )<えー。
(・□∋□)(,,〇ω〇)ノシ<見たよー!すごいじゃーん! 
 (ロдロ )<はぁ・・・。
(□ゝ□)(´Дヽ`)(□∀□)ノシ<あれ?山嵜はー?  (ロдロ )<・・・。




(ロдロ )  (´<_、` )<・・・。
(ロдロ;)  (´<_、` )<・・・拗ねんなよ。


331 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 00:41 ID:L4qzbc+1
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 | __________  |
 | |                | |
 | | |> STOP.        | |
 | |                | |           ∧_∧  何か色々画像乱れちゃったモナ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ;)  
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

332 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 00:51 ID:e9OVD4Dh
ジソリキの異常なメガネ率にワロタ。芝田カバエエ・・・GJ!

333 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 06:45 ID:v+GhX2UQ
>>323
最高に萌え!!谷のSっぷりと丘の可愛さに溺れてく様がたまりません!

334 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 11:33 ID:RMg5s1VI
お笑い三連キテタ゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!
みんな大好きだよ(´Д`*)ハァハァ(´Д`*)ハァハァ(´Д`*)ハァハァ

335 名前:風と木の名無しさん:04/08/23 20:51 ID:HIw20XYf
ヲ藁イゲ仁ンの顔文字はこちらを参照下さい。

ttp://tv6.2ch.net/test/read.cgi/geinin/1077333206/

336 名前:風と木の名無しさん:04/08/24 03:57 ID:QyG8Wzp5
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  『車道技』の刀傷×黒い咆哮モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ヌルいがな
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.     | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ マイナーだ…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


337 名前:刀傷×黒い咆哮 1:04/08/24 03:58 ID:QyG8Wzp5
「スカーフェイスさん、今日はありがとうございました」
「いや、オレの方も運動不足だったからな。丁度良かった……また腕を上げたな、ガウ」
ガウからタオルを受け取りながら、『刀傷』ヴァイ・ローはそう言って微かに微笑んだ。
「え、本当ですか!」
嬉しそうな笑顔を向けるガウの髪をクシャクシャと撫でると、さらに一言。
「まあ後は身長の問題ぐらいかー?」
少し意地悪げな笑みを浮かべたスカーフェイスに、ガウは先程までの笑顔とは打って変わって、眉を寄せる。
「…スカーフェイスさんまで、エレ姉と同じ事を言わなくてもいいじゃないですか……」
どうやら、ガウ自身も気にしていたらしい。
ややふてくされたその表情に、戦いの時に見せる修羅の面影は無い。
コロコロと表情が変わる様は、何度見ても飽きないものがある。
そう、もっと他の表情が見てみたい、と思う位に。
「ははっ、悪かったな、ま、気にするな。まだまだ成長期なんだからよ」
そう言いながら、手短な切り株に腰掛けると、隣のもう一つの切り株に座るよう促す。
「そういえば…以前からガウ、お前に言おうと思っていたんだが」
「え……!」
唇に柔らかいものが触れた、と同時に腰を抱き寄せられる。
「こういう時は目を瞑るもんだぞ、ガウ」
微かに唇を離してそう囁くと、空いている方の手で視界を遮って、再びくちづける。
「ん……っ」
最初は重ねるだけだったそれは、次第に深くなった。
口腔を蹂躙していく舌の動きに、頭の中に霞がかかっていく。
意識が朦朧としかけた所で、やっと唇を開放された。

338 名前:刀傷×黒い咆哮 2:04/08/24 04:00 ID:QyG8Wzp5
「な……何するんですか!?」
真っ赤になっているガウを抱きしめたまま。
「隙が多すぎるってな…そんな顔されたら、お兄さんとしては我慢できなくなりそうなんだが…!」

────ドゥッッ!!

「ガウっ、伏せろ!」
「うわッ?!」
すぐさまガウを足元の草むらへ伏せさせると同時に、自分に向かって投げられたソレを受け止める。
「…ディアス、いきなり親友に向かってブラック=ウイング投げつけるか、普通!」
巨大なブーメランを片手にそう言うスカーフェイスを、ディアスは一瞥する。
「人の可愛い義弟に妙なちょっかいを掛ける奴を親友に持った覚えは無い」
ディアスは口元には穏やかな笑みを浮かべていたが…目は完璧に笑っていなかった。
そして、ディアスの傍らには。
「手前ぇ…ガウに何やってるんだ、ああ?」
「本当に、あなたって人は……」
怒りのオーラを背負うエレに、絶対零度の眼差しのロウ。
「今のは、ほんの冗談…」
「「「問答無用!!!」」」


「どうしよう……」
目の前で起こっている惨状──周囲の木々はすでに根元から倒され、時々怒鳴り声が聞こえている──
にガウは顔を赤らめたままため息を付く。

339 名前:刀傷×黒い咆哮 3:04/08/24 04:01 ID:QyG8Wzp5
「まったく……エレが暴れるだけならまだしも、ディアス様やロウまで切れるとは思わなかったわよ」
横を見ると、何時の間にかフォウリィーがため息混じりに呟きつつ立っていた。
「フォウリィー、コレ、どうすれば……」
ガウのその問いにすかさず。
「放っておきなさい」
そう言いきると、呪符を取り出す。
「フォウリンクマイヤー・ブラズマタイザーが符に問う…答えよ!其は何ぞ!!」
゛我は結界…貴公を全ての災いから守護する者──″
「これでこっちの方は大丈夫ね」
「はあ……なんでスカーフェイスさんの冗談に、エレ姉はともかくロウさんやディアス兄さんまで怒り出す
んだろう……」
そう言って呆れた眼差しで遠くを見ているガウに、フォウリィーは額を押さえつつ。
『冗談って思っているのは多分あなただけよ、ガウ』
そう言いたいのを飲み込んだ。

340 名前:風と木の名無しさん:04/08/24 04:01 ID:QyG8Wzp5

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  カプにもなってないモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  落ちもないモナ
 | |                | |            \
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ……
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


341 名前:風と木の名無しさん:04/08/25 19:21 ID:eLIB1saL
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> play.      │|
       |│              |│
       |│              |│
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         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]
   ∧∧
   (  ,,゚) ピッ   ∧_∧   ∧_∧     ┌──────────────
   /  つ◇   ( ・∀・)ミ  (`   )    < 錺職の中の人繋がりで、太/陽/に(゚Д゚)だモナ
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒) └──────────────
  |            ┌^──────────────
  └──────│ Gプシー加入直後のイメージだよ
            │ Rガー→Gプシーの昔の少女漫画かyo!な話(だって22年前だし…)
                └──────────────

342 名前:風と木の名無しさん:04/08/25 19:23 ID:eLIB1saL
「……」
竹元順次は湯呑みを両手で持ったまま、左へちらりと視線を送った。
相変わらずの涼しげな表情でペンを走らせる横顔がひとつ。
そのまま右を向けば、豪快に出前の丼をがっつくごん太眉の刑事一名と、
缶コーヒー片手に雑誌を読みふける髭面が一名。
せいぜいデスク3つ分。その微妙な距離は近づきつつあるとは思うが、
ある一定のところから保留状態が続いている。
竹元はひっそり溜息をつき、もういちど左側の人物を盗み見た。
どうせ自分が見ていることにはとっくに気づいているのだろうが、
相変わらず関心なさげな表情に、自分ばかりもやもやしているのが空しくなる。

ハラ昌雪が七/曲/署に転任してから約2ヶ月が経つ。着任当日からの型破りな行動もさることながら
まるでこちらの存在など視界に入っていないような態度に反発を覚えたのも事実だ。
口数も極端に少なく、必要なことが済めばさっさと背中を向ける。
「可愛げがまったくない」と西城でなくても言いたくなるところだ。
だが捜査を通じてハラの人となりが掴めてくるにつれ、竹元は少しずつハラに惹かれ始めていた。
どう見たってお荷物な若手とのコンビを、不服そうではあっても拒否はしなかった。
ハラとは逆を行っている竹元の推理を最後まで否定しなかった。
ハラの推理が着々と立証される中、落胆するしかない竹元にハラはただ淡々と自分の信念を語った。
ことさら優位に立つでもなく、また励ますわけでもなく。温度を感じない口調と表情は
つくりもののように変化しなかったが、竹元は初めて彼なりの暖かさを垣間見た。
自分の推理が正しかったことより、ハラと組んで捜査ができたことが嬉しかったと今も思っている。
しかし同時に、ハラが他人に何も求めていないことも分かってしまった。
協力も、理解も、信頼さえも、ハラは初めから得ようと思ってはいない。
ヤマさんやチョーさんのような年長者とは少ないながら会話もあるようだが、自分などあの捜査以来、
事件絡みのこと以外での会話などほとんどない。昼食時も何となく誘いづらいまま日が経ち、
いつの間にかハラが消えていて、気付いたら戻っているという状況が定着している。
(でも、いつかは普通に話して、飯食いに行くんだ。絶対!)
その中学生並みの決意が、今の竹元の中では最重要事項だった。

343 名前:太/陽/に(゚Д゚) 2/4:04/08/25 19:26 ID:eLIB1saL
神経質そうに細められた目がふと和らいだとき、面白いほどに心臓が跳ねた。
一緒の車に乗っていて、気づくか気づかないかの笑顔を向けられたとき、
一瞬、ハラ以外の風景が視界からすっ飛んだ。
(もっと笑ってもらうんだ。本当はもっと優しい顔のはずなんだから)
そんな感情を何の疑問もなく抱けるところが竹元の竹元たる所以である。
いつの間にか西城と岩木が自分を見ているのにも気づかず、竹元は意を決して顔を上げた。
「あの、ハラさ――」
「ヤツならとっくに出てったぞ」
「…へ?」
「お前がひとりで百面相してるうちにな」
「はぁ…」
西城は丼を片付けながら面白そうに覗き込んだ。
「なにー?Rガーちゃんが考え事なんて珍しいね」
「Dックには絶対わかんないことですよ」
「ほう…言ってくれるじゃないのこの子は」
西城が額に青筋を浮かべたところにドアが開き、野先がのんびりと顔を出した。
「あ、チョーさんお帰りなさい」
「おうRガー、Gプシーなら今階段上がってったぞ」
「上ですか?屋上…かな」
「あいつは大抵あそこにいることが多いからな。猫みたいなヤツだよ」
「チョーさん知ってたんですか?」
「まあ、休憩中まで詮索するのもと思ったんでな。しかし、いつまでもあの調子でもなあ」
野先は穏やかな笑顔で3人の顔を見渡した。
「お、俺ちょっと出てきます!」
「はーい西城も監視同行致しまーす。Rッキー、来い」
「はいよ」
どたばた出て行く若手を、野先は穏やかな笑顔で見送った。

344 名前:太/陽/に(゚Д゚) 3/4:04/08/25 19:27 ID:eLIB1saL
というわけで、七/曲/署の屋上へ3人揃って上がってみれば、果たしてフェンスにもたれ
タバコをふかすハラを発見したわけである。しかし声をかけようにもうまく言葉が浮かばず、
扉の隙間に縦にみっつ顔を並べるさまは何とも間抜けである。
「あいつちゃんと飯食ったのかよ」
「いつもああしてるんですかねえ」
「あんなやせっぽちでろくに食わねえんじゃ倒れるぞ」
「ハラさんはそんないい加減なことしませんよ。ちゃんと考えてるはずです」
「お?ずいぶん肩持つじゃねえのRガーちゃん」
「ハラさんは、捜査にもちゃんと責任を持って動いてますよ。ただ」
「ただ?」
「ただ…執着しないんですよ。仲間とか、功績とか。事件が解決することが最優先なんです」
「そりゃデカならそうだろうよ」
「いえ、そうじゃなくて、何ていうか…本当にそれしかいらないと思ってて…だから、
 ハラさん自身がどうなっても、事件解決になるなら全然気にしないんじゃないかって」
「なるほど。残りの人生オマケが哲学だしな」
「俺、嫌です。そんなの」
口をぎゅっと引き結ぶ竹元に、西城はちらりとハラのほうを見やって尋ねた。
「なあRガー、お前が公園で頭ぶん殴られたときも、あいつはまずお前の状況確認してから追ったんだよな?」
「はい。そのせいで逃げられたんですけど…」
「回りが言ってるほど冷たい奴じゃないってことだろ。わかりにくいのが問題だがな」
西城は竹元の頭をぽんと叩いて、もう一度ハラの立っているほうを見た。
俯き加減で表情はわからないが、細身の長身はひどく寒そうに見えた。
「ま、あの性格じゃ友達はできにくいよ。放っといたらずっとあのまんまだな」
「ハラさん…」
「徐々に慣らしていけばいいさ。うちにゃ変わりモンがいなかった試しがないんだから大丈夫だ」
言葉に反し西城の口調は静かだった。
「まずはこれだけ心配してる奴がいるってのを、ちゃんとあいつに伝えないとな」


345 名前:太/陽/に(゚Д゚) 4/4:04/08/25 19:29 ID:eLIB1saL
「Dック、肺がひとつだけって、かなり体に負担がかかるんですよね」
竹元がぽつりと呟いた。
「当たり前だろ。全力疾走なんて本当ならご法度だ」
「その割りに綺麗に回し蹴り決めてましたよね」
「相当のリハビリ積んでるはずだよ。そうじゃなきゃあり得ない」
ハラのことだから、誰にもその努力を悟らせなかっただろう。
いや、寄せ付けなかったのかもしれない、と竹元はなんとなく考えた。
「しかし、あんなアスパラみたいな脚でよく…アスパラか」
「Dック?」
「なあ、アスパラはバター炒めが美味いよな」
「俺、ゆでてマヨネーズつけて食うの好きです」
「令子はさー、アスパラ入れたグラタンが絶品なのよ〜」
西城はいたずらっぽく二人を振り返った。
「んじゃ、カル/メンちゃんはアスパラ好きか聞いてみっか?」

その後数日、昼食時間のたびにハラが各々の行きつけの店に引っ張っていかれる光景が続いた。
困った顔をしながらも断れない性格が露見してからは、その顔見たさにエスカレートしたという話である。

346 名前:風と木の名無しさん:04/08/25 19:34 ID:eLIB1saL
          _________
       |┌───────┐|
       |│l> stop.      │|
       |│              |│      
       |│              |│   1/4部分の名前欄忘れました_| ̄|○ 
       |│              |│   
       |└───────┘|    
         [::::::::::::::::MONY:::::::::::::::::]     
   
                 ピッ ∧_∧  
                ◇,,(∀・ ; )  ヘヴォーン…
  (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒)
  |                                |
  └────────────────┘

冒頭部分のエピは某話から。そのまんまです。
コンセプトはクールな美少女転校せ(ターン

347 名前:風と木の名無しさん:04/08/25 21:57 ID:loniGNaV
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.       | |
 | |                | |           ∧_∧ モハヤブームノゴトクタイソウカンレンニモエーテイルワケデ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) ショウジキスマンカッタ
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
エイコのカケハツの実シ兄×524タンです。ガラの二人可愛かったハァハァ

348 名前:実シ兄+524その1:04/08/25 21:58 ID:loniGNaV
じりじりするほどに、舞い上がる体はゆっくりとそれこそ
スローモーションの如く鼓膜の上を渡る。
緩やかな軌道は弧を描いて長い長いトンネルの向こうへの扉を、開ける。
登美田の両足がまごうことなく地に着いて、524の握り締めた掌の中で、
今までずっと、ずっと抱えていたたくさんのものが弾けた。
真っ白になった一瞬、言葉がぼろぼろ綻びてうまく形にならない。
掲げられた白と赤とに混ざり合う眩しい5つの笑顔がぼんやり滲んで霞んでいく。
それでも必死に伝えようとする声はブラウン管の向こうへの自らの使命感。
喉に嗚咽がつかえて呼吸を見失った。
524の背中に、優しい温度が触れる。









「泣いても、いいんですよ」






349 名前:実シ兄+524その2:04/08/25 21:59 ID:loniGNaV
本当に優しい音がそこにあった。
座っていても顕著な身長の差異が524に見上げる形を取らせる。
視線が向けられるのを待っていた借家の顔が、言葉と同じ顔をしていた。


――――――借家さん。
掠れて524が名を呼ぶのに失敗する。
ぐらついてもなんとか立っていた堤防が
あっさりと、一気に崩されていく。
俯いてしまえば滴が外に溢れてしまうのは簡単だった。
こんなに容易いことが、涙になるまであまりにも時間がかかってしまったのだ。
その間に通り過ぎてしまった自らの輝きが惜しいとは、
これっぽちも524の頭には無い。
ただ純粋なその涙である。
それだけに、穏やかに留め金を外されてなかなか収まりがつかない。
悲しみでない涙を止める術は、あるのだろうか。









350 名前:実シ兄+524その3:04/08/25 21:59 ID:loniGNaV
「524さん」
平静では当然いられない面を上げるのはどうにも
恥ずかしく思われたのか、返事の代わりに頷いた。
背中から肩に移動した掌にやんわり引かれ、
流れるように体が凭れて支えの重心を借家に渡す。
524の頭が寄り掛かった、借家の見た目よりもしっかりした胸板が
どうぞと言わんばかりだった。
呟いたすいません、がスーツに吸い込まれて、消える。
とんとん、と撫でるように背を叩いた2拍のそのほんの数秒。
瞬きを何度か、の時間だけでするりと体は別れる。
小さな呼吸で肺に酸素を落とすともう胸は軽くなっていた。
涙の跡のゆるりとした重さが、524にとって寧ろ心地がよかった。
顔を上げて視線が合う。
照れたようにはにかんで、二人はまた、マイクに向かい合った。




351 名前:風と木の名無しさん:04/08/25 22:01 ID:loniGNaV
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 萌えすぎてしょぼくてごめんて感じだ。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



352 名前:風と木の名無しさん:04/08/25 22:18 ID:69WBfCXF
狩矢+524キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
も、萌え死にます…有り難う姐さん、GJ!!

353 名前:風と木の名無しさん:04/08/26 00:38 ID:aFnPmv2c
>306
まさか自分の最萌えカプが拝めるとは思わなかった。
いちにちスレ見てなかったのでここに投下してくれて激しく感謝。

354 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 02:09 ID:ZaV/hFEZ
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.       | |
 | |                | |           ∧_∧   懲りないフライデーさんの後輩ゲイニソ達の
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )          楽屋をまたまたのぞいてみるモナ〜
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

355 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 02:10 ID:ZaV/hFEZ
見てください、蟻田さん三週連続です>[  ゚∀゚ ]ノ【フライデー】  ( `ー´ )<お、今度は直撃かー。
そうですね。>[  ゚∀゚ ]ノ【フライデー】 ( `ー´ )<ここまで来ると逆に愉快だねー。
Σ[; ゚∀゚ ](  `ー´)ノ【フライデー】<あ、芝田だ。おーい。            ( ロдロ )<何すか?
((([; ゚∀゚ ](  `ー´)ノ【フライデー】<これ見たー?   ( ロдロ )<・・・!
((([; ゚∀゚ ]<あー!(  `ー´)ノ【フライデー】                          三(  ロдロ)ノ<山嵜のバーカ
[; ゚∀゚ ]<また俺だと思われた・・・ちょっと何とかしてくださいよー!(  `ー´)ノ<バイバーイ
[; ゚∀゚ ]  ( `ー´ )<え?ワザとだよw
((((([; ゚∀゚ ]  ( `ー´*)<今度はどのくらい拗ねてるかな?

((((([; ゚∀゚ ]  ( `ー´*)<だって暇なんだもん。      (θ∀θ )<・・・綿部、あんまり苛めるなってー。
( *`ー´)<じゃ、弧島暇つぶしして。      (θ∀θ )<えー・・・。
(  `ー´)<やだ。    (θ∀θ )<麻雀?


・・・・・・・・・・・・・・・・

(;´,_ゝ`)<また!            植田さーん!!>(ロдロ )三
今度は何>( ´,_ゝ`) (ロдロ )<・・・。
お前は俺の同棲相手か>( ´,_ゝ`) (ロдロ )<何で植田さんの女性セブンに俺載ってないんスか。



( θ∀θ)ノ<どっちかっていうと、それは俺。

356 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 02:12 ID:ZaV/hFEZ
「後日:驢馬穂楽屋にて」

[  ゚∀゚ ]( ̄Д ̄  )<山嵜・・・。
Σ[  ゚∀゚ ]( ̄Д ̄  )<お前、俺が三週フライデーされて愉快なんだって?
イヤイヤそんなことは>[  ゚∀゚ ]( ̄Д ̄  )<しかも俺の出演テレビを無理して笑ってるんだって?
それはそうです。>[  ゚∀゚ ]( ̄Д ̄  )<っほーう。
[  ゚∀゚ ]( ̄Д ̄  )<・・・。
いや、嘘です!めちゃ2面白いです!!大爆笑です!!>[  ゚∀゚ ]ノ (= ̄Д ̄)<・・・。


(,,〇ω〇)ノ←ちなみにタレこんだ人
( `ー´)ノ←更にタレこんだ人。
ヤレヤレ>( θ∀θ)( `ー´)ノ<あー、愉快w

357 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 02:13 ID:ZaV/hFEZ
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 何か騒々しいモナ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

358 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 02:25 ID:SdIDUgsH

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  あれ?続きが・・・
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  さっきの続きだな。
 | |                | |            \
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ……
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





359 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 02:44 ID:SdIDUgsH
(,,○ω○)$$¥<タレコんだ金がガポーリ・・・。

(.□∋□)<ウマーなもの?いいねえ・・・。     (○ω○,,*)三Э<ヲギ〜、この金でウマーなもの食おうぜ。

(.□∋□)<いただきま〜す!ウマー。      Σ(○ω○,,;*)<うあっ!やめろって!バカァ〜!!もっと〜!

                                  ヲギ     
                                ○|\ <ギシギシ (゚д゚)ウマー オカワリ!  . |ニヤリ
ギシギシアンアン ヤファギノコクマロミルクマタ(ミサクラry〜 >○| ̄ヒ|_                      |Д ̄ )
                               ヤファギ                   
ナンデバレタノ・・・?    サア・・・?
(;l|l□∋□)(;|l|○ω○)ノ[三]←(オギヤファギ熱愛発覚!の記事)   ( ̄Д ̄  )[.゚∀゚  ]ニヤニヤ



360 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 02:47 ID:SdIDUgsH

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  下品だモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  なんだこりゃ?
 | |                | |            \
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 1コマ目PLAYとSTOP間違えてるぞ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


_| ̄|○ <スマソ・・・。そして>>355-356GJです・・・。


361 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 02:48 ID:SdIDUgsH
伏字ミス・・・_| ̄|三(((○ 重ね重ねスマソ・・・。

362 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 10:41 ID:10tUtFVv
>347
借家524キテタ゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!
泣いてもいいんですよ、は名言ですね( *´Д`)ハァハァ

363 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 11:40 ID:zRrHgGna
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> PLAY.       | |
 | |                | |           ∧_∧   いつか役に立つかもしれないから
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )  アマーな言葉を勉強しよう        
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

364 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 12:00 ID:zRrHgGna
( ´,_ゝ`)「君の声を聞いて…」

(*´,_ゝ`)「僕の耳に花が咲いたよ。」


(つ^`)「夕べ、悪い夢を見たんだ。……恩鳩で545出した夢。」

(´^`)「何で悪い夢かって?」

(*´^`)「君が出てこない夢は全部悪い夢だよ。」

…(#´,_ゝ`)―――*バチ*バチ*―――(´^`#)…


「問題は何を言うかじゃなくて」( ´,_ゝ`)     (´^` )「誰に言うか…、ですよね」

「流石だヲザァ」(*´,_ゝ`)人(´^`*)「さっきのアレ阿利汰さんにも教えたんですか」


365 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 12:04 ID:zRrHgGna
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧   
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )          当分甘い物は食べたくないや
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

366 名前:風と木の名無しさん:04/08/27 22:03 ID:mUwFfcAg
お盆過ぎてから凄い投下ラッシュで、知らないジャンルでも萌え萌えしながら読んでます。
特に100-1はこれからは普通の目では見られんです。若手ゲイニソに曲がった興味が出てきたしw
最近ここ読者が減ってる?投下された数の割に反応カキコが極端に少ないような。
みんな今くらいにお盆休み取ってるのかな?


とにかく神々に感謝のお供えを_| ̄|○ノ 旦~□□ イモヨウカン

あ、それと保管庫の管理人さんにも_| ̄|○ノ 旦~●● アンコダマ

367 名前:風と木の名無しさん:04/08/28 00:02 ID:fwGRb2Jk
>366
>最近ここ読者が減ってる?投下された数の割に反応カキコが極端に少ないような
これは言わないほうがいいぞ。
合わない人がスルーしてるからだと思われ、と
書き手さんたちのやる気を削ぐ答えしか返してやれないからな

368 名前:風と木の名無しさん:04/08/28 04:02 ID:fl2pgNXf
 

369 名前:風と木の名無しさん:04/08/28 04:06 ID:OzQNSjIL
>>367のカキコの方がよっぽどやる気をそぐと思うが・・・。
みなさんGJです。


370 名前:風と木の名無しさん:04/08/28 11:29 ID:04mvsQoz
>1>369 愛してるよ

371 名前:風と木の名無しさん:04/08/28 13:19 ID:8hpe374Q
>>341姐さんっ!!!!!!
あにがと〜あにがと〜!
今になってG萌えが出来るとは思ってもおりませなんだ。
「続・雨の降る街」がっつり結ばれたD&Gを書いていただけたら
漏れはもう萌え死ねる。

372 名前:風と木の名無しさん:04/08/28 16:11 ID:9QAZoAha
>>306
…いつのまにこんな素晴らしいものが!
自分も9巻で涙したので嬉しいです。ありがとうありがとう!!

373 名前:実シ兄+524:04/08/29 12:18 ID:5mmbtYwF
おかりしますー
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  オ/リン/ピック‥‥。ぽえまー
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  実況&解/説ナマモノです_| ̄|○
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

374 名前:実シ兄+524 1:04/08/29 12:21 ID:5mmbtYwF
「今日で終わりですね」
いつも穏やかな人だが、今も変わらない穏やかな響きで彼は話した。

 一仕事終えた後、偶然会った彼を食事に誘った。快諾してくれた彼と話すのが
楽しく、いつもより酒が進み、会話も弾み、自分でも少し浮かれているかもしれないと思ったが、その過ごす時間の楽しさに身を任せていた。
その時、その言葉が彼の口から出てきた。
「オリンピック、終わりますね」
その言葉は、自分の浮かれた気持ちを一気に冷やした。
どんな言葉を投げかけられても、それに応える事が出来る自信がある。
しかしその時は、当りさわりのない返答も、相槌すら出てこなかった。
「私は、明日の便で日本に帰ります。借家さんは、どうされるんですか?」
声が詰った。
「借家さん?」
「私は、まだ、仕事が…」
かろうじて、出てきた言葉は、ひどく掠れていた。
自分の声がこんなに掠れた響きを帯びた事は記憶になく、急に不安が襲い掛かる。
「子二誌さん、もうちょっと、ゆっくりしたら。
そんなに急いで帰らなくても。まだ。オリ/ンピックは終わってない事ですし。
ほかの競技も、結構面白いですよ。良かったら、私が。私が――」
言葉を一気に吐き出す私に、彼は、驚いたように目を見張った。
そして、戸惑ったような口調で言った。
「残念ですが。飛行機の切符をもう取っていますから」
当たり前の事だと思った。
彼の仕事は終わったのだから、ここに、これ以上いる意味はない。
彼は、一足先に、日常へ戻っていってしまうのだ。
又詰って、黙り込んでしまった私への彼の戸惑いが感じられる。
彼が帰るというだけで、ショックを受ける自分がおかしいのだと分かる。
彼がここからいなくなるという事がどうしても耐えがたく感じるのがおかしいのだと感じる。
しかし、彼がいなくなるということが、自分のどこかを損失する事は確かなのだと自覚した。

375 名前:実シ兄+524 2:04/08/29 12:24 ID:5mmbtYwF
「大層、勝てて良かったですね」
なんとか、会話を続けようとするあまり、前後の脈略がなくなってしまったが、彼は、何事もなかったように会話を続けてくれた。
試合中もそうだった。
抑えようとしても押さえ切れない感情の発露に興奮する自分は彼の声と言葉に何度もなだめられ、何度も、救われた。
「そう、ですね。あの子たちは本当に頑張ってくれていたので」
「ええ」
「大層をはじめる子供が増えてくると嬉しいですよね」
「増えますよ」
「そう、だといいんですが」
「増えますよ。きっと」
「はい」
「今回のオリンピックを見て感動した人が、大層をはじめて、
そして、成長した後のオリンピックでまたメダルを目指しますよ」
「そう、ありたいですね」
「そうなります」
「又、同じ事言ってもらわなければいけませんね」
「え?」
「今度は、泣かないようにしますね」
その瞬間、団体の試合を思い出して胸が熱くなる。
終始、日本の勝利を疑わず、盲信せず、卑下せず、冷静に見えた彼の感情が溢れた瞬間。
あの瞬間の彼を最も近くで見ることが出来た自分が、我慢できずに、吐き出した言葉。
「いえ。泣いてください」
酒のせいだけではなく、少し赤くなった彼が否定する。
「泣きませんから」
「いえ。泣いてくださっていいんです」
「泣かせる人がいなかったら、泣きませんから」
「じゃあ、泣かせますから」
むきになって言う私に、とうとう彼は笑い出した。
「――次も、素晴らしい演技が見れたらいいですね」
「そうですね。一緒に、見られたらいいですね」
「そう、ですね」
次も、その次も、その次の次も。あの瞬間を共有できる人が彼である事を、強く祈る。

376 名前:実シ兄+524:04/08/29 12:24 ID:5mmbtYwF
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

                                   改行シッパイした_| ̄|○

377 名前:風と木の名無しさん:04/08/29 12:47 ID:IN8O2UT7
>>373-376
最高に萌えました…!
524さんの台詞に(;´Д`)ハァハァ
やっぱりいいですよねこの2人…

378 名前:風と木の名無しさん:04/08/29 13:02 ID:BZw9b5ks
実シ兄と524、萌えー!!!
でも実際に彼らを見たことがない・・・。
なんで見とかなかったんだろう・・・orzモウオワッチャウヨー

379 名前:風と木の名無しさん:04/08/29 17:35 ID:DAMfnkLQ
よすぎよすぎよすぎ乙

380 名前:風と木の名無しさん:04/08/29 18:03 ID:wDmPAZX0
良いわぁ…萌へ。
借り家さん…しかも、結構、おっとこまえぇ…

ttp://www3.nhk.or.jp/olympic/nhk/caster.html

381 名前:風と木の名無しさん:04/08/29 18:18 ID:2wDrio/A
ずーっと昔に書いたものをオリジナルものハケーン。
長いしいろいろと怒られそうな部分満載ですが、懐かしいので
捨てる前に記念にコレクションに入れてくださいモララー


382 名前:1/17:04/08/29 18:35 ID:2wDrio/A

 『彼』は恋人としての君はもう必要ないと言ってるとダニエル
に言われて、俺は家を出た。荷物はほんの僅かの服とか写真とか
を入れた、小さなスポーツバッグ一個だけで、そのほかにダニエ
ルに渡された、退職金が入った封筒を、革のジャケットのポケッ
トのなかに突っ込んだだけだった。
 家を出て行くとき、今日は少し風が強いからと思って、俺はそ
のジャケットを着たわけなんだけど、袖を通した途端にこれを誰
に買ってもらったのかってのを思い出して、ちょっと困惑した。
つまり、これは俺が自分で金を稼いで買ったものじゃなくて(そ
の革ジャケットはなんだかという有名なデザイナーの店にあった
もので、掃除夫をしていた俺には、10年かかっても買えるような
値段じゃなかった)、『あいつ』に買ってもらったものだったか
ら、俺が出て行くからといって『あいつ』の家からこれを持ち出
していいのかどうか、ちょっと疑問に思ったんだ。
俺がそういうことを考えて革のジャケットについたキラキラした銀のボタンを
眺めていたら、俺と『あいつ』の寝室の入り口で――違った、俺
と『あいつ』の寝室だった部屋の入り口で、だ――腕を組んで俺
が荷造りする様子を見守っていたダニエルが、俺の考えているこ
とに気づいて、君はそれを着ていいんだ、『彼』と別れるって言
ったって、君に買ってもらったものは君のものなんだから、と言
った。俺が『あいつ』に買ってもらったもの、そう言われて、俺
は周りを見回した。金で出来たやたらと重い、けどすごく正確に
動くスイスの時計とか、カルティ江だのグっチだのの服やアクセ
サリー。買ってもらったものなんて多すぎて、これを全部持って
いくつもりなら、荷物を運ぶ車が必要だ。俺が冗談のつもりでそ
う言うと、ダニエルは右の眉をちょっと上げて、もちろんそれが
必要なら車を手配するよと言ったから、俺はなんだか苛々した。

383 名前:2/17:04/08/29 18:36 ID:2wDrio/A
 買ってもらったものを俺のものだからなんて言ってすべて掻っ
攫っていくほど、俺は情けないやつじゃない。そう思って黙って
いると、ダニエルはそれを誤解して、急にこの家を出て他に移る
のは大変だと思うから、もしなんだったらすぐにホテルに部屋で
も取ろうか、そのあとで君が暮らす部屋のことは、こちらで用意
してもいいなんてことをペラペラ話し始めて、俺の苛立ちは抑え
難いものになった。冗談じゃない。見くびるな。俺は囲われ者じ
ゃないんだ。そう怒鳴って、俺はスポーツバッグに、俺がこの家
に移ってくる前に、自分の金で買ったもの――そういうものはこ
っちで暮らし始めてから『あいつ』が随分捨ててしまったので、
ほとんどなかったが――だけを詰め、呆気に取られているダニエ
ルの脇を大股で通り過ぎて、とにかく家を出た。
本当はこの黒い革ジャンも着ていたくなかったけど、とにかく外
は寒そうだったし、昔着ていた穴が空いたチャコールグレイのジ
ャケット(ずっと昔ボーイフレンドにクリスマスプレゼントとし
て貰った)は例によって捨てられていてもうなかったから、仕方
なくそれを着て外に出たんだ。

384 名前:3/17:04/08/29 18:36 ID:2wDrio/A
 豪邸ばかりが並んでる住宅街のなかでもひときわ豪華なあの家
を出て、重たい門を閉じたとき、俺はもうこの家に来ることはな
いんだと思って不思議な気持ちになった。そう、奇妙なことに、
俺はこの馬鹿でかい家のことを、本当に自分の家だと感じるよう
になってたんだ。だけど、本当はそうじゃない。この馬鹿でかい
家は『あいつ』がヒット・レコードを出してその印税で買ったも
ので、掃除夫だった俺の家は、もともとは下町のアパートにあっ
た。ワンルームしかなくて、こんな大きなドアなんてもちろんな
くて、ネズミが走り回る音がする部屋だ。俺はそういう部屋を、
またすぐにでも見つけなきゃいけない。暮らしていくために。と
りあえず当座は退職金というか手切れ金が手元にあるから、パン
くらいは買えるけど、すぐに働く場所は見つけなきゃいかない。
けど、働くって言ったって、俺は何をして生きていくんだ?また
昔のように掃除夫かな?ああ、そう思うと情けない話だけど、俺
はどきどきしてきて、目の前が真っ暗になったような気がして、
その場にへたり込みたくなった。

385 名前:4/17:04/08/29 18:37 ID:2wDrio/A
 そうだ、電話、友達のヒューのところにでも電話して、事情を
話して今夜はやつの部屋に泊めてもらおうか。それとも幼馴染で、
今は立派に事務職なんかをやっているデライラに、怒られるのを
覚悟で。親?親のとこは駄目だ。電話なんか掛けたって、助けて
もらえるわけがない。それどころか金を貸してくれと頼まれるの
がオチだ。
 けど、とにかく今夜どこかに泊まらなきゃいけない。俺は一介
の掃除夫に戻るんだから、ホテルなんて借りられる身分じゃない
んだ。それは確かだから、デライラとかヒューとかに電話して、
助けを乞わなきゃいけない。くそっ。バスを待っている間、俺は
思わず呟いた。くそっ、またあの生活に逆戻りだ。小汚い床を磨
いたり、デブで禿げのボスに怒鳴られて、たまに俺みたいなのと
やりたくて下町にこっそりお忍びでやってくる金持ちの親父とセ
ックスして、小遣いを貰う。そういう生活に逆戻りだ。なんてこ
とだ。くそったれ。一人で悪態を吐いていると、こぎれいな犬を
連れた金持ち女が俺を怪訝そうに見る。このひと、ここで何して
るのかしら、なんだか怖いわ、警察とか呼ばなくていいのかしら
って顔だ。俺はじろりとその女と犬を睨みつけて、ちょうどタイ
ミングよくやってきたバスに飛び乗った。

386 名前:5/17:04/08/29 18:38 ID:2wDrio/A
 ちょっと感傷的な気分になって、俺は窓際の席に座って流れて
いく外の風景を見ていた。だって俺は3年もここで暮らしてたんだ、
『あいつ』と暮らしてたんだ。世界的に有名なシンガーの『あい
つ』、ヒット・レコードを何枚も出している『あいつ』と。なん
だか今となっては夢みたいな気がする。もしかしたら夢だったの
かもしれない、そんなふうに思い始めて、でも自分の着ている革
ジャンのキラキラした銀のボタンに気づいて、不意に夢じゃなか
ったんだと思って悲しくなった。
 ああ、こうしていると、このジャケットを買ってくれたときの
『あいつ』のことを思い出すよ。あれは3年前、まだあの家に俺が
越してきたばかりで、『あいつ』は俺に夢中だったんだ。ほんと
に。それで『あいつ』はある日、ディスプレイに飾られたあの革
ジャケットを見ると、目を輝かせて、この服は君に着てもらうた
めにあるんだ、そうに違いない、僕にはわかるよって叫んで、店
に飛び込んでいったんだ。俺が別にいらないけどって言ってるの
も聞かずに。
 

387 名前:6/17:04/08/29 18:39 ID:2wDrio/A
 言っとくけど、俺はほんとに何か買ってくれなんてねだったこ
とはない。俺はそういう男じゃないんだ。そりゃ、ジュニア・ハ
イスクールだって禄に出てない学のない人間だけど、どんなに貧
乏したって、他の男に物や金をねだって生きて行くようなことは
恥だって俺は知ってるんだ。その点、大学を出てるあのダニエル
とか、サミーとか、そういう『あいつ』のとりまき連中とは違う
んだ。ずっと誇りってものがあるんだ。『あいつ』らときたら誇
りなんてありゃしない。『あいつ』に金をねだって生きてる連中
さ。俺は違う。俺は知ってるんだ、ダニエルやサミーも元はと言
えば、『あいつ』の恋人だったんだ。で、今の俺みたいにお払い
箱になったあと、元の暮らしに戻るのは忍びないってことで、お
情けで『あいつ』のコックとかアシスタントとかになってるんだ。
今では良い友達だとかなんとか言ってるけど、つまりやつらは『
あいつ』から小切手を貰えなくなる生活が嫌だってだけなんだ。
俺は違う。さっきダニエル越しに別れ話を聞いた時だって、あの
家に掃除夫としてなら残ってもいいと言われて、すぐに断ったん
だから。そうさ、冗談じゃない。

388 名前:7/17:04/08/29 18:40 ID:2wDrio/A
ああ、だけど、そんなことを考えているうちに、俺にはわから
なくなってきた。純然たる恋人同士だったはずなのに、なんで俺
は『あいつ』から金を貰ってたんだっけ、掃除をしてたからだ。
いや違う、なんで小汚いバーで怒鳴られながらじゃなくて、王様
みたいに気ままに『あいつ』の家を掃除するのが俺の仕事になっ
たんだっけ。普通の掃除夫よりずっと楽な仕事で、ずっと多い給
料で。いろいろ考えてみたけど、考えてもわからない。なんだか
俺は混乱してきた。結局俺はダニエルとかサミーなんかと同じよ
うな、くそみたいな男なのか?『あいつ』が何百人というファン
の前で拳を振り上げ、大勢を魅了して、歌って稼いだ金、素敵な
レコードを出して稼いだ金のおこぼれを、『あいつ』に言い寄っ
て恵んでもらってただけだったんだろうか?わからなくなってきた。
 そうだ、だって俺は昔は、掃除夫とはいえちゃんと金を稼いで
たんだ。例によって下町のパブにキャップ帽を被ってお忍びでや
ってきて、俺に声を掛けてきた『あいつ』となぜだか本気の恋に
落ちてしまって、一緒に暮らし始めてからも暫くは、夜になると
あの豪華な家を出て、おんぼろビルの床を拭いてたんだ。それで、
週給のうちの半分以上を、『あいつ』に食費兼光熱費として払っ
てたんだ。『あいつ』が嫌がっても、払ってたんだ。だって一緒
に暮らしてるんだ。当然じゃないか。もちろん、俺が払った額な
んて『あいつ』にとっては価値がないってわかってたけど、それ
でも払ってたんだ。

389 名前:8/17:04/08/29 18:40 ID:2wDrio/A
 それなのに一体いつ、なんで俺は自立した立派な男であるのを
やめてしまったのか、そういうことを俺は今、窓際の席に腰を掛
けて、頬杖をついて考えていた。だってすごく大切な問題じゃな
いか。これははっきりさせておかなくちゃいけない。ええと、ど
うしてだっけ、そう、仕事をやめたきっかけは、デブで禿げのボ
スがわけわかんないことで怒鳴ってきたからだ。けど、それは問
題じゃないんだ。俺にはそういうことってよくあるんだ。つまり、
上司とソリがあわなくて、喧嘩してやめちゃうとか、そういうこ
とが。でもあの禿げのボスも悪いんだ。新しく入ってきた女を口
説き損ねたことで苛々してて、それでやつあたりしてきたんだっ
てこと、俺にはよくわかってたんだ。もちろん、俺だって我慢が
足りなかったんだろうけど。けど、とにかくそれは問題じゃない。
そこをやめたって、すぐにまた次の会社を探せばいいんだから。
それまでだってそうしてきたんだ。
 ああ、そうだった、思い出してきた。俺はとにかくそのボスに
腹を立てて仕事をやめて、家に帰って『あいつ』にそれを伝えた
んだ。俺が働いてたのは夜だったから、『あいつ』はもう寝てた
けど、目を擦りながら俺の話を聞いてくれた。それで、俺が事の
顛末を話し終えると、薄暗い部屋のなかで微笑んで俺にこう言っ
た。――それならもう、君は自由だ!ずっと家にいればいい!

390 名前:9/17:04/08/29 18:41 ID:2wDrio/A
どうして俺がその言葉に頷いたのかはよくわからない。今考え
ると、俺はそんなわけにはいかないと言って、ちゃんと外で新し
い仕事を見つけるべきだった。俺は自由になんか、ならなかった
んだから。けど、当時『あいつ』と俺は俺が夜掃除の仕事に出て
しまうことで(その方が割がいいんだ)、よく喧嘩していた。こ
れじゃあ一緒に暮らしていても会う時間がない、というのが『あ
いつ』の言い分だった。そうはいっても『あいつ』だって普通の
勤め人みたいに朝家を出て会社に行ったりしてたわけじゃないか
ら、午後なんかには会えたわけだけど。けど、君は僕の恋人なん
だから働きになんか行かずに一緒にいてくれればいいんだって『
あいつ』はことあるごとに繰り返してた。とにかく『あいつ』は
俺が仕事に、特に夜働きに出てるってことが嫌だったみたいなん
だ。もしかしたら、嫉妬なんかもあったのかもしれない。俺は『
あいつ』と暮らし始める前は、夜の仕事の合間に、男に声を掛け
られてセックスして、恋人を見つけたりちょっとばかしの金を貰
ったりしてたから(言っとくけど、これはダニエルやサミーみた
いにヒモ暮らしするのとはちょっと違うんだ。そういうことをや
ったことないやつにはわかんないだろうけど、それがないと生き
ていけないわけじゃないってところが決定的に違うんだ)。『あ
いつ』と出会ったきっかけも、次の清掃場所に移動しようとして
いた俺を『あいつ』が声を掛けてきたことだったから、『あいつ』
もいろいろ不安だったのかもしれない。

391 名前:10/17:04/08/29 18:41 ID:2wDrio/A
ああ、そう、ここでまた話が変わるんだけど、俺は『あいつ』
と出会ったとき、『あいつ』が誰なのか知らなかったんだ。俺は
音楽とか、前は全然聞かなかったし、テレビなんかも観てもすぐ
忘れちゃうから。尤も、音楽の方は『あいつ』と暮らし始めてか
ら、随分聴くようになったんだけど。それだから、キャップ帽を
目深に被った『あいつ』に街で声を掛けられて、薄汚いトイレに
連れ込まれて壁に押付けられたときも、相手が誰だかなんて知ら
なくって、ただ暇なやつがファックしたいだけ、そう思ってたんだ。
 それで、さっさとやっちまえばいいのに、くさいトイレで『あ
いつ』があんまり長いキスしてくるもんだから、なあ、夜っての
は短いんだよって教えてやったんだ。それくらい長いキスだった
んだ。そしたら『あいつ』はちょっとびっくりしたみたいで、キ
スをやめてから、少し笑った。それで、手品の種を明かすみたい
にキャップ帽を脱いだんだ。今思うにあれは、スターである自分
の正体を見せて、驚かせてやろうってことだったんだろうけど、
悪いけど当時の俺は『あいつ』を知らなかった。だから変な色に
髪を染めた、ハンサムだけど、どこかアンバランスな印象の男を
見ても、ぜんぜん驚かなかった。――キュートだとは思ったけど。
 そういうわけで帽子を脱いでにやにやしてる『あいつ』を見て、
俺は何か褒めてほしいのかと思って、素敵な髪の色だねって言っ
てやった。そうしたら『あいつ』は驚いて君は僕を知らないのっ
て言うから、気まずくなった。だってぜんぜん知らなかったから。
けど、自分のことを知らない人間を前にして、途方に暮れている
ようにも腹を立てているようにも見えた、子供みたいな表情のお
かしな男を見つめているうちに、俺はなんとなく目の前のその男
をすごく好きになってきちゃったんだ。俺は胸が痛いような、ど
きどきするようなときめきを感じて、こんなの変だと思いながら
黙ってた。だって変だろ?会ったばかりのやつを好きになるなん
て。

392 名前:11/17:04/08/29 18:42 ID:2wDrio/A
 それで結局、いつまでも黙ってても仕方ないから、暫くして俺
は肩を竦めてこれから知るよダーリンって答えた。そして抱き寄
せて、キスをしてみた。今度は長いキスの間も、俺は夜が短いな
んて無粋なこと言わなかったよ。
 それからはファック、ファックの連続だった。最高だった。自
分のいる場所が小汚いトイレだなんて信じられなくて、何故だか
わかんないけど、俺はついに出会ったんだって思ったんだ――運
命と。俺がそう囁くと、『あいつ』も同じ気持ちだとうっとりし
た目で囁いてきた。
 それで『あいつ』はその夜、俺が仕事を終えるのをバーで飲み
ながら待ってた。俺の仕事が終わると、じゃあうちにおいでよっ
て言ってきた。俺はもう『あいつ』が運命の相手なんだって思っ
てのぼせ上がってたから、一緒にいられればどこでもよかった。
だから『あいつ』のとりまきが運転するベンツに乗って、あの家
に行ったんだけど、驚いたね。金持ちなのかなとは思ってたけど、
まさかあんなに大きい家に住んでるとは思わなかったんだ。けど、
正直言うと、俺はその晩(というかもう明け方だったけど)あん
まり『あいつ』の家に良い印象を抱かなかったんだ。なぜって、
『あいつ』の家には、サミーとかダニエルとか、そういう『あい
つ』のとりまき連中がたくさんいて、落ち着かなかったんだ。俺
は『あいつ』と二人きりになりたかったんだ。もちろん『あいつ』
のおっきな寝室に(そのあと、『あいつ』の家に転がり込んでか
らは、ついさっきまで俺も使ってたあの部屋だ)入って、二人き
りになったけど、なんだか一階とか、寝室の外のいたるところで
『あいつ』の友達が騒いでるのが気になって仕方なかった。俺は
多分古い人間なんだと思う。だから、『あいつ』が友達にハイな
んて手を振りながら、俺を連れて寝室に入っていったときにはす
ごく恥ずかしかった。だってこれからこいつとセックスするよっ
て言ってるようなものなんだ。友達っていうか、とりまきってい
うか、とにかく知り合い連中にそんなこと知らせたあとファック
するなんて、どうかしてる。だから俺はあんまり『あいつ』の家
では落ち着かなかったんだ。

393 名前:12/17:04/08/29 18:43 ID:2wDrio/A
それで、付き合いだしてからは俺のアパートに呼んでみたりも
したんだ。だって、俺の部屋はあの家に比べれば汚くて狭いけど、
ちゃんと二人きりになれる部屋なんだから。けど、上手くいかな
いもんで、『あいつ』は『あいつ』で俺の部屋が気にいらなかっ
たんだ。『あいつ』は鼠が走り回る音とか、隣の部屋でドラッグ
漬けのカップルが大喧嘩したりする声に、耐えられなかったみた
いなんだ。で、「こんなとこにはいられない!」って『あいつ』
が叫んで、自分の家に来てくれって懇願するもんだから、そのう
ち俺たちは『あいつ』の家でデートするようになった。まあ、だ
んだん俺も古風じゃなくなって、人前で寝室に連れ込まれるのに
慣れてきたようなところもあったし、サミーやダニエルにもみた
いな連中にも慣れ始めてたから、前ほど『あいつ』の家に行くの
も嫌じゃなくなった。一方、『あいつ』は俺の部屋の汚さとか壁
の薄さには慣れなかった。だから俺が『あいつ』の家に出入りす
るのが日常になっていったんだ。
 そしたらそのうち『あいつ』は君もここで暮らすべきなんだ、
何かっていうと下町のアパートに帰っちゃうのはほんとにひどい、
こんな大きな家に僕を放っておくのはひどいことだってわめきは
じめたんだ。そのうえ、もしかしたら、俺にはもう一人恋人がい
て、だから『あいつ』と一緒に暮らせないんじゃないかなんてこ
とも言い始めた。言っとくけど、俺には他に恋人なんていなかっ
たし、『あいつ』の家には前も言ったようにサミーとかダニエル
とかも暮らしてたんだ。だから『あいつ』はほんとに一人ってわ
けじゃない。だけど、俺は『あいつ』が寂しがる気持ちや、俺と
一緒に暮らしたがってることが理解できたから、結局あの家に越
すことを承諾したんだ。だって一緒に暮らすとしたら俺のあのア
パートか、あの家しかないけど、『あいつ』は絶対俺のアパート
では暮らせないってことはわかりきってたから。そしたら俺が引
っ越すしかないじゃないか。

394 名前:13/17:04/08/29 18:43 ID:2wDrio/A
まあ、そういういきさつで俺と『あいつ』は出会って、一緒に
暮らし始めたんだ。出会いが出会いだから、『あいつ』が俺が仕
事に、夜仕事に出ることを不安がる気持ちはわかった。だから俺
は仕事をやめたんだと思う。もしかしたら、それだけじゃないの
かもしれない。
 いや、違うんだ。ほんとのこと言うと、俺は働くのが馬鹿馬鹿
しくなってきてたんだ。もちろん、前から働くのなんて馬鹿げて
るって思ってたさ。俺は労働に尊い意味があるとか、そんなくだ
らないことを言うやつとは違うんだ。けど、そういう馬鹿馬鹿し
いことをしないと生きてけないから、しょうがないんだって思っ
てたんだ。でも『あいつ』に会ってから、『あいつ』のとこで暮
らし始めてからは、そんな気構えが薄れてきてたんだ。なんたっ
て、家に帰れば俺が一生懸命稼いだ週給の何倍もの値段のキャビ
アとかワインとか、そういうものが毎晩用意してあって、俺が働
いて稼ぐ金なんてすごくちっぽけなものなんだって思い知ってた
ところだったから。だから『あいつ』の言葉に頷いちゃったんだ

395 名前:14/17:04/08/29 18:43 ID:2wDrio/A
だけど、これだけははっきりさせたいんだ。仕事をやめてほし
がったのも、俺に金を払いたがったのも、革ジャンや時計を買っ
たのも『あいつ』なんだ。クリスマスやニューイヤーデイ、バー
スデイになると、プレゼントだとか言って小切手を渡してきたの
も、俺がねだったからじゃなくて、『あいつ』がそうしたかった
からなんだ。そうなんだ、『あいつ』は愛情とか感謝の気持ちと
かを、すぐ金で表そうとする癖があったんだ。こう言うと下品な
ように聞こえるだろうけど、『あいつ』には下品なところなんて
ないんだ。ただあいつは、可哀想なやつなんだ。人にものをあげ
ることで、心底ハッピーになるだけじゃなくて、安心もするんだ。
ほんの一瞬だけだけど。
 だから『あいつ』は、俺がプレゼントを受け取らなかったらめ
ちゃくちゃ不機嫌になって、馬鹿高いアンティークの食器とかそ
ういうものをばんばん壊す。その様子といったら、ほんとにひど
いんだ。だから俺はにっこり笑って受け取るようにしてた。そし
たら『あいつ』も喜ぶから。そうさ、金や物目当てじゃない。俺
は『あいつ』を愛してたから一緒に暮らしてたんだ。
 なのに一体いつこんなことになったんだろう?別れることじゃ
ない。多分、相手が誰でもきっといつかは別れるものなんだ。悲
しいけど、そうなんだ。けど、豪邸を出て普通の掃除夫に戻るこ
とになったからって絶望的な気分になるなんていうのは、ほんと
にどうかしてると思うんだ。

396 名前:15/17:04/08/29 18:44 ID:2wDrio/A
もちろん、確かに俺は『あいつ』の金でいろいろ贅沢したんだ。
というのも、寂しがり屋の『あいつ』がいつも俺に側にいてほし
がったから。だから『あいつ』のする様々な贅沢に、俺も付き合
ったんだ。いろんなことがあったよ、旅先でのゴージャスなホテ
ル、素敵なシャンパン、瓶入りのキャビア、すべすべのシャツ、
豪邸での暮らし。いろんなことをしたんだ。普通の掃除夫には、
もちろん夢の夢だろうっていうことを、たくさん。
 だけど俺達は、ただ遊び呆けてたわけじゃない。あいつは孤独
で――たまに見ていてかわいそうになるくらい、おかしくなるこ
とがあった。真っ青な顔をして子供みたいに震えて泣いて、「ど
うすればいい?」って繰り返すんだ。そんなときあいつはたまに
言ったよ、自分がこんなに不安なのは、異常な人間だからだとか、
ゲイだからだとか、とにかくそういうことに違いないって。
 でも、俺はあるときこう返した。あんたが寂しいのはあんたが
金持ちでゲイだからでもない、人間だからだよって。だって俺の
お袋は同性愛者でもないし金持ちでもない、ただの貧乏なアル中
だったけど、それでも寂しいってよく泣き喚いてた。それを見て
たガキの頃の俺だって寂しかったもんさ。だからゲイとか金とか
は関係ないんだ。どんなに金があっても、ストレートでも、きっ
と生きてれば寂しいもんなんだって俺は自分に言い聞かせて、こ
れまで生きてきたんだ。酔っ払いのゲロにまみれた汚い床を拭い
たり、禿げに怒鳴られたり、ボーイフレンドと別れるたびに、そ
ういうもんなんだって俺は自分にこれまで言い聞かせてたんだ。
慰めになんてならないけど、最初からそういうもんだって思って
れば、やってける気がするから。

397 名前:16/17:04/08/29 18:45 ID:2wDrio/A
そういうことを言うと、『あいつ』は親父を尊敬する子供みた
いな目で俺を見て、君はすごいと言った。俺にはなにがすごいの
かよくわからなかった。ただ、『あいつ』が泣くのをやめたこと
にほっとした。それで俺達はセックスをして、愛してるよと囁き
あった。そんな関係だったんだ。
 寂しがりやで情緒不安定の癇癪持ちと、神話の英雄みたいに美
しくて強いシンガー。そうなんだ、『あいつ』にはそんな全く違
う二つの面があって、俺はどっちも愛してたんだ。とりまきがう
じゃうじゃしてる、大きな家の馬鹿でかいベッドの上で寂しいっ
て泣く『あいつ』も、声を張り上げ、ライトを浴びて汗を輝かせ
ながらオーディエンスを惹きつける『あいつ』も。そのどっちも
愛してたんだ。誰かをこんなに愛したことはなかったくらい、す
ごく愛したんだ。俺もあいつに夢中だったんだよ。恋をしてたん
だ。

398 名前:17/19:04/08/29 18:47 ID:2wDrio/A
すみません…改行の関係で17回で区切れなかった_| ̄|○

ああ、バスがもうすぐ終点についてしまう。日が暮れる。これ
からどこに行けばいいんだろう。ヒュー、デライラ。ああ、でも
一番会いたいのは、『あいつ』なんだ。『あいつ』に会って愛し
てるよと囁きたいんだ。
 『あいつ』が俺に飽きてきてたのはわかってたんだ。正直、俺
も『あいつ』に飽きてきてたんだ。だって、三年も一緒に暮らせ
ば、飽きることもあると思う。特に、性的な意味では。それで、
このところ俺たちは喧嘩ばかりしてたんだ。最近『あいつ』は俺
のこと役立たずでごくつぶしだって言ってたし、俺は俺で『あい
つ』のこと、金以外は何も持ってない弱虫だって言い返してたん
だ。なんていうか、二人きりでいても昔みたいな甘い気持ちにな
ることは少なくなって、お互いの嫌な面ばかり見えるようになっ
てきちゃってたんだ。だから、『あいつ』が最近俺を置いていろ
んなところに遊びに出かけていくことも平気だったし、ダニエル
越しに別れたいっていう伝言を聞いたときにも、そんなに驚かな
かったんだ。けど、こうしてバスに乗って、いろんなことを思い
出しているうちに、なんだか胸が苦しくなってきたんだ。違うん
だ。ただの掃除夫に戻るのが辛いんじゃないんだ。多分、違うん
だ。俺は『あいつ』を愛してたんだ。きっと今でも、すごく愛し
てるんだ。確かに、俺には問題があったんだ。認めたくないけど、
いつのまにか『あいつ』に養われてたんだ。
 ああ、『あいつ』は俺が出て行ったって知ったら泣くだろうか?震えるだろうか?
――バスを降りて、あの家に帰ろうか。いや、
そういうわけにはいかない。帰ってあいつの家の掃除夫になるの
か?ああ、そんなわけにはいかない!だって俺はあいつを愛して
るんだ!ほんとに、ほんとに心の底から愛してるんだ。だから、
『あいつ』から金なんて貰うべきじゃなかったんだ。そうするべ
きじゃなかったんだ。俺は下町の小汚い店の床を拭く掃除夫で、
あいつは億万長者のスター、それでよかったんだ。それでよかったのに!
 

399 名前:18/19:04/08/29 18:48 ID:2wDrio/A
だけど今帰っても、多分駄目なんだ。帰ったら俺はきっとまた、
『あいつ』から小切手を貰う生活に戻ってしまうんだ。シャンパ
ンやキャビア、そういうものを、俺は『あいつ』の金で味わって
しまうんだ。『あいつ』も俺に側にいてもらうからにはと思って、
小切手に金額を書いてしまうんだ。わかってるんだ。
 けどだからってこのまま帰らなかったら、『あいつ』はきっと
泣くんだ。孤独や不安に怯えて泣くんだ。『あいつ』を慰めるや
つはきっと他にもいるんだ。けど、そういうやつらがほんとに『
あいつ』のことを愛してるかっていうと、多分そうじゃないんだ。
『あいつ』が世界的なスターだって知らなくても、億万長者だっ
て知らなくても、小汚いトイレでセックスして運命だって感じる
のは、多分俺だけなんだ。だって運命っていうのは、そういうも
のなんだから。『あいつ』が愛するのも、多分俺だけなんだ。不
安とか孤独とか、そういうものについてわかりあえるのも、多分
俺だけなんだ。だってそういう運命なんだ。
 ああ、バスがもうじき終点に着いてしまう!どうすればいいん
だろう?こんなに愛しているのにどうすればいいのかわからない。
愛しているからわからないんだ。『あいつ』の寂しげな微笑が頭
から離れない。かと思うと、俺に気前よく小切手を書いている『
あいつ』の顔が胸を過ぎる。その傲慢な表情。どうしよう?どう
すればいいんだろう?――誰か、誰か、誰か!

400 名前:19/19:04/08/29 18:49 ID:2wDrio/A
もうすぐバスが駅で止まる。俺は立って、バスを降りなきゃい
けない。そしてどこに行くのか決めなくちゃいけない。ああ、『
あいつ』を愛している。ほんとに、愛している。だけど俺は行か
なくちゃいけない。いや、違う、俺は走って帰って、『あいつ』
にキスをしてやらなくちゃいけない。ああ、どっちなんだろう?
苦しいんだ、愛してるから。
 この気持ちを伝えたい、だけどそれは止したほうがいい。全く
正反対の囁きが、両側から聞こえる。俺は困ってるんだ。ほんと
に、困ってるんだ。『あいつ』を世界で一番愛しているから、ど
うしたらいいのかわからなくて、ほんとに困ってるんだ。
 



長々と突然すみません…

401 名前:風と木の名無しさん:04/08/29 23:26 ID:Jb8mC0EU
めちゃ遅感想ですが、
>>229のワ/イ/ズマン×清麻呂めさめさ萌えますた(*´д`*)


_| ̄|○ノシノシ くぅー!!

402 名前:風と木の名無しさん:04/08/29 23:26 ID:Sm64nOvQ
姐さん、激しくGJ… 。・゚・(ノД`)・゚・。
もう「どうしたらいいんだ」がすごく伝わってきて
こっちまで「どうしたらいいんだ?!」という気持ちで一杯です…。

403 名前:風と木の名無しさん:04/08/29 23:56 ID:jg3baUMb
>400
面白カターヨ
文章うまいわ、萌えるわ、ほんとゴチになりました

404 名前:風と木の名無しさん:04/08/30 01:46 ID:zC9fG6kY
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  金紺パロ…??
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  全然知識ないので変設定かもモナ
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

405 名前:金紺1:04/08/30 01:48 ID:zC9fG6kY
「はあーーーーーー」
これで何度目だろう。
「はああーーーーーーーー」
うっさいなぁ、もう。
「はあーー〜〜〜〜〜」

「しっつこいねん!うっとうしいからやめろ!」
とうとう、隣で溜息を連発する相方に二市野はキレた。
一方急に怒鳴られたほうの猿顔は大きな目をパチクリするばかりだ。
「俺、うるさかった?」
「アホ顔さげてな、目の前で。ずーっと溜息つかれたらキレるやろ!普通は、違うか?!」
一息で言い切った後、そんな自分の腹が立ったようにせき払いをして、むすっと黙り込んだ。
芸人が多く集まる特番での楽屋待ちは変な緊張感で少し、沈黙になる瞬間が多い。
急に音のしなくなった室内で、ちょっと怒鳴り過ぎたかなと反省しつつ、二市野は薄く目を開けてみた。
見えたのは、また溜息を漏らしそうになって慌てて口を抑えた舵原。そしてバツが悪そうに目を擦ってごまかしてる。
ほんま、おもしろ動物やな。
二市野は口の中だけで含むように笑った。そして、頭をバサバサと掻くと、うーんと伸びをした。

406 名前:金紺2:04/08/30 01:49 ID:zC9fG6kY
「なんやのん?」
「別に」
ぶっきらぼうに返して、机に頬杖をつくと、目の前の相方をじっとみつめた。
「だから、何ぃ」
「別に、ただ前みてるだけやん」
「お前の目つき、エロいで」
「生まれつきや、あほう。って何勘違いしとんのや、おまえは」お前みてるわけちゃうがな、そういってふふと、笑った。
そんな二市野をみて、舵原が急にニッカと笑った。そして得意げに
「やっと、笑おうたな、おまえ!」と目の前でピースした。
ポカンとする二市野の額にデコピンをお見舞いして舵原は大袈裟にはしゃいでみせた。
「今日は、朝からずーっと眉に皺寄せて、難しい顔してたから」
二市野は慌てて、指をデコにもっていった。
「その顔、カッコいいけどな、緩ませたろー思っててんな」

やば…。イライラしとったんは、俺か。緊張して嫌なムード作ってたのは俺のほう。
相方は目の前でニコニコ笑っている。
「俺、緊張しいだから、お前が最後の砦やろ。お前がこけたら俺もこける」
「なに、笑顔で宣言しとんねん、おまえはーー」
デコを叩きながら、素直に、すまんなぁ、とは言えないまま、
仕様が無く力一杯目の前のお猿を抱きしめてやって、
「やめろやーーーきっしょい!」
って声を耳もとで聞いて
「頑張ろうや、あんなかで一番デカい笑い声あがさせたるで」
なんて妙に熱い言葉を呟いたりしてみた。


407 名前:風と木の名無しさん:04/08/30 01:50 ID:zC9fG6kY
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | |> STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧   
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) だからなんなんだよ!って感じですな。
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

408 名前:風と木の名無しさん:04/08/30 03:22 ID:7VSZuD31
>162-165
激しく遅レスですまんが猛烈に萌えた。
GJ!!!!

409 名前: ◆kCZ.WALDzs :04/08/30 23:15 ID:besmCfJ0
保管庫管理人です。
保管庫及び各種うpろだ、引っ越ししました。

ttp://moravideo.s57.xrea.com/

410 名前:風と木の名無しさん:04/08/30 23:20 ID:7fl3QK0f
>409
乙です。

411 名前:風と木の名無しさん:04/08/31 00:27 ID:rSAUWHZ2
>404
金紺キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!
二市野のことで頭いっぱいな舵に萌えました。

412 名前:風と木の名無しさん:04/08/31 16:36 ID:sUw8RaDp
>336-340
GJ!! 影/技懐かすぃ・・・禿萌えますた( *´д`)ハァハァ
兄バカのディアスとさり気に最強な人妻がイイw

413 名前:風と木の名無しさん:04/08/31 22:00 ID:IZ+utxfV
>>409
乙かれさま!
でも、モララーがめっちゃずれてるよ(つД`)

414 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 08:51 ID:3ALK1Zqg
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  お部屋/改/装した時に隠しカメラ仕込んだらしいモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  良い子はマネしちゃダメだよ
 | |                | |            \
 | | |>PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ……
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



415 名前:伊都打's holiday 1/2:04/09/01 08:54 ID:3ALK1Zqg
(´^`)】<もしもし男木さん?あの、ちょっと相談が…ヒソヒソ


【ヂュソさん宅】
 _. ._
( ´A`)<いや〜予想以上にいい部屋になったな〜♪     ピンポーン>

 _. ._
( ´A`)<は〜い?     (□∈□.)<ちわーヲギ宅急便でーす

 _. ._
(;´A`)<何スか?    ⊂≡≡⊃(□∈□.)<ヲザーくんと俺からプレゼント

(がさごそ)

  _. ._
Σ(;ノ゚A゚)ノ⊂(´^`⊂⌒~つ<…    (□∈□.)<ヲザーくん等身大抱き枕

  _. ._
…(;´A`)⊂(´^`⊂⌒~つ<…    (□∈□.)<新しい部屋のインテリアに、どう?



416 名前:伊都打's holiday 2/2:04/09/01 08:57 ID:3ALK1Zqg
 _. ._
( ´A`)<…正直いらね〜かな…  Σ⊂(´^`;⊂⌒~つ<! Σ(□∈□.;)<え

  _. ._
Σ(;゚A゚)<!  じゃ〜俺が持って帰って色々と…ムフ♪>(((*.□∋□)ノ(つ´^`)つ

  _. ._
(((;゚A゚))ノシ<や、やっぱり要る!!  ⊂(´^`⊂⌒~つ (□∈□.)<しょうがないな〜

 _. ._
( ´A`)⊂(´^`*⊂⌒~つ<…   (□∈□.*)<寝るときは毎日抱いてやれよ ニヤニヤ

 _. ._
( ´A`)⊂(´^`⊂⌒~つ<…    じゃ私はこれで ゴユックリ>(((.□∋□)
 _. ._
( ´A`)⊂(´^`⊂⌒~つ<…              パタン>

 _. ._
(;´A`)。oO(寝る時はコレを抱け、と…) ⊂(´^`⊂⌒~つ<…

 _. ._
(;´A`)。oO(しかし妙にリアルに出来てるよな)… ⊂(´^`⊂⌒~つ<…

  _. ._
(*;´A`)<とりあえず昼寝でもするか ⊂(´^`*⊂⌒~つ<…

【15分後】
わーナンダコレナンダコレ!抱き枕が「ぎゅっ」てした「ぎゅっ」てー!アッ!や!ソンナトコ…うわやべぇ気持ちい… >
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(*´^`)】<…ってやってみたいんだけど
【(□∈□.*)<そのダッチ…もとい、抱き枕俺も欲しいな

417 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 09:01 ID:3ALK1Zqg
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ヲザーさんの必死な妄想で良かったモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  実行したら軽くレイープになっちゃうよね
 | |                | |            \
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 案外ワカーンかもしれんぞ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



418 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 16:59 ID:UqrGYcWW

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  オリソピックネタモナ。共栄のコウちゃん×トモミモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  でもアテネ話じゃなく、なぜかキタジマのシドニー後の話モナ。
 | |                | |            \
 | | |>PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧マジデモウソウモードダ、ゴルア
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

※架空の人物「スズキさん」が出てきます。後妄想ゆえに無理やり設定がいっぱいあります。
1、なぜかトモミの水栄クラブにキタジマがいる。 2、なぜかこのときから2人は付き合っていた ・・・など。
勝手な設定がお嫌なかたはどうかスルーしてください。お願いします。




419 名前:1/3:04/09/01 17:00 ID:UqrGYcWW
「ニホンのキタジマ コウスケ、おしくも4位です!」
・・・すごい。コウちゃんが眩しくみえる。
俺の俺だけのコウちゃんと思ってた人が、今はあんなに眩しい。
メダルとれなかったけど、輝いているよ。
『ああ、コウちゃんはきっと世界で輝く人なんだな』と思った。
そして同時に呟いた。

「・・・そろそろ潮時かな・・・・」と。


シドニー オリソピックが終わってコウちゃんは帰ってきた。
「キタジマ コウスケ、たった今帰りました」
みんなに囲まれてる。4位だもんな・・・。
なんかコウちゃん疲れてるのか・・・?少し元気なさそう。
そんなことを考えながら彼を見ていたら、ふいに後ろから話し掛けられた。
「すごいな、コウスケは・・・」
「スズキさん・・・」
「コウスケはこれから金を目指すやつだもんな。俺も負けてらんねえ」
「ええ」
「トモミもこれからあんまりコウスケと遊べなくなるかもな。
練習に加えて、スポンサー関係とつきあわなきゃいけなかったり、その縁で
女とか紹介されて女とばっか遊ぶかもしんないしな。
・・・トモミ、淋しい?」
「・・・!」

420 名前:2/3:04/09/01 17:02 ID:UqrGYcWW
色んな意味でドキッとした。一つはまさか彼に俺たちのことがバレたのか
ということと、そしてもう一つは・・・考えたくなかったことを核心
づかれたからだ。
そうずっと考えていた。俺・・・は、早くコウちゃんに別れを告げなきゃ
いけないんじゃないかと・・・。
・・・コウちゃんは今でも今でも輝いていて、そしてこれからも輝く人で
それは国民的スターとなる存在。
そんな人を俺がずっと一人占めしていいのか、と悩んでいた。
自信を持て、とも思う。
だけど、どうしても比べてしまう。
そして離れたほうがいいとも思ってしまう。

コウちゃんには俺は似合わない・・・とも思ってしまう。

「トモミ?どうした?」
ふいにスズキさんに肩を叩かれた。
「すみません、なんかボーとしちゃって」
「いやいいよ。ところで今日練習が終わった後どこか一緒に
飯を食べに行かないか?コウスケも今日は忙しそうだし」
「そう・・・ですね。はい」
そう言って、なんとか笑顔で了承しようとスズキさんの方へ振り向いた瞬間、
ぐいっと体ことだれかに後ろから抱かれた。

421 名前:3/3:04/09/01 17:05 ID:UqrGYcWW
「・・・コウちゃん!」
「・・・」
なんか、コウちゃん不機嫌そうだ。どうしたのだろうか。
「・・・トモミは今日俺と食事に行くんです。遠慮して下さい」
ええ!?そんな約束してたのか?
コウちゃんの目を見たら、黙ってろみたいな目をされて、思わず何も言えなくなってしまった。
「・・・わかった。今日のとこはやめておく。じゃあおれは練習に行くか。
コウスケ、オリソピックお疲れ様。トモミ、また今度一緒にどこか行こうぜ」
そう言いながらスズキさんはプールに向かった。
なぜか、またぎゅっと後ろから腕に力をこめられた。
痛いぐらいに。

422 名前:ごめんなさい。まだ続きがあります。:04/09/01 17:05 ID:UqrGYcWW
「・・・」
「・・・」
沈黙が流れた。
「・・・コウちゃん?どうした?」
「・・・トモミ、俺帰ってきたよ。4位で正直悔しいけど・・・。」
やっとコウちゃんが少し笑いながら言ってくれたので俺もほっとして笑顔で答えた。
「お疲れ様・・・。大変だったろ・・・?」
「ああ。・・・なあ俺のこと見ていてくれた?俺の泳ぎ見た?」
少し、コウちゃんが不安そうな顔で俺に問う。
「見てたよ!ずっと見てた、予選から!最後残念だったけど、俺はコウちゃんの
泳ぎが一番大好きだよ!」
「そっか・・・・。ありがとう」
本当に嬉しそうにそう言い、俺を正面から抱こうとした。
しかし、やっとそのときにずっと密着してたことに気がついた。
「コウちゃん!離れろって!ここじゃちょっと・・・」
「なんでだよー・・・・。トモミは俺のじゃん」
臆面もなくそう言うから、俺のほうが顔が赤くなった。
「夜・・・一緒に食事行くんだろ・・・?それまで待てよ・・・」
俯きながらそう呟いた。
「ちぇ!じゃあ後で。」
やっと離れてくれたのでふっと安心してしまい、出すまいと思ってた言葉が出てしまった。
「これで・・・別れられるかな・・・」

俺の呟きはだれかのプール入る音によってかき消された。
コウちゃんは「何?」と聞き返すだけだった。
俺の覚悟は・・・もう決まっていた。

423 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 17:10 ID:UqrGYcWW

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  結局4話分になって申し訳ないモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ちゃんと確かめてから貼れって感じモナ。
 | |                | |            \
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ つーか、中途半端に終わったな。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


※ほんと中途半端ですみません。続きは未定です。
後ナマモノの規則を破ってる点があったら指摘して下さい。


424 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 17:38 ID:gRcTgizW
524+借家キタ〜〜〜!!
姉さん達本当にGJです。

借家氏の写真があったので、524氏も…。

www.sendaidaigaku.jp/gakubu/kyoin/jyokyojyu.html

425 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 18:27 ID:tLQfvBsZ
524タン、且力教オ受なのか・・・・・!

426 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 20:15 ID:qX7kHSYj
>>419-423
共栄(・∀・)イイ!!!
新境地ハケーンでハァハァ・・・
GJです!

427 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 20:34 ID:kR7gbGUK

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  オリ/ソピックネタモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  たい/そうのかし/まくんとみ/たくん
 | |                | |            \
 | | |>PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧マジデモウソウモードダ、ゴルア
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

428 名前:あるむくちといわれるひとのえがおをみたいちにち:04/09/01 20:36 ID:kR7gbGUK
あのひ ゆうしょうが かかった あのぶたい
じぶんの えんぎがおわって ぼくはみまもった
ぼくや ぼくいがいの たくさんの しせん
そんななか かれは すすんだ

かれが えんぎを はじめる
かれの いつもどおりの ひょうじょう
かれの いつもどおりの えんぎ
かれの しなやかな からだが ちゅうをまうたびに
めのまえにある しょうりよりも
かれの えんぎを このばでみれる よろこびでいっぱいになった
かれの えんぎが おわるのが かなしかった

さいご かれのちゃくちがきまったしゅんかん
かんせいと よろこぶなかまと じぶんのかんじょうが
いっぱい いっぱい まざって ごちゃごちゃになった

そんななか かれは ぼくを みて わらった
そのえがおをみて ぼくも わらった

ある むくちとよばれるひととであったころ
ぼくは いろいろなわざを おぼえるのに むちゅうだった
ぼくが いまでも だいすきな あんばでくるくるしたら
かれは うれしそうに ぼくをみて わらった
かれは いっぱいはなしたりは しなかったけど
かれの えがおで ぼくには じゅうぶんだった
ぼくは かれのえんぎが すき
かれも ぼくのえんぎが ちょっとは すき

そのえがおが こどものころ とってもうれしかった
いまも その えがおが うれしいと おもったいちにち

429 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 20:39 ID:kR7gbGUK
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  短いけど
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 
 | |                | |            \なにか書きたいとおもったけど、ちゅうとはんぱだし
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

かりやさんとこにしさんに、もえました。
書いてくれた人GJ!!

430 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 21:11 ID:LolzXw+9
>>428
 イイ!
 登美・貸間熱が冷めない…

 tp://cache.gettyimages.com/comp/51179240.jpg?x=x&dasite=MS_GINS&ef=2&ev=1&dareq=CACF07A1008DBC1737C25F1DA19A4645A9C30E9B9B114CE8
 tp://us.news1.yimg.com/us.yimg.com/p/rids/20040816/i/r1477531629.jpg

 ↑ビデオ(SS)の映像は、こんな感じかなぁ(妄想)

431 名前:風と木の名無しさん:04/09/01 22:01 ID:BEN/z/Kt
>>427-429
GJ!!
カッシーもトミーもカワ(・∀・)イイ!!


432 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 03:16 ID:Xm46gTD/
>>428 
ありがとう!
私も体/操熱がさめないよ!脳内で多角関係をくりひろげてます

433 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 06:08 ID:3xXTlqdV
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  某古本屋×小説家モナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  鬱度高・ネタバレ注意?
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 古本屋出ないぞゴルァ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


434 名前:入院中 1/4:04/09/02 06:13 ID:3xXTlqdV
 うつらうつらとしていたものか、気が付くと視界の隅で、妻が新聞紙にくるんだ
紫陽花を手にしていた。買い出しに出た時に、道沿いのお宅で、頂いたの、と言
い含めるように囁いて、見慣れぬ花瓶に指を這わせる。これ、ね、お隣で空きが
あるからいいですよ、って言って下すったの、お花の一つも有ると、屹度気分も
幾らか違います。ね。お花、活けて来ますから。病室を出る間際の老けた笑顔
が瞼に張り付いて、その晩は煩い程夢を見た。

 昨日もその前も、その前の前からもうずっと、緩やかな波を見せて雨が降り続
いていた。明日は止むだろう、と煙るような雨空を眺める薄い記憶が、いつまでも、
どこまでも続いている。雨は、嫌いでは無かった。好みはせずとも、理由も無く厭
うものではなかったと思う。けれど、今は。只、降る。雨が、ここそこに、降る。それ
だけの事が、私を酷く参らせていた。穏やかに降り続く分だけ、温い液体の中で押
さえ付けられ、もがく人のように、私は無力だった。
 妻は一日置きに紫陽花を抱えて来た。青みがかった紫は日毎、私の枕元で色濃
く濡れてゆくようだった。


435 名前:入院中 2/4:04/09/02 06:15 ID:3xXTlqdV
 最初はね、私がつい、見惚れていたんです。あんまり見事に咲いてるんだもの、
通りに面したところは全部紫陽花なのよ、それが全部こういう、ね、大振りの綺麗な
花なの。色って土で決まるのでしたっけ? でも、ええ、そうね、一色じゃあないわ。
色を吸い切れないのもある、斑に混じり合ったのも、色の濃く凝り過ぎたのも。同じ
色を付けて、移り変わって干涸らびてゆくだけなのに。どうして、皆違うのでしょうね。
皆、同じ雨を浴びているのに。
 わからない、とだけ、私は呟いた。
 妻が当て所のない会話を始めると、それを私が理屈をこねてやり込めるのが、
二人のやり方だった。彼女は「夫」を求めているのだった。長過ぎた夫の不在に、
とうとう疲れ果てたのかもしれない、と私は思った。頼む、今は求めるな、あと少し、
見逃してくれ、と、縋るように色付いた切り花を見やると、口をつぐんだ妻は、窓外に
呆けたような視線を投げていた。
 妻が帰った後、「干涸らびる」の言葉が頭を離れず、何度もくちびるを湿した。



436 名前:入院中 3/4:04/09/02 06:16 ID:3xXTlqdV
 夜の闇の中で、私はよく紫陽花を見つめていた。白い壁からは疎外され、
周りの闇を吸い取るかのような濃色の花の集合体が、夜には無性に懐かしく
慕わしかった。しかし日の光の中では感じることのない黒い欲望をも誘発する
ような、その姿に惹きつけられる理由も、愚かな私にはわからなかった。雨音の
中で思い出せそうなことは、全て片端から紫陽花に溶けてしまうのであった。


437 名前:入院中 4/4:04/09/02 06:17 ID:3xXTlqdV
 存外に経過は良好で、退院が決まると、後は早かった。最後に挿していた花は
持ち帰る、と妻が言い張ったが、隣の部屋に所望され、花瓶ごと譲り渡した。
 病院近くから車に乗り込むと、安心したのか、粘りつくような眠気に襲われる。
駅舎はそう遠くない。うたた寝できる程の時間はない、とわかってはいても、緩い
振動に身を委ねるのは心地良かった。
 ここ、ここのお宅よ、と妻が肩を叩いた、そう思いながら半眼で首を回すと、目の
端にちらと植え込みが映った。その一瞬、しなびた青に殴られたような気がして、
それでもう、私は眠って良いのだ、と知った。


438 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 06:17 ID:3xXTlqdV
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ユキチャンゴメンネ
 | |                | |     ピッ   (・∀・; )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


439 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 14:55 ID:uCw5mvCr
>>437-442
GJ (*´д`)b 小説家萌。ゴチ


440 名前:439:04/09/02 14:58 ID:uCw5mvCr
ごめん
>>433-438 の間違いですた…!
何はともあれ姐さんGJ。


441 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 16:35 ID:wuc7Rym1
>>419-423
遅ればせながらGJ!
たい/そうも良かったけどやっぱり卜モミ禿萌えです・・・。

442 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 20:07 ID:N8/pPIBb

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 錺職人、夜這い編モナ。
                    |
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  新〜より前の「必/殺/仕/事/人」時代だよ
 | |                | |            \
 | | |> 再生        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※この当時の錺職人は、職人姿と着流しの二通りの衣装でした。

443 名前:ハ丁堀×錺職人 1/7:04/09/02 20:09 ID:N8/pPIBb
しんと痛いほどに静まった町。子の刻をとうに過ぎ、猫の子一匹動く気配はない。
月のない闇夜は秘め事には持ってこいだが、お天道様どころかお月様にも
顔を背けられるのか、とヒデは後ろ向きの思考のまま歩いていた。
こんな時刻にまともな人間が出歩くはずもない。足音を消し、いつでも
闇に紛れられるよう周囲を伺っていたが、誰にも出くわすことなく目的の場所が見えてくる。
墨を流したような漆黒の中、目を射るように浮かぶ番屋の提灯。
ヒデは立ち止まり、目を逸らさずに明かりを見つめた。番小屋からは数人の気配がする。
知らずに自分の襟元を強く掴んでいることに気づき、ヒデはふるりと頭を一振りして足を踏み出した。

「中/村様、そろそろ見廻りじゃございませんか」
「おう、もうそんな時分かい」
「大丈夫ですかい?今夜の差し入れはなかなかに強え酒でしたぜ」
「馬鹿野郎、これっぽっちで酔えるかい。丁度いいぜ、醒ましに行ってくらあ」
「それじゃ、あっしもお供に――」
「ああ構わねえ、俺ひとりでいい。お前らはしっかりここ守れよ。こういう闇夜にゃ
 何か起こって駆け込んでくる奴もいるからな。そんときゃ呼子鳴らせ」
「へい、かしこまりやした」

ヒデは番屋の裏手で壁越しの会話をぼんやりと聞いていた。
これが、あの男の日常だ。うだつのあがらない昼行灯。妻と義母につつかれながら
毎日こつこつと勤めを果たし、多くはない手当てを持ち帰る。
あの男が何を置いても守ろうとする生活。自分には理解できない世界。そして決して近づけない世界。
不正に対して腰の重い主/水に、何度となく突っかかっては殴り飛ばされた。
自分の主張が間違っていると思ったことはない。人として当たり前の感情をぶつけただけだ。
それでも、背を向けられると胸がきりきり痛かった。

障子を開け、聞きなれた足音が出て行く。ヒデはそっと闇へ身を引いた。

444 名前:ハ丁堀×錺職人 2/7:04/09/02 20:12 ID:N8/pPIBb
いつもの巡回路を、主/水は提灯を片手にゆっくりと歩いていた。今夜のように月が隠れていると
暗がりに紛れて犯罪も起こりやすい。用心してか馴染みの屋台も見当たらず、
当てが外れた主/水は舌打ちをして提灯を持ち直した。
市中を廻り、連なる武家屋敷の長い壁に沿って進み、川の音が近づいてきたころ、主/水は足を止めた。

「おい。何の用でえ」

振り返らずに声だけを後ろに投げかける。数秒の沈黙のあと、川岸の釣り小屋の陰から軽い足音がした。
咄嗟に大刀に手を掛けた主/水は、その人物を見止めて大きく息を吐いた。
「なんだお前ぇか。脅かすんじゃねえよ」
巡回の途中からつかず離れず尾行してくる気配を感じ取っていた。
ヒデならばとりあえず警戒の必要はないが、それにしても同行者もいないのに声も掛けず、
尾行するというのも妙だ。それにヒデは姿は見せたものの、黙ったまま何も言葉を発しない。
「――仕事か?」
主/水の声が固くなる。しかしヒデは「いや」と小さく答えて首を振った。じゃあ何だと言いかけて、
己の襟元を掴んでいるヒデの手がひどく震えているのに気づいた。
「ヒデ?」
近くまで行って覗き込んだ顔は思いつめた子供のようで、俯いたままこちらを見ようとしない。
「おい、どうしたよヒデ。ん?」

その瞬間、主/水は思いがけない力で胸を押された。背中に松の幹が当たって痛みが走る。
そして何が起きたかを理解する前に、さらに理解を超えたことが起きていた。

445 名前:ハ丁堀×錺職人 3/7:04/09/02 20:13 ID:N8/pPIBb
唇に押し付けられた柔らかく暖かい感触。それが何であるかは、すぐにわかる。
この場所にいる人間が誰かを考えれば、それが誰のものかもわかる。
問題は、何故、そんな状況になっているのかだ。
見開いたままの主/水の目の前で、固く瞑ったヒデの瞼と長い睫が震えている。
主/水の両肩を掴む手も、不器用に押し付けるばかりの唇も、これが悪ふざけではないことを伝えていた。
どちらも動かず、動けずにどれだけの時間重なっていたのか。やがてぎくしゃくした動きでヒデが身を離した。
主/水はひとつ息をついて宥めるように声を掛けた。
「何だ、女日照りで我慢が効かなくなったか」
ヒデは無言で項垂れたままだ。
「こんな親父にサカるほど不自由しちゃいねえだろうよ」
わざと軽口を叩きながら主/水は内心でため息をついた。何とか言わせずに済ませたかった。
こいつの心の内は分かりやすくて困る。特にあの目は真っ直ぐ過ぎて時々見ていられなくなる。
あんな曇りのない目を自分になど向けてほしくなかった。
だが、そんな主/水の願いは届かなかった。
「あんたじゃなきゃ…いやだ」
搾り出した声は涙混じりだった。放り出されて燃え上がる提灯の火が、俯いたヒデの顔を照らす。
ほろほろと零れ落ちる涙もそのままに、ヒデはただ立ち尽くしていた。
一歩ずつ近づく主/水の足音に捕らわれたように、指一本動かせない。
数秒の沈黙さえ、叫び出したいほどなのに声も出せない。

「来い」
ただ、一言。ヒデは弾かれたように顔を上げた。主/水は黙って釣り小屋へ足を向けた。

446 名前:ハ丁堀×錺職人 4/7:04/09/02 20:15 ID:N8/pPIBb
相変わらず月が顔を出さないままの夜。提灯の燃えかすから拾い上げた蝋燭が
狭い小屋の中で頼りない火をともしている。建てつけの悪い木戸を閉め振り返った主/水に、
ヒデはただむしゃぶりついた。どうしてか、いつからか、そんなことはもうどうでもよかった。
ずっと抱えてきた痛いほどの思いも、もはや告げようと思わなかった。
呼吸が苦しいと感じる余裕すらなく、ただ貪るように接吻けを求めた。
いつの間にか、崩れそうな身体を主/水が支えてやっているのにも気づかなかった。
ただ、欲しかった。目の前のこの男が欲しい、欲しい―――
「慌てるんじゃねえよ」
仕掛けたほうのヒデの息が上がっているのに苦笑しながら、主/水は腰の二本差しを帯から抜いた。
羽織を脱いで脇に掛けるのをぼんやりと目で追っていたヒデは、すっと腰に手を回されて我に返った。
間近から無言でじっと見つめられ、今更ながらに居たたまれなさを感じる。
それでも感情はもう止まらない。ヒデは目の前の袷を開き、現れた胸板に唇を押し当てた。
自分の帯が解かれる軽い音がして、背中を撫で下ろす手が火のように熱く感じられる。
大きな手のひらが間違いなく自分に触れていると感じて、例えようもない喜びが湧き上がる。
ヒデは主/水の背中に両手を回し、しがみ付いて猫のように身体をすり寄せた。
もどかしげに袖から腕を抜き、主/水の着物も脱がせようとのしかかる。それをやんわり押しとどめ、
主/水は丹念に細い身体を弄った。鼻にかかった声をひっきりなしに上げるヒデを腕に閉じ込め、
殊更にゆっくりと唇を合わせる。がむしゃらなヒデのようなやり方ではなく
何度も食むように繰り返した。
そのうちに我慢できなくなったのか、ヒデがねだるように腰を押しつけてくる。
主/水は壁に背を預けて足を投げ出し、ぐいとヒデを引き上げて向かい合わせに跨らせた。
真正面から合わせた主/水の目には明らかな欲望が見て取れる。
ヒデはごくりと喉を鳴らし、初めて見る顔から目を逸らせないままそっと接吻けた。

447 名前:ハ丁堀×錺職人 5/7:04/09/02 20:16 ID:N8/pPIBb
見慣れた着流しの赤い裏地がやけに目につく。
十分に愛撫を重ねた身体は止めようのないところまで追い上げられ、どこに触れても鋭敏な反応が返る。
そして指先が後孔を探り当て、腰が跳ねた。
「ん…ッ!」
初めは擽るようにじっくりと押し広げようとするが、ヒデはそれだけで激しくかぶりを振って暴れた。
耐え切れず自分のものに手を遣るのを、上から手を重ね一緒に擦り上げてやる
「っあ、あ…あ―――」
程なく若い身体は勢いよく弾け、力をなくして崩れるように主/水に縋った。
激しく息を弾ませるヒデに、主/水は意地悪い笑みを浮かべからかうように言った。
「ヒデよ、ここでへたばってるようじゃ身が持たねえぞ」
わざと耳元で低く囁く。
「お楽しみは、これからなんじゃねえのか」
ぞくりとする声音がまともに腰に響き、ヒデはおぼつかない手つきで袖の内を探った。
「これ…」
小さな包みを取り出し主/水に手渡す。開けば粘りのある物体が。
無言で見返すときまり悪げに目を逸らし、ぼそりと言った。
「岡場所の姉さんがくれた」
「使う予定があるからってか?」
「頼んだんじゃねえよ!簪の代金はずんでくれて、ついでにこれもって」
「ほーお。なかなか気が利くじゃねえか」
にやりとしながら指に掬い取り、吐き出した精に濡れた場所を改めて探った。

448 名前:ハ丁堀×錺職人 6/7:04/09/02 20:19 ID:N8/pPIBb
「なあ…まだか、よ…っ」
「お前ぇのためにやってんだろうが。もうちょっと待て」
散々に焦らされ息も絶え絶えのヒデをなんとか宥めつつ、後孔を解すのに専念していたが
実際のところ、乱れ悶えるヒデの痴態に主/水のほうも我慢の限界だった。
とめどなく上がる甘い声、潤んだ大きな目でねだられてそうそう耐えられるものではない。
「そろそろ行くぜ」
首にしがみつく身体がひくりと震えた。
ヒデは緩慢な動作で膝立ちになり、おずおずと腰を浮かせる。白い尻を両手で掴むと
ゆっくり押し開くように楔を突き入れた。
「っ―――――― !!!」
痩身が大きくしなり、硬直する。背中に手を回し撫でてやりながら腰を落とさせ、じりじりと押し進めた。
苦しげな呼吸を伺いながら浅く深く内部を擦る。
ゆっくりと呑み込む熱い肉壁が、ヒデの痛々しいほどの表情と正反対の淫らさで主/水にまとわりつく。
「う、うぅ…ッ、うあ…」
喉を反らし、ヒデはこれ以上ない艶めいた顔で鳴きながら身を捩った。
腹の中一杯に主/水の存在が脈打っている。すべてが吹き飛ぶような快楽の中、ヒデはそれだけを全身で感じようとした。
もっと、もっと欲しくて腰を振った。呆れられ蔑まれても構わなかった。
やがて主/水の息が荒くなり、腰を掴んだ両手に力が込められる。主/水が自分に欲情しているのが嬉しい。
今だけでいいからこの男のすべてが欲しかった。
「あぁ、あッ…うう、あ、あっ、あッ」
がくがく揺さぶられ突き上げられ、滅茶苦茶に壊されるような倒錯した感覚に視界が明滅しだす。
奥の奥を執拗にぐいぐいと抉られて悲鳴に近い嬌声が迸った。
「く…っ!」
ほとんど狂ったような嬌態に否応なく煽られ、一気に頂点に引きずり上げられた主/水は
咄嗟に引き抜こうとして身体を引いた。が、ヒデが全身でかじり付いてそれを止める。
「おい…!」
「出せよ、そのまま。俺ん中に全部くれよ…」
熱に蕩けた目は凄絶な色香に染まり、主/水にそれを振り払う理性は残っていなかった。
内部で弾け溢れ出す熱に、ヒデはうっとりと目を閉じて身体を震わせた。

449 名前:ハ丁堀×錺職人 7/7:04/09/02 20:20 ID:N8/pPIBb
ふと、ヒデは目を開けた。
蝋燭の火は、もう尽きる寸前の弱々しさで揺れている。ぞんざいに着せかけられていた
着流しを整えながら身を起こすと、汚れた下肢は拭き取られたのか不快な感触は残っていない。
散々に鳴いて痛む喉と、重くだるい下半身。

そして、だれもいない空間。

ヒデは、身体を引きずるように小屋の外へ飛び出した。
黒く塗りこめられた夜が無言で広がっている。もう気配さえ残っていない。
澄んだ空気が急速にヒデの身体と心を冷やしていった。
一人の夜廻りとはいえ、あまりに戻りが遅いと厄介ということだろう。それは理解できる。
だったら平手でも2、3発食らわせて目を覚まさせればいい。余計な気遣いなどいらない。
「なんだよ…」
明日からまたつれない態度に戻っても、二度とこんな行為に応えてもらえなくても、
見殺しにされたって構わない。
「置いてくなよ…」
でも目覚めて傍に誰もいない、この絶望に似た思いには耐えられない。
ヒデはふらふらと数歩歩き、松の木の根元に蹲った。喉が震え、嗚咽が漏れる。
指先が白くなるほど肩口を握りしめ、身体を丸めて泣きじゃくった。
とてつもない喜びの後の大きすぎる寂しさに押しつぶされそうだった。

それでも、あの男がどうしようもなく愛しかった。

東の空が白み始めるまで、ヒデはその場から動かなかった。

450 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 20:21 ID:N8/pPIBb
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ 停止        | |
 | |                | |           ∧_∧  ヤッチマッター
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
旦那のエチーはねちこいと思うのです。

451 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 20:25 ID:zsqXvhEU
めちゃめちゃ萌えた〜!
仕事人、ビデオ探して借りてこよう・・・

452 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 21:10 ID:xi7K/iHo
>>442-450
キタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
あぁもう萌え死ぬかと思った…。
主/水並にねちっこく夜這い編を待っててホントに良かったよ!
ヒデったらエロ可愛すぎ!主/水ったら流され過ぎ!
まさか今になってこんなウマーなものが読めるだなんて、
どんな善行をやってのけたんだ前世の俺は。
姐さんほんとにほんとにアリガトウ。またねちっこく続編待ってます!

453 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 22:09 ID:+3nYuOry
>442
キタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!!!!!!
ねちっこい旦那(;´Д`)ハァハァハァハァ
ヒデ可愛(・∀・)イイ!
萌えた、萌えましたよ、姐さん

454 名前:風と木の名無しさん:04/09/02 22:25 ID:XOaSrOk9
>>442-450
姐さん、上手すぎ。
三/味/線/屋との方が萌えると思っていたけど、ちょっとビクーリするくらい
えがったです。
ヒデたんはぁはぁ。

455 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 01:31 ID:KauJkEwq
>450
おいてけぼりにされてショボーンの最後のところがすごくキました!
ねちこいエチー萌え(*´Д`)ハァハァ

456 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 02:44 ID:TN/yYbK/
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 世間では興奮は冷めてる大層登美貸し&おまけモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 話も関西弁がめちゃくちゃ!
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 全体的に稚拙ダゴルァ!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

457 名前:登美貸し1:04/09/03 02:46 ID:TN/yYbK/
新幹線の車内でふと目を覚ました。

窓の外はすっかり暗くなっていて、乗客がほとんどいないのか、あるいは皆熟睡しているのか・・・
車内は不気味なくらい静かだった。
隣を見ると頬杖をしたトミタがまるで人形のように、ただじっと窓の外の闇を見つめていた。
「なんや・・ヒロまだ起きてたんか・・寝たほうがいいんとちゃうん?」
「ん・・」
窓に映るトミタの顔はピクリとも動かない。
「夜中にアパート着いて・・それで次の日の午後また取材や・・寝る暇ないで。」
「うん・・・」
「こんなに忙しくなるなんて考えてもなかった。五輪で金メダルとるって・・・大変なことしたんやなぁ〜・・」
そう言ってカツマは首にかけっぱなしにしてある金メダルと銅メダルにそっと指で触れた。
大勢の人に触られたり、さまざまな場所でぶつけたりしたせいで表面は少しざらついていた。
「これで体操がもっともっとメジャーになって、子供達とかがたくさんやってくれるようになったら嬉しいなぁ〜・・
俺らの金メダルとったんを見て憧れてやりはじめた子供達が・・そのうちオリンピックでて金メダル取ったりしたらすごいことや!
後輩にも有望なのたっくさんおるし、日本の体操界はどんどんよくなっていきそうや。どんどんいい方向へ変わっていくんやろな。」

「俺は」

トミタは窓を見るのをやめ背筋をのばし、正面に視線をうつした。・・・短い沈黙。

「・・このままが、いい」

涼しい眼といわれるいつものと違ってそれは少し寂しげな色をしていた。

「これからもずっと・・タケと一緒に・・」


458 名前:登美貸し2:04/09/03 02:49 ID:TN/yYbK/
トミタは言葉を切った。自分がとんでもなく恥ずかしいことを言おうとしていることに気づいたのだ。
そうしてまた窓の外に視線を戻し、また黙り込んでしまう。
トミタの耳がほんのり赤みを帯びていくのに気づいたカツマはふふっ・・と微笑をこぼした。

そしてトミタのに肩に軽く頭を乗せてみた。服の上からでもトミタのたくましい筋肉がわかった。
「なんや・・・」
突然の行動に少し戸惑ったのだろうか、少し困惑した表情を浮かべるトミタ。

「ヒロの肩ってなんか安心するんや・・ちょっと硬いけどw」
「・・・」

頭に暖かい大きな手がのび、髪の毛を弄ばれた。
「くすぐったいw」
あまりの気持ちよさに体をくねらせるカツマ。トミタの顔に控えめな笑みが浮かんだ。


「今まで高校以外ずっと一緒だったけど、これからもずっと一緒がいいな・・」
「うん」
「ヒロはずっと変わらないでいてな?」
「うん」


このまま時が止まってしまえばいいのに・・と乙女チックなことを考えるカツマであった



459 名前:おまけ:04/09/03 02:49 ID:TN/yYbK/
その頃東京で、某出っ歯司会の某番組に出演し終わった三人組・・

※「・・・・」
束原・・・・・・・・」
水島「・・・・・・・・・・・」
※「・・・ハァ〜」
束原「疲れた」
※「・・どっかの姉ちゃんみたいな声っていわれてもうた・・・」
束原「古傷をほじくりかえされた」
水島(俺なんか歯のことしか言われてないよ( ´ー`))
※「なんかいった?」
水島「なんでもないです・・」
束原「ところで※・・」
※「水島今日一緒に帰ろう。特集会系列の店で(笑)で一杯やるか」
水島「はい!!」

束原(またふられた_| ̄|○)





460 名前:登美貸し:04/09/03 02:52 ID:TN/yYbK/
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒッドイナコレ・・・
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


全国のみなさんごめんなさい_| ̄|○


461 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 03:04 ID:I74FEbwb
>>460
オマケ込みで萌えた(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)/lァ/lァ
※女王様みたいだよ※…これから※様と呼びます!
そして束腹哀れ(w

462 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 03:14 ID:SJaceJJ+
>>460 GJ!ほんわかですね(*´Д`)まったりしました
 おまけがおもろい!塚/原かわいそうだな〜でも天然ぽいw

463 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 05:37 ID:9eXVHOUf

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | 大層。登美(←那賀野)×貸間 っぽいモナ
                    |
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| しかも何故か高校時代…
 | |                | |            \
 | | |> 再生        | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ワカリヅライ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
※2人が別々の高校へ通っていた時期の話です。
 舞台は何故かイ/ン/タ/ー/ハ/イってことで_| ̄|○

464 名前:463:04/09/03 05:39 ID:9eXVHOUf

 着地から一瞬遅れて、足の裏の振動が全身へ伝わってきた。
ゆっくり腕を伸ばし、軽く拳を握る。いつもより長めにアピールした後、
審査員に頭を下げた。音を失っていた世界に、歓声と拍手が割り込んで来る。
スコアボードに視線を向け、ぼんやりと点数を見た。
……9.85。
 世界が色を取り戻していくのを、まるで他人事のように眺めていると、
視界に白いものが飛び込んできた。
「登美多先輩、やっぱり凄いっスねぇ! イ/ン/タ/ー/ハイっていうから、
どんな怪物がいるかと思ってたんだけど、先輩以上の奴なんかいませんね!」
 白いタオルの向こうから、一年生の那賀野が弾けるような笑顔を覗かせる。
今年入ってきた一年生の中でも、こいつの身体能力はずば抜けている。誰が見ても一目で分かる逸材だ。
「それ、どうしたんだ?」
 タオルを受け取り、那賀野の頬を目で示す。頬の一部だけが、わずかに赤くなっている。

465 名前:463:04/09/03 05:41 ID:9eXVHOUf
「これですか……ええと」那賀野は視線を泳がせると、上目づかいでこちらを見てくる。
「昨日の晩、コーチに殴られたんです。……ピアス開けたのがバレて」
「……お前なぁ」
 思わず絶句した。よく見ると、那賀野の耳たぶに、かさぶたのようなものができている。
ピアス穴がふさがった跡だろう。耳にできた小さな傷は、那賀野の心を表しているようだった。
底抜けに明るい性格だが、根は繊細で優しい奴だ。
 コーチは、才能以上に那賀野の人柄を、誰よりも買っている。
端から見ていても、そのことはよく分かる。殴ってしまったのも、期待が過ぎるゆえんだろう。
 ふぅ、と溜息をつき、那賀野の白い額を指ではじく。
「いってぇー。暴力反対」
「俺は、コーチに同情するわ」
 何が嬉しいのか、那賀野はデコピンをくらった額を手で何度も撫で、ニコニコ笑っている。


 急に、会場がざわめいた。演技後の歓声とは違う。息を飲むような空気が辺りを取り巻いた。
「……何すかね?」
 微妙な空気を察した那賀野が、隣で身を固くした。
 観客、選手、この場にいる全員の視線が、一点に集中している。首を巡らせ、視線の先を見る。
 鼓動が、ひとつ大きく跳ねた。どうしてこんなに動揺してしまうのか、自分でも分からない。

466 名前:463:04/09/03 05:42 ID:9eXVHOUf
 目の前に置かれたアン馬の前で、ひとりの選手が片手を挙げている。
大層選手としては珍しい、整った八頭身。子供のようにあどけない顔だが、
目だけは、刃物のように鋭い。
 彼が微笑む時、目尻に柔らかい皺が寄るのを、登美多は知っていた。
自分だけのものだった笑顔が、鮮明に蘇ってくる。
 思わず口に出そうとした名前が、のどの奥で詰まった。昔は当然のように呼んでいた名前。
離れても、ずっと心の中で呼んでいた名前。
 それなのに今は、訳の分からない熱さで、息をするのも苦しい。彼の名前をつぶやく事すらできない。

『あれが、アン馬の貸間だ』
 他校の生徒がつぶやいた言葉に、びくりと身体が震えた。鼓動が痛いほど高鳴り、眩暈がする。
「先輩、貸間って……知り合いなんですか?」
 那賀野のかすれた声が、遠くに聞こえた。問いには答えず、ベンチに身体を沈める。
今、自分はどんな顔をしているだろうか? きっとひどい表情をしているだろう。
演技をしている時にすら、感じたことのない動揺が襲ってくる。
 目の前で、貸間がアン馬に手をかける。一種目めだというのに、全く迷いの無い旋回。
羽ばたくような足さばきに、会場内が、水を打ったように静まり返る。

467 名前:463:04/09/03 05:44 ID:9eXVHOUf
 登美多は息を呑んだ。毎日、頭の中で貸間の姿を思い浮かべ、
練習に励んできた。その想像の貸間と、目の前の貸間とでは、何もかもが段違いであった。
……負けた。
 全身から力が抜けていく。それでも、目は貸間から離せない。完全に魅せられていた。
 足音をほとんど立てず、まさに舞い降りるように貸間が着地した。
一瞬、何が起こったのか分からないように、会場が沈黙した。そしてその後、
割れるような拍手と歓声が響く。
「すげえ」
 那賀野の感嘆で、登美多は現実に戻った。
 きつく組んだ自分の指が、小刻みに震えている。
額を流れる汗が、顎の先から滴った。震える指をきつく握りしめ、電光掲示板を見る。

……9.98。

 波のような歓声が、会場を包んだ。観客席からの熱気が、背中に直接響いてくる。
 歓声の渦中にあって、貸間は、いつもどおり穏やかな微笑みを浮かべ、
控えめに拳を突き上げた。まるでエアーポケットのように、
貸間の周りだけが、騒ぎから抜け落ちている。


468 名前:463:04/09/03 05:45 ID:9eXVHOUf
 いつもそうだった……。登美多は、審査員に頭を下げる貸間を見つめて思った。
 同じ大層クラブに所属していた子供時代、貸間の周りは、いつも人で溢れかえっていた。
 輪の中心で、微笑みを絶やさない貸間。登美多がクラブに通い始めた頃、
既に貸間は「天才」と呼ばれていた。同い年の「天才」。初めは、
別世界の人間だと思っていた。口下手で、黙々と練習を続ける自分に、
彼が近づいて来たのはいつだっただろう? 勇気を奮い起こして、
彼に話しかけたのはいつだっただろう?
 誰よりも長く自分に笑いかけて欲しくて、誰よりも近くにいたくて、ひたすら練習に励んだ。
「天才」のライバルだと、周りの人間に認めて貰えれば、
貸間の隣の席が確保できると思った。偶然隣にいるではなく、
隣にいて当たり前だと。みんなに、そして誰よりも貸間自身に認めて貰いたかった。

……それならば、なぜ離れた?

 貸間に「楽難高校へ行く」と告げた時の、薄暗い気持ちが蘇ってくる。
貸間が、※田さんと同じ聖風高校へ進学することは既に知っていた。
「オレら、一緒の高校へ進むんやないんか……」明らかに狼狽えた言葉に、
鈍痛のような喜びを感じた。

469 名前:463:04/09/03 05:48 ID:h3amDzf0

……馬鹿だ。
 自分から離れたくせに、どうしようもなくなっているのは、登美多の方だった。
 相手が、どこまで上達しているか気になる。
 どんなトレーニングを積んでいるのか気になる。友人関係が気になる。
 好きな女の子がいるのかどうか気になる……。
 堂々巡りしていく思考を止め、登美多は視線を巡らせた。無意識のうちに、目は貸間を探していた。
 演技を終えた貸間が、通路へ降りてくる。
 ぼんやりと会場内をさまよっていた目線が、こちらを向いて止まった。
 貸間の顔に、笑みがふわりと広がっていく。
 幼い頃、欲しくて欲しくてたまらなかった、あの笑顔。

「ヒロ!」

 懐かしい名前で呼ぶ声が、耳を突き抜け、心臓を直接叩いた。

470 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 05:54 ID:h3amDzf0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 中途半端スギル・・・
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


ネタ元。
ttp://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/athens/game/16gymnastics/0824.html
どれくらい練習してるか常に気になっていた、という部分にノックアウト。

みなさん、スイマセン。

471 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 08:55 ID:PYV35/jL
ネ申

まるで朝起きたら枕もとにあったプレゼントのようだ・・・!!
あさっぱらからハァハァしちゃいましたよ姐さん方

乙女チックカッシー萌え
高校時代の二人の関係が自分の妄想と一致してさらに萌え
いいもの見せていただきました

472 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 10:13 ID:io26krUF
>>463-470

姐さんGJ過ぎるよ…!。・゚・(ノ∀`)・゚・。
登美菓子を始め、那賀野姐さんや※様の微妙な位置にも様々な妄想が駆け巡りますた。
一途そうな那賀野に萌え(*´д`)ハァハァ

朝から素晴らしいものをありがとうございました。

473 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 14:31 ID:TSmtDFec
463さんGJ(・∀・)!
昼から(;´Д`)ハァハァ

那賀野の白い額を指ではじく。・・はじく・・はじく・・素敵スギ。



474 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 17:13 ID:9RXk7IBG
大層のネ申がイターーーー!激しくGJ!

475 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 17:43 ID:TN/yYbK/
いつのまにかネ申がキタ━━━━━━\(T▽T)/━━━━━━ !!!!!
うわぁ・・もう萌えすぎて死にそうだよ・・姐さんGJ

476 名前:風と木の名無しさん:04/09/03 22:53 ID:vqoL2obV
>463

すげえ
姐さんすげえっす
胸きゅんしました
うおーうおー叫びたい

読み終わるのがもったいないと思うほどでした
ありがとうございました

477 名前:R.S.3_LxM:04/09/04 00:47 ID:fkXCysY5
かなりお久しぶりでございます。
忘れられてるとは思いますが、いずれ完結させる予定です。
マイペース過ぎて申し訳ないです。
□マサガファンの方が残っていることを祈りつつ・・・!

>保管サイト管理人様
大変お世話になっています。
保管サイトに載せて頂いている分についてなのですが
R.S.3_LxMの21の中に22が含まれてしまっているため、
それ以降が書き込みの番号と1つズレてしまっているようです。
もしよろしければ、更新して頂けると嬉しいです。

テンプレは下手なので簡易版・・・。
他のスレでズレまくって以来怖いw

 (´∀` ) < マイナージャンルだし、ヒトリデミルヨ・・・

478 名前:R.S.3_LxM 25:04/09/04 00:48 ID:fkXCysY5
動き回る大きな魔物。
何故ここが封印されているのか、よくわかった。
ノーラと二人がかりでようやく一匹を倒しても、次から次と襲ってくる。
半ば逃げ回るようにして、ようやく元の扉に戻った。
もう一度指輪をはめ込み、扉を封印する。
「今の我々では、先に進むことも難しいようだ。」
ミカエルが苦い顔でつぶやいた。
「気分転換はいかがです?」
戦闘では逃げ回ってばかりの詩人が、安心したのか陽気な詩を口ずさんだ。
「たまにはリゾートでも。」
フィドルを爪弾く手を止めて、ピドナの港で船を指す。

青い空、打ち寄せる波。常夏のリゾート地、グレートアーチ。
「まさか、ここへ来る事になるとは。」
詩人が浜辺で陽気な曲を奏でている。
「たまにはいいんじゃないの?アンタも最近、忙しかったみたいだし。」
ノーラが煙草を咥えた。
「しかし、のどかなリゾート地という訳でも無さそうだ。」
ミカエルが胡散臭げに辺りを見渡す。
「海賊ブラックの財宝探しか。柄の悪い連中ばかりだな。」

港に一際目を引く男がいた。白髪で片足の老人。そしてとても眼つきが悪い。
近寄ると、向こうから声を掛けてきた。
「ブラックの財宝の在り処を知りたくないか?今なら100オーラムだ。」
ミカエルが何を思ったか、老人に尋ねる。
「財宝の中に、聖王遺物はないか?」
ノーラが、咥えた煙草を落としそうになる。
「ある。」
袋から金を取り出すと、ミカエルは老人に渡した。
「ならば、安いくらいだ。」
交渉が成立した。

479 名前:R.S.3_LxM 26:04/09/04 00:50 ID:fkXCysY5
「こっちだ。」
洞窟に着くと、老人が案内を始めた。
「そんなことして貰ったのは初めてだよ。サービスいいねぇ。」
ノーラが感心したように言いながらついて行く。
実は「財宝の洞窟」とやらの情報に金を出すのはこれで3回目だ。
グレートアーチに着いてすぐ、ノーラは若者の情報を買っている。
拾い物もしたので全くの無駄という訳でもないのだろうが、そこに財宝は無かった。
魔物が出ることも考慮すると、割に合わないというべきだろう。

「随分と広い洞窟だな。」
ミカエルの声が反響し、その感想を裏付ける。
先ほどの2つとは明らかに違う。ノーラの頬が期待で染まる。
工房のシンボル、聖王の槍。彼女はこれを探すために旅しているのだ。
探しに出た父は惨殺され、「赤サンゴのピアス」という情報を残した。
それが海賊を意味することを知り、今はその洞窟にいる。
見つかるかも知れない、その思いが彼女を先に進ませていた。
隠し部屋や仕掛け扉を通り抜ける度、期待が高まっていく。

激しい水音。滝が、洞窟の中でその音を響かせる。
「ここは・・・。」
どこからともなく差し込む光が、財宝の入っているであろう箱を照らす。
「これですね!」
詩人が我先に駆け寄り箱を開けるその時、巨大な魔物が現れた。
「チッ、ここも魔物に乗っ取られたか。」
老人が忌々しげに舌打ちすると、斧を振りかざした。

ノーラの棍棒と、老人の斧が唸る。
ミカエルの小剣が舞う。
詩人は・・・渡された剣を不器用に振るった。
魔物の牙が、彼らを狙う。

480 名前:R.S.3_LxM 27:04/09/04 00:52 ID:fkXCysY5
「見かけによらず、強いんだな。」
老人はミカエルを見て呟いた。足元には魔物達の残骸が転がっている。
「まさか術を使えるとは思わなかったぜ。」
油断した自分を狙う敵が、太陽術で一掃されたのを目にして決めた。
老人はハーマンと名乗り、旅の同行を申し出る。

「ついて来て、どうするつもりだ?」
少し興味を持ったミカエルが、ハーマンを見た。
「そのお宝を、使うところが見たいのさ。」
ミカエルから目をそらし、海を見ながら答えた。
詩人とノーラが、箱を開く。
「・・・これ、オリハルコーンじゃない!」
さすが鍛冶屋ノーラの目は鋭い。
探していた聖王の槍ではないものの、意外なお宝に目を奪われる。
「ウチでの加工は難しいけど・・・いいものだね。貰っておこうよ!」
美しいイルカの像。
ノーラから手渡され、受け取ったミカエルが息をのむ。
(術の力を帯びている?)
何の術かまでは分からないものの、それは強い力を帯びていた。
「貰うことにしよう。」
顔を上げ、改めてハーマンと名乗る男を見る。
片目、片脚を失っている。それに随分な歳のはずだ。
しかし、先ほどの戦いではなかなかの戦力になりそうであった。
(海賊ブラックの仲間・・・といったところか。)
こちらを見る目が鋭い。
(扱いにくい感じではあるが、使いようによっては・・・。)
思わず、南方の制海権について考えてしまう。
所詮は海賊。思い通りにはいかないだろう。
だが、使い道はあるはずだ。
「好きにすればいい。」
知らず、口元が緩む。
ハーマンが仲間になった。

481 名前:R.S.3_LxM:04/09/04 00:56 ID:fkXCysY5
(・∀・ ) < 相変わらず遅筆ダヨ

久しぶりにスレにきたのですが、凄く作品が増えてますね。
姐様方の作品を読んでから寝ますよ。
ホワタワが完結してて泣けますた・・・。切ない・・・。

482 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 11:27 ID:k/jCt/JS
RxMキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
おかえりなさい!


483 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 13:12 ID:t5zmlrCR
>>463
プロです姐さん。
トムカスに萌え市にました。
ヌピッツの曲をバックで流したくなるぐらい
爽やかな中にそこはかとなくエロを感じる
文章が素敵過ぎます。ゴチですた。

484 名前:463:04/09/04 17:45 ID:IwVj3oeS

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | >>463-470続きモナ。大層。登美(←那賀野)×貸間をめざせ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 中途半端な終わり方だったからなー。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  実は801初挑戦だゴルァ!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

※やっぱり舞台はイ/ン/タ/ー/ハ/イです。
 途中出てくるエピソードは、架空の創作です。_| ̄|○
 長くてスイマセン。

485 名前:463:04/09/04 17:47 ID:IwVj3oeS

 ※2※

 名前を呼ばれ、一瞬、呼吸の仕方が分からなくなる。どうしようもなく、
鼓動が早い。登美多は、ぎこちなく息を吐いた。
 貸間は、いつまでも冷めない歓声の中、真っ直ぐ登美多の方へ向かって歩いてくる。
今、自分が、会場内の主役だと気付いていないのだろうか。演技中からは想像もできない、
ひどく無防備な笑顔を登美多ひとりに向けている。

……こんな時、どんな表情を返せば良い?
 笑おうとしたが、うまくいかなかった。
 鉄棒の握り方、跳躍の仕方を教えてくれる人はいたが、登美多に「笑顔」を
教えてくれる人はいなかった。不器用を無愛想と取り違えられ、誤解されるのはいつものこと。
しかし、高校に入るまで、笑顔の必要性を考えたことは、ほとんど無かった。
いつも隣に、笑わなくても通じる人がいた。自分の分まで笑ってくれる人がいたからだ。
 進む道を分け、初めて登美多は、自分がどれほど貸間に守られていたかを実感した。
言葉が足りない時、いつも貸間が隣からフォローを入れてくれた。生きることが不器用な登美多を、
貸間は常に柔らかな膜で覆い、守っていた。

486 名前:463:04/09/04 17:49 ID:IwVj3oeS
 登美多の目の前に、貸間の拳が突きつけられた。演技を終えた興奮で、
貸間の頬は赤く上気している。古い合図だ。
 椅子から立ち上がり、登美多は親友と対峙した。
 突き出された拳に、緩く自分の拳を当てる。体温が離れると共に、
炭/酸/マ/グ/ネ/シ/ウ/ムの粉が、わずかながら空中に舞った。
一瞬、泣きたくなるくらい優しい既視感が、眼前を過ぎる。登美多は、通り過ぎた記憶の残り香を辿ってみた。
しかし、いつの思い出かは分からない。思い当たる記憶が多すぎるのだ。
……それくらいに、何度もこうやって、互いの拳を合わせてきた。相手への、尊敬と賞賛を込めて。
 貸間を目で追っていたらしい他校の選手が、わずかにざわめいた。
「おい……貸間と一緒にいるの、去年、個人優勝した楽難の登美多だぞ」「あの2人って親しいのかよ」
「幼なじみだって聞いたけどな」「うわ。なんか、スポ根マンガみたいな設定だな」「なんだそれ、出来すぎじゃねーの?」
 周囲の喚く声が、登美多の耳に入ってくる。周りにどう思われようと構わなかった。
しかし、少し困ったような貸間の微笑みに、口さがないギャラリーへ、泡立つような怒りを感じた。
「ま、仕方ないよ。ヒロも俺も、なんか目立つみたいやし」
 貸間は、登美多の怒りを敏感に察したらしい。空気を変えるように明るく笑って言った。
「……そやな」
 また気を使わせてしまった。登美多は、落ちそうになる肩を強く張った。
自己嫌悪したことがバレれば、貸間は更に気を使うだろう。貸間は、驚くほど他人の感情に敏感で、優しかった。
誰に対しても、分け隔てなく。
 楽難のコーチが、貸間に近づいてきた。コーチは、先ほどのアン馬演技を手放しで誉めている。
照れるように笑う貸間を、登美多はぼんやり見つめた。明るく礼儀正しく、
しかも全国のトップ選手とあって、貸間はどこへ行っても人気者だった。

487 名前:463:04/09/04 17:51 ID:IwVj3oeS
 貸間は、誰にでも優しい。胸の中で繰り返してみた。鳩尾深くに、黒い感情が灯る。
――そう。別に、俺が特別なわけじゃない……。
 はっと気付き、慌てて感情の火を消す。この卑屈さは何だ?
登美多は動揺した。なに馬鹿なことを考えているんだ。今は試合中で、互いの健闘を願う場面だろう。
優しいとか、特別とか、そういう次元の問題を考える時じゃない。
 どうかしてる。登美多は頭を小さく振った。こんなのは自分じゃない。
器具に向かっている時の静けさを思いだそうとするが、
胸の奥でチリチリ燻る何かが痛くて、どうにも上手くいかない。

「ヒロ」
 突然、名前を呼ばれ、はっと我に返る。貸間は、ようやくコーチに解放されたらしい。
「なに」動揺を勘付かれそうで、相手の目をまともに見ることができない。
「さっき見てたんやけど。すごい上達したやん。……驚いたわ」
 演技の話を切り出され、登美多は貸間を見上げた。
「……おい。9.98を叩き出したお前が、それを言うか?」
 登美多は、半ば呆れて言った。今しがた、最高得点を叩き出した男の言葉じゃ無いな、
と苦笑する。普通なら嫌味に聞こえるだろうが、貸間の場合、皮肉めいたものを全く感じない。
先ほどの黒い感情が、ゆっくり瓦解していくのを感じた。穏やかな暖かさが、胸に満ちていく。
 貸間は照れるように笑った。細い目がさらに細くなり、目尻に柔らかい笑い皺が拠る。
「や、でも、得意なアン馬やったし。
 これからは苦手な吊り輪とか続くしなぁ。ヒロは、こっからが本領発揮やろ?」
「あー、まぁ。……そのつもりや」
 答えた登美多は、貸間の整った体躯を眺めた。ある意味、貸間の身体は整いすぎていた。
トップに君臨する体操選手としては、筋肉の薄さは否めない。
……しかし。と、登美多は改めて貸間を眺める。
前回の大会で顔を合わせた時よりも、格段に身体を作ってきている。
 登美多は密かに驚いていた。これだけ筋肉をつけるには、
どれだけ練習を重ねてきたことだろう。離れているからこそ、相手の練習量が一目で測れた。

488 名前:463:04/09/04 17:53 ID:IwVj3oeS
 不意に、貸間の顔から笑顔が消えた。
 演技中以外で、こんな真剣な表情を見せることは、めったにない。登美多は身を固くした。
「……あのな、こんな所で話すことやないと思うんやけど」
 貸間は言い淀み、周囲を気にするような素振りを見せた。
「なんや?」
「その」音量を押さえた声が、貸間の口から漏れた。「……大学の話やねん」
 大学。一瞬の空白を置き、頭を殴られたような衝撃が来た。
 思わず辺りを見回す。コーチは他の選手のアップに気を取られている。
色んな大学から、自分に推薦が来ているらしい、ということは担任教師から既に聞いていた。
しかし、どこの大学か詳しく知らなかったし、知ろうともしなかった。
 進路の選択は、嫌でも登美多に、高校を選んだ時のことを思い出させる。
貸間と別の道を選んだ、あの日の事を。

「タケ、それは……」声が上擦った。
 貸間の目が、真っ直ぐ登美多を射た。普段見せない強い視線に、息を呑む。
 貸間が意を決したように口を開いた。 
「俺と一緒に、殉大に行けへんか?」
「ちょっ、待っ」
「今日な、※田さんも会場に来てんねん」貸間は一瞬、目を伏せる。「……殉大の人と一緒に」
 つまり、スカウトに来ているということか。登美多は下唇を噛んだ。
この場、つまり、イ/ン/タ/ー/ハ/イで良い成績を残せ、という意味だった。

「※田さんが来てるんか……」ぼんやりつぶやく。
 きれいな顔をした、三つ年上の先輩の顔が思い浮かんだ。

489 名前:463:04/09/04 17:54 ID:IwVj3oeS
「真の天才」幼い頃、所属していた大層クラブのコーチが、
※田の演技を見て、そう口走るのを、何度か聞いたことがある。
 あの※田さんが……。大入りの観客席に目を向けるが、この遠さでは分からない。
 貸間と共に大層クラブに通っていた時、戯れに※田が「技を教えたる」と言ってきたことがあった。
幼い貸間と登美多は※田に質問をぶつけたが、結局、重要な部分は分からず仕舞いだった。
「どうやったら、そんな風に回れるん?」と言うふたりの問いに、
※田は首を傾げ、答えた。「え、回ろうと思ったら回れるやん」
 当時は、教えたくないから、わざとそんな風に言うんだろうと思っていたが、今になれば分かる。
あまりにもセンスが勝ちすぎ、※田自身も説明できなかったのだろう。
「試合中に、心を乱すようなこと言って……すまん」
 表情を暗くする貸間に、登美多は、何か言葉をかけようとした。……その時。

 どしりと重い衝撃が背中を直撃し、言葉の代わりに「うぉっ」と情けない叫び声が出た。
「せーんぱーい。俺の演技、見てくれてましたよ、ねっ?」
 登美多の背中に飛び乗った那賀野が、後頭部に頭突きを食らわせた。
「ぐ、痛ッ、やめッ」
「まさか、話に夢中になって、見てないって言いませんよねぇ? まさか、そんな、ねぇ?」
「やめんかい!」
 背中から那賀野を振り落とし、一喝する。
 床に尻餅をついた那賀野は、恨めしさを込めた目で登美多を睨み付けてくる。

 貸間に向き直ると、貸間の表情は硬く凍っていた。

490 名前:463:04/09/04 17:57 ID:IwVj3oeS
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 終わってねーじゃん・・・
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

 読んで頂いた方、ありがとうございます。
 この場を借りて、心よりの御礼を。

 そして、ネタ元にした大層弾指のみなさん、スンマセン_| ̄|○
 イメージ崩してたら、ほんまにゴメンヨ。


491 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 18:01 ID:igoUmQDv
>>463
リアルタイムでキタワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゚゚・* !!!!!
めちゃくちゃ素敵です。



492 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 18:10 ID:F5CJV3F+
大層キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
すんごい青春風味で禿げ萌えました、ゴチでした!

493 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 18:13 ID:+2mEdxLt
>>484
キタワァ━━━━━━(n‘∀‘)η━━━━━━ !!!!!GJ!!
もう萌えポイント多すぎて・・(*´д`*)ハァハァハァ
きれいな顔をした※ww
もう登美歌詞最高です。奈河野姐さんせつねぇ(´Д⊂
次回作も期待しちゃいますよ

494 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 18:50 ID:5nex7Vw2

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  葉○里緒菜騒動の頃の設定モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  とゆーことは約5年前の100-1パロ?
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 流れぶったぎりスマソ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


495 名前:谷&丘1:04/09/04 18:51 ID:5nex7Vw2
「お疲れっしたー」「お疲れー」「メシいきますか?」「帰りますわー」
深夜3時過ぎ。
ラジオの収録おわりのガヤガヤとした空気がスタジオを包む。
「今日はちょっと美味しかったね、丘村さん」
「まあ、まあ、そうですね。そいじゃ、俺帰りますわー」
丘村はスタッフとの会話もそこそこにエレベーターに向かった。
なんとなく、早く1人になりたい気分だった。
エレベーターの扉が閉まる、その直前、見なれたスニーカーが割り込んで。
扉が開き、目深に被った帽子越しに、相方の顔が見えた。
谷部はムスっとした表情で突っ立ったままだった。
「乗るのか、乗らんのか、はっきり…」
丘村が言うがはやいか、ズンズンと入ってきて、ドアを閉めた。
沈黙がふたりを包む。
谷部がなにか言いたいことはわかっていた。けれど。
だからこそ、丘村は早く1人になりたくて、帰りを急いだのだった。
だって、おまえ、収録の間中、目の奥は笑ってなかったもんな。
俺は、なんで?って思って。そんなこと考えたくないねん。
そういうの、もう、ほんと、疲れたやんか……。
俺だけ空回るのはわかってんねん…。


496 名前:谷&丘3:04/09/04 18:51 ID:5nex7Vw2
「なんで、俺に言わなかったん?」
とうとう、谷部が口火をきった。
動かないエレベーターの中。
「なんで、俺にまで…。言うてくれてたらフォローの仕方もあったやろ?」
お前、俺までずっと騙してきたことになんねんで。低い、谷部の声が響く。
本当に怒った時の声だ。噛んで含ませるようにゆっくりと喋る。
「お前になんで全てを報告する必要ある…ないやろ」
「……」
「っていうかなんでキレ気味やねん。関係ない話やろ。俺のプライベートなんやから」
「……」
「相手の気持ちもあるやろ。ペラペラ喋れる話題でもないしやな…」
「お前、好きやったんか?」
「何がいな」
「好きだったのかって聞いてんの、波月さんのこと」
「気があったらつき合ってるんちゃうの」
つき合ってないってことは、好きとちゃうよ…。丘村さんは消え入りそうな声で呟いた。
谷部は小さく息を吐いた。
「いつも、あなたは言ってるけど…。幸せになったらええねん。遠慮してんの?なんでつき合わんの?」
「気持ち悪いな。お前とこんな話したくないねん、こっちは」
「仕事に支障を来すってなに?」
「うるさい」
「そういってお前は俺を無意識に試してんねん」
「何をいってるのかわからない」
丘村はプライベートではあまり出さない大きな声をあげた。
エレベーターの稼動音が低く唸る。
丘村はB1のボタンを押した。ゆっくりと箱は下に動き出す。
何故だか泣きそうだった。必死に口を引き締めて。

497 名前:谷&丘(↑は2。こっちが3です):04/09/04 18:53 ID:5nex7Vw2
「あんたは…ほんと…ずるいで…。そうやって無意識やねん…」
谷部の息を吐く声に。
泣きそうになって。
あっという間に、帽子が床に落ちて。鼻に熱い息がかかって。
唇が塞がれた。
覆いかぶさるように、抱き締められて。苦しくて。
目を閉じた。
上唇を舐られて、温かい舌が入ってきた。
「何を考えてんねん」谷部は震える声で囁いた。
「お前の知らん娘のことや」
「今お前にキスしてんのは俺やぞ」
きつく舌を吸われた。
「どうしたらいいかわからへんねん。丘村さん…。俺」
「……」
「でもめちゃめちゃイライラしてんねん」
「……」
「あんた、いっぺん俺に抱かれたらええねん」
「無理言うなや」
「そうやな…。俺、アホやな…」
丘村は必死で笑い声をひねり出して。
谷部の肩にすがりつきたい衝動を必死で押し殺して。
自分に絶望していた。

無意識じゃないねんて…そういったら…お前はどんな顔するんやろ?
こんなの、ほんと、ないよな。呆れるよな。
こんなん、ほんと、終いやねん…。


498 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 18:55 ID:5nex7Vw2
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ダーク丘タカリーダー
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

499 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 19:03 ID:X6ICB2fM
>498
GJ!

500 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 19:26 ID:NA7Z5gDl
>498
萌え死にそうだ(;´Д`)ハァハァ

501 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 20:26 ID:62of+SsS
>>463姐さん

やばいくらい萌えです。
よくまあこんなにせつなくさせてくれますなあ。
ビバ大層!!!

502 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 21:02 ID:hEbUfGKo
大層も100-1も最高です…ハァハァ
姐さん方激しくGJ!!!!!!!!!!!

続き気になるー…

503 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 21:04 ID:vYyQlOB0
>>494->>498
姐さん、GJです!


504 名前:風と木の名無しさん:04/09/04 22:28 ID:z3wICcXp
>498
待ってました!!GJです!!まさか100-1がこんなにも萌えるとは…
萌えはどこに眠っているかわかりませんね

505 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 03:16 ID:+N9UzpP7
>498
切な萌えしましたー…。
姐さんありがとう!

506 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 09:25 ID:n+1lEWyr
岡/村って息が半端じゃなく臭くて、生ゴミのような、強烈な腐った臭気がするそうな。
以前テレビでそれを見て以来、萌えられない…



507 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 09:35 ID:fhqwr3wG
>>506
何もここで言わなくたってええじゃないかええじゃないか。

508 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 10:14 ID:vIcv0B4J
>>506
それは芸人だから誇張して面白くいってるってことも考慮しなくては
でも今は虫歯全部完治して臭くないらしーよ

509 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 12:01 ID:ZFU5yjCd
>506-508
スレ違いだ(゚Д゚)ゴルァ!

でも、虫歯云々でくさいんじゃなくて
素で現在でもくさいらすぃ。
1週間履いた靴下臭がするってどんなんだろ?



510 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 12:46 ID:MyXJMNej
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  気を取り直して若手ゲ仁ソのダイエットの秘訣を探ってみるモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  なんと15kgも落としちゃったらしいよ
 | |                | |            \
 | | |>PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ……
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





511 名前:案邪vs素p輪 1/2:04/09/05 12:48 ID:MyXJMNej
(ヽθ∀θ)ゞ (´^` )<わー弧縞さん激ヤセしてるー男前になってるー

(ヽθ∀θ) (´^`;)<俺も顔に肉付いてきたから痩せなきゃな…ねねね、何やったの?教えて教えて

(ヽθ∀θ)<実は輪田部にも協力してもらったんだ (´^` )<?

ヒョコ( `ー´)<そうそう、一緒にね (ヽθ∀θ)<とにかく汗流したよ (´^` )。oO(一緒に…)

( `ー´)<でも俺の体でいろいろ試すのはちょっとなー (θ∀θ/)<痛かった? (´^` )。oO(体?いろいろ試す?痛い?)

( `ー´)<でもだんだん気持ち良くなってきてね (ヽθ∀θ)<ヲザァさんも巡さんと…ねぇ (´^` )。oO(気持ちいい…巡と…)

ニヤニヤ( `ー´)(ヽθ∀θ)ニヤニヤ ムフε=(´^`;*)<ちょっと頑張っちゃおっかな♪

512 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 12:49 ID:0sm1eVTw

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  時代劇3ビキがキル!のネタ モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  マイナーだけど見てみるか。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

513 名前:案邪vs素p輪 2/2:04/09/05 12:49 ID:MyXJMNej
( `ー´)<行った行った (ヽθ∀θ)<早っ       巡〜!!>≡=−

( `ー´)<まぁ協力っつっても (ヽθ∀θ)<変な時間にメシに誘わなかったり    ドシタ?…ウワッ>

( `ー´)<一緒に汗流すっつっても (ヽθ∀θ)<二人で朝ジョギングしたり    ア、アタシミトメナ…アァッ!>

( `ー´)<いろいろ試すっつっても (ヽθ∀θ)<格闘技の技だったり   イテーヨヲザーサン!ヌ、ヌイテ…ッ!?>

( `ー´)<でもあの時教えてくれたストレッチ気持ち良かったよ (θ∀θ/)<でしょ …アァッヤベェ…ウァァァッ>

(;`ー´)<… (;ヽθ∀θ)<…  …ハァ…ハァ…ナニ?アセカイテナイカラ モウイッカイ?>

(;`ー´)<うわー… (;ヽθ∀θ)<巡さんキレちゃった  カワレ!オレガアセジャナイモノマデ シボリダシテヤルヨ!>

Σ( ゚ー゚)(θ∀θ/*)))<俺らも試してみるか素p輪式ダイエット  …ギシギシアンアンギシギシアンアン>



514 名前:1:04/09/05 12:50 ID:0sm1eVTw
お超が戦国を呼び止めたのは、まだ春浅い宿場町。
薄汚れたなりをしている戦国。
そのくたびれた姿は、遠目でも容易に彼であると認識し得た。
何か月ぶりかに見た彼の顔は、長い道中で日に焼けたのか…はたまた垢なのか。
より一層に黒さを増していた。
だが、それがかえって精悍でたくましい。
バラバラになった3ビキではあるが、ここにお超がいるということは
当然にトノサマもこの町に来ているのだろうか。
戦国は彼はどうしているのか、と彼女に問うた。
「その、トノサマのことなんだけど…」
改まった様子で視線を落とすお超に、戦国は懸念の色を隠せない。
咄嗟に彼女の肩を掴む。
「…トノサマがどうした?何があった!?」
「元気よ。でもずっと道中追いかけてはいるけど、なかなかつかみ所がないのよねえ」
「ちっ。驚かせやがって…まあ、まじめいっぺんとうで、何を考えていのるかわからんところはある。それがどうした?」
「私のこと、どう思っているのかしら。」
「なんだぁ?色恋の相談か?そんならタコにしろっ。俺はそういうのはからっきしコレだ」
そう言って、手を横に大きく振って見せる。
「したわよぉ!でも薬を使って寝込みを襲えとか。変なモン売り付けようとすんのよ?だから戦国さんに…」
「ったく、あのタコ!しょうがねぇ野郎だな(怒)」
「ね、何か聞いてない?あとトノサマの好みとか!」
「知らんな〜そんな話はしたことがない。自分で聞け」
「いやよー恥ずかしいもん〜お願い!ちょっとだけ協力して!お銚子2合つけるから!」
「もう一声」
「もうっ!わかったわよ!じゃあ3合!」
「よし、乗った」
飲食が絡むと最初は渋っていても引受けるくせがある。
例に漏れず、戦国の承諾はすさまじく早かった。


515 名前:2:04/09/05 12:51 ID:0sm1eVTw
商談成立といわんばかりに、そのままちょうど目の前にあった料理屋に入る。
そして酒を飲みながら、あの"侍風情"をどう落とすかの作戦を練りはじめた。
お超が提案した作戦とは、次のようなものだった。
まずトノサマと再会した戦国が、彼を一杯飲みに誘う。
そしてお超のことをどう思っているのかを聞き出す。
「…そんだけか?作戦というほど大げさでもあるまい。」
「なによ〜いいじゃない!物事にはちゃんと筋書きがないとね。」
「そういうもんか?さすがに物を書くだけのことはある。」
単細胞のこの男は、これが彼女の「完全なる作戦」であり、罠であるということは露
とも知らない。


「うむ。お超はいい娘だ。女がてらに気も強いが、己というものをしっかりと持っている。」
相変わらずに一糸乱れぬ着流し姿のトノサマ。
上機嫌で徳利を傾けつつ、戦国の第一の質問に対してそう答えた。
容姿は端麗。ある種の色男といっても過言ではない。
粗雑な戦国とは対照的に、どんな小さな所作でも品のよさが漂う。
「トノサマ」という名の理由はそこにあった。
気心が知れた仲ではあるが、向き合うと妙な緊張を強いられる。
「だ、だよな!?…よし。で、次はどうするんだっけな…」
「ん?」
「いっ…いやいや!なんのなんの!こっちの話だ。」
苦し紛れにトノサマに酌をし、次に言うべき質問を思い出そうとする。
汚くて臭くて乱暴な戦国ではあるが、これでもなかなか義理堅い。
酒まで馳走になったのだから"任務"はきっちり果たさねばならぬ。

516 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 12:52 ID:MyXJMNej
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  禁断のダイエットモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  巡さんのその後が心配だね
 | |                | |            \
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ クーラー効いてたらエンドレスの悪寒
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄




517 名前:3:04/09/05 12:52 ID:0sm1eVTw
「それにしても珍しい。御主から飲みに誘うとは…何か企んでいるのではあるまいな?」
トノサマは冗談のつもりであったのだが、戦国は思わず含んだ酒を吹き出しそうになった。
これでは酔いを愉しむ暇もなく、気が気でない。
大事なことを計算に入れるのを忘れていた。この御仁の勘の鋭いことを…。
ここは回りくどい聞き方をせずに、真正面からぶつかった方がよさそうだ。
「その、だな…率直に尋ねるっ!好いている女はいるか?」
「ははは…やぶからぼうに何を言い出すのかと思えば…」
真剣な戦国とは違い、トノサマは涼しげな顔だ。
「そうだな…拙者とて想い人の一人くらいは…。」
「そいつぁ、誰だ!?俺の知ってる女か!?…お超か?」
「先刻からお超のことばかりを聞くな。もしかして御主、お超を…?」
「なっ!何言ってやがる!誤解されては困るっ!」
「ふむ。実のところ、お超は以前立ち寄った海廻問屋の番頭と恋仲になってな。
頻繁に文を交わしているようだ。」
「なにぃ〜?あいつ、男がいんのか!?」
戦国にはお超のもくろみが皆目検討がつかなくなってしまった。
どういうことだ?…後でお超に問い質さねば。
お超に頼まれた、と打ち明けるわけにもいかず…
この場はとりあえず飲むしかない。
「そういう御主にはいるのか?想い人が…」
「…想ってみたところで、到底叶わぬ相手だっ。」
あおるように酒を飲み干す戦国。いい飲みっぷりだ。喉が大きくうねった。
「ほう。到底叶わぬか。どこぞの国の姫君か?」
「はっは!そういうわけじゃあないが…もうとっくにその気持ちは胸ん中にしまった!きれーさっぱりだ。邪魔んなるだけだからな。み〜ごーと、封印してやった。」
戦国は自分の胸を誇らしげに叩いて見せる。
「それでは、その封印とやらを解いてやろう。拙者にならそれが可能だぞ?」
トノサマは手で刀を作って、戦国の胸元を袈裟懸けにバッサリと斬る真似をした。
「わはは!こりゃあ参った!だが、流石の御主の腕前でも俺の気持ちは開かぬ。」
「そうだな。刀では、開かぬか…刀で無理なら…」
トノサマはピンと背筋を伸ばして座り直すと、きっちりといずまいを正し、戦国と向き合った。

518 名前:4:04/09/05 12:56 ID:0sm1eVTw
そして…
「この矢坂平師郎…九時真之介を好いておる。」
顔色ひとつ変えず、まっすぐと目を見据えてサラリと言う。
戦国はというと、呆気にとられた表情をして明らかに目が狼狽えている。
それはもう、とてつもなく無防備で間抜けな表情だった。
この単純な思考回路ではこの後どうすればいいのか全く思いつかない。
というよりも、この状況はもとより、その言葉の真意すら飲み込めていない。
「何を今さら意地を張ることがある?御主がいつまでも言い出さぬから拙者が気を回して
やったというのに。どうだ。見事に封印は解けたであろう?」
全く言葉の出ない戦国に対し、不敵に笑うトノサマ。
彼は戦国が自覚し得なかった密かな想いをとっくに悟っていた。
それはいつからなのかわからないほどに、音も立てずひっそりと住み着いた想い。
「べ…べべべ別に意地なんて張ってねえ!たっ、ただちょっと照れているだけだ!」
「では、聞かせてくれるな?」
「おっ、おう!……しっかし、よくそうすました顔でいられんな…!」
「拙者とて御主同様、緊張しておる。わからぬか?」
「わからん!全くわからん!顔色一つ変わっておらんじゃないかっ」
トノサマは無言で戦国の手を取ると、自分の胸にそっと触れさせた。
鼓動の早さが…回路が繋がったかのように、指先から明確に伝わる。
そしてそれは戦国の鼓動にも即座に感染した。


519 名前:5:04/09/05 12:56 ID:0sm1eVTw
「これではっきりしただろう。」
そんな爽やかに微笑まれても…。
見つめられ、ますます言い出せなくなるだけだ。
戦国はそんな自分をじれったく、また腹立たしく思い、遂に意を決した。
「だーっ くそっ!わかった!言やいいんだろっ!…俺も御主が好きだ!とうの前から好
いておった!これでいいか!」
ただでさえしわの寄った袴だが、力一杯に掴まれて更にぐちゃぐちゃだ。
不器用な戦国の一世一代の大告白。
やけくそ気味で乱暴な言い方ではあるが、ストレートで彼らしい言葉だった。
思いきってはみたものの顔を直視することはできない。
照れ隠しにプイと背中を向けてしまった。
「御主と知り合って幾年になるだろうな…長いこと時間が要った…」
「ん…」
突然背後から抱きすくめられ、思わず体が飛び上がりそうだ。
長く束ねた漆黒の髪に指を絡ませられ…うなじにくちづけを施される。

「ね、もういいんじゃない?」
「そだね。これ以上覗くのも野暮ってもんだ」
隣の部屋からは妙な着物を着た丸い小男と、若い娘がその様子を覗き見ていた。
タコとお超だ。
「やった!作戦大成功ね!!」
手を合わせて喜ぶ二人。
「でも無様だったわね〜戦国さん。もうじれったいったらありゃしなかったわ!」
「まあいいじゃないの。センちゃんにしてはよく頑張った!終わり良ければ全てよしっ」
「いい加減素直になればいいのに!てずっと思っていたのよ〜これで肩の荷が下りたわ。
さあ、ネタも入ったことだし!私、これを書くわ。今度こそ一流作家よ〜!」
「女ってたくましいのね〜…こわ…」

520 名前:516:04/09/05 12:58 ID:MyXJMNej
ヤッチマッタ…_| ̄|.........○

521 名前:6:04/09/05 13:00 ID:0sm1eVTw
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ 言葉がないね。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |

気をつけたのに割り込みになってしまってごめんなさいごめんなさい!
話もわけわかんないし。まじですみませんでした。
自己中な萌えだけで書いちゃいました。









522 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 13:01 ID:ZFU5yjCd
Σ(゚Д゚≡゚д゚)

大型台風のせいで混線しちまったのか?!w
両姐さん乙!

523 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 13:50 ID:NCyaWeGH
混線(笑)
両姉さん方、GJです!

524 名前:風と木の名無しさん:04/09/05 20:58 ID:4yAfCbJ5
514姐さん、GJです!!

442姐さんといい、最近時代劇モノの投下が多くてありがたいですよ(*゚Д゚)

525 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 01:18 ID:VH/EidMA
>>510
GJ!!!緒座ータソ禿萌え。

526 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 01:57 ID:EVj5wfIc

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  モララーのビデオを見るモナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  きっと楽しんでもらえるよ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
週間少年ジャソプのデス/ノートの現在進行形です
今週ネタバレ、リュ月、昔月今月、L月あります

527 名前:1/4:04/09/06 01:58 ID:EVj5wfIc
その男は、異形の影に抱かれている。
華奢な白く長い脚を黒い腰にまとわりつかせ喘いでいる。
黒い―――?

『そうだ…ぅ…あぁ…っ、そこだ、…・・・ク、』
『ここが悦いんだろう』
『は…ッあっ……!』

脚や腰がいやらしく上下に揺れている影を見ながら
僕は、自分の心中がひどく乱れていくのをもてあましていた。
目を離すことが出来ない。

『ククク、あいつが見てるぞ』
『かまやしない…それより…も』
『ああ。たっぷりくれてやる』
『……!』

声がいっそう高くなる。
僕は、知っている。黒い影を凝視する。ひどく、懐かしいような。
思考は嬌声に掻き乱され、息が苦しくなる。頭の底が熱い。

『……うらやましいだろう?ひどく気持ちいいよ』

抱かれながら僕を揶揄する僕を揶揄する声が鬱陶しい。
―――すごく上手い。溶けるよ。どろどろになる。最高だ。
誰に向かっているかわからぬ睦言は、興奮よりむしろ、
疎外感や焦燥感を僕に植え付ける。聞きたくない。

528 名前:2/4:04/09/06 01:59 ID:EVj5wfIc
―――!
両方の腕をとられ、頭上に縫いとめられた。
くすくすと微かな笑い声が聞こえる。先ほどまでの喘ぎが吐息にまぎれている。
「ここが弱いんだよね」
耳許に息を吹きかけられ、背筋がぞくりとした。
怖くて目を開けることが出来ない。
「ほら、震えてる」
耳の裏をゆっくりと湿った舌で辿られて、体の血が逆流する。
「ひっ……!」
耳朶への愛撫は執拗で、僕はそれを拒むことが出来ない。
腕を留めている力は弱くて、いつでも振りほどくことができそうなのに、
僕はなぜか抵抗出来ずにいた。逃げたら、負けだ。
「そんな顔のライトは、久しぶりだな」
声が近づく。どこかで聞いたことがある。
うっすらと目をあけると影は闇にまぎれて、僕の足許へと降りてきた。
脚が大きく開かれる。僕はいつの間にか裸だった。
頭上の男が楽しげに僕の体に手をやり何やら応えている気配がする。
二人の動きは的確に僕を快楽へと落とし込んで追い詰める。
頬も、喉も、鎖骨も、胸も、脇も、唇で擽られて舌で舐められ、指で擦られた。
体中の体液が集まり出口を求める。焼け付くように苦しい。
だけど、求めているものは決して与えられることがなかった。
前方の膨らみに触れられることなく、背後のかけての割れ目にばかり、濡らされる。
弄ってほしい。せめて触れてくれるなら、すぐにイけるのに。
「そこまでだ。僕に、やらせろよ」
「なんだ。意外と悪趣味だな」
「お互い様だろう」
直後、襲ってきた疼痛。下腹部への圧迫はそれまでの茫洋とした楽園から僕を
地獄へと落とし込んで、声を上げるまもなく、激しく腰をゆすられた。
頭上で影が浮いている。ゆっくりと羽をばたつかせながら僕らを見ている。
ぬちゃぬちゃと溢れる水音を聞きながら、僕は、僕の体をいいように
取り扱っている男の体を凝視した。暗くて、見えない。

529 名前:3/4:04/09/06 01:59 ID:EVj5wfIc
「お前は、神に嬲られたいんだよ」
男の指が後孔から流れる血を掬い取って、口に含み笑っていた。
「悔しいだろう?でも、これがお前の望みだ」
大きく足を上げられて、更に肉の奥を突き上げられる。これまでにない密着。
僕は悔しいのだろうか。
腹内の管を擦りあげられる感触に息を詰め、流れがちな思考を寄せる。
頭上から聞こえる影の潜み笑いは、聞き覚えがあった。
「ここをこうされるのが好きなんだ」
痺れが脳天まで到着し、視界が霞んだ。
「ずいぶん熱心だな」
「いつもされていることをしてるだけだよ」
「色っぽいな」
「どっちが?」
僕を挟んで展開される二人の会話は、僕を一人にする。
不意に、窮屈になった。頬へと顔を寄せられ声をかけられた。
「はやく、僕らを呼べよ」
「ククク、こうやって毎晩思いださせてやるのも面白い」
「気楽だなあ。リュークは。僕は自分ながら我慢できないよ」
男の声には苛立ちが含まれている。
いきなり前方を?まれ、これまでにない焦りを感じた。
「耐えられないんだよ。24時間ヤツと一緒にいるなんて」
握りつぶされる―――
これは、誰だ?
僕を抱いているのは?僕に何を言いたい?
思い切って、顔を横に向けた。

530 名前:4/4:04/09/06 02:01 ID:EVj5wfIc
「ずいぶんうなされていましたね」
真っ暗闇に、じろりと大きな目で覗きこまれていた。
「流河、…か。」
ほっと息をつく。
「ひどく苦しそうでした」
手錠がじゃらりと音を立て、流河がベッドから離れるのがわかった。
「悪い夢を見た」
深呼吸していると、額へ、乾いた布がかけられた。
丁寧な手つきで汗を拭われながら、ああ、これが現実なのだと。
僕は帰ってこれたんだと心底ほっとする。
「どんな夢でした?」
「忘れちゃったけど、寂しくなった。なぜかはわからないけど」
「寂しい、ですか」
流河は少し驚いたようだった。恥ずかしくなって、笑みを作る。
「でももう忘れたから。大丈夫」
僕を拭ってくれている手を止め、謝意を口にする。
「ゆっくり休んでください」
元のとおり、距離をとって一つのベッドに二人、横になる。
「うん。お休み…」
眠りに入る直前に、流河が手を握ってくれたような気がしたが、
確かめる気力もなく笑みを作ったまま僕は眠りに落ちた。

横で眠る月を見ながら、Lはずっと考える。
キラはどんな夢を見る―――?
脳髄を抉り取りたいほどの衝動を押さえながら、爪を噛んでいた。

531 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 02:02 ID:EVj5wfIc
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ヒトリデコソーリミルヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ネタバレ&カプ乱立でリスクあったんでこちらへコソーリと。
ありがとうございました。

532 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 02:05 ID:Fp32/YPQ
セリフ廻しがリアルだから、途中からリアルタカハシ・ヤクショで脳内上映されましたよ。
恥ずかしさと萌で身悶えますた
>514姐さんGJ!!!

533 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 02:30 ID:4e6rs6Rz
あああ長年の萌えが報われた気がする・・・
>>514姐さん良い萌えありがとう。・゚・(ノД`)・゚・。

534 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 22:26 ID:5e+ztmA9
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | ▽ PLAY        | |
 | |                | |           ∧_∧ ダンシングオマワリサンダヨ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


535 名前:1/3:04/09/06 22:27 ID:5e+ztmA9
『もしもし、青嶋です。』
「室伊だ。君に、総官賞が出た。
正式な通達は今日の午後になるが、私の口から伝えたかった。」
『……俺に、スか?驚いたな。ありがとうございます。』
「私が授与するわけじゃない。今回の事件で君と音田刑事が果たした役割を、
上がきちんと評価しただけのことだ。」
『ああええと、室伊さんがわざわざ電話してくれたのが嬉しいなって。』
「……」
『もしもし?もしもーし?』
「聞いている。」
『まさか俺が総官賞で、室伊さんが封鎖の責任とって降格なんてこと、ないスよね?』
「ない。私ももらう側だ。」
『よかったぁー。』

心の底から安堵した笑い声が、耳に当てた携帯から伝わってくる。

『出世してくださいよ。一日でも早くトップに立って、今回みたいなことは、もう二度と……』
「……君は身を固める気はないのか。」
『ハァ?!いきなり変なこと言いますね。真下でもあるまいし。』
「何の話だ。」
『いや、こっちの話です。あの運命の相手だなと思う人はいますけどね。
もうこの人に出会うために生きてきたんだなーなんて思って』
「……」
『なんかいっつも怒ってるみたいな顔なんですけど、実は俺のこと心配してたりして、
そういうときにグーッとくるんですよねー胸に。今も会いにいくとこなんです。』

536 名前:2/3:04/09/06 22:27 ID:5e+ztmA9
室伊は、いつも青嶋と一緒にいた女性刑事を思い浮かべた。
撃たれて入院中の彼女を見舞いに行くのだろう。
「そうか。彼女も総官賞だ。授与式には出られんだろうが、君から伝えてやれ。」
「彼女って誰?」
いきなり肉声に切り替わり、驚きで立ち止まった室伊の数メートル先に、制帽制服姿の青嶋が立っていた。
「青嶋巡査部長、始末書の提出に登庁いたしましたッ。」
カツッと踵をあわせ、敬礼しているくせに口元は笑っている。
「室伊さんに挨拶しようと思ったら、シンジョーさんに会って、
外出してるって教えてもらったんですよ。そろそろお戻りだとうかがいましたので、
お待ち申し上げておりましたッ。」
「……慣れない言葉遣いはよせ。」
不意を突かれた自分に腹をたてながら、室伊は通話をオフにした。

庁舎の前の歩道で、親しげに言葉を交わす制服警官とキャリアという組み合わせを、
誰もが奇異の目で見ながら通り過ぎていく。

「彼女ってすみれさん?」
日焼けした顔のなかで、大きな目が子供のようにきらきらと光っている。
「ああ。会いに行くんだろう。」
「会いたかった人にはもう会えた。」
青嶋はすっと顔を近づけた。制帽のひさしが室伊の額に当たりそうになった。
「室伊さんが俺の運命の人。」
ほんの一瞬、ひさしでできた影の中で、二つの視線はぴったりと重なる。
それだけで、互いの思いは余すところなく伝わった。

537 名前:3/3:04/09/06 22:27 ID:5e+ztmA9
すぐに青嶋が姿勢を戻したので、道行く人々の目には会釈と映らなくもないだろう。
どちらからともなく、肩を並べて庁舎へと歩き出す。
「今日はいつものコートじゃないのか。」
「あれね、今洗濯中なんですよ。血まみれになるの二度目だから、
クリーニング屋のおばちゃんに怒られちゃって。
完全には落ちないかもって言われても、あんなコートで歩けないじゃないスか。」
二度とも、室伊はその目でその凄惨な有様を見ている。
「だから何とかしてくれって頼みこんだら、次はない、だって。
俺だって好きで血まみれになったわけじゃないですよ。」
「たしかに、三度目は勘弁してほしいな。こっちの心臓がもたない。」
饒舌の合い間にさりげなく相づちをうったつもりだったが、青嶋の耳は聞き逃さなかったらしい。
「大丈夫。あんたがトップに立つまで俺は死なないから。」
「まで、では困る。ゴールはそこじゃない。」
もう一言続けようとした室伊は、エントランスの自動ドアの向こうにいる湾岸署の刑事課課長に気づいた。
室伊にお辞儀を繰り返し、青嶋を手招きし、その合間に素早く汗を拭っている。
「また会おう。」
低い声で告げ、敬礼をした。ただでさえ大きい目をさらに見開いた青嶋は、
輝くような笑顔で敬礼を返してきた。
「はいっ」

室伊はまっすぐにエレベーターに向かった。
背中に、青嶋の強い視線を感じる。

―――私の運命も君とともにある。

飲み込んだ言葉は彼に届いているだろう。


538 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 22:29 ID:5e+ztmA9
 ____________
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 | |                | |           ∧_∧ ……ヘー……ソレデ?
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


539 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 22:45 ID:4cDj7Tc6
>>534 ネ申キターーーーー!萌えたよ萌えたよ姐さん!
あああ、夜中にいいもんみれた…

540 名前:風と木の名無しさん:04/09/06 23:37 ID:vxPYN0SF
>>534
はははは禿げ上がるほど萌え!
前々からこの二人には萌えていたが、文字で見るのは初めてで・・・。
姐さん、いいものをありあがとう!

541 名前:風と木の名無しさん:04/09/07 04:57 ID:SQtrR1Ef
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  時代劇3ビキがキル!の続編だモナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  >>514の続きか。。。
 | |                | |            \
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 18禁ノ悪寒
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


542 名前:1:04/09/07 04:58 ID:SQtrR1Ef
トノサマの端正な唇が目前に近づく。
とっくにしまいこんだと思っていた気持ちだったのに。
深い口付けと抱擁で完全に掘り返され、もう後戻りはできない。
戦国はなす術もなく、されるがままだが、体は素直な反応を見せる。
その反応の大きさがトノサマへの想いの深さを示していた。
「はぁ・・・・っ」
トノサマはそんな彼が愛しくてたまらないというように、口付けの雨を降り注がせる。
刀を握るというのにも関わらず、意外に細く華奢な指だ。
その指先が袂を割り、戦国の痩せた胸にさしかかったときだった。
「ま、待てっ!ならん!これ以上はならんっ」
「何故だ?意外とうぶなのだな。」
「・・・風呂に入っておらんのだ!」
顔を真っ赤にさせてトノサマの手を掴む戦国だが、彼はきょとんとした
表情を一瞬浮かべただけ。
「そんなことなど承知の上だ。今更止められぬ・・・」
「いや、しかしっ・・・んむっ」
あきらめろ、とばかりに言葉を唇で封じ込められる。
いつも落ち着き払っているこの侍がこんなにも情熱的な人間だったとは。
まったくもって想像の域を超えていた。
袴に手を掛けられ愛撫を加えられる頃には、もう余計なことなど考えられなかった。
トノサマの触れる箇所にだけ意識が集中してしまう。
「んぅ・・・はっ・・・・」
声を必死でこらえ、体に力が入る。
トノサマは体を重ね、戦国の深部に進入しようと試みた。
が、完全にこわばった彼はなかなか容易にはそれを許してはくれなさそうだ。
「戦国・・・・そのようにしては痛めてしまう・・・」
畳に鋭く爪をたてた無骨な手を、自身の手をそっとかぶせて制止する。
そのまま指を絡ませ、耳元で名を呼んで・・・
戦国がその低く甘い声に少しだけ緊張を解いた刹那。
焼けそうなほどの熱が全身に走った。

543 名前:2:04/09/07 05:00 ID:SQtrR1Ef
「くっ!!・・・いっ・・・てぇっ・・!!」
味わったことのない異物感。覚悟はしていたが、体が引き裂かれそうだ。
「すまぬ・・・・今しばらく耐えてくれ・・・・」
衝撃を和らげる手だては十分に施したつもりだったが・・・
やはりこの痛みは避けては通れないようだ。そのまま動かずに抱きしめる。
重なり合う鼓動に耳を傾けるうち、戦国も落ち着きを取り戻した。
「案ずる・・なっ・・・大事無い・・・」
搾り出すような声だが、強がりではない。
その証拠に、トノサマのものを締め付けるように少しずつ蠢き出していた。
足を高く抱きかかえられ、最奥へと進む彼を受け止める。
「・・・んっ・・・くぅっ!・・」
「・・もっと・・聞かせてくれぬか・・・・」
打ち付けられる度に荒い吐息に混じって甘い声がこぼれた。
喘ぎというよりも、半分泣き声のような上ずった声。
加速する動きに、呼吸がついていけない。
もうそこに痛みは存在せず、戦国の体はトノサマの与える快感のみに支配された。
普段は表情を崩すことのないトノサマだが、そんな反応を見せ付けられては・・・。
切なく胸が軋み、かき乱される。
トノサマとて、ずっとこの気持ちを隠していた。
戦国は鈍い男だから、悟られぬ自信はあったが・・・
逆を言えば、一生気づかれない寂しさともどかしさもあった。
それがこうして本懐を遂げることができようとは。
腕の中で乱れる彼の姿は、夢か幻を見ているようだ。

544 名前:3:04/09/07 05:03 ID:SQtrR1Ef
「あぁ・・・ふっ・・・」
奥を攻め続けられ、高みに追いやられそうになる。
意識が滑り、転げ落ちていきそうな自我。
強くしがみつく腕だけが辛うじて自分を保つ唯一のよりどころだ。
しかしトノサマは容赦なく彼を攻め立て、離そうとする気配はない。
むしろ彼が鳴くけば鳴くほど、その結合の強度は確固たるものになっていく。
「ひぁっ・・・・もっ・・・とのさ・・・・まぁっ・・あっ!」
前のものにも摩擦を加えられ、大きくうねる体。
その不意打ちに戦国は果て、トノサマの肌をしとどに濡らした。
「・・・・・・戦国・・・っ」
それを追うようにトノサマも戦国の中へと・・・。

むせかえるような熱気が部屋を包んだ。
聞こえるのは戦国の苦しげな呼吸の音だけ。
背を丸めてぐったりとしている。
トノサマの放ったものが、大腿部を伝って一筋滴り落ちた。
彼の肌を白く彩り、美しくも艶かしい。
先ほど済ませたばかりだというのに、その姿がトノサマを刺激して止まない。
トノサマは今更ながら目のやり場に困り、戦国の体に着物をかけた。
「この馬鹿力・・・。」
ポツリとつぶやく戦国だが、その力無い背中に
「何を言う?それは御主の方であろう。」
とトノサマが言いかけたときだ。


545 名前:4:04/09/07 05:04 ID:SQtrR1Ef
「・・・ってぇぇえっ!」
立ち上がろうとした戦国が悲鳴をあげた。
熱が引き我に返った体。いわゆる破瓜の痛みというものなのか。
自分は男だが、なんとなく生娘の気持ちがわかったような気がした。
「ど、どうした。戦国っ」
「あたた・・・・ケツが(涙)」
「そ、それはすまなかった。めんぼくない。」
「っきしょう〜こんなへっぴり腰じゃしばらく刀もろくに振れんな・・・」


次の日。
「さ〜お立会い!ここにありますは、秘伝の軟膏!擦り傷 切り傷 打ち身にやけど!
これをひとたび塗れば、あら不思議!たちどころに効く妙薬ってなもんだ!」
晴れた空に威勢良く響くのはタコの掛け声。
「本当に効くの〜?」「どれ、1つもらおう」
タコを取り巻くようにちょっとした人の輪ができあがる。
対応に追われるタコ。その背中を背後から叩く者がいた。
「よう、俺にも1つくれ。」
振り向くとそれは戦国であった。
「あれ?せんちゃんも?珍しいこともあるもんだね〜」
心なしか幾分かやつれて見える戦国。
その顔を見て、タコは全部を悟った。
「あら、せんちゃんが下だったの・・・?」
「あ?何言ってんだおめぇ。いいからさっさとよこせ!」
戦国はタコの言っている意味が全くわかっていないようだ。
「はいはい♪お大事にねっ!」
渡し際にバシッと一発、戦国の腰を叩く。
「あいだっ!!・・・くっそ、このタコ〜〜〜!」


546 名前:風と木の名無しさん:04/09/07 05:05 ID:SQtrR1Ef
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ オチがねーじゃん。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


547 名前:風と木の名無しさん:04/09/07 20:23 ID:13VTPEn+
え〜〜〜〜い!もう素敵です!
トノサマ×戦国タン!!嬉し恥ずかしです!!
GJ!姐さん!!

548 名前:風と木の名無しさん:04/09/07 20:29 ID:/NGXFG0a
>>526の姐さん…凄い…GJ!!
邪道だと思っていた同キャラCPに初めて萌えてしまったよ…
姐さんのせいではまりそうです

549 名前:風と木の名無しさん:04/09/07 21:25 ID:YBgYlCgJ
 ____________
 | ______ _ _ |
 | |         | |
 | | ▽ PLAY    | |             キツネタソとオオカミタソ
 | |         | |         ∧_∧ 
 | |         | |     ピッ  (・∀・)
 | |         | |       ◇⊂   ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 | °° ∞   ≡ ≡   |       ||( (__) ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
角煮のゾロリスレから来ました。
よろしくお願いします。

550 名前::04/09/07 21:26 ID:YBgYlCgJ
 「し、しまった・・・オヤジギャグを飛ばしすぎて・・・」
きしむような音を立てたかと思うとGオンのブックラコイータは耐えられなくなったように弾けた。
製作時の苦労がフラッシュバックし、Gオンは手の中の残骸をただ呆然と見つめるだけだった。

「Gオン・・・」
名を呼ばれて我にかえると、少し申し訳なさそうな表情のZロリが目の前にいた。
モノを作る大変さを知っているZロリには、それが壊れた時の空しさもよくわかる。
丹精こめて作ったブックラコイータの残骸を持って力なく立ち尽くすGオンに、かける言葉もみつからない様子だ。
降りしきる雪が、沈黙する二人を包んでいた。

 Gオンは改めてZロリの姿を見た。戦いの最中は夢中で目に入らなかったのだが、
細身のラインにぴったりしたコスチュームを着ていることに気が付き、急に胸が高鳴るのを覚えた。
体を全て覆い尽くしていながらラインはそのままという姿は想像力を激しくかきたてる。
Zロリを行き倒れの状態から救い出した時、濡れた服で体温を下げないためにすべて脱がせた時よりも興奮した。

551 名前:2:04/09/07 21:27 ID:YBgYlCgJ
おれさま・・・あの・・・」
Gオンは何も言わず、Zロリの手を取った。そのままくるりとひねるようにして背中側から抱きしめた。
これ以上顔や姿を見ていてはたまらない気持ちになりそうだったからだ。・・・正直、見ていたいのだが・・・

抱きしめられて戸惑うマント越しの体は見た目より細く、小刻みに震えているのも手伝ってとても頼りなく感じる。
(無理もないか・・・つい数日前は死にかけてたんだからな・・・)
「・・・もういいんだ。形あるモノはいつかは壊れる。作る者は常にそういう覚悟はできているさ。」
「Gオン・・・」
「それより・・・大丈夫か?無理したんじゃないか?」
「いや。おれさまは・・・そんな・・・」
「震えてるぞ。」
「雪のせいだ。」
「・・・こんな薄いの一枚しか着ていないからだろう。行き倒れていた時といい、もっと考えたらどうかね。」
「なんだと?!おれさまが何を着ようが大きなお世話だ。」
「何か言われるとすぐ逆らいたくなるのか。・・・子供かキミは。」
GオンはZロリの前に回した手で、胸のあたりをなでた。薄布一枚下に、小さな二つの突起がはっきりと触れる。
びくっと動く体をぎゅっと抱いて、ささやいた。
「寒いな・・・でもこうしていると少し暖かいだろう?」
Zロリはこくこくとうなずいている。乳首に触れられた瞬間、体は反応したが、されたことの意味はわかっていない様子だ。

552 名前:3(オワリ):04/09/07 21:29 ID:YBgYlCgJ
(体はこんなに敏感なのに、自分が相手をどんなに刺激しているかってことには驚くほど鈍感なのだな。)
もう一度後ろからきつくきつく抱きしめた。自分の胸とZロリの背中を、マント一枚が隔てている。
(私の動悸は彼の背中に伝わっていないのかな・・・。)
Gオンはそんなことを考えていた。
「うう・・・・まだまだ・・・だなあ・・・チャブイ・・・チャブイ・・・」
なかなか震えが止まらないZロリはぶつぶつと独り言を言い出した。
「暖めてやろうか・・・」
と、Gオンが言いかけるより早く、Zロリは声を張った。
「そうだ!!おしくらまんじゅうしようぜ!!」
「な、なに?おい、ちょっと待て!!二人で??・・・わっ!!」
いきなりすごい勢いでガンガンぶつかってくるZロリにGオンは倒れそうになりながらなんとか持ちこたえた。
「お、おのれZロリ〜〜〜!!今のは不意打ちだろう!卑怯じゃないか!!」
「おれさまは卑怯が大好きなのだぁっっ!!・・・・・・ニッヒヒ!!」
すばやく逃げるZロリ。思わず追いかけてしまうGオン。
二人はIシシとNシシに呼ばれるまで、そこで走りまわっていた。

すっかり体がぽかぽかになって満足気なZロリを見ながらGオンは思っていた。

(ううっ・・・せっかく二人きりだったのに・・・ム・・・ムードが・・・・・・なんでこうなるんだ!!・・・残酷なほど無邪気だな、キミは・・・!!)

553 名前:風と木の名無しさん:04/09/07 21:32 ID:YBgYlCgJ
 ____________
 | __________  |
 | |          | |           おそまつさまでした
 | | □ STOP.   | |
 | |          | |           ∧_∧
 | |          | |     ピッ   (・∀・ )
 | |          | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
コレ難しい・・・禿げしくズレてしまいます(恥)

554 名前:風と木の名無しさん:04/09/07 22:11 ID:yMmexUcl
ムチムチキツネとキザなオオカミキタ―――(゚∀゚*)―――― !!
先生エロカワエエ・・・GJ!GJ姐さん!


555 名前:風と木の名無しさん:04/09/07 23:22 ID:1hMtdm24
>526
キラ×月キタァァァ(゚∀゚)ァ( ゚∀)ァ( ゚)ァ( )ァ(` )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ
こっそり好きなカプなだけに嬉しいですよ(*゚Д゚)ポルァ!
また気が向いたら是非とも…_| ̄|○ノ

556 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 12:38 ID:nZR1QjTH
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  ややタイムリーな獣動打芝×乃邑モナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ×ってか&かもな 。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ キャラご本尊と違いすぎてスマソ。
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

557 名前:1/4:04/09/08 12:39 ID:nZR1QjTH
─いつになったら、あなたを追い越せるのだろう─

憧れだった。目標だった。
初めて戦った高3の夏からずっと。
多少なりとも強いと自惚れていた、そんな自分のプライドをズタズタにした彼。
だが不思議と屈辱感はなかった、身体の内から湧き上がるような興奮だけを感じた。

─こんなに強い人がいたのか─

「ただ」獣動を続けていた自分にとって初めてできた明確な目標、彼を追い越したい─。
高校を卒業したら獣動をやめようと思っていた、けれど大学で腕を磨いた。
彼がオリンピックで優勝したから自分の最大の目標もオリンピックでの禁メダルになった。
10キロ近い地獄の減量をしてでも60キロ級に拘った。
自分が獣動を続けている理由、それは全て彼という存在があるから。

でもどんなに自分で力をつけたと思っていても、どれだけ練習をしても
彼は自分が先に行く事を許してはくれない。
試合中、左膝に大怪我を負っても立ち向かってくるその気力に、
試合には勝ったのにかなわないと感じさせられた。
コンディションの持っていき方、練習での集中力、纏うオーラ、
全てが自分の何歩も前を行っていた。
後ろを歩く事さえさせてくれない時期もあった、
オリンピック連覇後2年間、彼は獣動界から忽然と消えてしまったから。
周りの関係者は一様に「幸運だ」と囁きあう、でも自分は・・・ただ喪失感を感じただけ。
「彼を倒して」オリンピックで禁を取らなければ意味がないのだ。
だから彼が戻ってきた時は本当に嬉しかった、本調子でないとは分かっていたが1本勝ちを収めたことも結果として素直に喜んだ。
これでやっと彼と同じ土俵に立てた─。

558 名前:2/4:04/09/08 12:40 ID:nZR1QjTH
だが、そんな精神とは裏腹に身体はもう限界を訴えていた。
60キロ級で戦うための過酷な減量、試合中ですら眩暈がおき意識が飛ぶ。
そしてセ界選手権枠を決める全似本体銃別選手権、
彼との試合を間近に控えながら計量オーバーで失格した。

失意のどん底に沈んだ、銃動をやめようと思った。
周りは階級上げを勧めるが自分にとってそれはありえない選択だった、
最初に決めた目標を果たす、それだけの為にここまでやってきたのだから。
だけど恩師が、彼が自分に言うのだ、「お前はまだやれる」と。
弱さをさらけ出していた自分はその言葉を信じてみたくなったのかもしれない。

66キロ級に転向してからは勝ち続けた。
何故もっと早く階級を上げなかったのかと聞かれることも多くなった、

─うるさい、俺はもう死んだんだ、彼を倒すことができない銃動人生なんて
自分にとって何の価値もない、「ただ」銃動をしていた高校の時と一緒だ─

オリンピック出場も決めた、彼も祝福の言葉をかけにくる。
「おめでとう」

─何故そんな言葉を、そんな言葉はいらない、
あなたは誰よりもよく知っているだろう、俺がどれだけあなたを倒すことを望んでいたか、
あなたを目標としていたか、あなたに執着していたか─

559 名前:3/4:04/09/08 12:42 ID:nZR1QjTH
そしてア〒ネオリンピック。
自分のいない60キロ級で3連覇を果たす彼がそこにいた。
周りはみんなが祝福の言葉を送っている、けれど。

─先輩、あなたはまた俺を置いていくんですか─

どうしようもない焦燥感に襲われる。
もう彼を追い越したと自分を納得させるには禁メダル取るしかない、それも完璧な勝ち方で。
彼に禁メダルを見せようかと言われたが自分で取るからいいと拒否した、
そのメダルを彼は持っているのに自分はまだ持っていないなんて、
自分がいつまでも彼の後塵をいく存在だと思い知らされいるみたいで嫌だった。
「そっか」
一瞬悲しそうな顔を彼はしたけれどすぐ笑ってこう言った、
「俺は天才やからすぐ取れるけどお前は大変やぞ」
─いつもの冗談。

560 名前:4/4:04/09/08 12:43 ID:nZR1QjTH
相手を気迫で押し倒した、そして審判の手が上にあがる。
「一本!」
知らず知らずの内に笑顔がこぼれる。
これで彼を越せたと思った、目標を達成したと。
畳を一礼して去る、しばらく進んでふと目線をあげるとそこに──彼がいた。
「おめでとう」
そう言うなり彼は自分を笑顔で抱きしめた。
あの時と一緒の言葉──その時初めて気付く。

─ああ、越す越さないの問題じゃない、
俺はただ俺という存在をあなたに認めてもらいたかっただけなんだ─

こんな単純な思いを勝負に対する拘りに置き換えて、バカみたいだ。
彼はずっと待っていてくれたのだ、自分が隣に並んで共に歩むのを。
『ライバル』以上の『仲間』になることを。
抱きしめてくる腕の、身体の温もり、たまらなくなり彼を抱きしめ返して呟く。
「先輩・・・ありがと」
そのまま2人顔を見合わせて思いっきり笑った。

561 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 12:44 ID:nZR1QjTH
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                   |  終わりだモナ、打芝は乃邑先輩にこだわりすぎだモナ 。
                   |  
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  でもやっぱキャラ違くねーか。
 | |                | |            \
 | | □ STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) ホンニンはテンネンだゴルァ
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

562 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 13:07 ID:lwaHAOW5
>>556
打ち乃武キタ━━(゚∀゚)━━!!
姐さん、GJ!
この2人大好きだから嬉しいっす!
ものすごく萌えさせていただきますた!

563 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 13:35 ID:OewbbSpP
打ち乃無キター!!!!!!!
激しく(;´Д`)ハァハァさせてもらいますた。

564 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 16:11 ID:VcRMSfzR
萌えぇええ。
姐さんGJ!
いかん。自分の中で、オ/リ/ン/ピ/ッ/ク熱が全く冷めない
……幸せw

565 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 18:37 ID:Bg/Esu8T
打ち乃無!
姐さんありがとう萌えました最高こいつら愛してますハァハァ
ほんと幸せw

566 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 19:05 ID:HfggahgB
姐さんゴチー!
いいな…やっぱいいなぁこの二人!

567 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 20:22 ID:FTTBNFPT
>>477-481
夏の間は投下数が多くてスレ読む気になれなかったけど
久々に来てみたら口マ佐賀神キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
待ってました&これからもお待ちしてます。

568 名前:549:04/09/08 21:57 ID:e6ObLd1n
新参者です。ここまでROMさせていただきました。
ホント姐さま方、ごちそうさまです!!
なんでもアリかと思いきや、レベル高い高い!!
・・・アホが一人混ざってると思って下さいヨロシク。

569 名前:風と木の名無しさん:04/09/08 22:42 ID:IGXm5xA/
>568=549
大丈夫、萌えたから!
実はアニメ見てないけど、萌えたから!
久しぶりにゾロリシリーズ読みたくなったから!
あと、スタートとストップのAAは>>4のをコピペするといいですよ。

570 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 00:00 ID:ElsbFdy4
>>549
ゾロリとは不意打ちでしたが見事に
萌え上がりました姐さん!GJです!

571 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 14:59 ID:f5FzdMeA
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  放送中の(嗚呼)がつく探偵ドラマ・刑事の部下×先輩モナ
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  痴漢の回の話だぞ。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ イナカジャホウソウガイッシュウカンオクレルンダ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

スイマセン、真夜中に萌えあがり即効で書いた代物です。
ラストシーンの続きを妄想しまくりました。
流れを豚切ってスマソ…

572 名前:4/1 部下視点。:04/09/09 15:00 ID:f5FzdMeA


「ったく、あのヘボ探偵が!!調子に乗りやがって」
俺の前を歩く彼はまだアイツのことが気になるのか、ブツブツ呟いている。
それは、いつもの風景といえばそうなのだが俺はそれがとても面白くなかった。

アイツを調子付かせているのは、結局のところ
彼がアイツの才能を認め恩義を少しながらも感じているという事実だ。
俺だって、彼の無実を晴らすために自分なりに努力したつもりなのに、
彼の頭の中は、アイツの事で一杯らしい。

俺のことも見てくれてんのかな?

はぁ、と自分でも驚くくらいに大きなため息が漏れる。
重くなった気持ちと体。
自分の前を歩く彼に、癒してもらえそうにはない。

(今夜もマッサージに行こうかな?)
疲れたときはそれに限る。
そんな事を思っていたら、突然「ドン」と胸に何かがぶつかる。



573 名前:4/2 部下視点。:04/09/09 15:01 ID:f5FzdMeA



「あ、マツモトさ…」
「・・・ってぇ・・・お前ちゃんと前見て歩けよ」
「スイマセン」

いつの間に彼は歩みを止めていたのか、彼の顔がすぐ近くにあった。
俺よりも身長の低い彼は、俺が彼に気づかずぶつかったせいでしたたかに顔を打ち付けたらしい。
まったく、といった風に俺を攻める視線が上目遣いで、不謹慎な思いを抱いてしまう。

「まぁ、いいや。なぁソネ」
「はい」
「今回は、本当にすまなかったな…」
「先輩」

予想だにしなかった台詞に、思わず声が上ずる。

「相棒のお前にも、何も言わずに」
「それは、仕方のないことっすよ」

彼がどうやってあの事件の発端をつかんだのかは、よく知らない。
しかし同期の仲間を疑うことになってしまった彼の気持ちはきっとつらかったに違いない。

「でも、俺が何も言わなかった所為でお前にも迷惑かけちまった」
「あれは、俺が勝手にやったことっす」

彼を信じていたから、痴漢など卑劣な行為をするような人間ではないと
知っていたからこそ出来た事だ。
現に彼は無実だったではないか。


574 名前:4/3 部下視点。:04/09/09 15:01 ID:f5FzdMeA


「自分のほうこそ、スミマセンデシタ」
「ソ、ソネ?」
「自分がまだ刑事として未熟だったから、先輩に頼りにしてもらえなくて
だから先輩に単独行動とらせてしまったんっす」
「・・・・・・」
「自分、もっともっと頑張ります。本当の相棒になれるように」

それは本心だ。
少しでも彼のそばに立っていたいと。
周りからは、相棒と呼ばれはするがまだまだだ。
彼が本当に自分を必要としなければ、相棒なんて言葉は無意味に等しい。

「ソネ」
「はい」
「ありがとうな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ふわっと、始めてみる優しい微笑だった。
しかもその笑みは誰でもない、俺に向けられたモノで。
俺はそのまま体を硬直させてしまった。
そして彼は、硬直してしまった俺に気づかずさらに嬉しい言葉を続けた。




575 名前:4/4 部下視点。:04/09/09 15:02 ID:f5FzdMeA


「なぁ、これから家にくるか?」
「へ?」
「いや謹慎言い渡されてから、何日分か飯の材料買いだめしたんだが
また明日からまともに家にも帰れそうにないからな、その俺が作った飯だけど
食っていかないか?」
「・・・・・・・・・」
「おい、ソネ?」
「っ、あ、は、はいっ喜んで」

思わぬ幸運に、その誘いの言葉を理解するまで時間がかかってしまった。
お陰で声まで裏返ってしまう。
さっきまで、面白くないと不貞腐れていた俺の気持ちはあっという間に
晴れ上がり、マッサージの事も忘れヘラヘラ笑いながら軽くなった体を
弾ませながら、夜の歩道を彼の家へと向けて歩き出した。

そんな俺の様子を見て彼は、「変な奴だな」
とまた笑って、今度は俺の隣を歩き始めたのだった。




576 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 15:03 ID:f5FzdMeA



                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  お終いだモナ。夢見すぎだモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  ってか、×は必要だったのか?
 | |                | |            \  
 | | |>STOP.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  カクジツニサギダゾ…
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



577 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 19:30 ID:3Qz5GDY3
俺の名前はキャバクラ幕府。

 俺はそれとなく夏の物質オフの後、ムッシュを二次会に誘った。
 バーで俺は芋ロックを、ムッシュはジンライムを注文した。
「キャバさん、今日のオフは凄かったですよね」
 ムッシュは俺を見上げながら、そう言った。
 俺は
「そうだな。バタ犬は普段はオタクっぽいのに、結構話してみると想像と違ってマジメな奴だったなぁ」
「米山も、時々荒らしやってるからどんな奴かとビクビクしましたけど、明るい人で良かったです」
「あははは、オフってのは普段の文字だけの会話じゃ結果が分からんもんだなぁ...」
「そうですね...」

 そのようなことをしているうちに、ムッシュは酔いが回って来たのだろう...。
 目がうつろになってきた。
「キャバさん、なんか俺眠いっす...」
 俺はそう言ってテーブルに突っ伏したムッシュの頭を優しく撫でてやった。

 そのままぼーっとしていると、バーのマスターが俺達に言った。
「大変失礼ですが、ぼちぼちもう店締めなきゃいけないんで...」
 時計を見ると、もう夜の2時をずっと過ぎていた。
 店にずっと4時間ぐらい居た事になる。
「ああ、これは悪い悪い...おい、ムッシュ!起きろ!起きろ!!」
「う〜ん...むにゃむにゃ...」
 俺が揺さぶってもムッシュは起きそうにない。
 仕方なく俺がムッシュの分も勘定を払うと、ムッシュを抱き上げ、バーを出た。

 つい少しだけ雑談をするつもりが、長話になってしまった。
 2chに慣れると、ずるずるとやってしまって、時間の管理が苦手になってしまう。
 とっくに終電もない時間だ。
 ムッシュは俺のアパートに泊めてやるしかない。
 俺はタクシーを拾うと、アパートへと戻った。

578 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 19:31 ID:3Qz5GDY3
部屋に戻ると、ムッシュをベッドに転がして、俺もその横に座った。
 アルコールが回って赤みの増したムッシュの頬は、いつもにも増して可愛いと思った。
 俺はつい魔が差して、ムッシュの首筋に手を触れた。
「ん〜...こ、ここは...」
 俺は慌てて手を引っ込めたが、後の祭りであった。
「ん、悪いな、起こしてしまって、終電もない時間だから俺のアパートに連れて来たよ。今夜はここに泊まりな。汚ねぇ部屋だがな」
「キャバさん...ここまで俺を連れて来てくれて...そんな...悪いっすよ...今からタクシーでも呼んで帰りますから...」
「いやいや、気にするなって」
「どうもすみません...では、今日はお言葉に甘えて...」

 俺はムッシュを横から眺めていたが、だんだんと心の奥底からムラムラとした気分が漂ってきた。
 まるで少年のような瞳、そして丁度子犬のような髪の毛、そしてシャツの間から鎖骨がチラチラと覗いていた。
 俺はムラムラとムッシュの白いシャツに手をかけた...。
「きゃ、キャバさん...」
 俺は驚くムッシュを無視すると、ムッシュのシャツのボタンを残らず外し、シャツを脱がせた。
「な・・・なにを、する・・・の・・・で・・・」
 俺は無言でムッシュのズボンをはぎ取り、ムッシュを下着だけの姿にすると、おもむろにムッシュのランニングの中に手を入れて、背中を指先で撫でた。
「キャバさん。僕はそんなことされたら恥ずかしいっす...」
 俺の指は、ムッシュの背中をどんどんと下に降りて行った。
「はっ、そっ、そこはダメっ、や・・・め・・・」
 でも、もはやムッシュは俺に抵抗しようとはしなかった。
 俺は恥ずかしがりながら悶え続けるムッシュを犯し続けた。

579 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 19:37 ID:3Qz5GDY3
 俺はムッシュのランニングとパンツを脱がせると、生まれたばかりの姿にした。
 俺は自分のズボンとパンツも脱ぎ捨てると、俺の硬直したモノをムッシュの恥部へと突っ込んだのだった。
「はうっ!あっ、ああっ、はぁっはうっ!」
 ムッシュはジタバタとベッドの上を転がり始めた。
「ムッシュ、どうしたんだ?そんなにバタバタしたって、お前のアヌスは正直に今の気持ちを白状してるぞ」
 俺がモノを出し入れする度に、ムッシュのアヌスはクチュクチュと淫乱な音を立てた。
「はっ!キャバさんっ!恥ずかしいけど、なんか凄くいい気持ちです...キャバさんが、僕の中に...」
 俺のペニスもまた、ムッシュのアヌスに締め付けられ、絶頂を迎えようとしていた。

 ビュクっ!ビュクっ!ビュクっ!
「キャッ、キャバさんの物が、僕の中に...入って行く...すごく...あたたかい...」
 俺はムッシュの中に熱いものを注ぎ込むと、ゆっくりとアヌスからモノを抜き取った。
 ムッシュの中に入りきれなかった俺の白濁液がアヌスの縁に滴り落ち、そして俺のベッドの上にも落ちて行った...。

 俺がムッシュと特別な関係になったのは、この日からだった...。


=================================

長々と失礼しました。
これは初心者の質問板の「ものすごい勢いで質問に答えるスレ」(略して物質/ものしつ)に
たまーに登場するコピペです。登場人物は実際にコテハンとして実在してます。
著者はグランドクロスというコテハン(男)が書いたものだそうですが、なんでこの人がこういう話を
書いたのか、そしてなんでホモ話なのかは謎です。

580 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 19:55 ID:Azz/yLMh

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
           O 。
                            | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                            | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       ウカーリケシワスレテイネムリ..        | | [][] PAUSE
                ∧_∧         | |
          ┌┬―( ・∀・;)┐ ピッ    | |
          | |,,  (    つ◇      | |
          | ||―(_ ┐┐―||       |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |
          | ||   (__)_), ||       |  °°   ∞   ≡ ≡   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


581 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 19:56 ID:fgrmRwHS
それはいいとして>>4とかのテンプレ使ってホスィ…

582 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 19:57 ID:fgrmRwHS
って途中送信しちゃったよ…orz
まちがえても、あやまらない

583 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 21:58 ID:0Y+087aD
どなたか、牟ロ不死X工製を書いていただける神はいらっさいませんか?

584 名前:風と木の名無しさん:04/09/09 23:30 ID:xqR48ZKl
>571-576
萌え過ぎて 卒 倒 す る か と …!
部下も先輩もステキだー。
そりゃ先輩の家に呼ばれればマッサージも忘れますよw
超GJです姐(兄)さん!(*´∀`)ウフフ

585 名前:風と木の名無しさん:04/09/10 00:31 ID:i8W9dZZK
>>552
亀レスですが、姐さん乙。
Gオン博士、相変わらず一人相撲・・・。

586 名前:463:04/09/10 19:37:28 ID:2cWjtU1N

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | >>463-470>>484-490続きモナ。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 大層。登美(←那賀野)×貸間&※田
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧  長すぎるぞゴルァ!
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

※やっぱり舞台はイ/ン/タ/ー/ハ/イです。
 途中出てくるエピソードは、架空の創作です。_| ̄|○

※他ジャンルの姐さん方、ほんまスレ汚しですんません。


587 名前:463:04/09/10 19:43:32 ID:2cWjtU1N

  ※3※

「タ/ケ?」
 登美多の声から、一瞬遅れて、貸間の顔に笑顔が戻る。
「あぁ、……ごめん。えーと、」
 貸間の視線の先には、床の上にあぐらを組んで座り込む那賀野がいる。
「あぁ、こいつは、後輩の……」
「那賀野です!」登美多の言葉を遮り、那賀野は勢いよく立ち上がった。
「楽難高校1年の、那賀野代介です。ハジメマシテ、貸間さん」
 言い終わるなり、那賀野は、ばっと手を差し出す。貸間の目が、ちらりと那賀野の肩を見た。
那賀野の上腕筋は、一年とは思えないほど見事に発達している。貸間の顔に、
一瞬、羨望の混じった複雑な表情が浮かぶ。
「那賀野、くん……あぁ、そっか」
 差し出された手を握り返しながら、貸間はぎこちなく微笑んだ。周りから見れば
、いつも通りの微笑みに見えるかもしれないが、笑顔に混じる微妙な硬さを、登美多ははっきりと感じた。
「……仲、ええんやな」
 静かすぎる声が、登美多の身体を凍てつかせた。背中を冷たい汗が流れ落ちていく。
 那賀野は機嫌良く、「そりゃそうですよ」と合いの手を打っている。
那賀野には、貸間の微妙な変化が分からないようだった。
「タ/ケ、」
何か言わなければ。そう思って口を開いた時、遠くで貸間を呼ぶ声がした。
貸間と同じシャツを着た選手が数人、大きく手を振っている。
演技を終えたまま帰ってこないエースに、聖風メンバーが痺れを切らせたようだった。




588 名前:463:04/09/10 19:44:46 ID:2cWjtU1N
 考えてみれば、競技中に他校の選手……いくら幼なじみとは言え、
最大のライバルと目されている選手と長く話しているのは、誰から見てもおかしい。
 貸間はチームメイトに軽く手を挙げて応え、再び登美多へ顔を向けた。
振り向いた貸間の目には、もう、先刻見せた感情の色は残っていない。
 さっきのは何だったんだ? 登美多は自分の肩に触れた。
まだ、そこだけが冷たく疼いているように感じる。貸間の手が触れた、そこだけ。 
「さっきの事、考えといてな」貸間が小さく呟いた。
「あ、ぁあ……」
 さっきの事――大学の件か。と、頭の中で繋がるよりも先に、貸間はきびすを返してチームの元へ走っていく。
 去っていく背中の向こうには、今や遅しと手を広げて待っている聖風メンバーがいる。
貸間はダイビングするように、仲間達の中へ飛び込んだ。登美多の位置からでも、
頭を小突かれたり、肩を叩かれている貸間の表情がよく見えた。
仲間達に囲まれ、嬉しそうに屈託無く笑う貸間が。
(……タ/ケが、こっちを振り向きますように)
 幼い頃に、何度も心の中で繰り返した言葉だった。ひとりで練習している時、
大勢の友達に囲まれている貸間を眺めてそう願うと、必ず振り返ってくれた。
「ヒ/ロ、こっちおいでぇや」貸間の笑顔と手招きを受け、一目散に駆け出す……。
 登美多は息を吐き、視線を外した。いくら祈っても貸間は振り返らない。当たり前か、とつぶやいてみる。
一度は叶った願いを捨て、別の道を選んだのは、自分の方だったのだから。

「登美多! 次の種/目が始まるぞ。思う存分やってこい」
 コーチの声に登美多はゆっくり頷き、貸間に背を向けた。


589 名前:463:04/09/10 19:46:06 ID:2cWjtU1N

  ※

 不意に、呼ばれた気がして振り返った。
しかし、視線の先に登美多はいない。探すと、通路を歩いて鉄/棒へ向かう後ろ姿を見つけた。
……呼ばれるわけ、ないか。
 貸間は、全体重をベンチに預けた。目を閉じると、登美多が那賀野に向けた笑顔が、鮮明に蘇ってくる。
ピリピリと、神経が逆なでされるような痛みが走った。
 思い上がっていた。心のどこかで、登美多には、自分がいないと駄目だと思っていた。
それなのに……、自分以外の者にも、あんな表情を見せるのか。
 いきなり突きつけられた現実だった。ひどい寒さを感じ、貸間は自分の肩をきつく抱いた。
 鉄/棒の下に立つ登美多を見つめる。両腕を上げ、鉄/棒に飛びつき、
そのまま力強くスイングする。そして、大車輪。離/れ技は……伸/身のト/カ/チェフ。
一瞬、天井の照明と登美多が同化したように思えた。会場内が大きくどよめく。
 登美多の演技は、誰の目で見ても、高校生の域を脱していた。
……置いて行かれるかもしれない。
 ふと、頭にそんな考えが過ぎった。掴んでいた肩に、爪がきつく食い込む。
あれが本当に、自分の背中を焦がれるような瞳で見つめていた少年なのだろうか?
はじめに心を求めてきたのは登美多の方だった。それなのに。
……ずるいよ。貸間は手で顔を覆った。自分の心の一角を占拠しておきながら、
手に入れたら離れていくのか? また今度も離れていくのか?
「ターケちゃん、なぁに、思いつめた顔してんの」
 突然、真上から声が降って来、貸間は驚いて顔を上げた。
「※田さん!」
 観客席の一番下、髪を茶色く染めた※田が、手すりから身を乗り出すようにして、
こちらを覗いている。
他の部員達も、いきなり現れたカリスマOBに慌てふためいている。

590 名前:463:04/09/10 19:47:08 ID:2cWjtU1N
 ※田が、口の端に笑みを浮かべた。
「ふぅん。ヒ/ロユキの奴、えらい力つけて来てるやん」
「……そうですね」
 ※田を見ず、貸間は答えた。そんなことは、誰よりも一番よく分かっていた。
「うーん、このままいくとぉ、優勝はヒ/ロユキかなぁ」
「そう……かも、しれませんね」
「最有力対抗馬のタ/ケちゃんは、腕が弱いしさぁ」
「……」
「今、ちょっとムカついたでしょ?」
「……さすがに」
 頭の上から、くっくっと楽しそうな笑い声が聞こえてきた。貸間は目に力を込めて頭上を睨み、……そのまま固まる。
 ※田は微塵も笑っていなかった。真剣な眼差しで、貸間を見据えてくる。
「※田さ……」
 一瞬、※田の目の中に、ひどく寂しげな光を見たような気がした。
「君らな、やっぱり、一緒にいた方がええわ。大層は孤独な競技やから、
常に切磋琢磨できる相手が近くにいる方がええねん。自分を律せるし……」
※田は小さく息を吐き、続ける。「オレみたいにならんですむ」
 貸間は、※田の茶色く染められた髪を見つめた。
 最近耳に入ってくる※田の噂は、決して良いものではなかった。
他人が、どれだけ望んでも手に入れられない素質を持ちながら、彼にはどんな苦悩があるというのだろう。
「※田さん」
「お前らとやったら、オレも本気になれるかもしれん」※田は大きく伸びをして、少し微笑んだ。
「そしたら、獲れるかもしれないなぁ。……」
 最後の言葉は声に出さず、※田は口だけを動かした。貸間は打たれたように、その場に立ちつくす。
 ※田は立ち上がり、胸に差していたサングラスを取りだした。
貸間は呼び止めようと思ったが、上手く言葉が出てこなかった。

591 名前:463:04/09/10 19:48:26 ID:2cWjtU1N
 ※

 試合が終わった。結果は優勝。隣で那賀野が、「やっぱ、先輩はスゴイっすねえ」と、ぴょんぴょん跳ねている。
「登美多、ちょっと」
 コーチの手招きに、登美多はスポーツバッグを肩に掛けて立ち上がった。
「何ですか?」
「うん、あのな」コーチは、少し周りを気にしながら続ける。
「殉大のスカウトがな、お前に会いたいって言ってるらしいわ。
今、殉大の※田選手が伝えてきた。……お前、※田選手とは顔見知りなんやろ?」
 無言で頷く。決断の時が迫っていた。コーチは登美多の肩に手を置き、「望む道を行け」と微笑んだ。

 コーチから伝えられた通り、待ち合わせ場所……裏出口へ行くと、よく知った後ろ姿があった。
 柱に背を預け、たった独りで立っている。
「タ/ケ」
 口の中で呟いたはずなのに、貸間は当然のように振り返る。
「優勝、おめでとう」
 澄んだ水面のような微笑みだった。
「……うん」
「これで、高校生活最後の大舞台が終わったなぁ」
 貸間が目を細め、空を眺めた。隣に立ち、同じように眺める。空は赤く染まり、陽は没しようとしていた。
 その時、隣で貸間がいきなり吹き出した。目を丸める登美多に構わず、身体をふたつに折って笑っている。
「ヒ、ヒ/ロ……僕ら、※田さんに騙されてるわ」
「……えっ?」一瞬、間が空いた。
そう言えば、いつまで経っても殉大の人が来る気配は無い。舌を出す※田の顔が、脳裏に浮かんだ。
顔に血が上ってくる。
「……ヒ/ロ」
 名前を呼ばれ、振り向く。貸間はもう笑っていなかった。真っ直ぐな視線が、登美多の目を貫く。
「もう一度、一緒に大層、せぇへんか?」
 声が出せなかった。登美多の口から出たのはヒュウという、空しい呼吸音だけだった。貸間は構わず続ける。
「僕は、ヒロとやったら、金メダル獲れると思ってる。……※田さんも同じ考えや」

592 名前:463:04/09/10 19:50:04 ID:2cWjtU1N
 金メダル。どくん、と熱い衝撃が胸を貫いた。
 その言葉はまるで、生まれて初めて聞いた単語のように、身体の芯へと響いた。
「一緒に、行こう」
 貸間の手が差し伸べられる。そこにある掌は、いくつもマメを潰してきた、間違いなく大層選手の掌だった。
 熱い塊がのどの奥へ込み上げてくる。登美多は、これとよく似た手を知っていた。
爪が食い込むまで、ぐっと拳を握りしめる。そうしないと、熱が嗚咽として漏れてしまいそうだった。
 よく似た手。それは、毎日飽きるほど眺めてきた、自分自身の掌だった。
 自分から、手を離してしまったと思っていた。違う道を選んだと思っていた。
 しかし違う。繋がっていた。そう、ずっと繋がっていたのだ。この三年間、ずっと。
「……一緒に、どこへ……?」ようやく絞り出した声は、かすれていた。
……どこへ? そんなこと、訊くまでもなかった。
 鼓動が一気に早くなる。登美多はすがるように、顔を上げた。
 貸間の顔は、夕陽の逆光でよく見えない。高度を下げた太陽が目を灼く。鮮烈な光を放つ夕陽。だが……、
 思わず、目を見張った。赤い夕陽が、一瞬、昇りかける白い朝日に見えたのだ。
 朝日、それは再生と新生の証し。自分達の、そして日本大層界の。
 逆光の中で黒い影と化した貸間が、もう一度、手を差し伸べてくる。 
「一緒に、オ/リ/ン/ピ/ッ/クへ、行……」貸間が言葉を詰まらせた。
 何かに耐えるよう、少し天を仰ぐ。そして、続ける。
「一緒に、世界で、一番高い所へ登ろう」
 登美多の耳の奥で、少し鼻にかかった貸間の声が、何度も何度もこだまする。
 オ/リ/ン/ピ/ッ/ク。それは、世界最高の舞台。
 差し出された手に、登美多は、ためらいながら指を触れた。細かな振動が伝わってくる。貸間の手は震えていた。
 登美多は、小刻みに震える手を握りしめた。
 貸間が、一瞬、びくりと肩を震わせる。記憶よりも、少し大きく感じる手。
 きっと自分の手も、同じだけ大きくなっているのだろう。

593 名前:463:04/09/10 19:51:40 ID:2cWjtU1N

……熱い。 
 どこか遠くから、歓声が聞こえたような気がした。海のさざめきのように、徐々に大きくなっていく。
 凄まじい熱気の中、歓喜に震える絶叫が、勢いよく流れ込んできた。
『栄/光/へ/の/架/け/橋だぁっ……!』
 世界が反転し、光が弾けた。足の裏から伝わる、確かなマットの感触。
 訳も分からず、両の拳を突き上げていた。腹の底から沸き起こってくる歓びに、声にならない叫び声を上げる。
 途端に、白い輝きが、ざぁっと視界を覆う。あまりの眩しさに目を閉じた。
 真っ白な光の中で、貸間が微笑んでいる。額には、葉で作った冠が載っている。
 声は聞こえないが、繋いだ手の熱さから、喜びが直に伝わってきた。
 辺りを見回すと、大観衆の中、表彰台へ登っている自分がいる。
 側には、笑顔の※田や、顔をクシャクシャにした那賀野もいる。
 みんなの胸には、黄金に輝くメダルが下がっていた。自分の首にも、心地よい重さを感じる。
 ずしりと重い、金色のメダル。
 横にいる貸間が、笑顔で上を示した。
 見上げると、大歓声とフラッシュの嵐が続く中、高々と日の丸が昇っていく。
 ……一番高い位置に、日の丸が。


「……ヒ/ロ?」
 貸間の声に、はっと我に返る。白い光は散り、視界には、何の変哲もない体育館の風景が戻ってくる。
よろけた足に、スポーツバッグが当たった。すぐ目に前には、少し不安そうな貸間がいる。
一瞬、何かがフラッシュバックのように横切った。
「今のは……」

594 名前:463:04/09/10 19:53:03 ID:2cWjtU1N
 白昼夢? 途切れていく夢の記憶をたぐり寄せようとしたが、上手くいかない。覚えているのは、とても暖かい夢だったということと、側に※田が、那賀野が、そして貸間がいたということ。
 貸間が指を伸ばし、登美多の頬に触れた。親指の腹で、柔らかく頬を拭う。
「どしたん」
「……?」何のことか解らず、登美多は首を少し傾けた。
「涙」
 微笑みながら、貸間が指を開いて見せた。そこには透明な滴が光っている。
 登美多は一筋だけ流れた涙を手の甲で拭い、貸間に笑い返した。そして、空を見上げる。 
 太陽は最後の煌めきを雲間に残し、ビルの影へと身を落としていく。
 登美多は胸に手を当て、薄れていく暖かさに別れを告げた。
身体の奥深い部分に、微かな切なさを残して、白昼夢の記憶は消え去っていく。
……また、いつか。
 いつの日か、必ず会える光景だと知っていた。何故、と問われても解らない。ただ、確信は胸にあった。
 登美多は貸間に向き直った。
 貸間の突き出した拳に、自分の拳を合わせる。

「タ/ケ、一緒に行こう」

 訪れるべき未来のために。
 そう、世界で一番高い場所へ登るために。

                     <了>

595 名前:463:04/09/10 19:56:16 ID:2cWjtU1N
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ クソ長いっちゅーねん
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
色々すいませんでした_| ̄|○

596 名前:風と木の名無しさん:04/09/10 21:23:11 ID:DoCRsDLo
463姐さん乙でした!
じんわりしましたよ〜。やっぱりこの二人イイ!

597 名前:風と木の名無しさん:04/09/10 22:03:28 ID:AUnZd4Ny
463姐さん、とてもステキでした。

598 名前:風と木の名無しさん:04/09/10 22:29:21 ID:Te3KHK6w
>463
お待ちしてましたー!たっぷり萌えさせてもらいました。


599 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 00:01:21 ID:sB11PZb8
>>463
(・∀・)イイネ!!ずっと待ってたかいがありました
※なかなかやるな・・w

600 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 00:40:52 ID:CBZ/itmQ
                  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |コミックブンブン読んでなくても大丈夫?
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  もう、跡形もないくらい壊してるから。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
コミックブンブンのZロリが科学者と知り合いと知り、禿げしく妄想したSSです。
角煮に投下した13本の一つですが、さらに推敲してお土産に包んで参りました。
とてもアホなお話です。

601 名前:1:04/09/11 00:42:12 ID:CBZ/itmQ
夜の街を、マントをひるがえして駆ける姿があった。
怪傑Zロリ。そして、IシシとNシシ。一仕事終えて逃走中だ。

追ってくる者がいないのを確認して、路地裏で一休みした。
「せんせ、うまくいっただね」
「こんなの朝飯前だ。天才に不可能はない。見ろ。」
Zロリが取り出したのは・・・・一枚のズボンだった。
「これが新聞に載ってたKンロン博士の発明品だか〜。」
「速く走れるズボン。まさにいたずらの王者にふさわしい。いたずらの後は逃げ足の速さが肝心だからな。」
「すごいだあ!!今も速いのに、これ以上速くなったら、誰もせんせに追いつけないだよ。」
「力ないから押し倒される前にすばやく逃げないといけないしなぁ」
「なんか言ったか?!まあいい。早速はいてみるとするかあ!!」
ZロリはIシシ・Nシシが見とれているのも気にせずその場でナマ着替えを始めた。
お尻に開いた尻尾穴から、窮屈そうに顔を出した尻尾が ふぁさっ・・・と広がり、着替えは完了した。
「さすがせんせ!!カッコイイだ」
「ホレボレするほどよく似合うだ!!」
自慢の尻尾を一振りし、ビシィッ!!とポーズを決める。
「ふふ、それほどでも・・・あるぜ!!」

602 名前:2:04/09/11 00:43:19 ID:CBZ/itmQ
ふと気が付くとこのあたりはいかがわしい店が多い場所のようだった。
あちこちに刺激的なポスターが張ってある。
Zロリはなんだか視線を感じた。Iシシたちが、こっちをじっと見ている。
視線の先は・・・あきらかに変化しているズボンの前だった。
「んん、オホン。なんだか今日のミニZロリ元気がいいなあ。ハハハ・・・コラ!Nシシ、触るな。」
「照れなくていいだよ〜。お年頃なんだから。」
Zロリはちょっとソワソワし出した。
「どうしただせんせ?」
「ト、トイレだ。」

トイレからホっとした顔で出てきたら、まわりは明るくなりはじめていた。
営業を終えた店だろうか。ほとんど下着姿の美人が出てきた。
Zロリはまた体の変化を感じた

603 名前:3:04/09/11 00:44:49 ID:CBZ/itmQ
「ト、トイレ・・・」
「まただか?」
「なんかこう、腹ぐあいが・・・・・うん。」
「大丈夫だか〜?・・・せんせ。」

この場所は刺激的すぎると判断し、家路をいそいだ。
しばらく歩くと、ランニングする太モモピチピチ女学生の集団とすれちがった。

「う〜〜ん、輝く汗がいいだねえ。」
「でも視線は揺れる胸だな。」
ニコニコと見ているIシシとNシシ。
「せんせ、そういえばどのくらい速く走れる・・・・」
話しかけようとしてIシシはZロリがいないのに気付いた。
「あれ・・・・・・?」
数分後、息を弾ませたZロリが戻ってきた。

「せんせ、どこいってただか。」
「腹が痛くて・・・・・早く帰って休む。」
「それがいいだよ。今日はちょっとヘンだ。」

その後Zロリはセーラー服の集団を見てはいなくなり、転んだ幼女を見てはいなくなり、
その度に息が荒くなっていった。家路はいっこうに進まなかった。

604 名前:4:04/09/11 00:45:56 ID:CBZ/itmQ
夕暮れ時、前方から相撲部と思しき巨漢たちが走ってきた。
Zロリの顔色が明らかに変わった。Nシシたちが見た時はもうどこかへ姿を消していた。

物陰でZロリはまた息を弾ませていた。
「あれで・・・こうなるのか?!どうなってんだミニZロリ!!今日反応しすぎだろ!!
う・・・・・ううっ・・・・うぁ・・ッ・・・・・・・・・・・・・はァ・・・・はァ・・・・」

しょっちゅう消えては疲れてかえってくるZロリを双子は心配した。
「お医者に診てもらわなくていいだか?」
「医者は嫌いだ。休めば治る。急いで帰ろう!!」

家に着いた頃はすっかり暗くなっていた。徹夜仕事で疲れたのか、IシシとNシシは寝てしまった。
ふと見ると、Nシシの布団がズレておヘソが見えている。
「おなかを出して寝るとピーピーになるぞ。」
やさしく布団を直そうとした瞬間、それは訪れた。
(なに?!バカ!ミニZロリ!!Nシシだぞ。なに考えてるんだ!!)
「・・・・う・・・・うん・・・・・っっ・・・」
なぜだか、こういう時にめくるめく快感がZロリを包み込んでいく・・・・・
(まさか・・・おれさまって・・・かわいいお嫁さんをもらうと言いながら実はソッチだったのか?
いやいや、・・・お、落ち着け。鏡・・・・・・!!そうだ鏡を見て落ち着くんだ。)

605 名前:5:04/09/11 00:47:04 ID:CBZ/itmQ
鏡に姿を映すと、かえってさらに激しい快感の波が押し寄せ頭がクラクラしてきた。
(待て待て!!そりゃおれさまは確かに男前だ!!だからってこ、これは・・・・いくらなんでも・・・・ダ・・・ダメ・・だって・・・)
熱い部分に指が吸い寄せられ、まるで淫魔に操られている別の生き物のように動いた。
(い・・・・いや・・・・ダ・・・こ・・・・・こんなの・・・・・イヤ・・・・・ダ・・・・・・・っく・・・・・んぁ・・・っ・・・・ぁ・・・・)
得体の知れない何かが必死に抗うZロリを無理矢理高みへ押し上げていく・・・。
(・・・・・く・・・・ゥ・んッッ!!・・・・んぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

頭の中が真っ白になった心地よい放心状態の後、我にかえったZロリは、
すさまじい自己嫌悪に襲われ最低の気分になった。
「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・自分を・・・・・自分をオカズにしてしまった・・・・・」
すっかり意気消沈してしまったが・・・・・少し冷静にはなった。
おかしい!!絶対おかしいぞ!いくらおれさまがお年頃でも限度ってもんがあるだろう!!

606 名前:6:04/09/11 00:48:03 ID:CBZ/itmQ
でも考えがまとまらない。眠くてしかたがないのだ。
無理もなかった。今日はミニZロリの暴走で、何度も限界を超えているのだから。
寝る前にズボンを脱ごうとしたが、体の一部のようにフィットして脱げない。
特に不快でもなく、眠気に勝てなかったのでそのまま寝ることにした。
だが・・・・・休息することは許されなかった。

(どうなってんだ?!うっ、また・・・・・・・・・な・・なぜ・・・ダ・・・・う・・・・・あぁ・・・・・・くぅぅ・・・・・・)

その夜、何度も何度も訪れる溺れるような快感に眠りを妨げられた。
幾度も幾度も昇りつめては堕ちていく。触れなくてもあふれてしまう・・・もう、どうすることもできない。
体力も限界に近く身動きもままならない。何かに弄ばれているのか。
血の気が引くのを感じた。自分の体に何が起こっているのか、理解できない不安と恐怖。
だが、こんなこと、誰に相談できるというのだ。

(た・・・・・助け・・・て・・・・・・ママ・・・!!)

607 名前:7:04/09/11 00:49:02 ID:CBZ/itmQ
眠れない一夜を過ごしたZロリの所へ、IシシとNシシが朝のあいさつに来た。

「せんせ、おはようございます!!」
「んっ・・・ああ。」
「せんせどうしただ?肩で息して」「汗びっしょりだし なんだかやつれてるだよ」
「な・・・なんでもな・・・・・・・・・んくぅっ・・・・・・・」
「わっ!倒れた!!せんせ!!せんせ!!」「大変だ!ケイレンしてるだよ!!」
「どうするだ??」「・・・・やっぱ、あそこしかないだな。」

どうしたらいいか困った二人はZロリをKンロン博士の所に運び込んだ。
博士はZロリのズボンを一目みてすべてを察するのだった。


ボンヤリした視界の隅にいたKンロン博士が近寄ってきた。
「起きたか。困ったヤツじゃな。試作品を勝手に持ち出しおって。まだ機能が暴走したり、
脱げなくなるというトラブルが起こっとる・・・・ところで、お前、コレと間違えたんじゃろ」
博士の手には、Zロリが穿いているのと微妙にちがうズボンがにぎられていた。
「・・・・ひょっとして、それ、速く走れるズボン?!じゃ、おれさまが穿いてる・・・こ、これは・・・?」
「それは・・・・・・・一定時間ごとに快感を起こし、写生を促すズボンじゃ!!」(科学者なのでズバリ言う。)
ソレを聞いてZロリは真っ赤になった。
「・・・・・・・なっ?!なんてモン作ってんだ このエロジジイ!!脱げないんならこんなもん破ってやる!!」
「黙れバカモノ!!それは研究のために優秀な頭脳やすぐれた技能の持ち主の精液を採取したり
不妊やEDの治療に使うもんじゃ!!破ったりしたら承知せんぞ!!」
「え〜〜〜〜〜!!!」

608 名前:ラスト:04/09/11 00:50:10 ID:CBZ/itmQ
「いたずらにはおしおきが必要じゃな。そのズボン、しばらく穿いておれ!!」
博士はこころなしかうれしそうに言った。
「・・・・・たのむ・・・・・もう・・・・勘弁してくれ・・・・」
半泣き状態のZロリ。博士はその震える体を愛しげになでて少し考えた。
そうじゃな〜〜。勘弁してくれ、じゃないのう。」
「・・・・・・・え?!」
「許して、お願い・・・・・と、こうじゃな。こう言ってみろ」
「なっ、なにィ?!」
「カワユ〜〜クな。そうじゃな・・・指を軽く噛んでな、こう、上目使いでな」
「んっ、んなコトできるかあっっ!!」
「ホレホレそう言ってるうちに、・・・またキタようじゃな。」
「あぁっ!!・・・・・ぅ・・・・うぅんっ・・・・ゆ・・・許し・・・・おっ・・・お願・・・ぃ・・・・・・・」
恍惚の表情をうかべるZロリに博士はすっかりご満悦だ。
「んん〜〜、すがるような潤んだ瞳がナカナカじゃの〜〜。ははは。」

609 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 00:53:26 ID:CBZ/itmQ
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ アホですな。
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
おそまつさまでした。

610 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 02:07:29 ID:/gLabqZa
GJ!!
Zロリぷりてー!!!


611 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 13:40:49 ID:UH4Gac+F
スレ違いですみません。
宛ね五倫ピックスレってどこ行っちゃったんですか。
どうか教えてください。ほんとすみません。

612 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 13:46:55 ID:YXxOOxDs
>>611
スポーシ検索して下さい。

613 名前:612:04/09/11 13:51:36 ID:YXxOOxDs
ごめんなさい意味不明かも
正しくは
>611
スポーシで検索して下さい。シでっせ。シ。

614 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 13:55:42 ID:ei7mpiiU
あんま簡単に教えちゃうのもどうかと・・・
しかもそれじゃ検索できないような

615 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 14:05:46 ID:UH4Gac+F
>>613
ありがとうございました。
無事見つかりました。
>>614
お騒がせして申し訳ありませんでした。
今度から気をつけます。

616 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 20:10:14 ID:77fgQ4qD
   |__[][][][]/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   | ̄ ̄ ̄|   板の案内、スレのお探し情報満載
   |[][][]_|  801板の案内・スレ立て相談所 2
   | ̄ ̄ ̄|  http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/801/1093796474/
   |[][][][] \______  __________________
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  |      |/
    |[][][][][][][]//||  |  ∧_∧
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ||  | ( ・∀・ ) CMノジカンデス
   |[][][][][][][][]_|| / (    つ
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    | | | 
                    (__)_)






617 名前:風と木の名無しさん:04/09/11 22:33:54 ID:fU5UOX/t
>>609
乙。
コンロン博士、いい味でてるなあ。

618 名前:風と木の名無しさん:04/09/12 23:40:36 ID:OfTySqn3
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  一 発 芸 だ よ モ ナ‥‥。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  楽しんでもらえるといいね。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
少女まんがスレ、主従スレにはネタレスが無いのでこちらへ。
「点上の合い 痴情の鯉」の世界に2ちゃんがあったら。

619 名前:風と木の名無しさん:04/09/12 23:42:20 ID:OfTySqn3
【メルク】元総長と司祭が密会!?【美形】
1 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 22:53
なんかサラエボで会ってたらしいです。
あのふたり付き合ってたの?

2 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 22:54
カドリールで華麗に2げっと

3 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 23:03
元総長はわかるけど司祭が誰だかわかんね('A`)

4 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 23:10
フェ…司祭でしょ。頬に傷のある。
あの人司祭やめたんだってね。今、消息不明らすい。
出世できそうだったのにもったいない。

5 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 23:31
司祭とつきあってたのはホ修練長だろ。
ホがあぼーんしたのは・・のせいって話はさすがにガセだと思うが。

620 名前:風と木の名無しさん:04/09/12 23:44:40 ID:OfTySqn3
6 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 23:37
>>5 それマジネタだよ >ホがあぼーんしたのは・・のせい
確か前にも行方不明になったことあるよね。そん時はバルカンにいたらしいけど。
はっ、もしかしてバルカンで元総長と同棲うあqwせdrftgyふじこlp;

7 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 23:39
私が聞いた話では、以前バルカンにいた時は
大怪我をしていたので誰かと同棲するような
余裕は無かった筈だ。

8 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 23:45
>私が (・∀・)ニヤニヤ えらい人ですか?
貴族は2ちゃんにパピコ禁止って勅令出たんじゃねーの?

9 :ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 23:52
漏れの親戚が宮廷勤めしててそいつに聞いた
けど最近宮廷付き司祭をやめたのは事実。で
もサラエヴォには行ってないよ。ずっとウィ
ーンにいて住み込みで働いてたってさ。

10:ウィーンの森の名無しさん :78/10/29 23:56

 ル ド ル フ 必 死 だ な (w

621 名前:風と木の名無しさん:04/09/12 23:46:20 ID:OfTySqn3
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ みじかいビデオだった
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


622 名前:風と木の名無しさん:04/09/13 00:49:58 ID:q2fAvqAs

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  最近のゲ仁ソ投下に便乗して。
 ____________  \         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  倫敦ブーシです。
 | |                | |            \
 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 一応金赤なヨカーン
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

623 名前:1:04/09/13 00:51:44 ID:q2fAvqAs
 もうずっと前。今から十年も前に、誓った言葉がひとつある。

 不機嫌を顔一杯に貼り付けてそっぽを向いた俺の周りを、さっきから窺うような
素振りで厚がうろうろとしている。
 今終わったばかりの収録で、その場の勢いで厚が俺の秘密を暴露してくれて、
それはそれは俺的には大変な事態になった。まぁ、よぉあるって言えばよぉある話。
職業柄、しゃーない事でもある。厚ばっかりが悪い訳でもない。
 そうは思っているものの、いやいややっぱりキッカケは厚やってんから、なんて
自分に言い聞かせて不機嫌を貫いてみる。
 俺が厚の優位に立てんのは、こんな時だけやから。
 ちらちらとこっちに視線を送っている厚が何を考えてんのか、大体は予想がつく。
声かけるかかけへんか

って迷ってるんやろう。いつもならどっちからともなく歩み寄って仲直りをする。
それが今日出来へんのは、ひとえに俺が拒んでるから。
 阿呆やなって自分でも分かってる。
 こんなやり方で、厚の気持ちを確認するみたいな真似して、ホンマに格好悪い。
 分かってるけどやめられへんのは、多分自信がないんやろう。
 ずっと前に誓った言葉。守れているとは思えない。
 イラっとしかけて、無意識に手が煙草を探した。数分前に吸ったのが最後の一本やったと
気付いて、舌打ちする。
 上手い事いかへん時なんて、連鎖するもんや。かの井ノ樹先生も言うてはったっけ……。
 ぼんやりとそんな事を考えていたら、背中にぽふっと重みが乗った。
「……厚?」
「…………」
 返事はなくて、首を捻ると厚の茶色い髪が俺の右肩に乗っているのだけが見えた。
額を肩に置いて、厚は何も言わずに、抱きつくでもなくそうしている。
 あぁ、やっぱり俺は阿呆やな。
 自虐でもなくそう思った。


624 名前:2:04/09/13 00:54:55 ID:q2fAvqAs
 普段冷徹なキャラで売ってるけど、厚は結構小心者で、今かって俺と喋られへんのが
気まずくて、でもやっぱり声をかける勇気はなかったんやろう。
 あぁ、俺はホンマに阿呆やな。こうでもしないと、厚に俺が必要かが分からへんねんから。
「……厚」
 言いながら、茶色い髪を左手でぎこちなくくしゃくしゃにした。
 ようやく顔を上げた厚はほっとしたみたいに俺を見る。
「寮君、ごめんなさい。」
「あれはしゃーないよ。厚だけが悪いんちゃうわ。……俺も態度悪かったやろ、ごめんな」
「ううん、俺も本当にごめん。」
 画面の中では見られない素直さで、厚はそう言った。
 こうなれば仲直りは簡単で、もう数十分後にはいつも通りの俺らに戻ってる筈や。
 俺らの喧嘩はいつだって、仲直りするのを前提に行われているから。
 それでも反省はする。
 こんな時でもないと優位に立てない自分に。
 守れていない約束を、それでも放棄する事の出来ない自分に。
「なぁ、あっちゃん」
「ん?」
「ごめんな」
 説明出来ずにそれだけ告げると、厚は一瞬きょとんとしてから「何謝ってんの?」と
笑いながら言った。
 唐突に口にした謝罪の真意は、多分厚には伝わってへんのやろうけど、それを受け止めて
笑ってくれたこの相方を大切やって思ってる気持ちは本物やねんけど。

 もうずっと前。今から十年も前に誓った言葉がひとつある。
 『厚の面倒は僕がみます。』
 こいつを笑わせるんも、泣かせるんも、全部俺でありたいやなんて我侭をずっと持ってしまってるんよ。
 でも絶対に大切にするから。それだけは守るから。
 言葉には出さない気持ちが指先から伝わればいいと願って、俺はもう一回厚の髪をくしゃっとかきまぜた。

625 名前:風と木の名無しさん:04/09/13 00:55:23 ID:q2fAvqAs
 ____________
 | __________  |
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 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
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 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |
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626 名前:風と木の名無しさん:04/09/13 12:22:48 ID:4sS+UCnQ
>>622
姐さんGJ!!
2/7/h以降倫敦長靴好きになってたから萌えました。

627 名前:風と木の名無しさん:04/09/13 16:40:27 ID:ssMaM4eY
>>622
倫敦靴でしかも金赤で、十分に萌えさせていただきました!

628 名前:風と木の名無しさん:04/09/14 01:09:20 ID:hIyWyd0r
>618
懐かしい

629 名前:風と木の名無しさん:04/09/14 11:49:30 ID:m/k9xTp5
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    | >>550の前段階です。
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  アニメAパート穴埋め妄想。
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眠り姫Z相手に一人相撲のG。
これも角煮投下後推敲モノですが、二人の出会いもあった方がいいかな〜と。
お土産に・・・

630 名前:1:04/09/14 11:50:38 ID:m/k9xTp5
 1メートル先も見えないほどの猛吹雪の中、次の町に車を走らせていると、不自然に盛り上がった雪の塊が道をふさいでいた。

(危なかったな。こう吹雪が激しくては、うっかり見逃して乗り上げてしまうところだった。)
車を降りて塊に近付き驚いた。端から衣服のようなものがのぞいている。
(・・・・・・行き倒れか・・・・・・?!)
すばやく雪を払うと、三人の姿が現れた。まだ子供らしいのが二人。完全に凍っている。
そして男が一人。雪山を越えるとは思えない軽装だ。無茶にもほどがある。
男はわずかだが、まだ息があった。完全に凍った子供たちの方は急激に凍ったのなら蘇生できる望みはある。
冷凍睡眠と同じ状態だからだ。体が小さいのが幸いしたらしい。
男の方は命が危ない。一刻の猶予もならなかった。

 Gオンは子供二人をすばやく荷台へ積み込み、その旅人を抱え上げると座席に戻った。
シートを倒して寝かせ、濡れた服にこれ以上体温を奪われないよう、全て脱がせ、毛布でくるんでマッサージした。
(氷みたいに冷えてる。・・・体力もなさそうな細い体だな・・・なんであんな無茶な旅をしてるんだ。)
気付けが必要なのを感じ、ブランデーを取り出すと旅人に飲ませようとした。
だが、凍えて気を失った旅人は歯を固く食いしばっていて、受け付けようとしない。
Gオンは少し考えた末、ブランデーを口に含み、唇を重ねた。気管に入らないよう、
相手の喉が鳴るのを確かめながら、少しずつ、少しずつ流し込む。

 ブランデーで少し血の気が戻ってきた旅人はゾクッとするほどなまめかしかった。
Gオンはまるで誘われるように自分の体を旅人に重ねて、冷たい体を抱きしめた。
次の町までどのくらいあるのかわからない。ここである程度回復させなければ、途中で命を落とすリスクは大きい。
体を暖めるために、即効性のあるものを、もう一つ思い出し、実行するのにためらいはなかった。
なぜだかわからないが、この旅人と出会ったことに運命みたいなものを感じたのだ。
・・・・・・早い話が、一目惚れというのか。相手に意識がないのが残念だが、自分の好きなようにできるという利点はある。
Gオンはもう一度唇を重ねた。・・・・・・こんどはブランデーを流し込むためではない。

631 名前:2:04/09/14 11:54:53 ID:m/k9xTp5
 そして・・・Gオンの手技と舌技により、旅人の体は徐々に熱を取り戻していく。同時にGオンも自らのものが熱くなるのを感じた。
旅人の手をとり、自分のものに当てがい、上下に擦り続けた。息が荒くなる。旅人の息も乱れている。
十分に硬くなった頃、指で入り口を慣らした。旅人の体がわずかに反応したが、まだ目覚めるには至らなかった。
・・・・・・Gオンは旅人のものを手で愛撫しながら、ゆっくりと腰を動かした。
乱暴にすると起こしてしまいそうで。・・・いや、起きたほうがいいのか?
もし、今起きたら・・・彼はどんな反応をするんだろう・・・
旅人の うなされているような、それでいて切なげな甘い声を聞きながら考えているうちに、白い液体が手を濡らした。
同時に、瞬間的に硬直した旅人に締め付けられる心地よさにGオンは一声低くうなると、旅人の中に精を放った。
 
すべてが終わったが、旅人はまだ目を覚まさなかった。Gオンは再び全速力で車を走らせた。
先ほどまでの猛吹雪がうそのように晴れ、暖かすぎるほどの天気となった頃、町が見えてきた。
「どうやら町についたよ。眠り姫クン。」

 医者を探したが、この町の病院はみな満杯だった。
「この異常気象で、熱中症の患者さんが多いんです。」
寒さで具合が悪いと説明すると不思議そうな顔をされる始末だ。
途方にくれていると、一人の医師が紹介状を書くことを申し出てくれた。
「大統領の官邸?」
「この小さな国で、病院並みに設備が整っているのはそこだけです。」
(なんだかえらいことになったな・・・)
行きずりの旅人を助けて、小さいとは言え、国の大統領の世話になるとは。
大統領はGオンたちを歓待してくれた。ただ、裸の旅人を毛布でくるんでいるのには驚いた様子だった。
「・・・お連れの人は・・・その、服は着ていらっしゃらないので?」
「ああ・・・吹雪で濡れてしまって。」
「それでは寝巻きをお貸ししましょう。」

 メイドが旅人に寝巻きを着せようとしたが、Gオンはその寝巻きを受け取り、自分が着せると申し出た。
この旅人の体には他の誰にも触れさせたくないような気持ちになっていた。

632 名前:3:04/09/14 11:55:57 ID:m/k9xTp5
 大統領たちも眠り続ける旅人が気になるのか何度も部屋に入って来てはそばで様子を見守っていた。
本当はもっと二人きりでいたいのに。・・・そんな気持ちを周囲の者たちには知られたくないので
Gオンは一人だけ距離を置いて椅子にかけ、コーヒーを飲みながら眠り姫の目覚めを待つことにした。

 数十分後、旅人は何かを追い求めるようにうなされ始めた。
「ママーーッ・・・・・!!」
叫びながら跳ね起きた彼は、自分の置かれた状況の説明を大統領から受けている。
Gオンは背中ごしに聞こえる思ったより元気そうな旅人の声にほっとした。
彼が近付いてくる。
「おかげで命拾いしたぜ。Gオン博士」
感謝の気持ちでいっぱいの声。初対面なのになんのためらいもなく握手を求めてくる。
邪気のない目がまっすぐにこちらを見ているのを痛いほどに感じてなんだか切なくなった。
(・・・眠っている間に、体に何かされたかもしれないなど、微塵も考えないのか。
旅をしていると、いろいろな経験をしただろうに、人を疑うことを知らないのか?)
Gオンは意識のない彼の体を好きにした自分が急に恥ずかしくなった。今この手を握り返すことはできない。

「悪いが握手はしない主義だ。トイレに行って手を洗わないヤツも多いからね。」

・・・・・・ああ・・・なぜこんなことを言ってしまうんだ。気持ちとは反対の態度をとってしまう。
まともに彼の顔が見れない。この場をはやく離れなければ。Gオンは散歩と口実をつけ、しばらく一人になることにした。
だが、彼をいとおしいと思う気持ちには逆らえず、後ろ手に小さなバラを一輪投げた。

633 名前:風と木の名無しさん:04/09/14 11:58:24 ID:m/k9xTp5
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おそまつさまでした。

634 名前:風と木の名無しさん:04/09/14 21:21:34 ID:jX47dYOh
亀レスですが>>463姐さん禿萌えです(;´Д`)

635 名前:風と木の名無しさん:04/09/15 00:26:25 ID:IAbeWI3k
ワシも便乗亀レススマソ
萌えすぎで氏にそうでつが、何か(*´Д`)>>510-513

636 名前:風と木の名無しさん:04/09/15 00:39:33 ID:FD32CV4F
>>629姐さんありがとう!
ガオゾロ萌え〜!
そうか、あの時握手しなかったのはそんな意味が…
グッジョブ!

637 名前:風と木の名無しさん:04/09/15 01:03:53 ID:4sVk6kjy

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                    |  >>497の続きみたい。っつーことは100-1パロ?
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638 名前:谷&丘1:04/09/15 01:04:40 ID:4sVk6kjy
「お前、何泣いとん?」
いきなり声がして、ふっと目を開けると相方の不思議そうな顔が覗いていた。
谷部は低く唸って目を瞬せると、やっと状況をつかんだ。
体を起こして溜息をつく。
「勝手に人の楽屋はいってくるなって何度も…」
いい終わらないうちに丘村の指が谷部の左目あたりをかすると
「お前、泣きながら寝とったで」
つぶやきが聞こえた。
丘村はちょこんと谷部の隣に座ると心配そうに見上げてきた。
「なんか疲れてるのかいな。夢?変な夢でもみたか?」
「…知らんがな!っていうか勝手に楽屋に来なさんなって、注意したでしょうが」
「寝ながら泣くっておまえ…」
「本当に俺泣いてたん?」
「泣いとったよ。びっくりした。目、閉じたままポロポロ〜ってな」
丘村は心配しているのか、面白がっているのかよくわからない調子で身ぶり手ぶりで話している。
「あかんやん、俺…。疲れとるのかな」
「せやな。ちょっと、疲れたまっとるのかも知れんな」
そう言ったきり、丘村は黙って下をむいて、畳の目をおったままじっと座り込んだままだった。
谷部はひっそりとなった丘村の横顔を盗み見る。
おまえこそ、疲れたまってるで。
初めてあった頃より、鋭角になった顎。頬の肉が薄くなって、儚い印象にもみえる。
時々曇ってしまう、相方の瞳が気にかかる頃もあった。
そんな谷部の視線に気づいたのか、よっ、と小さい声をあげて、立ち上がると
「本番までもうちょっと時間あるし、寝ときぃや」
と呟いて、丘村は楽屋を出ていった。


639 名前:谷&丘2:04/09/15 01:05:06 ID:4sVk6kjy
またや。
谷部は自身の目をこすると、指についた雫をまじまじとみつめた。
また泣きながら寝とったんか、俺は…。
ロケバスの中。他のみんなは車外にでていってしまっていた。
夢?思い出せない。
なんで泣いてんねやろ?
かなしいこと。そんなんは数え出したらきりがない。
覚えてないんやから泣けるはずはない。
俺、悲しいんか?
毎日仕事忙しくて、ベタやけど充実してるし。
なんで悲しいことなんてあるか?
丘村ともこうやってコンビで今までうまいことやってこれてる。
アイツといれれば嬉しいし、どんだけ楽しいこともできる。
窓の外で真っ白な日射しの中、照れたように皆と笑いあう相方のヘタな笑顔が目にはいった。
こっちには全く気づいていないようだ。

なんや、これ?
なんで丘村をみると。
なんで?
かなしい。
わからん。アイツをみるとかなしいのか?俺。

谷部は自分でもわからない息苦しさの中、惚けたように窓を見続けていた。
無意識にひっかいた親指の爪の甘皮がヒリヒリと痛かった。

アイツをこの世界に引っぱりこんだのは俺。
無理して笑う。笑顔。
アイツは「ええよ」って返事してん。
おまえはそういって笑ったやないか。今とは違う笑顔で。


640 名前:谷&丘3:04/09/15 01:07:55 ID:4sVk6kjy
長い打ち合わせが終わる。灰皿に溜まったタバコの本数にうんざりしながら
部屋をでると、谷部は自動販売機の缶コーヒーのボタンを押した。
ガタンと音が響く。
ふと、横を向くと、廊下の先を見なれた背中が通り過ぎた。
コーヒーを取るのも忘れて、追いかけた。
背中が近付く。一瞬なんて声をかけたらいいか迷って、肩を掴んだ。
ビクっと震えて、振り向く。丘村はテレビの中とは違った顔で神経質そうに瞬きした。
谷部の顔を確認すると、ふと頬の力を抜いた。
オフが続いたので顔をあわせるのは3日ぶりだった。
「何しとん?」
息せき切った谷部に驚き、丘村は照れたように低い声で聞いてきた。
「打ち合わせやん。そっちも?」
「そうやけど…。え?お前なんのに出とったん?」
道すがら説明しながら出口に向かった。

マネージャーの車で局に来ていたので谷部が電話をいれようとすると、
「俺、送っていこうか?」
と丘村から珍しい申し出があがった。
「おう。頼みます」
谷部は驚きつつ、車に乗り込んだ。
久しぶりに乗る車内。俺の知らん音楽が流れとる。

641 名前:谷&丘4:04/09/15 01:08:24 ID:4sVk6kjy
「お前、さっき息きらして走ってきて、人の肩掴むからな。びっくりして」
丘村は前をみたままボソボソ喋る。
「…そうやな。でも声かけへんのも変やろ」
「まあ。そうやけども…」
「なんかな、気がついたら走っててな…。わからん」
丘村の返事は、おお、とも、ああ、ともいうようなそっけないものだった。
これといって会話もなく、谷部は窓を滑る流線の光を見つめ続けた。
深夜に程近い時間。人もまばらだ。
「なんか久しぶりに人間と喋ったー思って」
丘村がポツリと呟く。ビルの緑色の光が頬に反射する。
「なんや、お前、また家から出てなかったんかいな」
「またまたやで。一歩もでんかったもん。久しぶりに今日、日本語話したわ」
きっついで、ほんま…。丘村の低い声がこぼれる。
「窓開けていいか?」谷部は確認してボタンを押した。
冷たい風が前髪をなぶる。
何故だかまた爪の先が痛んだ。時々こぼれる丘村の弱音。
風に乗せて吹き消してしまいたかった。
黙ってしまった隣をみて、「寝とき」と丘村が呟く。
谷部は頷いて目を閉じた。

642 名前:谷&丘5:04/09/15 01:08:55 ID:4sVk6kjy
匂いに目が覚めた。そっと目を開けると、ハンドルに肩を預けて煙草を吸う横顔がみえた。
「着いたで」
たぶん、もうずっと前に到着していたのだろう。
「起こしたらええやん」
そういって谷部が目を擦ると、また涙の気配がした。
みられた、な…。
こう何回も見られると流石にバツが悪い。
なんやろ、ほんま、おかしなってきとるんかな。
「ちょっと、話そか…」
丘村はそういって煙草を揉み消した。
「話すって何を」
谷部はなんだか胸の奥がザワついた。
相手が気をつかっているという空気が余計に苛立ちを加速させる。
お前に、いわれたない。おまえに…。
いや、何をいってるんや俺は?
「話すんだったら車降りようや」
そういって谷部は丘村の腕を掴むと、引っ張るように歩き出した。
丘村は何か思う所があるのか、静かについてきた。
自宅の玄関のドアを閉めると、谷部はやっと丘村の腕を離した。
谷部は丘村のつむじをじっと見つめて言葉を探した。
ここで何も言わない相方も卑怯だと思った。
言葉よりも先に手が動く。谷部は丘村の指に自身の指を絡ませるように握りこんだ。
ビクリを震える肩を眺めて。
おもろないな、自分。
肩を引き寄せて、体ごと抱き込んだ。


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