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#title(ゴミ捨て場に落ちていた男) [#k5559b17]
雑談スレより
=====
290 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25...
敬語攻めってなんであんなに萌えるんだろう
どんなにヘボンでも敬語攻めが出てきたら見境無く萌える
あーどっかにイイ敬語攻めは落ちていないものか
291 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25...
>290
さっき、うちのアパートのゴミ捨て場に落ちてたよ。
293 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25...
>291
アパートの!アパートのゴミ捨て場に!
この荒れ狂う雨の中、ゴミ捨て場に!落ちてるのに!敬語な、...
何か異様に萌えた。
彼にどんな事情が有って、どんな受に拾われて、どんな敬語責...
=====
この流れから三秒で妄想しました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(´∀` )勝手に展開させてごめんなさい。と...
台風が上陸するらしい。
その日、東京では朝から断続的な雨が降り、時折吹く強風で...
役に立たない有り様だった。スーツのズボンはぐっしょりと濡...
革靴が不快な音を立てる。残業と外食で遅い時間に帰宅した原...
階段を三階まで一気に駆け上がると、鍵を取り出し……ふと思い...
傘から滴り落ちる雨水を振払いながら、廊下の手すり越しに...
まだ、居るのか。
安い賃貸アパートの玄関ドアが続くコンクリートの廊下と、...
途切れたそこには、狭い駐輪場の屋根も届かない、ゴミ置き場...
ボックスに挟まれて、空き缶が数個、転がっている。どうやら...
出されたものらしく、コンビニのビニール袋とおぼしき口から...
空き缶が顔を出していた。全ては、廊下の弱い電灯に照らされ...
雨に打たれている。そして、ボックスにもたれたままの、黒く...
知らず、ため息をついて、原田は鍵をポケットに戻した。
細かな雨つぶの吹き込む廊下をゆっくりと歩きながら、視線...
凝視する。二つ並んだゴミ回収ボックスの隙間に、彼を発見し...
朝だった。あまりに驚いて、変な声を出した上、持っていたゴ...
のを覚えている。だが、膝を抱えてうずくまった男は、原田が...
小走りに逃げ出した時から、何度か遠巻きに伺っていた二日間...
事がなかった。
ひょっとして、死んでいるのだろうかとも思ったが、見る度...
いるので、一応は生きた人間らしい。薄手の黒いシャツとスラ...
という服装から、浮浪者の類いではないのだろうが……それとも...
いうのは、得てしてこういうものなのだろうか。
廊下の端から、ずぶ濡れの後頭部を見下ろす。
アパートの住人や、ゴミ回収業者に、彼は何度も発見されて...
この二日間というもの、誰一人として、彼に構った者は居ない...
他人の行動に期待して、見て見ぬ振りを決め込んでいるのだろ...
警察に通報しかけたのだが、上手く説明する自信がなく、ずる...
それにしても、この大雨の中、よく平気で座っていられるも...
せめて、駐輪場の中にでも移動すれば良いものを。それが出...
住人ではないからだろう。けれども、その奇妙な遠慮が、原田...
腹立たしくもあった。
そんな事では、宿無しでやっていけないぞ。
男の短い黒髪は頭部にぺったりと張り付き、最初の日に見た...
服には、白っぽい泥が飛び散っている。そして、その汚れた全...
水煙が覆ってゆく。雨足が強くなってきたのだ。
「……おい」
情けないほど、小さな声が出た。
おい、あんた。そんな所で、何をしているんだ。
「なあ、そこの」
二度目の呼びかけも、囁きに近かった。ばたばたと響く雨と...
彼に届くはずもない。
少し躊躇してから、原田は、持っていたビニール傘を階下に...
狙いは外れ、傘は駐輪場の辺りへと転がってゆく。しかし。
ばさ、と軽い音を立てて落ちた傘に、男の顔が、本の少しだ...
原田は、心臓が跳ねるのを感じた。
男の、思いの外白い肌が、薄明かりの中でうつろに辺りを伺...
上へ向けられた途端、原田の喉から、引きつった声が飛び出し...
「それ、ゴミだから。気にせず使いな」
男の反応すら待たず、原田は廊下を駈け戻ると、鞄を取り落...
開け、自室に逃げ込んだ。ドアを閉めると、先ほどまで耳を打...
暗闇に追い付かない目が、狭いワンルームの空間を彷徨う。
今、何を。
冷たい鉄のドアに背中を預け、原田は呆然と立ちすくんだ。
俺は、今、何をしたんだ?
台風は翌朝には通り過ぎ、刷毛で引いたような雲と名残の小...
東京の空を覆っていた。原田が出勤の支度を済ませる頃には、...
吹き、途切れとぎれの青空が顔を出す。
今朝は、やけに早く起きてしまった。ノーネクタイのシャツ...
畳にあぐらをかいた原田は、朝食のパン屑が残る折り畳みテー...
ぼんやりと窓の外を眺めていた。
今日は、晴れるのか。暑いだろうし、上着を着るのは止めよ...
時計を見ると、いつものバスが来るまで、まだ二十分もある。
それからの行動は、原田自身にも、よく分からないものだっ...
二枚残っていた食パンに、バターとイチゴジャムを適当に塗...
マグカップに牛乳を注ぐと、パンを乗せた皿と一緒に読み終わ...
両手で持つ。鞄は脇に挟んで、玄関を出る。
少し考えてから、お盆代わりの雑誌を下に置くと、部屋の鍵...
まったく。夕べから俺は、何をやっているんだろうな。
階段を下りる間も、あいつは野良猫じゃないんだぞ、と繰り...
原田は、ぐらつく皿とマグカップをゴミ置き場へと運んだ。
コンクリートの床は、まだ少し湿っていた。
居た。
相変わらず、膝を抱えたままの姿勢で、しかし、手には開い...
原田の足音が近付くと、男の上半身を隠している半透明の傘...
「よお。生きてるか?」
返事は無い。原田は、相手の無反応にほっと息をついて、男...
「飯。余り物だから、気にすんな」
すると、男が唐突に顔を上げた。
原田が驚いてその場を飛び退ると、男もびくりと硬直して傘...
目を合わせたまま、しばらく無言で固まっていた。
先に復活したのは、どうやら原田の方らしかった。どきどき...
こちらを見上げる男の姿に、冷静な視線を投げる。
改めて良く見ると、男の服装は浮浪者どころか、かなり上等...
シャツは、胸ポケットに原田でも知っている有名ブランドのタ...
靴も、角の立った上質な本革だった。社会人五年目の原田です...
冠婚葬祭用に買った一足しか持っていないというのに。
黒尽くめの服装から、夜の仕事に関係した人にも見えるが、...
違い、男は茶髪でも長髪でもない。無精髭に覆われた顔はやつ...
戻れば、もっと男前に見えるはずだ。実際、青ざめて憔悴しき...
彼は原田もどきりとするほどの好男子だった。
「……あ、と。そういう事で」
じゃ、とかなんとか、口の中でつぶやきつつ、原田は急いで...
バス停に着くまで、原田は一度も振り返らなかった。何かに...
恐ろしい気分のまま、上がった息を整える。
一体全体、何者なんだ、あいつは。
目が合った瞬間に、それと分かった。彼は、日本人ではない。
白い肌に、真っ黒な髪と髭。彫りの深い目元に、尖った鼻。...
灰色の瞳など、実際に見るのは初めてだった。そういう色の...
テレビで青い目の俳優を見ただけでも驚いて関心してしまう原...
瞳というものを目の当たりにした一瞬は、総毛立つほどの恐ろ...
東京には、いや、今の日本には、外国人など沢山居る。通勤...
様々な人種の人々とすれ違う。それでも、原田は彼等をしげし...
ましてや、手を伸ばせば触れる距離で視線を合わせるなど、初...
アパートの住人達が、彼を放置するのも頷ける。身なりの良...
明らかに外国人と分かる人物が、ゴミ箱の間で膝を抱えている...
恐ろしい。この得体の知れなさは、ただ事ではない。
目の前でバスの扉が開く音き、原田はようやく我に返った。
クーラーの効いた車内で、ぞくりと肩を震わせて、原田は重...
撫でさする。
困った。
俺は、今日、家に帰って来る事が出来るのだろうか?
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・)早く拾うと良いと思うよ。
外出予定時間になってしまったので、とりあえずここまで。
続きは夜辺りに投下させて頂きます。つか、敬語攻なのにまだ...
#comment
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#title(ゴミ捨て場に落ちていた男) [#k5559b17]
雑談スレより
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290 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25...
敬語攻めってなんであんなに萌えるんだろう
どんなにヘボンでも敬語攻めが出てきたら見境無く萌える
あーどっかにイイ敬語攻めは落ちていないものか
291 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25...
>290
さっき、うちのアパートのゴミ捨て場に落ちてたよ。
293 名前:風と木の名無しさん メェル:sage 投稿日:2005/08/25...
>291
アパートの!アパートのゴミ捨て場に!
この荒れ狂う雨の中、ゴミ捨て場に!落ちてるのに!敬語な、...
何か異様に萌えた。
彼にどんな事情が有って、どんな受に拾われて、どんな敬語責...
=====
この流れから三秒で妄想しました。
|>PLAY ピッ ◇⊂(´∀` )勝手に展開させてごめんなさい。と...
台風が上陸するらしい。
その日、東京では朝から断続的な雨が降り、時折吹く強風で...
役に立たない有り様だった。スーツのズボンはぐっしょりと濡...
革靴が不快な音を立てる。残業と外食で遅い時間に帰宅した原...
階段を三階まで一気に駆け上がると、鍵を取り出し……ふと思い...
傘から滴り落ちる雨水を振払いながら、廊下の手すり越しに...
まだ、居るのか。
安い賃貸アパートの玄関ドアが続くコンクリートの廊下と、...
途切れたそこには、狭い駐輪場の屋根も届かない、ゴミ置き場...
ボックスに挟まれて、空き缶が数個、転がっている。どうやら...
出されたものらしく、コンビニのビニール袋とおぼしき口から...
空き缶が顔を出していた。全ては、廊下の弱い電灯に照らされ...
雨に打たれている。そして、ボックスにもたれたままの、黒く...
知らず、ため息をついて、原田は鍵をポケットに戻した。
細かな雨つぶの吹き込む廊下をゆっくりと歩きながら、視線...
凝視する。二つ並んだゴミ回収ボックスの隙間に、彼を発見し...
朝だった。あまりに驚いて、変な声を出した上、持っていたゴ...
のを覚えている。だが、膝を抱えてうずくまった男は、原田が...
小走りに逃げ出した時から、何度か遠巻きに伺っていた二日間...
事がなかった。
ひょっとして、死んでいるのだろうかとも思ったが、見る度...
いるので、一応は生きた人間らしい。薄手の黒いシャツとスラ...
という服装から、浮浪者の類いではないのだろうが……それとも...
いうのは、得てしてこういうものなのだろうか。
廊下の端から、ずぶ濡れの後頭部を見下ろす。
アパートの住人や、ゴミ回収業者に、彼は何度も発見されて...
この二日間というもの、誰一人として、彼に構った者は居ない...
他人の行動に期待して、見て見ぬ振りを決め込んでいるのだろ...
警察に通報しかけたのだが、上手く説明する自信がなく、ずる...
それにしても、この大雨の中、よく平気で座っていられるも...
せめて、駐輪場の中にでも移動すれば良いものを。それが出...
住人ではないからだろう。けれども、その奇妙な遠慮が、原田...
腹立たしくもあった。
そんな事では、宿無しでやっていけないぞ。
男の短い黒髪は頭部にぺったりと張り付き、最初の日に見た...
服には、白っぽい泥が飛び散っている。そして、その汚れた全...
水煙が覆ってゆく。雨足が強くなってきたのだ。
「……おい」
情けないほど、小さな声が出た。
おい、あんた。そんな所で、何をしているんだ。
「なあ、そこの」
二度目の呼びかけも、囁きに近かった。ばたばたと響く雨と...
彼に届くはずもない。
少し躊躇してから、原田は、持っていたビニール傘を階下に...
狙いは外れ、傘は駐輪場の辺りへと転がってゆく。しかし。
ばさ、と軽い音を立てて落ちた傘に、男の顔が、本の少しだ...
原田は、心臓が跳ねるのを感じた。
男の、思いの外白い肌が、薄明かりの中でうつろに辺りを伺...
上へ向けられた途端、原田の喉から、引きつった声が飛び出し...
「それ、ゴミだから。気にせず使いな」
男の反応すら待たず、原田は廊下を駈け戻ると、鞄を取り落...
開け、自室に逃げ込んだ。ドアを閉めると、先ほどまで耳を打...
暗闇に追い付かない目が、狭いワンルームの空間を彷徨う。
今、何を。
冷たい鉄のドアに背中を預け、原田は呆然と立ちすくんだ。
俺は、今、何をしたんだ?
台風は翌朝には通り過ぎ、刷毛で引いたような雲と名残の小...
東京の空を覆っていた。原田が出勤の支度を済ませる頃には、...
吹き、途切れとぎれの青空が顔を出す。
今朝は、やけに早く起きてしまった。ノーネクタイのシャツ...
畳にあぐらをかいた原田は、朝食のパン屑が残る折り畳みテー...
ぼんやりと窓の外を眺めていた。
今日は、晴れるのか。暑いだろうし、上着を着るのは止めよ...
時計を見ると、いつものバスが来るまで、まだ二十分もある。
それからの行動は、原田自身にも、よく分からないものだっ...
二枚残っていた食パンに、バターとイチゴジャムを適当に塗...
マグカップに牛乳を注ぐと、パンを乗せた皿と一緒に読み終わ...
両手で持つ。鞄は脇に挟んで、玄関を出る。
少し考えてから、お盆代わりの雑誌を下に置くと、部屋の鍵...
まったく。夕べから俺は、何をやっているんだろうな。
階段を下りる間も、あいつは野良猫じゃないんだぞ、と繰り...
原田は、ぐらつく皿とマグカップをゴミ置き場へと運んだ。
コンクリートの床は、まだ少し湿っていた。
居た。
相変わらず、膝を抱えたままの姿勢で、しかし、手には開い...
原田の足音が近付くと、男の上半身を隠している半透明の傘...
「よお。生きてるか?」
返事は無い。原田は、相手の無反応にほっと息をついて、男...
「飯。余り物だから、気にすんな」
すると、男が唐突に顔を上げた。
原田が驚いてその場を飛び退ると、男もびくりと硬直して傘...
目を合わせたまま、しばらく無言で固まっていた。
先に復活したのは、どうやら原田の方らしかった。どきどき...
こちらを見上げる男の姿に、冷静な視線を投げる。
改めて良く見ると、男の服装は浮浪者どころか、かなり上等...
シャツは、胸ポケットに原田でも知っている有名ブランドのタ...
靴も、角の立った上質な本革だった。社会人五年目の原田です...
冠婚葬祭用に買った一足しか持っていないというのに。
黒尽くめの服装から、夜の仕事に関係した人にも見えるが、...
違い、男は茶髪でも長髪でもない。無精髭に覆われた顔はやつ...
戻れば、もっと男前に見えるはずだ。実際、青ざめて憔悴しき...
彼は原田もどきりとするほどの好男子だった。
「……あ、と。そういう事で」
じゃ、とかなんとか、口の中でつぶやきつつ、原田は急いで...
バス停に着くまで、原田は一度も振り返らなかった。何かに...
恐ろしい気分のまま、上がった息を整える。
一体全体、何者なんだ、あいつは。
目が合った瞬間に、それと分かった。彼は、日本人ではない。
白い肌に、真っ黒な髪と髭。彫りの深い目元に、尖った鼻。...
灰色の瞳など、実際に見るのは初めてだった。そういう色の...
テレビで青い目の俳優を見ただけでも驚いて関心してしまう原...
瞳というものを目の当たりにした一瞬は、総毛立つほどの恐ろ...
東京には、いや、今の日本には、外国人など沢山居る。通勤...
様々な人種の人々とすれ違う。それでも、原田は彼等をしげし...
ましてや、手を伸ばせば触れる距離で視線を合わせるなど、初...
アパートの住人達が、彼を放置するのも頷ける。身なりの良...
明らかに外国人と分かる人物が、ゴミ箱の間で膝を抱えている...
恐ろしい。この得体の知れなさは、ただ事ではない。
目の前でバスの扉が開く音き、原田はようやく我に返った。
クーラーの効いた車内で、ぞくりと肩を震わせて、原田は重...
撫でさする。
困った。
俺は、今日、家に帰って来る事が出来るのだろうか?
[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・)早く拾うと良いと思うよ。
外出予定時間になってしまったので、とりあえずここまで。
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