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#title(渡る浮世)
※ナマモノ注意、枯れ専注意
たびたびすみません、昇天の紫緑です。
時系列は緑が勇退を他の出演者に報告した今年の頭くらいで。
あんまりこちらに連投し続けるのも忍びないので、続きは支部...
何とぞよろしくお願い申し上げます。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
医学書をめくるのが習慣になった。知人を伝って専門医にも...
なぜ服や手拭の貸し借りのように寿命や肉体の健全さをやり...
後生だから、あんたの痛苦の半分だけ、俺に今すぐ寄越してく...
「思い直しませんか?」
ただでさえ病的な痩躯は限界までやせ細り、大仰でなく生き...
万物に終わりはつき物で、この人もひとりの人間であるとい...
「へっへっ。あんたはネタがなくなるからねえ」
いつもは頼もしいはずの、骨ばった肩を震わせる姿が、今は...
「真面目な話です」
「言った通りだよ、あたしだってよくよく考えたんだ。それ...
止められはしまい。ただでさえ大病を抱えた老体を引きずり...
それをおくびにも出さないのは噺家としての矜持で、せめて...
現に、自身の引き際を話して頭を下げた直後の張り詰めた空...
隙のない手練手管でやり込められる清々しさも、あと半年も...
「……もうね、これ以上は無理なんだ」
2人きりの今なら、きっと心もほぐれるのではないかと願って...
車椅子のなかで小さな背中が崩れ落ちる。
「迷惑はかけられないよ。やれ倒れただ、入院だって、司会...
「誰も迷惑だなんて思ってません。師匠にいてほしいという...
「……だからこそだよ」
朽ちるのを待つ枝葉のような指が震えていた。懐から取り出...
「みなさんが求める姿のままお別れしたいんだ。これ以上み...
この人の涙を見るのは何年ぶりだろう。収録で、地方の仕事...
あれほど充足した時間が、これからも訪れるだろうか。
「これはあたしの我儘だから、本当に申し訳ないと思ってる...
こと入退院を繰り返すここ数年は、よくもまあ飽きもせずぽ...
この人の我儘は、裏を返せば国民の我儘といってもいい。い...
しかし、人の上に立つ器量を持ち合わせ持ちあわせるこの人...
自分の手ぬぐいで光の乱れる目元を拭うと、ようやく顔があ...
「……お前さんはね、あたしの友で息子で仲間で、先代の忘れ...
いつの日もその口跡は、淀むことのない川のようだ。耳も目...
俺は一体、この感情をなんと呼べばいいのだろう。
「今生の別れみたいに言わないでください。何十年も前から...
「……そうなんだよ、自分でもわかってるんだ。二人会でもな...
高々と山積された研鑽の日々をそのまま杖にしたような気性...
50年近く前の出会いから、言葉を交わし、高座の姿を眺める...
今さら、離れられようもない。
「……すまないね、こんな顔するはずじゃなかったんだ。あん...
「私だって同じです。師匠がいなければ、この番組でも、ひ...
頬に添えられた右手に自分の左手を重ねる。この熱が病魔を...
「本当はね、少しだけ悩んだんだ。あたしとやりあうとなっ...
差し出された厚意にまんまと甘えて、今は亡き好敵手の後釜...
その度にこの人は「そうかもしれませんねえ、おっ死んだオ...
相手が目を点にして閉口するまでが様式美に組み込まれ、多...
「今まで本当にありがとう、老いぼれの醜態を許しておくれ」
細い手首の頼りなさに胸がしめつけられる。
「……お父さん」
小さな頭を袖で隠すように胸に寄せた。すすり泣く声が闇に...
菊之助、俺の菊之助、他人様の庭に咲く花。父よ、師よ、か...
「何度でも言います、私とあなたはずっと一緒です。たとえ...
最初はあなたの演じる女に、やがては噺家としてのあなたに...
そうか、初めから素直に恋と認めればよかったと、今この瞬...
「絶対に、ひとりにはしません」
後生だから、あんたの痛苦の半分だけ、今すぐ俺に寄越して...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
それではこれにて一旦お開き!
続きはまた別の場所で!
- 番組を降りられてから暫く経ち、二人のやり取りを恋しく思...
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※ナマモノ注意、枯れ専注意
たびたびすみません、昇天の紫緑です。
時系列は緑が勇退を他の出演者に報告した今年の頭くらいで。
あんまりこちらに連投し続けるのも忍びないので、続きは支部...
何とぞよろしくお願い申し上げます。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
医学書をめくるのが習慣になった。知人を伝って専門医にも...
なぜ服や手拭の貸し借りのように寿命や肉体の健全さをやり...
後生だから、あんたの痛苦の半分だけ、俺に今すぐ寄越してく...
「思い直しませんか?」
ただでさえ病的な痩躯は限界までやせ細り、大仰でなく生き...
万物に終わりはつき物で、この人もひとりの人間であるとい...
「へっへっ。あんたはネタがなくなるからねえ」
いつもは頼もしいはずの、骨ばった肩を震わせる姿が、今は...
「真面目な話です」
「言った通りだよ、あたしだってよくよく考えたんだ。それ...
止められはしまい。ただでさえ大病を抱えた老体を引きずり...
それをおくびにも出さないのは噺家としての矜持で、せめて...
現に、自身の引き際を話して頭を下げた直後の張り詰めた空...
隙のない手練手管でやり込められる清々しさも、あと半年も...
「……もうね、これ以上は無理なんだ」
2人きりの今なら、きっと心もほぐれるのではないかと願って...
車椅子のなかで小さな背中が崩れ落ちる。
「迷惑はかけられないよ。やれ倒れただ、入院だって、司会...
「誰も迷惑だなんて思ってません。師匠にいてほしいという...
「……だからこそだよ」
朽ちるのを待つ枝葉のような指が震えていた。懐から取り出...
「みなさんが求める姿のままお別れしたいんだ。これ以上み...
この人の涙を見るのは何年ぶりだろう。収録で、地方の仕事...
あれほど充足した時間が、これからも訪れるだろうか。
「これはあたしの我儘だから、本当に申し訳ないと思ってる...
こと入退院を繰り返すここ数年は、よくもまあ飽きもせずぽ...
この人の我儘は、裏を返せば国民の我儘といってもいい。い...
しかし、人の上に立つ器量を持ち合わせ持ちあわせるこの人...
自分の手ぬぐいで光の乱れる目元を拭うと、ようやく顔があ...
「……お前さんはね、あたしの友で息子で仲間で、先代の忘れ...
いつの日もその口跡は、淀むことのない川のようだ。耳も目...
俺は一体、この感情をなんと呼べばいいのだろう。
「今生の別れみたいに言わないでください。何十年も前から...
「……そうなんだよ、自分でもわかってるんだ。二人会でもな...
高々と山積された研鑽の日々をそのまま杖にしたような気性...
50年近く前の出会いから、言葉を交わし、高座の姿を眺める...
今さら、離れられようもない。
「……すまないね、こんな顔するはずじゃなかったんだ。あん...
「私だって同じです。師匠がいなければ、この番組でも、ひ...
頬に添えられた右手に自分の左手を重ねる。この熱が病魔を...
「本当はね、少しだけ悩んだんだ。あたしとやりあうとなっ...
差し出された厚意にまんまと甘えて、今は亡き好敵手の後釜...
その度にこの人は「そうかもしれませんねえ、おっ死んだオ...
相手が目を点にして閉口するまでが様式美に組み込まれ、多...
「今まで本当にありがとう、老いぼれの醜態を許しておくれ」
細い手首の頼りなさに胸がしめつけられる。
「……お父さん」
小さな頭を袖で隠すように胸に寄せた。すすり泣く声が闇に...
菊之助、俺の菊之助、他人様の庭に咲く花。父よ、師よ、か...
「何度でも言います、私とあなたはずっと一緒です。たとえ...
最初はあなたの演じる女に、やがては噺家としてのあなたに...
そうか、初めから素直に恋と認めればよかったと、今この瞬...
「絶対に、ひとりにはしません」
後生だから、あんたの痛苦の半分だけ、今すぐ俺に寄越して...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
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