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69-435
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#title(I'm Still Here)
∞高炉、艦長×黒服弟。青年編Chapter4付近
69-386、69-388、69-398の続き
※襲い受け系エロあり。苦手な方は回避願います
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
ユーリ艦隊の監察官としての任を終え、グンニッツの空間機...
「まったく。いいかげん押しつけられるいわれのない仕事は断...
私の留守中、各方面からの問い合わせの波状攻撃に遭ってい...
「悪いな。『できません』は言うな、というのが先祖代々の家...
「中佐が言うと冗談に聞こえないんですが」
つきあわされる我々の身にもなってください、と大げさにた...
「ありがとう、あとは自分でやるから。手伝わせてすまなかっ...
手元のモニターに目を落とすと、画面の端に表示されたニュ...
現実的な危機がすぐそこまで迫っているというのに、彼らは...
ロンディバルト連邦国を中軸とした対ヤッハバッハ戦略を謳...
「まいったね、こう来たか」
遠からず来るであろう侵攻に備えた戦力糾合の布石として、...
「……エルメッツァと同じだな」
紛糾する議会の中継をしばらく眺めていたユーリ艦長は、そ...
あとには重苦しい沈黙と、無言の私たちが残された。
ロエンローグ卿は空を睨んで考え込んでいる。
ルフトヴァイス司令が頭痛を堪えるようにこめかみを揉んだ。
ファラゴ少将は眉間に皺を寄せ、腕組みをして瞑目している。
プラメール大佐は腹立たしそうにモニターを睨めつけたまま...
こんな状態でヤッハバッハに対抗できるつもりでいるのか。...
そしてそれはその場にいた私たち全員の意見でもあった。
かつて小マゼラン最大の勢力を誇ったエルメッツァ星間国家...
挙げ句、最初の会戦でその戦力のほとんどを失い、その後は...
だが首脳陣の無知に高い代価を払わされたとはいえ、エルメ...
惑星ザクロウを目指し、ゼーペンスト宙域からカルバライヤ...
空間通商管理局からダウンロードした航路図がモニターに表...
彼らの動揺の理由がわからずにいた私たちに、艦長は無言で...
その意味を理解した私たちも声を失った。
一見何もない、ただの小惑星帯に見える宙域に、かつては人...
そしてその空白地帯は一箇所ではなく、星図上のあちこちに...
これが、エルメッツァとネージリンスが膝を屈したあとも最...
各国がばらばらに事に当たっていては、十年前の小マゼラン...
政治家たちにとっては、それでも目前に迫った危険より戦後...
この戦争に「戦後」があるとすれば、だが。
「手詰まりだな。ワイマーのおっさんが議会の方をなんとかし...
ロエンローグ卿が両手を上げて言った。
ルフトヴァイス中将が疲れた顔で頷き、その日の会議は解散...
だが私の頭の中には、会議の最中にふと浮かんだ、確実な答...
——もし兄が生きていたら、この状況をどう見て、どう対処し...
兄が死んだ年齢を追い越してなお、私は兄の背中に追いつけ...
ユーリ艦長がふらりと現れたのは、急ぎの仕事があらかた片...
「中佐と酒が飲みたくなってな」
「その割に、手ぶらですか?」
ばつの悪そうな顔をした艦長に笑ってみせると、机の上を手...
ちょうど奮発してペイキュラーの十年物を買ったところだ。...
勿体を付けて封を切ったペイキュラーをロックグラスに注ぐ。
一嘗めして、ユーリ艦長は頬を緩めた。
「うまいな」
「そうですか。それはよかった」
それきり、しばらく会話が途切れる。
ふわりと立ち上る芳香を楽しみながら、私は切り出されるで...
わずかに逡巡する様子を見せたあと、ユーリ艦長は意を決し...
「バーゼル・シュナイツァーという男を知っているか?」
「ああ、気付いておられたのですね。バーゼルは私の兄です」
予想通りの質問に、答えは滑らかに口から出た。
彼がその事実を確認したがっていることは知っていた。
私が今日までそれを彼に伝えなかったのは、かつて私たちの...
だがそれよりも、私たちが兄弟だったことを知れば、彼は私...
どんなに足掻こうと、私は兄にはなれない。
兄に近づこうとすればするほど、それは私には不可能だとい...
努力に意味がないとは思いたくないが、どんなに努力しよう...
グラスに視線を落としたまま再び黙り込んだ彼は、いま何を...
艦長は、私の知らない兄を知っている。
兄は、私の知らない艦長を知っていた。
ただそれだけの単純な事実が、何故こうも胸を締めつけるの...
テーブルに置こうとしたグラスが天板にぶつかり、耳障りな...
私は何かに憑かれたように立ち上がった。はす向かいに座っ...
「私を、抱きに来たのでしょう?」
吐息が感じられる距離で、驚きの表情を隠せない彼の目をの...
「酔っているのか」
そう言った彼の喉が息を呑むように上下したことに私は満足...
薄い唇に唇を重ねると、歯列を舌でこじあけ、口中に残るペ...
すぐに身体の芯に火が点り、腿の下に感じる熱に彼もまたそ...
男の身体は悲しいほどにわかりやすい。
唇を離し、部屋の奥のベッドを目で示す。
これではまるで男娼ではないか。
自嘲しながら服を脱ぎ捨て、ベッドに腰掛けて靴を脱いでい...
小マゼランで艦長と関係を持ったことには、とても公にでき...
だが今私がしていることに、正当な理由をつけられる要素は...
自ら後ろを解している間に、幾度も受け入れたそれは馴染ん...
私をベッドに引き上げて覆いかぶさろうとするのを制し、仰...
滑らかで熱い感触が次第に深く私を満たし、自分がこれを渇...
私をそういうあさましい身体にしてしまった男を見下ろすと...
その顔に十年前見た映像の中の少年が重なり、私は自分の非...
私は彼の意識から兄の存在を消し去りたかったのだ。それが...
だが私は一体、兄と艦長と、どちらに嫉妬しているのだろう。
父と母が宇宙船の事故で死んだ後、私は兄に依存し、兄を求...
兄は私のために二重の禁忌を犯した。
だが、私は兄に抱かれることで兄を縛り、支配しようとして...
今になって、時々そう思うことがある。
私が兄を愛していたのは確かだが、その底にあったのは、優...
最初にその可能性に思い至ったとき、寒気がした。それは間...
愛情の対義語は憎しみではなく無関心だ、というのはあまり...
では私はユーリ艦長を憎んでいるのか?
彼と出会ってから、私がそれまで規定していた私自身はゆる...
だがそれは決して不快ではなかった。
彼が私を抱きながら別の方向を見つめていることが辛いのか?
身体のみの繋がりであろうとかまわない。
私の下で顔を歪め、乱れた呼吸をつくこの美しい男は、今だ...
忘れたい。
忘れさせたい。
忘れたくない。
矛盾しているのかいないのか、もう何もわからない。
私の中で暴れる肉の楔だけが今存在するただひとつの事実だ...
腰骨を掴まれ、下から激しく突き上げられる。
犯しているのか犯されているのか。
この奇妙な満足感は征服感なのか被征服感なのか。
切れぎれの思考が撹拌され、膨れ上がる光に押し流される。
ひどく敏感になった内側にじわりと熱を感じた直後、私の中...
滴り落ちた汗が自分の放ったものと混ざるのが見えて、私は...
「何に怯えている」
下になったまま、私の顔をじっと見ていたユーリ艦長がそう...
私と彼を繋いでいたそれが次第に柔らかくなっていくのがわ...
目を逸らし、無言で身体を離そうとすると、温かい掌が頬に...
「何もかもひとりで背負おうとするな。潰れるぞ」
指先で目尻を拭われ、先程落ちたのが汗ではなく涙であった...
ずるりと彼が出て行く感触に、未練がましい吐息が漏れる。
疲労感で重くなった身体から不意に力が抜け、重力に従って...
半身を起こし鎖骨のあたりまで飛んでいた精液を拭っている...
ユーリ艦長を常に覆っていた、触れれば灼かれそうな緊張感...
私には彼と快楽を分け合うことはできても、彼女のように彼...
本来彼の隣にいるのは彼女であるべきなのだ。彼女が彼の実...
ここでも私は出来の悪い代用品にすぎない。改めてそれを思...
——嫉妬ばかりしているな、私は。
寝返りをうち、目を閉じてため息をつく。
ユーリ艦長が寝転がったのか、背中側でベッドが軋んだ。
「バーゼル大佐に初めて会った日」
背中がぴくりと震えたのが彼にも伝わったのだろう。安心さ...
「当時一緒に旅をしていた0Gドッグが、『俺とユーリ、どちら...
背中から伝わる体温が心地いい。
私はしばらく、このままこの腕に甘えていてもいいだろうか。
ユーリ艦長は、背後から私を抱えたまま、聞かせるともなく...
「踏んできた場数も、度胸も、艦長としての能力も、そいつの...
戦術シミュレーションで兄にこてんぱんに負かされたあと、...
——自分の目と頭だけで答えを出そうと焦りすぎるのがお前の...
「その評価が本当に正しかったのかどうかはわからない。だが...
艦長の言葉には、兄への素直な敬意と感謝が見えた。
消えない棘が胸を刺す。すでに手の届かない場所へ行ってし...
「私は兄のようにはなれません」
我ながら女々しいな、と思いながら口に出した呟きに、予想...
「『できません』は言わないんじゃなかったのか?」
「!?」
思わず振り向いた私は相当驚いた顔をしていたのだろう。ユ...
「案内してくれた副官から聞いた」
中佐にあまり無理をさせないでくださいよ、と釘を刺された...
「あいつらがお前についてくるのは、お前がバーゼル・シュナ...
不意に強く抱きすくめられた。
首筋に噛みつくような位置で低い声が囁く。
「俺にはお前が必要だ。こんなところで脱落してもらっては困...
腰にぞくりと響くその声に、身体の力が抜ける。
どうしてこの人はこう息をするように人の心を捕まえるのか...
軽く睨みつけると、艦長は不意に表情を改めた。
「バーゼル大佐はあんなところで死ぬべき人ではなかった。彼...
先程までとは別人のような、どこか切羽詰まったものさえ感...
決して反故にすることのできない、恩ある死者たちとの約束。
それは彼の意志を支えているものだが、同時に彼にかけられ...
「生き続けて……何をするんです?」
この戦いが終わったら、あなたは生きる目的を失ってしまう...
私の問いにはそんな不安が滲んでいたのだろう。
ユーリ艦長はあっさりとそこを飛び越えてみせた。
「そうだな。すべて片付いたら、宇宙の果てでも探しに行くこ...
少年の表情で笑ったユーリ艦長につられてこちらも微笑む。
ああ、やはり私はこの人が好きなのだ。兄の言葉が彼に残し...
「おかしいか?」
「いえ、その時は私もお供させてください」
「ああ、ついてこい。必ず」
契約の印のようにくちづけられる。
「俺にはお前が必要だ」
耳元で繰り返されたそれが、 文字通りの意味でしかないこと...
だが、私は今ここに生きていて、この人に必要とされている...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
兄さんが生きてるうちは年齢差のせいもあって埋もれていたコ...
やたら優秀な兄とそこそこ(実力差が自覚できる程度に)優秀...
でも「兄を支配し云々」というのはたぶん思い込みによる記憶...
しかし本編での出世の速度はともかく、エクストラモードで見...
得意分野に特化した兄と、あれもこれもと頑張りすぎた結果器...
#comment
終了行:
#title(I'm Still Here)
∞高炉、艦長×黒服弟。青年編Chapter4付近
69-386、69-388、69-398の続き
※襲い受け系エロあり。苦手な方は回避願います
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ユーリ艦隊の監察官としての任を終え、グンニッツの空間機...
「まったく。いいかげん押しつけられるいわれのない仕事は断...
私の留守中、各方面からの問い合わせの波状攻撃に遭ってい...
「悪いな。『できません』は言うな、というのが先祖代々の家...
「中佐が言うと冗談に聞こえないんですが」
つきあわされる我々の身にもなってください、と大げさにた...
「ありがとう、あとは自分でやるから。手伝わせてすまなかっ...
手元のモニターに目を落とすと、画面の端に表示されたニュ...
現実的な危機がすぐそこまで迫っているというのに、彼らは...
ロンディバルト連邦国を中軸とした対ヤッハバッハ戦略を謳...
「まいったね、こう来たか」
遠からず来るであろう侵攻に備えた戦力糾合の布石として、...
「……エルメッツァと同じだな」
紛糾する議会の中継をしばらく眺めていたユーリ艦長は、そ...
あとには重苦しい沈黙と、無言の私たちが残された。
ロエンローグ卿は空を睨んで考え込んでいる。
ルフトヴァイス司令が頭痛を堪えるようにこめかみを揉んだ。
ファラゴ少将は眉間に皺を寄せ、腕組みをして瞑目している。
プラメール大佐は腹立たしそうにモニターを睨めつけたまま...
こんな状態でヤッハバッハに対抗できるつもりでいるのか。...
そしてそれはその場にいた私たち全員の意見でもあった。
かつて小マゼラン最大の勢力を誇ったエルメッツァ星間国家...
挙げ句、最初の会戦でその戦力のほとんどを失い、その後は...
だが首脳陣の無知に高い代価を払わされたとはいえ、エルメ...
惑星ザクロウを目指し、ゼーペンスト宙域からカルバライヤ...
空間通商管理局からダウンロードした航路図がモニターに表...
彼らの動揺の理由がわからずにいた私たちに、艦長は無言で...
その意味を理解した私たちも声を失った。
一見何もない、ただの小惑星帯に見える宙域に、かつては人...
そしてその空白地帯は一箇所ではなく、星図上のあちこちに...
これが、エルメッツァとネージリンスが膝を屈したあとも最...
各国がばらばらに事に当たっていては、十年前の小マゼラン...
政治家たちにとっては、それでも目前に迫った危険より戦後...
この戦争に「戦後」があるとすれば、だが。
「手詰まりだな。ワイマーのおっさんが議会の方をなんとかし...
ロエンローグ卿が両手を上げて言った。
ルフトヴァイス中将が疲れた顔で頷き、その日の会議は解散...
だが私の頭の中には、会議の最中にふと浮かんだ、確実な答...
——もし兄が生きていたら、この状況をどう見て、どう対処し...
兄が死んだ年齢を追い越してなお、私は兄の背中に追いつけ...
ユーリ艦長がふらりと現れたのは、急ぎの仕事があらかた片...
「中佐と酒が飲みたくなってな」
「その割に、手ぶらですか?」
ばつの悪そうな顔をした艦長に笑ってみせると、机の上を手...
ちょうど奮発してペイキュラーの十年物を買ったところだ。...
勿体を付けて封を切ったペイキュラーをロックグラスに注ぐ。
一嘗めして、ユーリ艦長は頬を緩めた。
「うまいな」
「そうですか。それはよかった」
それきり、しばらく会話が途切れる。
ふわりと立ち上る芳香を楽しみながら、私は切り出されるで...
わずかに逡巡する様子を見せたあと、ユーリ艦長は意を決し...
「バーゼル・シュナイツァーという男を知っているか?」
「ああ、気付いておられたのですね。バーゼルは私の兄です」
予想通りの質問に、答えは滑らかに口から出た。
彼がその事実を確認したがっていることは知っていた。
私が今日までそれを彼に伝えなかったのは、かつて私たちの...
だがそれよりも、私たちが兄弟だったことを知れば、彼は私...
どんなに足掻こうと、私は兄にはなれない。
兄に近づこうとすればするほど、それは私には不可能だとい...
努力に意味がないとは思いたくないが、どんなに努力しよう...
グラスに視線を落としたまま再び黙り込んだ彼は、いま何を...
艦長は、私の知らない兄を知っている。
兄は、私の知らない艦長を知っていた。
ただそれだけの単純な事実が、何故こうも胸を締めつけるの...
テーブルに置こうとしたグラスが天板にぶつかり、耳障りな...
私は何かに憑かれたように立ち上がった。はす向かいに座っ...
「私を、抱きに来たのでしょう?」
吐息が感じられる距離で、驚きの表情を隠せない彼の目をの...
「酔っているのか」
そう言った彼の喉が息を呑むように上下したことに私は満足...
薄い唇に唇を重ねると、歯列を舌でこじあけ、口中に残るペ...
すぐに身体の芯に火が点り、腿の下に感じる熱に彼もまたそ...
男の身体は悲しいほどにわかりやすい。
唇を離し、部屋の奥のベッドを目で示す。
これではまるで男娼ではないか。
自嘲しながら服を脱ぎ捨て、ベッドに腰掛けて靴を脱いでい...
小マゼランで艦長と関係を持ったことには、とても公にでき...
だが今私がしていることに、正当な理由をつけられる要素は...
自ら後ろを解している間に、幾度も受け入れたそれは馴染ん...
私をベッドに引き上げて覆いかぶさろうとするのを制し、仰...
滑らかで熱い感触が次第に深く私を満たし、自分がこれを渇...
私をそういうあさましい身体にしてしまった男を見下ろすと...
その顔に十年前見た映像の中の少年が重なり、私は自分の非...
私は彼の意識から兄の存在を消し去りたかったのだ。それが...
だが私は一体、兄と艦長と、どちらに嫉妬しているのだろう。
父と母が宇宙船の事故で死んだ後、私は兄に依存し、兄を求...
兄は私のために二重の禁忌を犯した。
だが、私は兄に抱かれることで兄を縛り、支配しようとして...
今になって、時々そう思うことがある。
私が兄を愛していたのは確かだが、その底にあったのは、優...
最初にその可能性に思い至ったとき、寒気がした。それは間...
愛情の対義語は憎しみではなく無関心だ、というのはあまり...
では私はユーリ艦長を憎んでいるのか?
彼と出会ってから、私がそれまで規定していた私自身はゆる...
だがそれは決して不快ではなかった。
彼が私を抱きながら別の方向を見つめていることが辛いのか?
身体のみの繋がりであろうとかまわない。
私の下で顔を歪め、乱れた呼吸をつくこの美しい男は、今だ...
忘れたい。
忘れさせたい。
忘れたくない。
矛盾しているのかいないのか、もう何もわからない。
私の中で暴れる肉の楔だけが今存在するただひとつの事実だ...
腰骨を掴まれ、下から激しく突き上げられる。
犯しているのか犯されているのか。
この奇妙な満足感は征服感なのか被征服感なのか。
切れぎれの思考が撹拌され、膨れ上がる光に押し流される。
ひどく敏感になった内側にじわりと熱を感じた直後、私の中...
滴り落ちた汗が自分の放ったものと混ざるのが見えて、私は...
「何に怯えている」
下になったまま、私の顔をじっと見ていたユーリ艦長がそう...
私と彼を繋いでいたそれが次第に柔らかくなっていくのがわ...
目を逸らし、無言で身体を離そうとすると、温かい掌が頬に...
「何もかもひとりで背負おうとするな。潰れるぞ」
指先で目尻を拭われ、先程落ちたのが汗ではなく涙であった...
ずるりと彼が出て行く感触に、未練がましい吐息が漏れる。
疲労感で重くなった身体から不意に力が抜け、重力に従って...
半身を起こし鎖骨のあたりまで飛んでいた精液を拭っている...
ユーリ艦長を常に覆っていた、触れれば灼かれそうな緊張感...
私には彼と快楽を分け合うことはできても、彼女のように彼...
本来彼の隣にいるのは彼女であるべきなのだ。彼女が彼の実...
ここでも私は出来の悪い代用品にすぎない。改めてそれを思...
——嫉妬ばかりしているな、私は。
寝返りをうち、目を閉じてため息をつく。
ユーリ艦長が寝転がったのか、背中側でベッドが軋んだ。
「バーゼル大佐に初めて会った日」
背中がぴくりと震えたのが彼にも伝わったのだろう。安心さ...
「当時一緒に旅をしていた0Gドッグが、『俺とユーリ、どちら...
背中から伝わる体温が心地いい。
私はしばらく、このままこの腕に甘えていてもいいだろうか。
ユーリ艦長は、背後から私を抱えたまま、聞かせるともなく...
「踏んできた場数も、度胸も、艦長としての能力も、そいつの...
戦術シミュレーションで兄にこてんぱんに負かされたあと、...
——自分の目と頭だけで答えを出そうと焦りすぎるのがお前の...
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艦長の言葉には、兄への素直な敬意と感謝が見えた。
消えない棘が胸を刺す。すでに手の届かない場所へ行ってし...
「私は兄のようにはなれません」
我ながら女々しいな、と思いながら口に出した呟きに、予想...
「『できません』は言わないんじゃなかったのか?」
「!?」
思わず振り向いた私は相当驚いた顔をしていたのだろう。ユ...
「案内してくれた副官から聞いた」
中佐にあまり無理をさせないでくださいよ、と釘を刺された...
「あいつらがお前についてくるのは、お前がバーゼル・シュナ...
不意に強く抱きすくめられた。
首筋に噛みつくような位置で低い声が囁く。
「俺にはお前が必要だ。こんなところで脱落してもらっては困...
腰にぞくりと響くその声に、身体の力が抜ける。
どうしてこの人はこう息をするように人の心を捕まえるのか...
軽く睨みつけると、艦長は不意に表情を改めた。
「バーゼル大佐はあんなところで死ぬべき人ではなかった。彼...
先程までとは別人のような、どこか切羽詰まったものさえ感...
決して反故にすることのできない、恩ある死者たちとの約束。
それは彼の意志を支えているものだが、同時に彼にかけられ...
「生き続けて……何をするんです?」
この戦いが終わったら、あなたは生きる目的を失ってしまう...
私の問いにはそんな不安が滲んでいたのだろう。
ユーリ艦長はあっさりとそこを飛び越えてみせた。
「そうだな。すべて片付いたら、宇宙の果てでも探しに行くこ...
少年の表情で笑ったユーリ艦長につられてこちらも微笑む。
ああ、やはり私はこの人が好きなのだ。兄の言葉が彼に残し...
「おかしいか?」
「いえ、その時は私もお供させてください」
「ああ、ついてこい。必ず」
契約の印のようにくちづけられる。
「俺にはお前が必要だ」
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だが、私は今ここに生きていて、この人に必要とされている...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
兄さんが生きてるうちは年齢差のせいもあって埋もれていたコ...
やたら優秀な兄とそこそこ(実力差が自覚できる程度に)優秀...
でも「兄を支配し云々」というのはたぶん思い込みによる記憶...
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シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
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第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
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第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
第57巻
第56巻
第55巻
第54巻
第53巻
第52巻
第51巻
第50巻
第49巻
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第42巻
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第40巻
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第9巻
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第5巻
第4巻
第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
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