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#title(乱れそめにし)
・半生、お$台操作選で信条→←夢炉伊
・前作「絶えなば絶えね」の続き、BL色は薄めですが両片思い...
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
あなたと離れ、割り切れない思いを胸の内に秘めながら、私...
そんな時、地方県警本部への一年間の赴任が決まった。丁度...
「訓告……?」
「ああ。捜査中、上の許可なしに勝手に動いたとさ。全く、何...
赴任が明け、私の次のポストは警視庁捜査一課の管理官に決...
これまで目立ったミスもなく、東大や京大卒の同期に遜色な...
「……所轄の刑事にお気に入りが出来たらしい。訓告を喰らった...
そう言ってけらけらと笑うこの男が、私は好きではなかった...
……何も知らないくせに。そう思いながら、私の中に熔けた鉛...
調べはすぐについた。“元”・湾岸署捜査員の青嶋俊作巡査部...
今は異動先の署で警備課に属しているようだが、何にせよ、...
あなたとは、引き継ぎのために本庁で数度、話をする機会が...
そうして数件の事件を問題なく解決した後、本庁の廊下を歩...
「……新條」
どこか遠慮がちに、後ろから掛けられた声。振り向かなくて...
「榁井さん……」
年の瀬でイベントなども多い時期だ。警備部のあなたもさぞ...
「……何か御用でも?」
「仕事の話だ。五分も取らせない」
私の意図を汲んだのか、あなたはそう言った。お互い、たま...
「仕事は順調らしいな」
「……ええ」
後任の私を気に掛けてくれている、などと浮かれてはいけな...
「もしお前が湾岸署に行くことがあったら……面白い男がいる。...
心に暗い感情が渦巻いた。
「……噂で聞きました。あなたが所轄の刑事と仲良しごっこをし...
「本当ならとっくに元の署に戻っているはずが、手違いがあっ...
それほどまでにそいつに目を懸けているのか。あなたを他人...
「馴れ合いは感心しませんね。私たちと所轄の捜査員とは違い...
「……違わない。私たちは同じ警察官だ」
「そんなのは綺麗ごとです……あなただって本当は分かっている...
正義漢らしいあなたの考えそうなことではあるが、現実はそ...
「話がそれだけなら、そろそろおいとまします。……一応、忠告...
返事も聞かず、私はさっさとあなたに背を向けた。あなたが...
あんな世迷い言をほざく男に、お前は惚れたのか? ほら、...
皮肉なことに、その翌日に早速台場の湾岸署管内で殺人事件...
※※※
それから一週間ほど後――私は本庁内のひと気のない場所を見...
「榁井さん。今日の夜、時間は取れますか」
「……大丈夫だが……」
あなたに私から話しかけるのはかなり久しぶりのことだ。あ...
「二人で話が出来る場所を知りませんか……官舎の私たちの部屋...
※※※
捜査会議で私に資料を渡した男が問題の青嶋だと、一目で分...
私はほくそ笑んだ。私たち上の人間にとって使いづらいとい...
あなたの後任ということで、私まで上下関係の別を気にしな...
さぞ署の面々に嫌われたことだろうが、気にする必要はない...
……管理官になったばかりなのに加え、どこへ行くにも前任の...
そうして捜査を進めていく中、ふいにあなたが湾岸署に立ち...
私に捜査の参考になる資料を届けに来たというあなたに、内...
「……警備局の課長がどうしてわざわざここまで?」
「……近くまで来た」
「青嶋のことが心配で?」
私の掛けた揺さぶりに、あなたは面白いように反応した。……...
「彼は捜査本部に入れてません。……私はあなたのように甘くは...
「組織捜査? お前が実現したいのは階級差別の徹底だろう」
「……それが上に立つ者の仕事です。私たちは理想の実現なんか...
部下や所轄の捜査員たちの前だったこともあり、いつも以上...
その後、例によって奴を誉めそやすあなたの言葉を、私は苦...
ここへ来てミスをすることは許されない。私はあなたや奴の...
……結論から言って、その試みは失敗したと言わざるを得ない...
正直なところ、あまり思い出したくはない出来事だった。
※※※
「……どういうことですか、榁井さん」
個室の座敷とは言え、壁の向こうからはひっきりなしに笑い...
あなたは周りの雑音が耳に入らないかのように、敬虔な修行...
「どう、とは?」
「事件の後処理を決める場に、榁井さんも呼ばれたそうですね」
「参考程度に意見を聞かれただけだ」
「そこで湾岸署をかばう発言をしたと聞いています。事情聴取...
あなたはやれやれという調子で話しだした。
「……研修中とは言え、眞下君も一人の警察官だ。それに、あの...
あなたの言うことには、きちんと筋が通っている……初めてあ...
「……青嶋がそんなに気に入らないか?」
当たり前だろう。あなたの経歴に汚点を残した男なのだ。
「……与えられた業務をこなさずに独自に事件を追って、結果被...
コップに少しだけ残っていたビールを一気に飲み干す。酒が...
「私たちは特に選ばれ、この警察組織の中枢を担うことを嘱望...
「それは歪んだ選民思想だ、新條。ノンキャリアの警察官だっ...
あなたはどこか面白がるような言い方をする。年下の言うこ...
「……自分たちは選ばれた人間だという意識を持つことの、何が...
話が長くなると踏んだのだろう、あなたは自分の分のビール...
「警察官の不祥事は後を絶ちません……収賄や横領ならまだまし...
本来市民を守るべき警察官が市民を害するなどということは...
……酔って熱くなりすぎたようだ。私は少々気恥ずかしくなり...
「っく……ははは……」
あなたがこらえきれなくなったというように笑いだした。私...
「……何がおかしいんですか」
「すまん……お前は変わらんと思ってな……」
あなたはどうにか笑いを収め、息を整えた。……ほんの少し前...
「出世や権力欲に取り付かれたキャリアと同じように見えて、...
「……国のことを考えるのが、国家公務員の仕事でしょう。出世...
そう、あなたは分かっているはずなのに。
「榁井さん……言ったでしょう、私たちは理想の実現なんか求め...
大体、所轄の捜査員は所詮下っ端だ。さっき言ったような犯...
私たちと現場の捜査員とは、そもそも採用された目的もする...
「……確かに、そんな捜査員もいるな。俺も、現場の人間と自分...
上に行くまで自分の信念を殺してただ命令通りに仕事をする...
愛しい人の関心が別の男に向いている。尊敬する人が道を誤...
上層部はキャリアのあなたが現場と密な関係になることを望...
しかしあなたの決意が固いのをこの目で見て、私はこれ以上...
「丁度良かった。私も、今回の事件についてお前に話したいこ...
話? 私の対応がまずかったと説教でもする気なのだろうか。
「……猟銃を持った犯人の前に出て、拳銃を突き付けたらしいな」
箸でつまんだ刺身を、危うく取り落とすところだった。
「どうしてそれを……」
「青嶋と電話した時に聞いた」
奴め、余計なことを。
「何でそんな危険な真似をした? それこそ、キャリアらしく...
「……あの場の責任者は私です」
「お前が担当していたのは殺人事件だ。人質立てこもり事件じ...
諭されるように言われて、悔しさと同時にどこか嬉しさも感...
「犯人に殺されていたかも知れないんだぞ……話を聞いた時は少...
結局、私の処分は非公式の厳重注意。……表面的には、私の経...
上司の一人にお父上は元気か、と問われて(父も東大法学部...
「……私がどうなろうと、榁井さんには関係ないでしょ」
あなたはむっとしたように声を荒げた。
「関係なくは……!」
はたと何かに気付いたあなたは、一瞬目を泳がせて言い直す。
「……関係なくは、ないだろうが……」
沈黙。周囲からは、相も変わらず聞こえてくる上品とは言い...
あなたが私の身を案じてくれていたことに、年甲斐もなく顔...
……優しいあなたのことだ。一度限りとは言え体の関係を持っ...
私たちは暫時、黙ってテーブルの上の食べ物を片付けるのに...
店を出た帰り道。戻る先は同じ官舎だ。並んで歩いていると...
「……久々にお前と話せて良かったと思ってる。また、飲みに連...
店を決めたのはあなただが、そもそも話がしたいと言いだし...
「……勘違いしないでください。今日私たちが会ったのはあくま...
「……そうだった」
つっけんどんな私の言葉に、あなたは苦笑した。官舎に着く...
「……今度は」
あなたが振り返る。
「今度は私が、店を選びます。……あなたの趣味は当てにならな...
「……悪趣味で悪かったな」
部屋に戻った私は、ソファーに倒れ込んだ。酔い過ぎた訳で...
……無理だ。あなたを忘れるなんて……あなたを愛することをや...
あなたがこのまま出世から遠ざかるのを、見てみぬふりをす...
何故“彼女”の時とは違って青嶋のことがこんなに気にかかる...
青嶋と関わることがあなたの身にとってプラスになるという...
今のところ、上層部はあなたと青嶋との関係を危険視するま...
誰に頼まれた訳でもない。これは私一人の我が儘だ。こんな...
※※※
「……君がいる所にはいつも問題が発生するな」
「管理官からの伝言です。あなたは無駄なことに力を注いでる...
湾岸署の人質立てこもり事件が解決した直後、私は青嶋と電...
組織には組織なりの規律がある。例えそれが自分の正義感に...
だが、青嶋はあくまでそんな理不尽に立ち向かった。彼に出...
所轄と本庁、キャリアとノンキャリアの壁が捜査の妨げにな...
「榁井さん。俺たちだけは、無駄だと思っても信じたことやり...
「……ああ……正しいと思うことを」
新條が私の出世を危ぶんでいることは分かっている。しかし...
「ええ。戻してくれて、ありがとうございました」
「……無駄なことをした」
こうして軽口を叩けるような気の置けない友人というものを...
同期の一倉との仲は悪くないが、仕事をする上ではあくまで...
それに新條は――
「……そう言えば、あの新條さんて新しい管理官! 何とかなら...
「……あいつがまだ何か言ったか」
新條には所轄を見下す傾向がある。所轄の捜査員は必ずしも...
キャリアにも不正を働く者はいるのだし、今の私は、出来う...
それにしても新條は、一緒に捜査をする刑事たちと必要以上...
「言ったというか、もう大変だったんすから……新條さん、『こ...
「……何?」
新條は上に必要な報告をしなかった。怠慢ではない。自分の...
「……犯人を刺激したら死人が出るかも知れなかったんです。SAT...
「分かった。私から何とか言っておこう。……あれであいつも管...
今回の事件は、一概に誰か一人が悪いという性質のものでは...
……その前に、新條が死んでいたかも知れなかったことの方に...
「榁井さん、新條さんと仲いいんですか? なんか、意外っす...
青嶋が驚いたように言った。今私が言ったことに、そう判断...
「新條は私の後任だからな……話をする機会も多いんだ。私が東...
初めて新條に会った時、あいつは私が東北大に進学したこと...
(あなたが東大出身でさえあれば、もっと早く出世できるのに…...
率直に言って大きなお世話だったが、新條なりに私の心配を...
私を露骨に蔑んで相手にもしなかったり、口では大学の違い...
……会いたい。ついこの間、ようやく地方勤務から戻った新條...
以前は、新條と濃密に関わり過ぎたと思う。だが……あくまで...
「そうっすか……じゃ、よろしくお願いしますね」
「ああ。……課長と代わってくれ」
青嶋も、私の立場の難しさを分かってくれている。私にとっ...
さて、早速湾岸署の人員配置について刑事課長の意見を聞か...
※※※
「榁井さん。今日の夜、時間は取れますか」
事件解決の数日後のことだ。あいつの方から私に話し掛けて...
「……大丈夫だが……」
「二人で話が出来る場所を知りませんか……官舎の私たちの部屋...
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
スレの方にも書いたのですが、自サイトを作ることに決めまし...
この作品とこれまでの作品はサイトの方に再録させていただき、
続きもそちらにアップすることにします。これまで大変ありが...
- 続きが読みたいー! -- [[かに]] &new{2018-01-28 (日) 19:...
- この気持ちをどうしたらいいのおー!! -- [[かに]] &new{2...
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・前作「絶えなば絶えね」の続き、BL色は薄めですが両片思い...
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あなたと離れ、割り切れない思いを胸の内に秘めながら、私...
そんな時、地方県警本部への一年間の赴任が決まった。丁度...
「訓告……?」
「ああ。捜査中、上の許可なしに勝手に動いたとさ。全く、何...
赴任が明け、私の次のポストは警視庁捜査一課の管理官に決...
これまで目立ったミスもなく、東大や京大卒の同期に遜色な...
「……所轄の刑事にお気に入りが出来たらしい。訓告を喰らった...
そう言ってけらけらと笑うこの男が、私は好きではなかった...
……何も知らないくせに。そう思いながら、私の中に熔けた鉛...
調べはすぐについた。“元”・湾岸署捜査員の青嶋俊作巡査部...
今は異動先の署で警備課に属しているようだが、何にせよ、...
あなたとは、引き継ぎのために本庁で数度、話をする機会が...
そうして数件の事件を問題なく解決した後、本庁の廊下を歩...
「……新條」
どこか遠慮がちに、後ろから掛けられた声。振り向かなくて...
「榁井さん……」
年の瀬でイベントなども多い時期だ。警備部のあなたもさぞ...
「……何か御用でも?」
「仕事の話だ。五分も取らせない」
私の意図を汲んだのか、あなたはそう言った。お互い、たま...
「仕事は順調らしいな」
「……ええ」
後任の私を気に掛けてくれている、などと浮かれてはいけな...
「もしお前が湾岸署に行くことがあったら……面白い男がいる。...
心に暗い感情が渦巻いた。
「……噂で聞きました。あなたが所轄の刑事と仲良しごっこをし...
「本当ならとっくに元の署に戻っているはずが、手違いがあっ...
それほどまでにそいつに目を懸けているのか。あなたを他人...
「馴れ合いは感心しませんね。私たちと所轄の捜査員とは違い...
「……違わない。私たちは同じ警察官だ」
「そんなのは綺麗ごとです……あなただって本当は分かっている...
正義漢らしいあなたの考えそうなことではあるが、現実はそ...
「話がそれだけなら、そろそろおいとまします。……一応、忠告...
返事も聞かず、私はさっさとあなたに背を向けた。あなたが...
あんな世迷い言をほざく男に、お前は惚れたのか? ほら、...
皮肉なことに、その翌日に早速台場の湾岸署管内で殺人事件...
※※※
それから一週間ほど後――私は本庁内のひと気のない場所を見...
「榁井さん。今日の夜、時間は取れますか」
「……大丈夫だが……」
あなたに私から話しかけるのはかなり久しぶりのことだ。あ...
「二人で話が出来る場所を知りませんか……官舎の私たちの部屋...
※※※
捜査会議で私に資料を渡した男が問題の青嶋だと、一目で分...
私はほくそ笑んだ。私たち上の人間にとって使いづらいとい...
あなたの後任ということで、私まで上下関係の別を気にしな...
さぞ署の面々に嫌われたことだろうが、気にする必要はない...
……管理官になったばかりなのに加え、どこへ行くにも前任の...
そうして捜査を進めていく中、ふいにあなたが湾岸署に立ち...
私に捜査の参考になる資料を届けに来たというあなたに、内...
「……警備局の課長がどうしてわざわざここまで?」
「……近くまで来た」
「青嶋のことが心配で?」
私の掛けた揺さぶりに、あなたは面白いように反応した。……...
「彼は捜査本部に入れてません。……私はあなたのように甘くは...
「組織捜査? お前が実現したいのは階級差別の徹底だろう」
「……それが上に立つ者の仕事です。私たちは理想の実現なんか...
部下や所轄の捜査員たちの前だったこともあり、いつも以上...
その後、例によって奴を誉めそやすあなたの言葉を、私は苦...
ここへ来てミスをすることは許されない。私はあなたや奴の...
……結論から言って、その試みは失敗したと言わざるを得ない...
正直なところ、あまり思い出したくはない出来事だった。
※※※
「……どういうことですか、榁井さん」
個室の座敷とは言え、壁の向こうからはひっきりなしに笑い...
あなたは周りの雑音が耳に入らないかのように、敬虔な修行...
「どう、とは?」
「事件の後処理を決める場に、榁井さんも呼ばれたそうですね」
「参考程度に意見を聞かれただけだ」
「そこで湾岸署をかばう発言をしたと聞いています。事情聴取...
あなたはやれやれという調子で話しだした。
「……研修中とは言え、眞下君も一人の警察官だ。それに、あの...
あなたの言うことには、きちんと筋が通っている……初めてあ...
「……青嶋がそんなに気に入らないか?」
当たり前だろう。あなたの経歴に汚点を残した男なのだ。
「……与えられた業務をこなさずに独自に事件を追って、結果被...
コップに少しだけ残っていたビールを一気に飲み干す。酒が...
「私たちは特に選ばれ、この警察組織の中枢を担うことを嘱望...
「それは歪んだ選民思想だ、新條。ノンキャリアの警察官だっ...
あなたはどこか面白がるような言い方をする。年下の言うこ...
「……自分たちは選ばれた人間だという意識を持つことの、何が...
話が長くなると踏んだのだろう、あなたは自分の分のビール...
「警察官の不祥事は後を絶ちません……収賄や横領ならまだまし...
本来市民を守るべき警察官が市民を害するなどということは...
……酔って熱くなりすぎたようだ。私は少々気恥ずかしくなり...
「っく……ははは……」
あなたがこらえきれなくなったというように笑いだした。私...
「……何がおかしいんですか」
「すまん……お前は変わらんと思ってな……」
あなたはどうにか笑いを収め、息を整えた。……ほんの少し前...
「出世や権力欲に取り付かれたキャリアと同じように見えて、...
「……国のことを考えるのが、国家公務員の仕事でしょう。出世...
そう、あなたは分かっているはずなのに。
「榁井さん……言ったでしょう、私たちは理想の実現なんか求め...
大体、所轄の捜査員は所詮下っ端だ。さっき言ったような犯...
私たちと現場の捜査員とは、そもそも採用された目的もする...
「……確かに、そんな捜査員もいるな。俺も、現場の人間と自分...
上に行くまで自分の信念を殺してただ命令通りに仕事をする...
愛しい人の関心が別の男に向いている。尊敬する人が道を誤...
上層部はキャリアのあなたが現場と密な関係になることを望...
しかしあなたの決意が固いのをこの目で見て、私はこれ以上...
「丁度良かった。私も、今回の事件についてお前に話したいこ...
話? 私の対応がまずかったと説教でもする気なのだろうか。
「……猟銃を持った犯人の前に出て、拳銃を突き付けたらしいな」
箸でつまんだ刺身を、危うく取り落とすところだった。
「どうしてそれを……」
「青嶋と電話した時に聞いた」
奴め、余計なことを。
「何でそんな危険な真似をした? それこそ、キャリアらしく...
「……あの場の責任者は私です」
「お前が担当していたのは殺人事件だ。人質立てこもり事件じ...
諭されるように言われて、悔しさと同時にどこか嬉しさも感...
「犯人に殺されていたかも知れないんだぞ……話を聞いた時は少...
結局、私の処分は非公式の厳重注意。……表面的には、私の経...
上司の一人にお父上は元気か、と問われて(父も東大法学部...
「……私がどうなろうと、榁井さんには関係ないでしょ」
あなたはむっとしたように声を荒げた。
「関係なくは……!」
はたと何かに気付いたあなたは、一瞬目を泳がせて言い直す。
「……関係なくは、ないだろうが……」
沈黙。周囲からは、相も変わらず聞こえてくる上品とは言い...
あなたが私の身を案じてくれていたことに、年甲斐もなく顔...
……優しいあなたのことだ。一度限りとは言え体の関係を持っ...
私たちは暫時、黙ってテーブルの上の食べ物を片付けるのに...
店を出た帰り道。戻る先は同じ官舎だ。並んで歩いていると...
「……久々にお前と話せて良かったと思ってる。また、飲みに連...
店を決めたのはあなただが、そもそも話がしたいと言いだし...
「……勘違いしないでください。今日私たちが会ったのはあくま...
「……そうだった」
つっけんどんな私の言葉に、あなたは苦笑した。官舎に着く...
「……今度は」
あなたが振り返る。
「今度は私が、店を選びます。……あなたの趣味は当てにならな...
「……悪趣味で悪かったな」
部屋に戻った私は、ソファーに倒れ込んだ。酔い過ぎた訳で...
……無理だ。あなたを忘れるなんて……あなたを愛することをや...
あなたがこのまま出世から遠ざかるのを、見てみぬふりをす...
何故“彼女”の時とは違って青嶋のことがこんなに気にかかる...
青嶋と関わることがあなたの身にとってプラスになるという...
今のところ、上層部はあなたと青嶋との関係を危険視するま...
誰に頼まれた訳でもない。これは私一人の我が儘だ。こんな...
※※※
「……君がいる所にはいつも問題が発生するな」
「管理官からの伝言です。あなたは無駄なことに力を注いでる...
湾岸署の人質立てこもり事件が解決した直後、私は青嶋と電...
組織には組織なりの規律がある。例えそれが自分の正義感に...
だが、青嶋はあくまでそんな理不尽に立ち向かった。彼に出...
所轄と本庁、キャリアとノンキャリアの壁が捜査の妨げにな...
「榁井さん。俺たちだけは、無駄だと思っても信じたことやり...
「……ああ……正しいと思うことを」
新條が私の出世を危ぶんでいることは分かっている。しかし...
「ええ。戻してくれて、ありがとうございました」
「……無駄なことをした」
こうして軽口を叩けるような気の置けない友人というものを...
同期の一倉との仲は悪くないが、仕事をする上ではあくまで...
それに新條は――
「……そう言えば、あの新條さんて新しい管理官! 何とかなら...
「……あいつがまだ何か言ったか」
新條には所轄を見下す傾向がある。所轄の捜査員は必ずしも...
キャリアにも不正を働く者はいるのだし、今の私は、出来う...
それにしても新條は、一緒に捜査をする刑事たちと必要以上...
「言ったというか、もう大変だったんすから……新條さん、『こ...
「……何?」
新條は上に必要な報告をしなかった。怠慢ではない。自分の...
「……犯人を刺激したら死人が出るかも知れなかったんです。SAT...
「分かった。私から何とか言っておこう。……あれであいつも管...
今回の事件は、一概に誰か一人が悪いという性質のものでは...
……その前に、新條が死んでいたかも知れなかったことの方に...
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青嶋が驚いたように言った。今私が言ったことに、そう判断...
「新條は私の後任だからな……話をする機会も多いんだ。私が東...
初めて新條に会った時、あいつは私が東北大に進学したこと...
(あなたが東大出身でさえあれば、もっと早く出世できるのに…...
率直に言って大きなお世話だったが、新條なりに私の心配を...
私を露骨に蔑んで相手にもしなかったり、口では大学の違い...
……会いたい。ついこの間、ようやく地方勤務から戻った新條...
以前は、新條と濃密に関わり過ぎたと思う。だが……あくまで...
「そうっすか……じゃ、よろしくお願いしますね」
「ああ。……課長と代わってくれ」
青嶋も、私の立場の難しさを分かってくれている。私にとっ...
さて、早速湾岸署の人員配置について刑事課長の意見を聞か...
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事件解決の数日後のことだ。あいつの方から私に話し掛けて...
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シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
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第1巻
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