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62-68
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開始行:
#title(スキマスイッチ 「ソフトクリームの午後」)
[[>>49-51>62-49]]の、某生モノネタの二個目。前回レス...
元アフロとスターの話。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
この近くに、近所に、ミニストップなんてあったっけか。あん...
確かこのライブハウスに来る前に通った道には、セブンイレブ...
だから別にそこに買い出しに行くくらいは、大した時間じゃな...
もしかしたら見つけるまで結構、かかるんじゃないのかな。
「ミニストップの、クーベルチョコのソフトクリーム」
それ以外は却下。
にっこり笑って、スタッフの兄ちゃんにこいつは言ったんだ。...
帰りの新幹線の切符の時間、それまでのタクシーの手配、そう...
いらっと来る気持ちはよくわかる。地方イベントも嫌いじゃな...
俺もまた、そこでゴメン、って風に頭だけは下げたけど、だか...
こいつのドSっぷりには、それにも慣れてたし。
だから暇だ。結構時間が出来てしまった。大丈夫かね、夜には...
イベント自体は直ぐ終わった。数曲演奏して盛り上げて、で、...
「……シンタ君、それ取ってくんね?」
「あー?タバコ?」
「や、ポッキー」
あ、これね。俺はPSPの傍にあった赤い箱を、ぽいと背後に...
ぽすっと楽屋の畳に軽い菓子箱の落ちる音、それからごそごそ...
多分もうちょっとだろう。
スタッフ君が息せききって戻って来るのが先か、新幹線のチケ...
それまで、暇だ。
別に思い出さなくてもよかったけど、そういえばこんな風に二...
そんで、ふたりで時間をもてあますなんてのも。この前言われ...
そうだなあ、久しぶりだな、こういうの。デビューする前とか...
俺んちでダラダラしたり、歌詞書いたり、CD聞いたり。そん...
「……もうさ、確かに二十年近いな、俺らってさ」
「んー」
「だよな?」
「あ、そうね」
あんまりこっちに集中してない返事が聞こえて、俺は何となく...
お前には聞こえてなくて良くて、何となく言いたいだけのこと...
俺もゲームのカーソルを動かしながら、だらだらっと言う。あ...
「こーしてると、あんま変わらんよね、結構」
「っは、たっしかに~」
「……だから何つーかさ、俺、ずっとこれでいいやって思うんよ...
最初お前は俺に対して、絶対に好印象抱いてなかった。後で冗...
馬鹿みたいに、いきなり夢中になった。
「お前とやれてて、マジ幸せとか、うん」
十年近く追っかけまわして、まあ本当に。迷惑そうに眉をひそ...
それでも時折お前から連絡が来ると俺は、何も文句言わずにい...
現状維持。
だから俺には、しみじみ今が最強だわ、タクヤ。
お互いやりたいことがまた出来て、もしかしたら離れるかもっ...
十六年、ってお前は間違えて、多分十七年、って俺は思ってる。
それをあー、字面恥ずかしいけど、幸せって言っちゃおうと、...
「お前がどうでもさ、俺は昔っから同じままだから、うん」
「……。」
「……変わらんからね。もうね、この気持ち墓場まで持ってくつ...
お前に執着したり追っかけたり、好きだったりするのはもう俺...
今さらそれをヤメロと言われても困る、難しい方向の部類だ。...
「俺、さー」
あ、あ、うあ、ミスった。やっぱ会話とゲームは一緒にやっち...
「……シンタ君のそういうとこ、あんまり良くない部分だと思っ...
死んだー!!ゲームオーバー。
「……え?ナニ?」
「自己完結とか、俺置いてきぼり?」
「へ?」
何か、言われてる。ゲームも一区切りついた(負けた)んで思...
ごろっと寝っ転がって、シャツを皺だらけにしてあっち向いて...
俺は素で聞いた。間抜けな声になってたかもしれない。
「そっちはそうだね、って俺も思うけどさ」
「うん?」
「逆に俺、まだそこまで悟りきれてねーので……だって半分くら...
何だって?
「……幸せ、って別にそれは嫌じゃねいんだ、けどね、でも」
ぱた、雑誌を半分にして顔を覆って、ごろん。こいつは仰向け...
「もしかしたら俺ばっか、置いてきぼりになっちゃってるんか...
「……。」
「あ、あんまこっち見んなよ。……今、超なっさけない顔してっ...
見たくても、見えねーよ、それじゃ。
畳の上についた掌が、じわっと汗ばんだのがわかった。体中も...
暑くも無く、寒くも無い。空調はちゃんとしてる、そうでなく...
だからソフトクリームがいいなんて、そんなのお前のただのワ...
どどどと、うるさい。あ、これ俺の心臓か。
そろそろ、手を伸ばす。
手を伸ばしたら、触れてしまう。
おい、ヤメロ。
「……タクヤ」
俺、今まで自分らのPVを見ては、さっすが映像は映像のプロ...
だっていつも、こいつがあんまりかっこよく撮れてるもんで。...
それが本気の本当に、こんな風に眼の前にあると、どうしたら...
ずらされた雑誌の下から、お前がこっちを見ていた。
あれ、本気で本当にお前なんだって、こんな風にこんななんだ...
お前あんまりそういう眼、すんなよ、ってちょっと思ってたの...
「だっ」
って、どうにもならずにどうにもできなかった俺に、突然こい...
体を跳ねあがらせて、抱きつくよりも体当たり、普通にびっく...
マガジン、まだ俺は読んでない今週号のそれが、ぼすっと落ち...
「終わって、んだ?」
でも、そんな俺の反応完全無視、して耳元で、こいつは言った。
「終わってん、の?」
「……。」
何がだ。答えはわかってたけど、それに自分で答えたくなくて...
するとこいつは畳みかけてくる。
ドSだな、やっぱり。ホント容赦ないよな、徹底的に追い詰め...
「シンタ君のは、もう終わってんの?」
あ。
「……んじゃ俺、どうしたらいい」
でも、何か。
これ、いつものと違う。
さっきのスタッフに、どうしてもソフトクリームじゃないと嫌...
顔は見えない、だって耳元にくしゃくしゃの柔らかい髪が当た...
その声はでも、無茶苦茶近い。あの声、あの声、あの声だって...
もしかして傷つけてんのかなって思いと、でも傷ついたらそれ...
ちょっと冷めてたかな、俺。そういう意味ではごめん、悪い。
腕で、俺の首と背中を締めてくる。けど怒ってるやり方じゃな...
ほんとに、こんなの初めてだ、色々。
「どーしたらいい」
それは、俺のセリフだ。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
また時々お邪魔します。
#comment
終了行:
#title(スキマスイッチ 「ソフトクリームの午後」)
[[>>49-51>62-49]]の、某生モノネタの二個目。前回レス...
元アフロとスターの話。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
この近くに、近所に、ミニストップなんてあったっけか。あん...
確かこのライブハウスに来る前に通った道には、セブンイレブ...
だから別にそこに買い出しに行くくらいは、大した時間じゃな...
もしかしたら見つけるまで結構、かかるんじゃないのかな。
「ミニストップの、クーベルチョコのソフトクリーム」
それ以外は却下。
にっこり笑って、スタッフの兄ちゃんにこいつは言ったんだ。...
帰りの新幹線の切符の時間、それまでのタクシーの手配、そう...
いらっと来る気持ちはよくわかる。地方イベントも嫌いじゃな...
俺もまた、そこでゴメン、って風に頭だけは下げたけど、だか...
こいつのドSっぷりには、それにも慣れてたし。
だから暇だ。結構時間が出来てしまった。大丈夫かね、夜には...
イベント自体は直ぐ終わった。数曲演奏して盛り上げて、で、...
「……シンタ君、それ取ってくんね?」
「あー?タバコ?」
「や、ポッキー」
あ、これね。俺はPSPの傍にあった赤い箱を、ぽいと背後に...
ぽすっと楽屋の畳に軽い菓子箱の落ちる音、それからごそごそ...
多分もうちょっとだろう。
スタッフ君が息せききって戻って来るのが先か、新幹線のチケ...
それまで、暇だ。
別に思い出さなくてもよかったけど、そういえばこんな風に二...
そんで、ふたりで時間をもてあますなんてのも。この前言われ...
そうだなあ、久しぶりだな、こういうの。デビューする前とか...
俺んちでダラダラしたり、歌詞書いたり、CD聞いたり。そん...
「……もうさ、確かに二十年近いな、俺らってさ」
「んー」
「だよな?」
「あ、そうね」
あんまりこっちに集中してない返事が聞こえて、俺は何となく...
お前には聞こえてなくて良くて、何となく言いたいだけのこと...
俺もゲームのカーソルを動かしながら、だらだらっと言う。あ...
「こーしてると、あんま変わらんよね、結構」
「っは、たっしかに~」
「……だから何つーかさ、俺、ずっとこれでいいやって思うんよ...
最初お前は俺に対して、絶対に好印象抱いてなかった。後で冗...
馬鹿みたいに、いきなり夢中になった。
「お前とやれてて、マジ幸せとか、うん」
十年近く追っかけまわして、まあ本当に。迷惑そうに眉をひそ...
それでも時折お前から連絡が来ると俺は、何も文句言わずにい...
現状維持。
だから俺には、しみじみ今が最強だわ、タクヤ。
お互いやりたいことがまた出来て、もしかしたら離れるかもっ...
十六年、ってお前は間違えて、多分十七年、って俺は思ってる。
それをあー、字面恥ずかしいけど、幸せって言っちゃおうと、...
「お前がどうでもさ、俺は昔っから同じままだから、うん」
「……。」
「……変わらんからね。もうね、この気持ち墓場まで持ってくつ...
お前に執着したり追っかけたり、好きだったりするのはもう俺...
今さらそれをヤメロと言われても困る、難しい方向の部類だ。...
「俺、さー」
あ、あ、うあ、ミスった。やっぱ会話とゲームは一緒にやっち...
「……シンタ君のそういうとこ、あんまり良くない部分だと思っ...
死んだー!!ゲームオーバー。
「……え?ナニ?」
「自己完結とか、俺置いてきぼり?」
「へ?」
何か、言われてる。ゲームも一区切りついた(負けた)んで思...
ごろっと寝っ転がって、シャツを皺だらけにしてあっち向いて...
俺は素で聞いた。間抜けな声になってたかもしれない。
「そっちはそうだね、って俺も思うけどさ」
「うん?」
「逆に俺、まだそこまで悟りきれてねーので……だって半分くら...
何だって?
「……幸せ、って別にそれは嫌じゃねいんだ、けどね、でも」
ぱた、雑誌を半分にして顔を覆って、ごろん。こいつは仰向け...
「もしかしたら俺ばっか、置いてきぼりになっちゃってるんか...
「……。」
「あ、あんまこっち見んなよ。……今、超なっさけない顔してっ...
見たくても、見えねーよ、それじゃ。
畳の上についた掌が、じわっと汗ばんだのがわかった。体中も...
暑くも無く、寒くも無い。空調はちゃんとしてる、そうでなく...
だからソフトクリームがいいなんて、そんなのお前のただのワ...
どどどと、うるさい。あ、これ俺の心臓か。
そろそろ、手を伸ばす。
手を伸ばしたら、触れてしまう。
おい、ヤメロ。
「……タクヤ」
俺、今まで自分らのPVを見ては、さっすが映像は映像のプロ...
だっていつも、こいつがあんまりかっこよく撮れてるもんで。...
それが本気の本当に、こんな風に眼の前にあると、どうしたら...
ずらされた雑誌の下から、お前がこっちを見ていた。
あれ、本気で本当にお前なんだって、こんな風にこんななんだ...
お前あんまりそういう眼、すんなよ、ってちょっと思ってたの...
「だっ」
って、どうにもならずにどうにもできなかった俺に、突然こい...
体を跳ねあがらせて、抱きつくよりも体当たり、普通にびっく...
マガジン、まだ俺は読んでない今週号のそれが、ぼすっと落ち...
「終わって、んだ?」
でも、そんな俺の反応完全無視、して耳元で、こいつは言った。
「終わってん、の?」
「……。」
何がだ。答えはわかってたけど、それに自分で答えたくなくて...
するとこいつは畳みかけてくる。
ドSだな、やっぱり。ホント容赦ないよな、徹底的に追い詰め...
「シンタ君のは、もう終わってんの?」
あ。
「……んじゃ俺、どうしたらいい」
でも、何か。
これ、いつものと違う。
さっきのスタッフに、どうしてもソフトクリームじゃないと嫌...
顔は見えない、だって耳元にくしゃくしゃの柔らかい髪が当た...
その声はでも、無茶苦茶近い。あの声、あの声、あの声だって...
もしかして傷つけてんのかなって思いと、でも傷ついたらそれ...
ちょっと冷めてたかな、俺。そういう意味ではごめん、悪い。
腕で、俺の首と背中を締めてくる。けど怒ってるやり方じゃな...
ほんとに、こんなの初めてだ、色々。
「どーしたらいい」
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